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北海道の交通関係
北海道の交通関係サイト終了のお知らせ
当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました
留萌線を「応援している」とはどういう意味なのか
2021/01/15
留萌線に関しては、沿線自治体とJR北海道の協議が膠着状態になっており、新しい話はなかなか見えてこない部分があります。
そんななかで、JR北海道は2021年3月改正で留萌線の3本の列車を廃止することを発表しました。
JR北海道
来春のダイヤ見直しについて
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201209_KO_kaisei.pdf
留萌線に関しては現行ダイヤの留萌発08:11・13:30の2本、深川発19:22の1本が対象になりました。以前の記事でもお伝えしたとおり、留萌線は現在1日3両の運用にて運行しており、これは増毛まで路線があった頃と変えていなかったのですね。この3本を運休することで、使用車両を1両分を捻出し、より古いキハ40形などを置き換えたいというJR北海道の考えがありましょう。
また、減便による「自助努力」は沿線が言い出した部分でもあります。
NHK 2020年10月01日
留萌線一部存続なら赤字は地元で
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201001/7000025259.html
>非公開で行われた会合で、JRからは、全線を廃線とせず残りの沼田町と深川市を結ぶ区間を存続させる場合はこの区間の年間およそ3億円の赤字を全額、沿線自治体の負担とするよう提案があったということです。
これに対し自治体からは、JRには赤字の自治体負担ではなく無人駅の廃止や減便などの経費の削減で対応してほしいという要望が出されたということですが、合意は得られず協議は継続されることになりました。
もちろん、これはあくまでも深川-沼田を現行の本数残す試算の話ではありますが、JRが今まで通り列車を運行し続けるためには「無人駅の廃止や減便などの経費の削減で対応」は我慢できるという地元の考えがあったという認識には間違いがない話でもあります。
JR北海道の減便の発表を受け、北海道新聞はこのような社説を発表します。
北海道新聞 2020年10月16日
社説)JR減便 縮小の悪循環が心配だ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/471204
>本数は未定ながら、地方路線も留萌線や石北線など6区間で減便する。もともと少ない本数がさらに減り、利便性は損なわれる。
JRは4年前に「単独では維持困難」な赤字13区間を公表した。5区間は廃止・バス転換の方針だが、このうち留萌線など2区間は地元合意が得られていない。
札幌圏ですら減便されることで、廃線圧力は強まりそうだ。なし崩しで廃止されるとの疑念が起きる可能性もある。
何度も当サイトは書きますが、北海道新聞は既に「札幌新聞」になっている面があって、札幌圏での減便より「地方の減便が先」という考えを持っているようにも見えます。
また、地方面では次のような記事を掲載しました。
北海道新聞 中・北空知面 2020年12月12日
JR留萌線3本減便 ダイヤ改正 夕方対象、親ら困惑
(WEB配信無し)
>深川西高に長男が通う沼田町の40代男性は「定期券を買っているので、午後7時の列車が無くなると、部活帰りに1時間近く待たないとならない。子どもの生活にマイナス」と懸念。横山茂町長は「JRには再考をお願いしていたが、変わらなかった。今後利用者の声を聞き、対応を検討したい」と話す。
横山沼田町町長のコメントもありますが、16時台、18時台、19時台、20時台と帰宅時間に運行される列車の間1本を廃止し、2時間も間隔が開くのは確かに大変な面はありましょうが、朝は1便に乗ってきている通学生が4本に分散する結果、1便あたりの利用者が減る面、そして沼田より先の区間はほぼ無人で走ることも推測できる面ではあります。データ上4本で最も利用の少ない列車を対象にした面もあります。
JR北海道
地域交通を持続的に維持するために
留萌線(深川・留萌間) 線区データ
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/5senku/5_03_data.pdf
さらに、年が明けて地方面では以下の記事が掲載されました。
北海道新聞 中・北空知面 2021年01月08日
<揺れる鉄路>「生徒帰宅の足 存続を」 道高教組支部 3首長に要請求める
(WEB配信無し)
>道高教組北空知支部は7日、深川、秩父別、沼田の市役所・町役場を訪れ、深川発午後7時22分発留萌行きの便存続を訴える要請行動を各首長に求めた。
同支部によると、沼田、秩父別両町から深川西、深川東両高へ通学する生徒は計30人。このうち26人が両町から通学する西高は、部活動の関係で同便を1、2年生14人が主に利用。同便が廃止になれば、深川発午後8時13分の最終便を利用するしかなく、部活動にも影響したり、帰宅時間が連日午後9時すぎになったりして、生徒の健康面の懸念が生じるという。
もちろん、列車本数が多いに越したことがないのは事実でありましょう。しかし、列車本数を維持できない状況になっていることもまた、致し方ない面でもあろうかと思うところでもあります。
並行路線バスの減便
深川-沼田には空知中央バスの路線バスも運行されています。この路線バス、過去には運炭路線であって旅客列車のダイヤが制約される留萌線に対して「地域の足」として動いてきた歴史があります。本数も鉄道より多く、多少の運賃の高さはあっても、利便性が勝っていた面があります。・1971年には28往復、日中完全30分間隔
・1981年には21往復、約30分から1時間に1本
・1991年には18往復、約40分から1時間に1本
・1999年には18往復、一部を旭川延長し旭川-深川-沼田便を新設
・2003年には18往復、旭川直行廃止
ずっと、便数は維持されていました。深川からの最終便は19時台、朝も通学可能な時刻を維持していました。
・2008年には13往復、約1時間に1本
・2014年には平日10往復、休日9往復
急激に本数が減少したのが2015年以降です。特に19時台を最終にしていたものが、土曜・休日に減便が行われ、17時台で終了と休日の部活などの対応も難しくなりました。
・2015年以降平日9往復・休日5往復、約2時間に1本
さて、2020年4月のダイヤです。

昨年の4月といえば、コロナ渦、特に4月以降は緊急事態宣言の発令、その前の学校の一斉休校もありまして、バスの需要が激減。空知中央バスも4月25日から一部路線を除き平日も土日祝ダイヤ運行を実施することになり、これは、残念ながら滝川方面への一部通学便を除き解除されることはありませんでした。
結果、2020年12月のダイヤでは、

こうなりました。以前の土曜休日ダイヤを基本に、さらに土曜日曜祝日は最終便を運休し4往復になったわけです。
・2020年12月以降平日5往復・休日4往復
もはや、この本数になってしまいますと通院、所用でもかなり使いにくいことはわかりましょう。朝も8:50深川着では通学には使用できません。並行路線バスが、今や留萌線より本数が少ないという事態に追い込まれてしまっている。ここに危機感は無いのか?ということです。
特に、コロナ渦という形で「事態が収拾すればそのうち戻る」はずだったバスダイヤが、休日ダイヤのまま「確定」してしまっていることに本当に危機感があります。このままダイヤは戻らないのです。空知中央バスとしても、コロナ渦での減収は避けられず、バス乗務員の慢性的な不足もあり、バスを維持できない状況まで陥っていることも伺えます。
しかし、それに対して沼田町が何か声を上げたようには残念ながら見えません。
沼田町
空知中央バス沼田線の冬ダイヤについて(令和2年12月1日から令和3年3月31日まで)
https://www.town.numata.hokkaido.jp/section/kensetu/h0opp2000000crdn.html
随分物わかりが良いですね。「利用者の要望を踏まえた利便性向上のための時刻調整のほか、利用者の減少が著しい路線につきましては、実態を踏まえた便数の見直しが行われています。」ってその説明で納得したのですか?今までもこのバスを使って通学せざるを得ない駅から離れた場所から通学する生徒はいたのではありませんか?また、通院、所用で利用していた住民がいたのではありませんか?
この便数になると、次は「廃止」です。定期的な利用者がいなくなれば、バスはもう維持することができなくなります。多くの人は車を使うので、バスを使うのはほんの一握りの人だけですよというのはわかります。しかし、定住人口を増やそうとしている沼田町に深川あたりへの通勤検討の方が来ないとも限りませんし、札幌や首都圏などからの移住を検討している人は運転免許も持たない人も少なくはないということも踏まえる必要があろうかと思います。
沼田町が「応援」しているのは何?
さて、沼田町のサイトには「沼田町はJR北海道を応援しています」という文言が表示されています。
普通「応援しています」というには、本当に「応援」していなければなりません。例えば北海道日本ハムファイターズのスポンサー契約はこんなメリットがあります。それが「呼称権」です。

つまり、当サイト管理者がどれだけファイターズを応援していても「[サイト名]は北海道日本ハムファイターズを応援しています」とは表記できないのです。呼称権をもつスポンサー契約が必須なのです。今までも当サイトは北海道の様々な交通関係の記載を行っていますが、その中でこのような「○○社を応援しています」等と記載することはしませんし、できないものと考えていました。
沼田町がJR北海道に対して何らかのスポンサードを行っているかは少なくとも町予算からは読み取れません。また、この呼称を行っている自治体が他に無いということは「沼田町が勝手にやっている」可能性が高いものと思われます。このような直接的呼称を一企業に対して行うのは政治的な側面からもあまり良いものではないように思われますが、どうなんでしょうか。
では、沼田町が最近JR北海道に対して行ったことを見ますと
北海道新聞 2020年07月31日
留萌線キハ54形、外装に彩色を 沼田町観光協、8月1日から作品募集
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/445604
>留萌線を走るキハ54形気動車の外装を応募者が独自のアイデアで彩色する「オリジナルデザインコンテスト」を8月に初めて行う。応募作品は町内のJR石狩沼田駅内に展示し、8月31日に最優秀賞1点を決める。
NHK 2020年10月28日
沼田町で小学生がランタン作り
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201028/7000026155.html
>沼田町では、地元のJR石狩沼田駅をハロウィーン仕様に飾りつける催しが行われていて、児童たちが作ったランタンも実際に火をともして飾る予定だということです。
北海道新聞 2020年11月23日
沼田町、留萌線開業110周年事業 石狩沼田駅で乗降客に三線演奏
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/484412
>町は石狩沼田駅で記念事業を行った。町職員やボランティアが特設の駅カフェで町特産のトマトジュースやコーヒーを乗降客にプレゼントしたほか、しの笛や沖縄県の三線(さんしん)の演奏を行い、駅を盛り上げた。
このくらいしか報道に出てきたものは無く、いずれもJR北海道に対して何らかの支援を行ったものではありません。これで本当に「沼田町はJR北海道を応援しています」というスポンサード的な表記を行って恥ずかしくないのか?というと非常に疑念があるところです。
鉄道を本当に残すために、できることは、本当にこれなのか。これが鉄道を残すための最善の策なのか。そして、減便を重ねて住民が利用することが現実的に難しくなった路線バスについて、沼田町はもう少し住民が本当に必要で、利用しやすい交通機関の構築を考えなければならないところに来ていると思います。特に路線バスは待ったなしです。JRより先にギブアップされる可能性もありますし、だからJRがいいと叫んだところで、JRの路線維持問題も待ってはくれません。
もし、今鉄道のバス転換交渉が行われるとすれば、多分現在の本数がベースとなりましょう。2時間に1本です。仮にバスが10往復程度のときに行っていたならば17往復程度、1時間に1本を確保できたのではないか?そんな気もするのです。「沼田町は鉄道に拘った結果、鉄道もバスも失いました」そんな未来にしてはならない。私は地元に住まない以上何とでも言えますが、本来は地元に住む人が、将来子や孫の世代になっても移動することが、通学することができる地域にしなければならないと思うのです。
追記
沼田町のふるさと納税に・■JR留萌本線利用促進事業(充当額 2,023,362円)
というのがありましたので、使途を調べましたが具体的な内容は見つけられていません。昨年度からは独立した項目で集めておられますが、他の自治体でもそうですが「路線名」を騙って寄付を集める。他人の褌を使用して寄付を集め、それを目的外としか思えないような内容に使用することの無いよう、詳しい使途を記載するべきであろうとは思います。
単純な観光ポスターに「留萌本線」と入れてもこの事業に合致はしますが、それは本来留萌本線を入れる必要のない、本来商工費や観光費などを使用して自らの負担で行うべきものと考えます。
自分の町をPRするのに他人の懐をあてにするのは、あまり好ましいとは思いません。
沼田町
ふるさと納税について
https://www.town.numata.hokkaido.jp/section/soumu/ujj7s300000019lf.html
>7.JR留萌本線利用促進に関する事業
具体的事業:JR留萌本線に関するイベントの開催
JR留萌本線に関する周辺環境整備
JR留萌本線に関する情報発信
JR石狩沼田駅周辺環境整備