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北海道の交通関係
2021年3月ダイヤ改正で行われる地方路線のスピードアップ
2021/03/10
目前に迫ったJR北海道のダイヤ改正ですが、減便や特急列車の不定期化、そして駅の廃止などネガティブイメージが大きく、新聞記事等でも、良くは取り上げてくれないだろうなとは思います。
しかしながら、いくつか良くなる面がありますので、その変化を見てみたいと思います。
JR北海道になる前、国鉄時代末期から、いままで、使用車両が大幅には変化していないということがあって、本当に変化が乏しい感があった地方路線。ここにきてやっと、変化を感じられるようになったのは、素晴らしいことだと思います。
では、現行である2020年3月改正と2021年3月改正での時刻の変化を見てみましょう。当サイト内には「駅情報・列車情報」というコンテンツがあります。これは北海道内を運行するすべての旅客列車については情報が入っており、この情報が時刻表の形で表示されています。
宗谷線H100形導入による普通・快速列車のスピードアップ
宗谷線は旭川-名寄のほぼ全ての普通列車をH100に置き換えるとしています。名寄以北で運用されるキハ54の間合い運用以外はH100に統一され、さらに、駅の廃止もありますので、普通列車を中心に大幅に所要時間を短縮する列車があります。●旭川発名寄行き「快速なよろ1号」
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=20310013321D&traindate=2020-03-14

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310013321D&traindate=2021-03-13

この列車は改正前からこの区間の快速列車の最速を誇っていました。
旭川名寄間76.2kmを82分、平均時速55.8km/hで走っていたということになります。駅情報・列車情報の各停車駅の右側は、前停車駅との距離と、その区間の平均時速が表示されています。
新ダイヤでは同じ区間を69分、平均時速66.3km/hで、13分も短縮しています。
ただ、これを見る限り、大きく短縮しているのは比布-和寒の6分と永山-比布の2分。列車の時刻は15秒単位ですので、切り上げ、切り捨てしますので、必ずしも分単位の時刻では計算がズレますが、和寒-名寄に関しては、最高速度の差が5km/h(従来のキハ40が最高95キロ、今回導入のH100形が100キロ)ということもあり、平坦の区間では加速性能が上がったことでの短縮(とはいえ和寒-名寄でも4分短縮できている)に留まります。
しかし、いままで従来のキハ40形があえぎあえぎ登っていた塩狩の峠道の登坂速度を一定確保できることが、最大の利点ということになりましょう。
●旭川発名寄行き普通列車(323D)
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=20310010323D&traindate=2020-03-14

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310010323D&traindate=2021-03-13

この列車は現在のダイヤではキハ40形2両で各駅停車している列車です。新ダイヤでH100形に置き換えられるものと思います。
旧ダイヤでは旭川-名寄を1時間51分かけて走ります。これが新ダイヤでは1時間24分ですから27分も短縮するという快挙です。わずか76.2kmですからね。
ここで注目するのが廃止駅です。この区間だけで5駅が廃止され、加減速時間と停車時間を短縮できます。旧ダイヤと新ダイヤで1駅通過することで4分から2分短縮できていますので、この列車の場合5駅で14分短縮できたことになります。最高速度で走れる距離が長くなるのも意味がありそうです。さらに、塩狩の峠道区間である蘭留-塩狩が9分から6分に短縮されています。これも時間短縮に大きそうです。

旧ダイヤは風連で4分停車してサロベツ2号と交換していましたが、新ダイヤではサロベツ号到着前に名寄に着いていますので、退避時間も無くなります。(ただ、別列車では待避時間が増えているものもあります)
●名寄発旭川行き普通列車(322D)
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=20310010322D&traindate=2020-03-14

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310010322D&traindate=2021-03-13

上り列車も見てみます。短縮幅の大きかった列車がこちら。31分もマイナスです。和寒での交換待ち待避の5分も大きいですが、和寒-塩狩の峠の上りが12分が8分ですから4分マイナス。あとは5駅通過で17分を稼ぎ出しています。
宗谷線に関しては、ダイヤを組む方、急に高性能車が入ってきてうきうきしてダイヤを組んだんじゃ無いでしょうか。わずか76kmで30分も短縮できるって、今までが遅すぎたのもありますが、やはり、凄いことではあります。

(比布駅に停車中のキハ40)
室蘭線H100形導入による普通・快速列車のスピードアップ
今回H100形が導入される区間に室蘭線があります。長万部-東室蘭・室蘭-苫小牧の多くの列車がH100形に置き換えられ、従来のキハ40をほぼ淘汰します。この区間は廃止駅はありませんし、10パーミルを越える勾配区間もありませんので、純粋に車両の加減速性能の比較になろうかと思います。●長万部発苫小牧行き普通列車(471D)
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=20310010471D&traindate=2020-03-14

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310010471D&traindate=2021-03-13

唯一長万部から苫小牧に直通する列車です。全区間で10分の短縮になりますが、区間で見ますと長万部-東室蘭で9分、東室蘭-苫小牧で2分の短縮となります。駅間1分程度でこつこつと短縮していく、そんな感じが見えます。キハ40でも機関更新改造車だけで運用されている室蘭地区でここまで意味があるというのも凄いですね。
ちなみに、キハ143で運行される2823D(室蘭-札幌・新ダイヤから東室蘭-札幌)と比較すると、最高速度が110キロであるキハ143で駅間の比較的長い区間で短縮しているのがわかります。H100形が必要性がないということで高速側の性能を制約されたのかはわかりませんが、ちょっと惜しいなぁって感じはいたします。
なお、区間と駅間が短い室蘭-東室蘭も1分程度の短縮がありますので、加減速性能が改善されるということはいえましょうね。

(苫小牧駅で並ぶキハ143とキハ40・キハ40は日高線の運用である)
今後室蘭-苫小牧は2両編成対応のワンマン電車を導入するという話は聞こえていますが、これが現状の札幌圏の普通列車用車両同様最高速度120キロであるならば、普通列車でも東室蘭-苫小牧で1時間を切ると思われますので、場合によっては運用効率化による増発なんかも期待したいところではあります。
そう思うと、H100形が最初に導入された函館本線長万部-小樽ですが、ほとんどダイヤが変わっていないのは概ねキハ150で走行するダイヤだったことが大きいのかもしれませんが、キハ40も入っていましたので、そのあたり改善可能なのでしょうかね?
なお、当サイトの時刻表データーは改正前に一定の整備が終わりましたので、改正日から新しいデータで提供の予定です。

(旭川運転所に配属されたH100)