北海道の交通関係

札沼線代替バスにちょっとだけ乗ってきました

2021/03/16

2020年4月17日の運行をもって、鉄道としての運行を休止、そして5月6日付けで廃止となった札沼線北海道医療大学-新十津川間。当サイトでは、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令もあり、廃止後に少しずつ訪問し、踏切等の設備を記録していたところです。
代替バスに関しては、いくつかの区間に分けて昨年利用してみていますが、通しで乗ったことが無かったので、今回、運行1周年を前に乗車してみようと思い立ったのです。

札沼線代替バス運行の概要

石狩当別駅-月形駅・月形駅-浦臼駅の2つに別れている札沼線代替バスですが、その運行開始は、鉄道の運行休止より先である2020年4月1日でした。

●石狩当別駅-月形駅
路線名称・愛称:月形当別線(とべ~る号)
運行会社:下段モータース(当別町)
車両:2台(日野ポンチョ1台・トヨタハイエース1台)
運行本数:9往復
運賃:当別町内-200円、月形町内-200円、両町を跨がる場合-400円(町境一部区間-200円)

●月形駅-浦臼駅
路線名称・愛称:月形浦臼線(かばと~る号)
運行会社:美唄自動車学校(美唄市)
車両:1台(トヨタハイエース1台)
運行本数:5往復
運賃:月形町内-200円、浦臼町内-200円、両町を跨がる場合-400円(町境一部区間-200円)

運賃は両路線を乗り継ぐ場合乗り継ぎ券を発行し、月形町内で下車の場合は乗り継ぎ券のみで下車ができる。バスを乗り継いで3町を跨がって乗車した場合は600円となる。(当別ふれあいバス・中央バス路線等は対象外)

なお、浦臼駅-新十津川役場-滝川ターミナルは北海道中央バスの滝川浦臼線既存バス路線を使用し、特段のバス路線は開設されませんでした。なお、その滝川浦臼線も新型コロナウイルスによる減便が行われ平日4.5往復、休日4往復という運行となっています。


札沼線札幌-北海道医療大学

電化区間として比較的本数を確保している札沼線の運行区間ですが、2020年3月改正と5月改訂、2021年3月改正で一部の列車を北海道医療大学へ延長し、月形方面へのバスとの接続を改善しています。また、北海道医療大学駅に大規模な駐車場を用意し、ここから鉄道を利用できる体制も整えました。

北海道医療大学駅は、2番ホーム(既存の折返しホーム)に改札機と通路を増設し、バス待合室、スロープ、バリアフリートイレも整備しています。あくまで個人的な印象ですが、住民こそほぼいないものの、国道側への駅出口、駐車場整備も行った方が良かったのではとは思いますが、このあたりは当別町の考えなのでしょう。


札幌からの札沼線列車

さて、札幌駅から列車で北海道医療大学に向かいます。30.5kmを約40分から50分程度で走り、運賃は750円です。乗車した列車は石狩当別は9:37着。ここで下車しても9:30発の月形行きには間に合いません。しかし、北海道医療大学駅まで乗車すると9:49発のバスに7分の接続で月形行きに乗り継ぐことが可能です。この列車は昨年5月に延長運転することになった列車になります。
これは代替バスが当別町の施設を循環することで直線的に運行される鉄道に比較して多く時間がかかることから、鉄道とバスの乗り換えを北海道医療大学で行うことにしているためで、おおむね15分以内に乗り継げるように時刻が設定されています。


乗車した電車は北海道医療大学の1番線に到着。このホームは以前月形方面へ直通できる唯一の線路でありました。前方には背丈以上の雪で行く手を遮られています。廃止になったことを実感できるところです。


石狩当別までは、若干の利用客がいた日曜日の列車ではありますが、北海道医療大学で降りたのは私を含めても2、3人で、大学の学生が使わなければこんなものです。

整備された北海道医療大学駅バス停留所と待合室


北海道医療大学駅は出口を駐車場側にも増設。ここは医療大学関係者用駐車場として使われており、それを拡幅し一般駐車が可能な形に再整備しています。バス停と待合室、そしてバリアフリー対応のトイレをここに設置しています。



(北海道医療大学駅に設置された待合室、別通路の改札機、車椅子スロープ。別日に撮影)


月形当別線(とべ~る号)

さて、しばらく待っていますとバスがやって来ました。

真っ白な中型バスで、「月形・当別線」のステッカーが貼ってあります。当別と月形の路線はポンチョ1台とハイエース1台ですから、整備の場合代車として他路線用の車両を運用しているようです。窓から見える車内には10人程度と思ったより乗っているが、降りてくる人もいる。あれ?と思ったら当別行きの便で、4人ほど降りてきました。札幌方面に向かうにはここで列車に乗り換える方が便利です。
当別行きのバスを見送ったら後ろにハイエースがやって来ました。

車内は0。誰も乗っていません。14人乗りのハイエースコミューターなので、ハイエースとは言ってもれっきとした「バス」になります。運転席と助手席を除けば12人乗ることができる車両になります。


凄く狭いとは感じませんが、やはり天井高さと窓の大きさに制約がありますので、少し車内が暗めに感じます。
それにしても、当別町内のスーパー等を巡回してきたバスが、鉄道との乗換を考慮した北海道医療大学駅を出発した段階で乗客0は、もう乗ってくる可能性はほぼありませんので、ちょっと厳しいですね。当別9時半という時間帯は鉄道時代に存在しない便ではありましたので、もともとあまり需要のない便とは言えるかと思いますが、札幌側からの観光などに期待するなら必要な便ではありますので、痛し痒しではありましょう。

バスは少し遅れて北海道医療大学駅を出発します。道路事情は悪くなく、渋滞もしませんので、途中早発する可能性もありましょうから、拠点停留所を少し遅れて出すというのは地方バスではよく見る光景です。

旧線路沿いを走り、石狩金沢駅のあった付近を走っています。バスの車窓はうずたかく積まれた雪ですが、約1年半前はこんな感じで列車が走っていたところです。


国道へ合流しますが、お客さんは乗ってきません。ほぼ制限速度で走るバスに対して、無理な追い越しをかける車も少なくなく、適時バス停に停まり後続車に道を譲ります。それが出来る程度には余裕のあるダイヤで、冬期でも遅れは少ないかもしれません。

月ヶ岡駅では一旦駅ロータリーに入り停車。夏季は駅舎内には地域の障害者福祉施設による売店が開かれていますが、今はトイレ施設くらいしか使えないでしょう。一応はトイレ休憩の意味もあるのかもしれません。
停車中に運転手さんに雪の量について聞きましたが、今年は本当に雪が多く、吹雪にも見舞われて大変だったとの感想でした。鉄道時代は悪天候の運休も少なくない路線でしたが、バスの運休本数は報道を聞く限り少なかったように見えます。

バスは月形の市街地に入り、月形高校の敷地内で転回します。転回できるスペースは決して広くなく、ハイエースでもちょっと大変そうです。定刻に月形駅に到着です。



石狩月形駅舎はそのままバス待合室として転用されています。

部屋を区切り、待合スペースには暖房が入っており、旧改札側は「自由通路」として運用されています。車こそ通れませんが、駅の西側から市街地へのアクセスが改善しています。ただ、将来的には道路として車を通行できるようにしたいだろうなぁとも見えなくもありません。
ホームなどの鉄道施設は一定残っていますが雪の中です。


さて、運賃ですが、1町内200円を基本にしており、当別町内から月形町内まで乗り通すと400円、そしてバスを降りる時に乗り継ぎ券を発行して貰えば、乗り継いだ先のバスが月形町内分の運賃200円引きになります。回数券は月形当別線、月形浦臼線の2路線に有効で11枚綴りで2000円となります。回数券でも乗り継ぎ券を発行して貰えます。
なお、当別-月形は約20km、本来路線バスだと750円程度(岩見沢-月形がほぼ20kmである)になろうかと思いますので、大幅に運賃を割り引いていると言えましょう。JRでしたら540円というところです。
運賃を安くする理由は、バス側に両替機や大幅なシステムを入れたくないこともあろうかと思いますし、もはや運賃での黒字化は見込めないこともあり「コミュニティバス」であるという面もあるのでしょう。現実的にハイエースで走るということは、10人以上が1便に乗ることはほぼあり得ないと認識してるわけですから。


月形浦臼線(かばと~る号)

待合室で休んでいますと浦臼からのバスが定刻で到着しました。下車したのは高校生らしき方1名で、何やらバスや駅舎の写真を撮っておられます。地元の子ではなく、バスに乗りに来たんでしょうか。

さて、浦臼行きと月形行きは10時40分同時発車なのですが、39分になってもバスが来ない。私もそうですが、高校生らしき方も、駅舎とバスの写真を撮りたいと思っていたと思われますが、停留所にいないで通過されても困ります。結局バスは「30秒前」にやって来ました。写真のタイムスタンプは10時39分37秒です。月形行きはその後ろに来ました。


浦臼行きも月形高校を経由し、さらに町立国保病院の前を通過、月形温泉の敷地内にも入りますが、やはり誰も乗ってきません。月形町民が国保病院や月形温泉に行くことを検討するなら、バスが直通していた方が便利と思いますが、この形になっているということは、バスでの通院はあまりないとも言えましょう。

この区間は比較的最近までジェイアール北海道バスのバス路線があったので、概ねバスベイも整備されていますので、乗降はないものの、停留所に停まり、道を譲ります。

暑寒の山々を見ながらの道中ですが、ここら辺まで来ると雪の量が大幅に少なくなりますね。

月形-浦臼は約16km、本来路線バスだと650円程度、JR運賃は440円ですが、ここも、運賃は400円、当別町からの通しですので600円で済んでいます。


こちらも定刻で浦臼駅に到着です。車両と運転手さんは駅の横で休憩するようです。月形浦臼線は1両が往復する運用ですので、午前と午後で運転手さんは交代するのかもしれませんが、車両は往復になります。整備の時は代替車が配車されるのでしょう。



さて、この先ですが、月形浦臼線と中央バスの滝川浦臼線はてきめんに接続が悪く、この先には進めなさそう。さらに、奈井江駅までの町営バスも土日は運休、タクシーもお休みなので、ここからの手段はもうありません。(乗合タクシーはありますが、基本町民利用前提と思われます)

飲食店なども日曜休みのこともあり、ただ、戻るだけの形になります。

なお、帰りは、札比内で高齢女性1名が乗車、そのまま月形当別線に乗り継ぎ、当別町内のスーパーアークスで下車されました。また、中小屋で1名高齢男性が乗車、当別市街地で下車され、私の利用便で見かけた利用客は2名だけ。

もちろん、休日でありますので、実態を見るには問題がありますが、それでも、なかなか厳しいよなぁというのが伺えます。


浦臼・月形・当別の相互利用

当別町は2018年に街にあった唯一の総合病院が閉院し、休日、夜間の救急医療は江別市にて対応しています。小病院はあるものの、手術などに対応する病院が当別に無いという面では、月形などの町民が当別を訪れる理由が(ほぼ)ないことになります。

月形町内には大型スーパーは無く2018年にホームセンターと食品スーパーの合造店ホーマックニコット月形店がオープンし、基本的な食品の購入は問題無いのですが、生鮮食材や衣料は2019年に改装した当別のスーパーアークスが最寄り、その関係もあってバスがアークスを経由することになります。当別のアークス付近には2016年に開業したコメリパワー当別店があり、買い物は車という地域であるのは疑いもありません。20kmは20分で行けるところ、これが制限速度60キロの国道の標準的な時間感覚です。なかなかバスを利用できない、買い物の時間の制約、医療との連携(病院ついでに買い物)も現実的に難しいのです。

浦臼に関しては、域内に食品買い物ができるのは2018年に改装したAマートと2019年にオープンしたローソンのみ。商圏としては滝川に分があり、滝川の大型スーパー利用が多かろうことはわかります。

滝川に近く、浦臼側に用事が基本的にない新十津川はともかく、元より3町とも相互の行き来は決して多くないのですね。鉄道の代替とはいえ、行き来の無い地域ですから「ハイエース」を選択せざるを得ないほど利用が少ないということがわかっていた。

そう思うと、なかなか先行きも厳しい路線だなと思うところです。JR北海道からの支援金で20年運行は可能ですが、多分その間に1回車両を代替し、20年後、この路線は維持できるでしょうか。維持できずJR批判したところで、ハイエースで済む客数を鉄道で運ぶことを是とはできないでしょう。

色々考えさせられる小旅行でした。なお、沿線の店の関係もありますので、休日は避け、平日か、土曜の訪問をオススメします。



(帰りの月形当別線は朝見かけた中型バスでした。さすがにバスとハイエースには室内空間に大きな差があります)




北海道の交通関係 JR北海道 札沼線

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