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北海道の交通関係
さようなら日高線(鵡川-様似)その3(バス本数と報道)
2021/04/06
今回、JR日高線の廃線に伴い、JR代行バスと既存路線バスを統合した形で再編し便数を抑制する形となりました。単純な便数だけを記事にすると約27%もの便数削減が行われますから、相当に利便は落ちるだろうと考えるのが普通です。
なお、前回同様「代行バス」は3月31日まで運行していたJR北海道日高線の鉄道代行バスを指します、「代替バス」は4月1日から走り出した日高線代替の路線バスを指します。
前回の記事
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1034
苫小牧民報 2021年04月01日
JR日高線 鵡川―様似間が廃止 84年の歴史に幕 路線バス運行開始
http://www.hokkaido-nl.jp/article/21268
>7町やバス事業者で新しいバス路線の調整を続け、2月に概要を公表。苫小牧―えりも間で1日1往復の直行便を新設したほか、通院や買い物客向けに停留所を10カ所増やした。平日の運行便数は134便から98便に減少する。
記事は数字的な要素が無ければ成り立ちませんから、10カ所の停留所の増加があったとしても、便数の減少のほうが話題性としては高くなりますね。
NHK 2021年03月31日
JR日高線 鵡川〜様似間 1日バスに転換 廃止惜しむ声
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210331/7000032407.html
>町内の高校に通う女子生徒は「代行バスは本数がたくさんあり通学で使いやすかった。これから少し不便になります」と話していました。
このような声もあったようです。これが本当でしたら、日高の沿線自治体が「通学の利便向上!」などと広報した内容が大間違いということになりますから、大問題になるはずです。
代行バス・路線バスから代替バス便数・時刻を比較してみる
ということで、あくまでざっとした形ではありますが、本当にJR代行バス+路線バスの方が利便が高かったのかを検証してみようかと思います。なお、JR代行バスを利用できるJRの定期では沿線路線バスは使用できず、逆もまたそれが当てはまります。●鵡川-静内(富川・静内に高校あり)

時刻表は「駅」を基準に記載していますので、かならずしも駅前にバス停が無い場合もありますし、富川市街地など、同じ停留所の時刻ではないものもありますので、加味してご覧ください。白地になっているのが3月までのJR代行バス、路線バス。緑地になっているのが4月からの代替バスです。
・富川高校への通学便
富川高校へは振興局跨りの学区の問題で基本的に静内側・平取側からの通学しかありません。今までは静内側から代行バス2226便で7:55に富川駅着で、この便は時刻表上非公示でしたが富川高校へ乗り入れていた通学対応便です。
代替バスでは静内発が8分遅くなり、富川高校8:02着という形で運行されますので、特段の問題はなさそうです。なお、ひだか優駿号は富川大町8:03でしたが、この便が停車する富川大町バス停から高校まで約2㎞あり、この便での登校は通常は使用できないものと思われますので、代替バスでの考慮はされていません。ひだか優駿号は4月以降予約制となり土曜休日運行、時刻が変更された上、途中停留所での下車ができなくなりましたので、この時刻表にも掲載していません。
・富川高校からの帰宅便
こちらも代行バス2233便が富川高校へ乗り入れていた通学対応便となります。同様に代替バスも15:40、16:35、18:15の3便を富川高校経由として通学利便を図ります。最終便となる富川市街20:36の便だけは国道まで歩く必要がありますが、帰宅便もJR代行バス同様4便を確保したといえます。
富川高校に関しては、一応は3月まででも路線バスでの通学も(富川大町-高校までの約2㎞の徒歩があるが)可能でしたが、帰宅便として使用できるのが1便しかないこともあり、この便での通学の可能性は無いものと思われます。(当サイト管理人が過去に使用した際も学生を見かけていない)
なお、JR北海道は日高線の代替バスを駅と何の関係もない富川高校・静内高校に乗り入れ、通学便宜を図っていたことは、時刻表に掲載されませんので多くの方が知らなかったことと思われます。現実に当事者だけが知っていれば困ることもありません。
・静内高校への通学便
鵡川方から静内高校への通学は、先ほど述べた通り日高町内の富川地区より北側からの通学は考えなくてもいいことになります。このため、代替バスでは富川高校前を始発とする静内高校直通通学便を運行することになります。これは代行バス9221便とほぼ同じダイヤで富川発が10分遅くなり、直接静内高校まで運行されます。なお、3月までの路線バスでは富川方から静内高校へは通学はできず、代行バスは駅しか停車しませんから、目の前の停留所をバスが通過しても駅まで徒歩で向かう必要があったものが大幅に改善されることになります。
・静内高校からの帰宅便
静内16:10・18:25・20:00と3便の帰宅便が運行されます。3月までは静内をわずか3分差で路線バスと代行バスが走るダイヤでしたので、減便されたといっても、その重複分がなくなっただけで、概ね同様の時間に帰れるように見えます。気持ち的にはもう1便くらいあって1時間に1本ペースで帰宅便があればいいなとは思うところではあります。
なお、静内農業高校は、静内(旧駅)から学校までスクールバスでの送迎となります。
・苫小牧方面への通学便
静内5:20という始発便は代行バスと同様ではありますが、乗り継がず苫小牧駅に7:35着となります。これは鉄道乗り継ぎ時代の7:42着より早く到着し、非常にうまい設定を行ったなと思います。実際に苫小牧市内に通学する生徒にとっても、自宅から「駅」まで行く必要が無く最寄りのバス停から乗車可能となり、なおかつ鵡川での乗り継ぎも無くなったというのは喜ばれるのではないでしょうか。
・苫小牧方面からの帰宅便
16:50・19:15の2便を設定しています。これも鉄道での乗り継ぎ時代と特段時刻的な変化はなく、むしろ鵡川で乗り継ぐことなく直行できるメリットを感じられるものと思います。ここも時刻的にうまく設定したなと思うところです。
・その他
静内への通院・買い物などに対応した便は、厚賀始発便を富川始発に延伸するなどの配慮が見られます。また、帰宅便もおおむね不便なく利用できそうには見えます。
苫小牧方面への通院、買い物便も午前中におおむね1時間おきに出発でき、帰りも診療終了時間をそれほど気にせずに帰れそうな時刻設定とは思います。今までの路線バスがわずか3本だったのを思うと大きな変化と言えましょう。
その代わり、鉄道と乗り継ぐ意味は無いので、苫小牧-鵡川の利用者数には大きな影響が出るものとは思われます。
鵡川-静内間に関しては代行バス・路線バスの合計34便が23便になり3割以上の減便となりますが、より地域の利用に振った形で改善した結果にも見えます。しかし、富川高校通学者はともかく、静内高校通学者にとっては帰宅時間に「便利になった」とも実感しにくいダイヤにも見えます。
とはいえ、今までJR定期では乗れなかった路線バス、逆もまたあり、現金などで便宜的に乗ってた方もおられたと思えば、概ね利便を感じることができるレベルに抑えられたようにも見ることができるかもしれません。
●静内-浦河(静内・浦河に高校あり)

・静内高校への通学便
JRの代行バスは2018年から様似・浦河からの静内高校通学便を交互通過させ速達化を図る運行を行いました。これにより、25分近くの高速化を行い、通学生の声に応えた形です。代替バスもこの形を踏襲し、急行便として運行される便と、普通便として運行する便を分け、さらに普通便の到着時刻を早めています。ただ。代行バスに比較すると5分程度設定時刻が早くなっており、これは停留所を「通過」でとらえるか「停車」でとらえるかの会社間の違いかもしれません。また、代行バス同様静内高校に直接入る運行となります。
・静内高校からの帰宅便
静内16:15・17:15・18:30・20:00と4便の帰宅便が運行されます。朝同様に帰りも急行便が設定されましたので、概ね代行バス同様の時間に帰れるように見えます。こちらは16:15の便が設定されたことで、4便を帰宅に使えるようになり、利便性が上がったとも言えます。
・浦河高校への通学便
概ね代行バスと同じ時刻に代替バスが設定されました。静内6:45発の老人ホーム行路線バスでの通学者が今までどのくらいいたのかは気になるところで、この便を使う人が仮に多かったならば大幅に時刻が繰り上がることになります。ただ、もとより旧三石町地域より浦河高校への通学者はあまり多くはなかったとは推察できますので、設定されなかったということは、あまりいなかったといえるかもしれません。
表記にはありませんが上野深・荻伏からの町内完結のジェイ・アール北海道バスもあります。
・浦河高校からの帰宅便
東町16:02・17:11・18:30・19:17と4便の帰宅便が運行されます。また、町内路線として16:21・18:01・18:56と便がありますので、比較的潤沢な運行は確保されているといえます。旧三石町方面から通学している方にとっては、代行バスより代替バスの最終便が約50分早くなるのは喜ばしくないことですが、それも含めて、旧三石町・静内町地域から浦河への通学は少ないと踏んでいるように思われます。
・その他
静内への通院・買い物などに対応した便は、今回変更が無かった三石温泉からの便を除けば、通学便での対応になろうかと思います。また、既存バス路線から比較すると日高東別や蓬栄、本桐地区を経由する便で時間がかかっており、国道を直行する便と分けられないために、嫌がられる面はありそうに思います。かといって、便数を確保できるかというと、そこも厳しい選択になります。
苫小牧方面へは、新設される「とまも号」が利便が高く、苫小牧着も病院通院によさそうな時間になりますので、一般路線バスの乗り継ぎは考慮していないものと思われます。
また、地域の拠点病院である浦河赤十字病院への通院でも、通学便に乗るしかなく、次の便では10時半過ぎとは遅すぎます。せめて朝にもう1本、帰りの夕方15時台にもう一本運行できないかとは思うところです。
静内-浦河間に関しては代行バス・路線バスの合計28便が19便になり3割以上の減便となります。国道から離れて日高線が経由した日高東別、蓬栄、本桐地区をどのように結ぶかは難しい選択です。廃線跡の道路化などのインフラ整備にもよりますし、場合によっては国道経由をメインにして内陸部はデマンド運行なども将来的に課題となるような気も致します。この区間に関しては胸を張って素晴らしく便利になりましたとは言いにくい面があるかもしれません。
また、道南バスとジェイ・アール北海道バスが走る区間になり、定期券は共通化されますが、乗車カード、回数券は共通化されません。これに関しても共通回数券などの施策が望まれます。
●浦河-様似(浦河に高校あり)

・浦河高校への通学便
もともと様似地区から浦河へは鉄道代行バスを使用していませんでしたので、今まで通りの時間でそのまま代替バスで通学する形になるかと思われます。
・浦河高校からの帰宅便
時刻が少し偏っていたのを均す形で16:39・17:19・18:19・19:19・20:24・21:54と概ね1時間の間隔で帰宅便を選べるようになりました。最終便もこれまでの代行バスより遅く、定期は路線バスのものだったと思いますので、代行バスは別料金ですから、遅くまで部活などを行う生徒にとって朗報でしょう。
・その他
この区間は日中の運転間隔も約1時間おきと頻発した形になり、利便が上がったと感じられる部分ではないかと思われます。様似には高校が無く、確実に浦河への通学が必要という面も含めて、様似にバス営業所があることがプラスに働いている形が見えます。
通院なども地域の拠点病院である浦河赤十字病院がバス停留所と近く、いい時間に着けるダイヤも、今までの実績を見ての設定に見えます。
浦河-様似間に関しては代行バス・路線バスの合計37便が28便になり2割5分の減便に留まり、おおむね重複時間を削除し等間隔ダイヤを実現しようという努力が見えます。
先のNHK取材に答えた高校生は静内だったようですが、あくまで地域に住まない私が確認した限りで、代行バスより極端に不便になる状況は静内地区に関しては見えないように思えます。ただ、乗るピンポイントの便が時刻変更しただけでも不便を感じるのは事実です。
駅にしか停車しない代行バスに対して、各停留所が使用できる代替バスの利点と、会社関係なく利用できる面を含めますと、実際に利用してみて、よかったなと思ってほしいし、そうなるべく各社と地元自治体が協議したものと思いますので、運行開始後に、改善もしていく必要はあるものとも思います。
廃止前後の報道と、沿線町コメント
北海道新聞 2021年04月01日
思い出詰まった116キロ終着 日高線主要駅 最後のにぎわい
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/528090
>様似駅も終日にぎわった。札幌から車で来た田村毅さん(79)は、道内の鉄道の写真を撮っており「海岸と線路が一体となっている風景は道内でも珍しく、廃線は残念」
NHK 2021年04月01日
JR日高線 鵡川ー様似間 代行バス最後の運行を住民が見送る
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210401/7000032432.html
>31日夜、様似町の様似駅では、地元の有志が代行バスを見送るセレモニーが行われました。
この中で様似町の坂下一幸町長は、4月1日から地元のバス会社が運行を始めることから「住民の皆様には新たな転換バスのご利用をお願いしたい」と述べました。
北海道新聞 2021年04月01日
日高の「足」永続誓う 転換バススタート
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/528408
>セレモニーは苫小牧行きとまも号の静内到着に合わせ午前7時18分から行い、7町長と北海道運輸局室蘭運輸支局長、バス運行担当2社やJR、道の幹部ら計約20人が出席した。日高町村会長の坂下一幸・様似町長は「(転換バスは)ゴールではなく、公共交通がより良いものになるためのスタート」とあいさつした。
朝日新聞 2021年04月01日
さよなら日高線 「昔のにぎわいが…」感謝のセレモニー
https://www.asahi.com/articles/ASP306QS9P3ZIIPE010.html
>最後には、19時47分発の静内行きのバスの最終便を見送った。セレモニーを企画した、地元で時計店を営む笹島秀則さんは「日高線がなくなるのは寂しいが、私たちが車に頼り使わなくなったのも廃線につながった。この町には鉄道があったことを、若い人たちに伝えていきたい」と話す。
日本経済新聞 2021年04月01日
日高線の鵡川―様似間が廃止、地元首長「断腸の思い」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC010VI0R00C21A4000000/
>セレモニーで日高町村会長の坂下一幸・様似町長は「運行再開を望んでいた地元の強い願いもかなわず、鉄道の廃止を迎えることは断腸の思いだ」とあいさつ。「これからの日高地域の広域公共交通が、真により良く便利になるための新しいスタートだと信じている」と話した。
HTBニュース 2021年04月01日
JR日高線の「鵡川ー様似」代行バスも終了
https://www.htb.co.jp/news/archives_10996.html
>【様似町長】
「より良く便利になる為の新しいスタート」
「私も歳ですから札幌の病院、苫小牧の病院を利用するときは是非バスを使いたいなと思う。」
ただ今回のバス転換で地元の高校に通う生徒たちは複雑な思いを抱えていました。通学時間帯のバスが新たに増えるなど便利になる一方で定期代がJRからバス事業者に代わったことで大幅に高くなりました。
区間によってはこれまでの2倍以上になるといいます。
【学生は…】
「きのう3か月定期買いに行って7万くらいしてけっこう高かった」
JRはこれまで定期券を使っていた2、3年生には卒業までの差額を補填するとしていますが新入生から新たな料金が適用され負担が増えることになります。
日高報知新聞 2021年04月02日
JR日高線廃止に伴い、日高地域広域公共バス「とまも号」運行開始 記念セレモニーなど実施【新ひだか】
http://www.hokkaido-nl.jp/article/21272
>日高町村会長の坂下町長はセレモニーで、「鉄道が運休して以来、多くの人に大変なご不便をおかけした。鉄道運行の再開を望んでいた強い願いがかなわず、約6年間運休のまま廃止を迎えることは断腸の思いです。今まで鉄道を利用した方々の思いや地域住民の生活を支えてきた鉄道だけにさまざまな思いが交錯します。これがゴールではなく、これからの日高地域の広域公共交通が、より良く、便利なものになるための新しいスタートだと信じている。住民の方々には、このバスが長く持続していけるように、何度も何度もご利用いただくようお願いしたい」とあいさつ。
来賓で路線を認可した北海道運輸局の鈴木康治室蘭運輸支局長は、「路線の変更や延長、バス停の増設や見直し、新設便の投入などを行い、以前より利便性が向上しており、換気性能も優れており安心して乗車いただきたい。これから広域での地域公共交通計画の策定やさらなる利便性の向上と持続可能な交通体系を目指していただきたい」とお祝いの言葉を述べた。
北海道新聞 2021年04月02日
転換バス出発、期待と不安 日高線鵡川―様似廃止 「乗り換えなくて楽」「先細りしかねない」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/528755
>セレモニーは午前7時18分、苫小牧行きのとまも号の静内到着に合わせて行い、7町長と北海道運輸局室蘭運輸支局長、JR、道の幹部ら約20人が出席した。日高町村会長の坂下一幸・様似町長は「(転換バスは)公共交通がより良いものになるためのスタート。住民には永続のため、何度もご利用をお願いしたい」とあいさつした。
転換バスへの住民の受け止めはさまざまだ。夫の通院で苫小牧まで付き添っている新ひだか町の80代女性は「バスが頼りになるので、息長く運行してほしい」と期待した。
滞在先の苫小牧からこの日、とまも号で日高管内浦河町の自宅に戻った本山晴美さん(71)は「代行バスと違い、途中乗り換えがなくて楽」と好意的だ。ただ、苫小牧行きの浦河発は午前6時24分。「朝早くて利用は大変」と改善を望んだ。
昨年11月に解散した住民団体「JR日高線を守る会」の代表だった新ひだか町の主婦村井直美さん(51)は「7町の協議会が今後、バス運行の見直しを検討する際は、通学に使う高校生の保護者や通院する高齢者なども交えるべきだ。住民の声を聞かないと、転換バスも先細りしかねない」と訴えている。
ざっと報道を追いましたが、肝心なところを取材しているメディアは残念ながら少なく思います。郷愁の部分ももちろん大事ですが、これから代替バスがどのように利用されていくのか、また、より利便を上げるにはどうすればいいか、そんなあたりの必要性もあります。
HTB記事ですが、すでに記事の映像は見えません。当サイト管理者が録画で見た限り、富川大町-静内の定期を持つ生徒の例が出ていました。彼女はバス定期代が3か月で7万円くらいしたとしています。バス運賃は860円、JR運賃は970円です。JRの通学定期運賃は1か月12,630円、3か月36,140円、対するバスの場合26,160円、3か月だと70,630円ですので、たしかに7万円は間違いありません。
しかし、あれ?彼女は3月までの鉄道定期を持っていますので、JRの補償が受けられるはずなので、その差額はどのような形で戻るんでしょうか?
また、新入生に対する補助が無い件は、日高町が富川高校の生徒に関しては「学校の存続のための支援」として定期券補助を行っていますので、「他の地域に行く子」への支援をしないという意味になります。先の記事でも記載しましたが、新ひだか町民の高校生が、地元高校に入学すると定期券全額が補助対象です。どこに住むかで「教育の値段」が変わるのですね。
高校への通学定期券の問題は、どこの地域でも出ているもので、JRの定期運賃が異常に安いことがあります。1か月でも7日通えば定期の方が安い、3か月なら20日も通わずに元が取れるという状況で、この運賃で一般の路線バスが運営することは無理でしょう。
鉄道沿線に住めば安い運賃で通えるのに、バス沿線なら同じ教育を受けるのに大きな負担の差がある。このあたりはいままで無視されていたところではないでしょうか。以前も書きましたが、大手私鉄の東武鉄道の通学定期で計算すれば、この距離なら1か月わずか5,220円です。
あとは、呪うなです。バスになって不便になった不便になったと「乗らない」人が言い続けることで、どれだけ自分にとって利便が高い乗り物も「自分は不便な乗り物に乗っている」にされてしまう。これは巡り巡って地域への定住者の問題にも繋がります。
地域に定住し、地域が便利な交通網を作ったんだという自信があるなら、胸を張って、この素晴らしいバスに乗ってくれ!というべきなんです。呪うな乗ろう。これが大事なのではないかと私は思うのです。
次回の記事
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1036