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北海道の交通関係
さようなら日高線(鵡川-様似)その4(そして未来へ)
2021/04/07
当サイト管理人は2月27日、そして3月27日に日高線廃止区間の設備を確認したく、現地に訪問しました。
各駅には多くのファンが名残を惜しむかのように写真を撮られ、駅で切符を買われていました。特に窓口の営業日や営業時間が短い浦河駅では、束になるほどの切符を買い求める客も見ておりまして、窓口が列ができているような状態でした。
前回の記事
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1035
鉄道としての営業はしているものの、列車の走らない路線であった日高線ではありましたが、ファンにしてみれば、代行バスによる車窓の変化や被災箇所等も見られますし、列車とはまた違った視点での楽しさもあったように思います。
札幌からですと比較的近いこともありますし、JR北海道が土日祝日に発売している「一日散歩きっぷ」のエリアにも入っていますから、単純にお手軽な往復もできた面はあります。
クルマでの日高線アクセス
ここ数年、列車の走らなくなった日高線に関しては、興味深く各種設備を見て歩いていました。しかし、3月30日の昼頃、ふと思い出したことがありました。日高線は昨今、設備ばかりに目をやって、新冠町の節婦駅の駅舎写真が見当たらないことに気がついたんです。4月以降に訪問の予定がありましたが、駅舎やホームには立ち入れず、駅名標なども撤去されると思われましたので、この時間でも思い立って車で出かけることにしたわけです。(ちなみに在宅勤務中で、パソコンと通信機器を持ってです)
●札樽自動車道・道央自動車道均一区間(約18.4km W10.5-札幌JCT-S7.9)420円
時間は12時半、バッグに機材を持ち、クルマに放り込みエンジンをかけます。最寄りである新川インターチェンジから高速道路です。この区間は普通車420円で均一区間となります。なお、休日だと290円ですから、結構使っちゃいますね。
札幌には都市高速道路はありませんが、この道路が市内の渋滞を避けながら郊外に向かう道路となります。ほぼ高架の区間で、路肩が狭く、最高速度は80キロに制限されています。
札幌南インターチェンジに隣接する札幌南本線料金所までの所要時間はわずか15分。これが、一般道でしたら45分で行ければ御の字と思われます。まだ休み時間も終わっていません。
●道央自動車道札幌南-苫小牧東本線料金所(約39.2km S7.9-苫小牧東IC S47.0)1,390円
ここからは100キロ走行が可能な高速道路となります。日中ということで空いており、自分の車のオートクルーズ機能を最大限に活かして100キロ固定として走ります。約24分で苫小牧東インターチェンジに入ります。このインターチェンジに隣接して日高自動車道の苫小牧東本線料金所があります。ここでは日高道の沼ノ端西インターチェンジまでの料金を支払うことになります。
●日高自動車道苫小牧東本線料金所-日高厚賀(約59.9km)0円
さて、日高自動車道は苫小牧東本線料金所-沼ノ端西インターチェンジが東日本高速道路の管轄で有料区間、沼ノ端西インターチェンジ以南が北海道開発局の管轄となり無料区間となります。ただし、無料区間だけを利用するためには沼ノ端西インターチェンジが苫小牧東方面へのハーフICのため、沼ノ端東インターチェンジを使用することになります。
今回は道央自動車道から直通ですので、そのあたりは何も考えずに走ります。厚真ICまでは一部区間を除き4車線化されていて、100キロ走行が可能で、その先は対面通行区間として70キロ制限となります。
車列が繋がっており、先頭にはタンクローリーや馬匹車が走っています。これらは制限速度を遵守しますし、特に馬匹車は競走馬輸送を行っていますので、万一にも煽ったりしてはなりません。
対面2車線の高速道路はやはり怖い面があって、また、制限速度で走るクルマが少ないことはおわかりのことと思われます。所々に4車線となる区間を設けていますが、900m程度の4車線区間では何台も追い越しはできないのですね。
ただ、日高道は春先特有とも思えないのですが、非常にでこぼこした、路面の荒れたところが多く見られ、あまり快適なドライブとは行きません。馬匹車も右に左に路面の荒れた場所を避けながら走ってるのがわかります。
厚賀までの所要時間は約40分。平均速度は90キロ程度ですが、これは苫小牧方の100キロ区間の恩恵で、今後延伸されるともう少し下がるかもしれません。4車線区間の拡大は要望されるものと思われます。
●自動車道区間の成績
117.5kmの道のりを79分で走りました。まだ14時にもなっていません。これを仮に高速バスや鉄道と鉄道代行バスで走ったなら、札幌駅12:20の高速ペガサス号でも厚賀は14:36。鉄道代行バスなら札幌を11時台に出ても、厚賀に14:13ですから、まぁ、残念ですが話にならない感はあります。
高速バスが遅い理由は札幌駅から大谷地(札幌南IC)まで30分以上下道を走ることもありますし、鵡川で高速を降りてしまうこともあります。日高道の無料区間の延伸で、相対的な高速道路の負担感が少ないことを考えると、今後選択は減るのかもしれません。
●節婦駅

節婦駅に到着したのは14時前でした。約1時間半前には家にいたことが信じられないほどの近さを感じます。静かで、バリアフリーに配慮されたスロープつきの小さな駅舎は、背景に建設中の日高自動車道の節婦川橋がはっきり見えています。


草むした廃線直前の線路と、建設中の日高自動車道のコントラストがあまりにも大きく見えます。
日高自動車道
日高自動車道の最初の開通は1998年とそう古い話ではありません。苫小牧東本線料金所から沼ノ端東のわずか4kmの開通で、その4ヶ月後に厚真インターチェンジまで開通します。この開通でも、苫小牧東インターチェンジまでが高速化、また、苫東工業地帯開発や1999年開業の苫小牧東港フェリーターミナル整備には欠かせない道路だったと言えましょう。なお、道南バスの高速ペガサス号はこの高速道路開通を見越して1997年から季節運行だった便を定期化し6往復体制、金曜日はさらに増便するという体制になります。また、札幌-浦河の所要時間は3時間30分から3時間20分に短縮されます。2000年4月にジェイ・アール北海道バスがJR北海道直営から分社されます。この結果JR北海道の日高線運輸営業所の下部組織だったJRバスの様似営業所は分離独立することになります。
2001年7月には札幌-えりもを結ぶ高速バス「えりも号」を運転開始し、この便には様似、鵜苫、日高幌別からも乗車が可能となりました。さらに浦河、静内からの利用も可能となり、ペガサス号と合わせて沿線の札幌への行き来は、基本的に高速バスという状況が造り上げられることになります。また、季節増便で札幌を朝に出発し、襟裳岬観光もできる便も運行されます。
2003年に鵡川インターチェンジまで開通し、すぐに高速ペガサス号も浜厚真の取り扱いを中止、鵡川インターチェンジ経由となります。高速えりも号は札幌-えりもが4時間を切ることになります。
2004年には札幌-広尾を結ぶひろおサンタ号が運行開始し、翌年から定期運行となります。また、季節運行のえりも・ひろお号も運行開始。
2006年に富川インターチェンジまで延伸、2012年日高門別インターチェンジまで延伸されます。
2018年現在の最南端である日高厚賀インターチェンジが開通しています。
現在(仮称)新冠インターチェンジまでの工事が進められており、2kmを越える大狩部トンネルは貫通済であり、他の設備も順調に工事が進んでいることから数年内の開通が見込まれます。また、静内までが事業中であり、三石地区までのルートが検討されている状況です。
国土交通省
日高自動車道(静内~三石) 第1回 説明資料
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/splaat000001rg3c-att/splaat000001rg7y.pdf
日高線の最後の風景

特別凄く思い入れがあるわけじゃ無いんだけど、なんかいいなぁって思う駅が日高線には多かったですね。



大狩部駅は被災状況がつぶさに感じられ、すぐ近くを道路が走ってるにもかかわらず、静かな駅でした。


新冠駅近くの学校通り踏切は、警報ランプが外された踏切が来ない列車を待っていました。







静内駅の改札口には構内踏切への案内が、そして、このホームも今はきっと立てないのでしょう。代行バスのポールも忘れられていくことでしょう。


東静内駅の駅名標は不自然な壊れ方をしていました。


浦河駅は駅舎待合室内で浦河町教育委員会による過去の日高線の写真展示を行っていました。


日高幌別駅の待合室は郵便局と飲食店のオマケのような場所でしたが居心地の良い居間のような雰囲気が素敵でした。


バス停留所も新旧が入れ替わります。使う人にわかりやすい表示ならいいなと思います。



鵡川は新しい「終着駅」として維持していけるのかも試されています。

静内駅も

浦河駅も

様似駅もJRとしての窓口営業は終わりました。この窓口で買い求めた切符もまた、未来に残していけるのでしょうか。