北海道の交通関係

日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

2021/06/17

日高線の鵡川-様似がバス転換されて約2ヶ月半が経ちました。道南バスとジェイ・アール北海道バスの2社が一部区間では競合する形を維持したままに転換したバス路線ですが、バス停留所の多くは既存バス停留所を活用、また、既存のバス路線を活かした形でもあり、概ねスムーズに転換されたように思われます。ただ、旧停留所ポールの撤去が遅れるなど、一部の停留所掲示で混乱があったようには見えました。

転換初日に現地を訪問し代替バスに乗った様子を本サイトでも記事にしています。

North-tt
さようなら日高線(鵡川-様似)その2(代替バス乗車)
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1034


また、旧鉄道代行バスと路線バスの時刻と比較して利便性がどう変わったのかを比較した記事も作成しています。

North-tt
さようなら日高線(鵡川-様似)その3(バス本数と報道)
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1035



とはいえ、あくまでも想像でしかないこと、また、鵡川止まりだった鉄道代行バスから日高線列車への乗り継ぎを行う必要がなくなったことで、どの程度のラッシュ時利用の減少があったのか?も気になるところでしたので、今回早朝の静内発苫小牧行きバス、そして鵡川-苫小牧の日高線列車の朝時間帯に1往復してみました。



静内5:20発苫小牧行き快速バス

鉄道時代に苫小牧への通学可能な列車の時刻は、静内発6:02でした。日高門別でも6:46です。苫小牧から先のことはともかく、列車に1時間40分ほど座っていれば着きますというのは、時間こそかかりますが、全く通学は無理という状況ではありませんでした。

鉄道代行バスは災害が発生した2015年1月当初日高門別6:46発として運行開始。列車接続せずに苫小牧に直通するものの通学には使えないダイヤでした(当初は冬休み期間だったため)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
1月27日から通学対応の静内5:30発のバスで鵡川にて列車に接続させるように改善。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
そしてこの年の4月以降静内5:20発で固定されます。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

鉄道に比較して42分もバス時刻が繰り上がっているのは、途中で「駅」を経由するために大きく迂回する必要があったためです。このため、通学が困難であるとして苫小牧市内の寮で生活する学生について新聞が取り上げたこともありました。

鉄道としての日高線を廃止するにあたって、転換バスは静内の出発時刻を変えずに、そのまま苫小牧駅前までバスを直通させます。
バスは沿線の各停留所に停車しますが、旧富川駅、旧汐見駅は停車しないため大幅な時刻の短縮を行い、鵡川駅前の到着は6:41ですから鉄道代行バスに比較して23分早くなっています。そして、そのまま「快速便」として道道259号上厚真苫小牧線を通り(イオンなどの商業施設がある市街地を通らず、工場などが多く朝ラッシュ時の時間が読めるという意味がある)苫小牧駅には7:35に到着します。これは列車に乗り継ぐよりも早く着くことになります。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

この便での通学需要について、気になりましたので、乗車してみることにしました。


●新冠バス停
静内(新ひだか町)から苫小牧への通学者はいないと聞いていましたので、今回、乗車は新冠からとしました。仕事上前泊が難しく、札幌を深夜のうちに出発して、それでもギリギリの到着になります。

新冠から乗車したことで気がついたことがあります。新冠バス停の待合室に掲示してある時刻表です。なんと改正前の時刻表がそのまま貼ってあります。もうダイヤ改正から2ヶ月半を経過しています。もちろんポール掲示の時刻表は正しいのですが、待合室内に入って壁面にこの時刻表では間違える人もいるでしょう。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

バスは時刻通りやってきました。4月にも書きましたが、日高線代替バスには転換時のJR北海道からの支援金で新車のバスが導入される予定にはなっていますが、今のところその車は届いておらず、以前からの車両が引き続き使用されています。到着のバスはナンバーこそ最近の登録ですが、札幌-苫小牧の高速バスに使用されていた車両を持ってきたようで、多分2000年頃の車両。既に21年使用されているということになります。
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●新冠-日高町(門別)
ここまでに乗っていた乗客は2人。お二人とも通院ではないかと思われる雰囲気の方です。静内から乗ってきたものと思われます。学生の姿が見えないのは予想通りです。

新冠を出ますと左に曲がり線路を越え旧新冠駅の新冠農協前を通過。国道に戻りますと左に建設中の日高自動車道新冠インターチェンジを見ながら坂を上がります。各停留所の案内は流れますが、停車もなく、一定の速度で走り続けます。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

一旦国道から市街地に入り節婦。ここでも日高道の節婦川橋の建設が進んでいることを嫌でも実感します。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

乗客は一向に増えずに線路から離れた高台の国道を走り続け、日高町に入ります。旧門別町と日高町が間に平取町を挟んで飛び地合併しており、現在日高自動車道は苫小牧からこの日高町厚賀まで開通しています。
ここも国道から離れて厚賀の市街地を経由しますが全く乗客が待っている様子がありません。個人的にはこのあたりから苫小牧域への通学生がいるのでは?という予想でしたがハズレです。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

国道に復帰して清畠も過ぎ、門別市街地に入って門別本町も誰も乗ってきません。まさかここまで乗って来ないとは思いませんでした。何度資料も時刻表を見ても、苫小牧市内に通学するならこのバスを使うしか無いのです。旧日高門別駅に近い門別でも乗ってきません。

門別自然公園停留所で学生4人が待っていました。ここは駅や市街地からかなり離れた高台になります。鉄道代行バスは原則駅にしか停車しませんので、彼らは駅まで歩いていたはずです。旧駅から1kmほどですが、高低差があります。

さらに門別町民センター前から学生1名が乗車します。ここも駅から3km近く離れていますので、停留所が増えて利用しやすくなった例でしょう。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
(酷くぶれている。なおタイムスタンプは6:18でバスは1分程度しか遅れていない)

●日高町(富川)-むかわ町(鵡川)
富川地区に入り富川東でも学生1名乗車します。ここも富川駅から3kmはあり、近隣には牧場関係の従業員が多く住みます。

このバスは以前の道南バスルートと同様旧駅前には入らず、国道を直進し富川市街地の富川大町に向かいます。停留所の前にはイオンマックスバリュ富川店があり、ロードサイドの店舗も、住宅も多い場所です。ここで学生1名乗車。
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さらに軽種馬トレーニングセンター前からも1名が乗ってきました。一般の方の乗車はこの便3人目となります。改正前はこの時間にバスは無く「通勤」でも使えるようになったということにもなります。

バスは国道から右折し、むかわ町内市街地に入ります。鵡川農協前で先ほど乗った一般客が下車、鵡川駅前で私と学生2名が下車しました。多分門別自然公園から乗った生徒ではないかとおもいますが、そのまま列車に向かいました。バスの中には7名がそのまま残り、苫小牧方面に向かっていきました。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)


定期券発行枚数から転換バスへの移行

鉄道代行バス時代、廃止区間から代行バスを使い鵡川から鉄道に乗り継ぎ苫小牧方面に通学する通学定期券枚数は月59.3枚で、おもに門別、富川が占めていましたが、厚賀、汐見も少ないながら利用がありました。

JR北海道
日高線(鵡川・様似間) 線区データ
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/5senku/5_04_data.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20210617_01.pdf
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)


今回のバス乗車では富川、日高門別からの利用と思われた数が少なく感じます。日高門別地区からの乗車は5名、富川地区からの乗車は2名しかいません。

この謎は直後にやって来たバスで明らかになります。これが、今回新設された鵡川で鉄道に接続する平取6:10発鵡川駅前行バスです。
このバスは途中富川大町を6:31と鉄道代行バスとほぼ同時刻に富川地区を通り(旧駅には入らない)ます。また、今回、平取から苫小牧に通学できる手段が初めて提供されたのではないかとも思うところです(旧特急ひだか号の苫小牧着8:29では通学は難しかったでしょう)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

このバスからの下車が23名いました。多くはそのまま列車に乗ったように見えます。(後ろに見える町営バスは多分花岡・春日方面からのコミバスと思われ、この便が汐見地区を経由します。7名が下車)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
(むかわ町広報の町営バスに関するページ)

それでも、まだ、数字が少ないように見えますが、とかく鵡川駅に車で送られる学生が多いのです。次から次へ車が駅前に入ってきて、一人二人と下車します。
これは、バスと鉄道が直行できる定期ではなくなったこともあり、バスで通学すると負担が大きくなったことから、富川地区などの利用者が鵡川駅まで送迎することが多くなったという可能性はありそうです。


鵡川7:11発苫小牧行き2224D

駅で見ていますと、バスからの下車、車での送迎、また徒歩や自転車で駅に次々と学生が集まってきます。本来は認められていないはずですが、駅の裏手からJRの業務用通路を使ってホームに来る方も少なくありません。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

なお、鵡川の駅待合室でも道南バスの古い時刻表をみかけています。なぜ時刻表を張り替えないのか、管理がどこなのかはわかりませんが、学生は時刻表を見なくてもいつも利用する時間はわかる、町民は使わないから気がつかないというなら寂しいことです。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

2両編成のキハ40に鵡川から乗車したのは約90名、鵡川では全ドアを開放しており、これは換気対策もあるのかもしれませんし、定期客がほとんどで、途中で降りる可能性はほとんどありませんので、これで問題が無いのでしょう。
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列車は定刻に出発。キハ40の1両の座席数が68席ほどあるはずなので、全員が座ってさらに余裕がある感じです。
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浜田浦では1名、浜厚真では13名が乗車。乗車客がドアの開く前方通路に固まっているのが不思議でしたが、デッキ部は座り込んだ高校生で立つことができないんですね。2両目に来ることもできないので、1両目の客室に立つという形になります。
勇払でも11名ほどが乗車。1両目は遠目にも混雑してるように見えます。
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苫小牧手前で特急北斗4号に抜かされ、タッチで接続しないものの、そんな需要はほとんど無いと思われます。
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苫小牧駅には定刻7:42に1番ホームに到着。室蘭からの423Dが4番ホームに、そして札幌からの東室蘭行き2724Dが2番ホームに到着と、各形式の異なる2両の気動車が並ぶ中数多くの高校生が改札に、乗換にとホームに溢れる、苫小牧の朝です。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

苫小牧駅の改札で鵡川からの運賃750円を支払い、再度切符を購入して改札に入ります。
札幌行き特急すずらん3号が3番ホームに入り全てのホームが埋まり、この列車が出発すれば札幌行き普通列車が入線するはずです。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)


苫小牧7:52発鵡川行き2225D

折返し鵡川行きは、むかわ町が鵡川高校の生徒通学用に運行していたスクールバスを減便し、鉄道の定期券を支給。さらに列車の時刻と高校の始業時刻を調整した「利用促進」の例としてあげられたものです。2019年から約90人の生徒が利用しているとしています。
鵡川高校の生徒は6割が苫小牧地区からの通学生とされています。

こちらの列車は苫小牧を45名乗車で出発。勇払で7名乗車の計52名となりました。浜厚真は0、浜田浦は通過。それでも高校生が使う前はほとんど利用が無かったわけで、非常に意味のある運行と思われます。

鵡川高校の生徒は列車を降りると駅前から苫小牧側の跨線橋を通り学校に行くのが(もちろん正しいのだけど)偉いなぁと思います。学校は駅の裏手にあり駅ホームから駅裏の道路に直結できる通路の新設が望まれるところです。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

なお、この時間にちょうど列車と並行するように静内6:50発の苫小牧行きバスが8:24に鵡川駅前を通りますが、下車は0、乗車している客も高齢の方4名のみでした。

また、穂別からの旧富内線転換バスが8:27に鵡川駅前に到着。10名が下車しています。鵡川高校への生徒の他、通院のためなのか高齢の方が列車に向かう方もおられ、このあたり、バス同士の連絡は不要なのかしら?とも感じないでもありません。
日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)

鵡川8:37発の苫小牧行き2226Dは7名の乗客を乗せて出発していきました。まだ午前中で通勤も考えられる時間帯ではありますが、残念ながら通勤客の獲得までは難しいのが現状です。

日高線・日高線代替バスを見てきました(その1)
(鵡川駅の先、信号が横を向き、新しい車止めが設置されていました)


日高線沿線の高校と病院

主に公共交通を利用するであろう、高校と病院がどのあたりにあるかを記載します。

●高校
・えりも町
町立えりも高校
えりも郷土資料館バス停すぐで、平日は通学バスが運行されています。
普通科6クラス91名が在籍。

・浦河町
道立浦河高校
東町または日赤前または浦河高校バス停利用。
普通科9クラス329名が在籍。

・新ひだか町
道立静内
静内バス停(旧駅)・高校通・一部便は高校前乗り入れ。
普通科14クラス470名が在籍。(2020年度1学級増)

道立静内農業
静内バス停より町営スクールバス運行。
農業科6クラス122名が在籍。

・日高町
道立富川
平取方面からの便など一部が高校前経由。
普通科3クラス68名が在籍。

・平取町
道立平取
平取役場前バス停から750m。
普通科3クラス68名が在籍。

・むかわ町
道立鵡川
鵡川駅徒歩10分程度。
普通科6クラス138名が在籍。

道立穂別
穂別小学校前バス停。
普通科3クラス40名が在籍。

・苫小牧市
道立苫小牧東
苫小牧駅から徒歩25分程度。市内バス東高校。
普通科全日制18クラス・定時制4クラス754名が在籍。

道立苫小牧西
青葉駅から徒歩10分程度。市内バス西高校前。
普通科12クラス473名が在籍。

道立苫小牧南
錦岡駅から25分程度。市内バス南高校前。
普通科13クラス498名が在籍。(2019年度1学級減)

道立苫小牧工業
苫小牧駅から約3km。市内バス工業高校。
土木科、建築科、電子機械科、電気科、環境化学科、情報技術科の全日制18クラス、定時制8クラス794名が在籍。

道立苫小牧総合経済
苫小牧駅から約5km。市内バス総合経済高校前。
情報処理科、流通経済科、国際経済科12クラス447名が在籍。

私立駒澤大学附属苫小牧
苫小牧駅から約3km。市内バス駒沢高校前。
普通科804名が在籍。

私立苫小牧中央
青葉駅から徒歩15分程度。市内バス光洋中学校前。
普通科147名が在籍。

・白老町
道立白老東
白老駅から徒歩20分程度。白老東高校前バス停。
普通科9クラス209名が在籍。

私立北海道栄
白老駅から徒歩20分程度。沼ノ端・登別などからスクールバス運行。
普通科429名在籍。



●病院・医療機関(おもなもの)
・えりも町
えりも町国民健康保険診療所
えりもバス停

・浦河町
浦河赤十字病院
日赤前バス停

・新ひだか町
三石国民健康保険病院
三石総合町民センターバス停

町立静内病院
町内線町立病院前ベス亭

静仁会静内病院
超内線日高徳洲会病院バス停

・新冠町
新冠町立国民健康保険診療所
新冠診療所前バス停

・平取町
平取町国民健康保険病院
平取病院前バス停

・日高町
日高町立門別国民健康保険病院
門別病院前バス停

・むかわ町
鵡川厚生病院
鵡川農協前バス停

・苫小牧市
王子総合病院
苫小牧駅徒歩10分程度・王子総合病院前バス停

苫小牧市立病院
苫小牧駅徒歩25分程度・市内線苫小牧市立病院前バス停


(続きます)

North-tt
日高線・日高線代替バスを見てきました(その2)
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1051


北海道の交通関係 JR北海道 日高線 路線バス

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