北海道の交通関係


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暑い時期に窓を開けてキハ40に乗ってきました

2021/07/26

北海道内は7月中旬から暑い日が続いています。日中30度以上となる日も少なくなく、35度以上になる日までありますので、北海道の高断熱形住宅に住む我が家も、扇風機だけでは辛い!という位の暑さになっています。


そんななか、今年は東京オリンピック関連となる連休がありますので、ここを使って、そろそろ終焉となりそうな「窓を開けて」列車に乗るというのをやっておこうかなと思っております。

あらためて北海道内の鉄道の冷房化事情

JR北海道の車両は、特急列車用の車両は全て冷房を搭載。普通列車用の車両も1990年代以降に導入された車両は概ね冷房を搭載して登場しています。

・札幌圏(長万部-小樽-岩見沢・札幌-苫小牧・札幌-北海道医療大学)
例外となる気動車列車以外は全て冷房を搭載しています。
札幌6時発旭川行き始発列車となる923D
千歳-南千歳に乗り入れる石勝線普通列車
苫小牧-沼ノ端に乗り入れる室蘭線普通列車

・空知圏(苫小牧-岩見沢・岩見沢-旭川・滝川-東鹿越)
函館線の普通列車は電車列車のみ冷房装備、気動車列車は冷房がありません。(留萌線間合いの列車に富良野線用キハ150が使われるもの以外)

・旭川近郊・道北圏(深川-留萌・旭川-富良野・旭川-稚内・旭川-網走)
留萌線は富良野線用キハ150が使われない限り全て非冷房。
富良野線は基本的に全て冷房車。
旭川-名寄は3本を除き冷房車。名寄-稚内は全て非冷房車。
旭川-網走は一部列車以外非冷房。

・苫小牧・室蘭近郊(長万部-東室蘭・室蘭-苫小牧・苫小牧-鵡川・千歳-新夕張)
日高線苫小牧-鵡川・千歳-新夕張は全て非冷房
室蘭線長万部-東室蘭・室蘭-糸井は全て冷房車。
室蘭線糸井-苫小牧の区間列車は非冷房車が残る。

・釧路・帯広近郊・道東圏(新得-帯広-釧路-根室・釧路-網走)
全て非冷房車。

・函館近郊・道南圏(函館-長万部)
はこだてライナーを除き全て非冷房車(道南いさりび鉄道も全て非冷房車)

以上です。以前の記事と比較すれば冷房車の運用区間はかなり広がりました。列車を選べば札幌-名寄、札幌-長万部(小樽経由も苫小牧経由も両方)は冷房車だけで移動が可能です。
当サイトの北海道鉄道時刻表では7月頃より各列車の使用車両、編成両数を記載しています。40・54と記載された普通列車は非冷房車。また、苫小牧地区の150と記載された普通列車も非冷房車です。H100・143と記載されたものと、旭川地区の150記載列車は冷房車です。あとは、旭川圏の54記載列車で運用の都合で車両が変更になる場合に冷房車が当たる場合があるという感じですね。



札幌-旭川923D

早起きしまして、早朝の札幌駅にやって来ました。札幌駅の入口は朝5時頃まで閉鎖されており、改札・みどりの窓口の開始も5時40分からとなります。現在札幌駅発の始発列車は5時50分の新千歳空港行き快速エアポート50号で、この列車が5時45分に手稲から到着します。


今回お目当ての札幌6時ちょうど発旭川行き普通列車は、苗穂運転所所属のキハ40形2両編成で運転されます。以前は「非冷房お仲間」だった小樽方面然別行きの普通列車がH100形に置き換えられ冷房化されましたので、ついに札幌圏の列車で唯一残った「非冷房」列車になります。
この列車が非冷房で残っている理由は様々あるようですが、旭川方面からの普通列車の整備車両をこの列車に連結して回送する意味があるようです。今日は付いていませんが、札幌圏では乗ることができないキハ54形などが締め切り回送で後ろに付いていることがあります。
苗穂運転所のキハ40はこの列車から始まる1運用にしか使用されていません。帰りは岩見沢から回送で札幌に戻ってきますので、上り列車でこの区間キハ40に乗ることはできないのですね。

5時48分に苗穂運転所からキハ40が回送されてきました。早速車内にお邪魔しましょう。


札幌駅で見るキハ40形は若干違和感がありますね。この1本だけですし、地下鉄等の接続もないので利用できる方も限られます。
車内は札幌圏ですので、利用は少なくありません。4人掛けの座席に1人でも座っていると相席を避ける傾向があります。これは昨今の新型コロナウイルスの問題もありますし「個」な時代でもあります。車端の横向き座席のほうが人気があるくらいです。
列車は定時刻に発車。函館行きの北斗2号と同時発車になります。札幌を出てすぐの段階では抜きつ抜かれつな運行ですが、こちらが苗穂に到着する前に颯爽と抜いていきました。
また、ワンマン運行ではないこの列車、多くの車両で自動放送を採用している札幌圏ですので、車掌さんの肉声放送あまり見かけなくなってきました。


(住宅地の脇を進んでいく)

(だんだん緑が多くなっていく)

朝のうちはまだ気温が低目ではありますが、日が高くなるにつれて車内の温度もぐんぐん上昇。窓を開けて風を受けている間はそうでも無いのですが、列車が停まるとむわーんという感じの暖かい風が窓から入ってきます。

停車中に7時を廻った岩見沢からは学生が多く乗ってくるようになってきます。特に多かったのは美唄や奈井江で、砂川では生徒が入れ替わる感じで車内は立客も多い状況です。滝川に8時前に到着するので、通学列車として使いやすいダイヤではありますが、本州と夏休みの時期が違い8月は旅行客と通学客がかち合うので、ちょっと可哀想な感じもします。毎日の通学ですから、できれば3両の電車冷房車を運用して欲しい感じがありますね。


(学生が降りた滝川で特急オホーツク1号の待ち合わせ)

滝川から「ワンマン」表示になってここからは放送も録音音声になります。比較的平坦で駅間の長い区間で運行されるキハ40は往年の急行のような走りを堪能できる区間です。窓からの風も勢いがよく、少し閉めます。このあたりの調整は、きっと数年後にはもうできないんだなぁと思いますと、感慨深いものがあります。

とはいえ車内温度はぐんぐん上がり35度を越えています。この日旭川の最高気温は35.1度を観測。トンネル区間の涼しい風が気持ちいいのですが、熱中症に要注意です。

大学生と思われる利用が見られるのもこの列車。通学にこの列車は暑くて大変でしょう。JRにしてみれば本数を確保する特急列車が使える特急定期券「かよエール」の利用を勧めたいのでしょうけど。

8:53無事に旭川に到着。ここまで2時間53分。長いのですが、個人的には考え事を整理したりできる貴重な時間です。


旭川-上川4523D

旭川ではお隣のホームの上川行きに乗り継ぎます。こちらも予定通りキハ40が1両で待っていました。9:19の発車になりますので、少し時間があります。飲み物を補充しておきましょう。


(キハ401709は釧路所属の車両。キハ40も終焉が見えてきて転配等の関係で所属区所以外での使用も見られます)
この列車は何度か使っていますが、旭川近郊だけあって地元利用が見られるのも素敵です。幼稚園児が団体で乗ってきました。平日に利用するとたまに幼稚園の団体利用を見かけて微笑ましいのですが、ここの団体さんはカメラ撮影に夢中で他の乗客の迷惑を考えていない方、やたら大声な先生に座ってられない園児という感じでしたので、本当に園によって違うんだなとは思います。当麻で降りていきました。


石北線沿線はそろそろ小麦の収穫でしょうか。田園地帯を眺めているのが素敵です。廃駅で駅の数が減ったこともあって列車の速度が上がったのは、日常的な利用者にとってはよい面もあります。

10:27上川駅に到着。それにしても暑いです。


上川-遠軽-美幌4623D・4663D

上川では暑い中ではありましたが、神社とお菓子屋さんに訪問しました。最近上川駅にはこのパターンでしか来ていないので、食事が取れないのが残念です。40分ほど時間が取れる上川ではありますが、この先遠軽はあまり長い時間が無く、北見での30分停車まで停車時間の長い駅はありません。この列車を使い食事を考えている方は旭川駅で購入するか、上川駅近くのセイコーマートあたりで仕入れるのがよいかと思われます。

ご当地入場券や北の大地の入場券収集で各所を廻っていますが、多くの地方の「町」は飲食店の営業時間が11時から昼の部、17時から夜の部という感じですので、午前中に食事をいただけるところは決して多くはありません。



上川駅のお隣は37.3km先の白滝。この先に向かう列車は旭川から回送でやって来ます。11時前くらいに上川駅の3番線に到着。11:10の発車です。

青春18きっぷシーズン前ですが、思ったより乗っています。サラリーマンふうの方が乗ってるのは珍しいですね。

列車は果敢に坂道にダッシュしていきます。この時期なのでまだ落ち葉で空転などもなくスムーズ。石北線は秋の紅葉シーズンに列車が遅れやすい面があり、これも1軸駆動のキハ40だからこそな面があります(とはいえ特急や貨物も登れない時があるようでたいへんです)

車窓に通行料金無料の高規格道路が走ります。まさか下でゆっくり列車が走ってるなんてクルマの運転手さんは知る由も無いでしょう。

冬期は除雪職員さんを降ろす上越信号場も通過します。

列車はゆっくりしたペースで走り、標高が高いだけに少し風は涼しいのですが、それでも車内は汗をかくくらいの温度です。時折虫が入ってきて蛍光灯に体当たりする音がします。




遠軽には定刻の12:41に到着。間に3駅しかないのに1時間半かかります。役目を終えた転車台。役目を終えた名寄線方面の案内看板、そして、惜しまれながら閉店された蕎麦店が残ります。時間的にも駅近くではなかなか食事をいただけません。

車両はそのまま網走行きとして直通しますが、列車としては別ですので一旦改札外へ出ます。この列車にも釧路への回送車が付く場合があり、その関係もあるのかもしれません。

列車番号も新たに、列車の向きも変わって13:00に遠軽を発車。また峠に向けて走って行きます。

これだけ大きく窓を開けての旅は、やっぱり今は貴重だなぁと思います。ほぼ本州では壊滅したと思いますので。



常紋トンネル、常紋信号場、そして歓和地蔵尊。心霊云々はともかく、歴史的な話として、ここを通ると目で追います。
列車は旧金華駅である金華信号場で少々停車し、留辺蘂へ。少しだけ乗客が増えて北見へ進みます。北見トンネルの中は涼しい風が入ります。ホッとできるスポットです。

北見駅は14:31着。15時ちょうどまで約30分停車します。駅の中も待合室は特段涼しくなく、水分だけは多く取るように心がけます。

さらに30分、15:31に美幌に到着します。札幌を出て9時間、ほぼ暑い中をキハ40に乗りっぱなし。酔狂というか、修行というか。しかし、この機会ももう少なくなりそうです。




ちなみに帰りは帰りで、こちらもいつまで乗れるかわからないキハ183の特急オホーツク4号で5時間ほどかけて帰宅しております。今回は美幌と女満別に寄るための旅行で、キハ40にあんなに乗っても「日帰り」できるのは楽しいのですが、本当にマニアっぽいですね。
キハ183も痛みが激しい車両もあり、本当にいつまで維持できるのか怪しいところです。




木古内-函館 道南いさりび鉄道131D

この日も「日帰り」で本州へ顔を出して、帰りは木古内から道南いさりび鉄道に乗ります。新幹線並行在来線としてJR北海道から切り離された江差線ですが、小規模になったから、そして地域が出資している第三セクターだからこそ、さまざまなイベントや施策ができるという意味でもあります。

道南いさりび鉄道で使用されているのもJR北海道から譲渡されたキハ40で、今は全車が様々な塗装で運用されています。


道南いさりび鉄道の木古内駅は無人駅となります。券売機で切符を購入して直接列車に乗ることになります。


今日乗車したのは国鉄急行型塗装のキハ40 1798となります。元々国鉄時代にもこの塗装を纏ったことはありませんが、その姿は往年の急行列車を彷彿とさせますね。

木古内の発車は15:19運転台には2名の職員さん、最後部にも1名の職員さん、そしてアテンダントさんが乗っておられます。乗客も5,6人という感じですので、いろいろ厳しい感じですね。
前回と違い、アテンダントさんは積極的に乗客に声をかけていますし、渡島当別で乗車した小学生とも顔なじみの感じで、良い施策だなと思います。しかし、これも地域が出資した鉄道ならではで、なかなかこれと同様のことをJRがやろうとすると難しいでしょう。


窓枠の赤が映えて「急行」に乗っている気持ちが蘇ります。車窓には函館山も見えます。あえて山側に座りましたが、やはり、海側の方が景色は良いです。

上磯をすぎるとやはりたくさんの乗車があります。しかし、1両で済む、そのくらいの利用とも言えるところで、並行するバスもあり、鉄道を維持する必要性は貨物のことを考えても厳しさを感じます。


まだまだ暑い函館に到着。いさりび鉄道は1日乗車券が安く、700円で乗車できます(木古内-五稜郭間通常運賃980円)しかし、私のようにJR側のきっぷを持っていると、木古内で確実に検札を行わないと、いさりび鉄道区間を無札でも五稜郭や函館でJRのきっぷで出場できてしまい、道南いさりび鉄道にとってはタダ乗りされる事態になります。
木古内駅前の道の駅売店で一日乗車券が購入可能ですし、スマートフォン画面での購入も可能ですので、必ずいさりび鉄道の切符を購入して利用ください。そして、木古内発車時だけでもいいので、運転士やアテンダントによる検札、乗車券販売を実施して欲しいなとも思うのです。このときに車内販売限定のきっぷなんかを用意するのもマニア心をくすぐるようにも思います。

道南いさりび鉄道
いさりび1日きっぷ
https://www.shr-isaribi.jp/ticket-guide/otoku/isaribi1dayho/




函館-長万部 823D

函館地区のキハ40は今のところは安泰な気もするのですが、H100形の導入如何によってはキハ150などの転入もありそうではあります。冷房化されるのは嬉しいところですが、窓を開けられなくなりますから、この機会に乗っておきましょう。

17:35発の823Dをチョイスしたのは、新函館北斗駅を通らない藤城線周りという面があります。新幹線開業前は特急もこのルートを走る勾配緩和の短絡線としての役割がありましたが、新幹線接続のために特急は新函館北斗を廻ることになります。今は貨物列車と、3本の普通列車が走ります。

函館発の列車は、それなりに乗っています。ただ、後続の特急が先に森以北に行きますので、そちらを選択する方も多いのでしょう。

七飯駅で「フ3」の反応灯が点灯しています。こういう表示が見られるのも窓を開けられる列車ならではです。

七飯からは市街地を大きく高架橋で越えて藤城線を進みます。

大沼では今度は駒ヶ岳方面の出発反応灯を見ます。

各駅に停車し、数人ずつ降りていくのが市街地の列車という感じです。夕方とはいえ暑く、冷房車欲しいですね。列車が空いてきたので、お弁当をいただきます。函館駅みかどの「山海贅沢ごはん」(1,100円)です。大きなホタテが入っていて、贅沢感があります。

おなかが満足しまして、大沼公園、駒ヶ岳廻りで列車は進みます。大沼公園でも下車があり、後の特急も止めた方が良いのでは?と思わないでもありません。



赤井川では後続の特急に抜かれ、信号場になった姫川では函館行きの特急を待ちます。この区間は単線で本数が多く、ダイヤを組むのもたいへんそうです。

森では先行して渡島砂原周りで運行されている列車を待ちます。その間にほとんど全員が降りてしまい、少し室温が下がってきましたので、扇風機(キハ401700番台扇風機が撤去されてクールファンと呼ばれるファンが付いている)を止めて窓を閉めます。

暗いながらも少し窓を開け、海を見ながら進むこの区間、あまり普通列車で移動することが無く新鮮です。

長万部には定刻の20:10到着。思ったより時間が短く、すぐ後の特急に接続するのはいいですね。欲を言えば20:04長万部発の小樽行きに接続すれば最高なのですが。それは車両更新でスピードアップすればできますでしょうか。


新得-帯広-幕別 2547D・2527D

来春のダイヤ改正で最もキハ40の撤退が考えられるのが新得-釧路の根室線区間です。本来なら釧路まで行きたいところですが、帰宅の時間があるので今回は幕別まででおしまいです。



今回やりたかったことは新得駅ホーム側からお蕎麦を立ち食いすること。現在この形のホーム側で食べられるお蕎麦屋さん、北海道では残っていないのではないでしょうか。(もしかすると士別は可能?)



そしていつものキハ40が出迎えてくれますが、とかく暑いです。留置してある車両は貫通扉まで開けていますから乗務員さんのご苦労もあることでしょう。
根室線も内陸である新得や帯広は暑く、このあと釧路に近づくと気温も下がっていきます。それが面白い面でもありますが、エアコンがあるに越したことはありません。



車窓を流れる木々を眺めながら、暑い車内。この区間は今シーズン限りかなぁ。帯広が近づくと学生も含めて立客もいるような状態になります。みな口々に「暑いねぇ」と言いますので、並行バスが全て冷房車なのも含めて、やはりサービスレベルの差を感じます。


帯広では向かい側の列車に乗り換えます。この列車は接続が素晴らしく良く、飲み物を調達するくらいしかできません。


車端の温度計。34度を指しています。


幕別では特急列車の交換待ちです。今日はここまでで帰宅です。



現時点でキハ40が運行される区間を今回乗ってきました。もう一度、秋冬くらいにもできるかな?と思っていますが、夏季だからこそ大きく窓を開けて乗車が可能です。あと数年でこのような乗車もおしまいと思うと嬉しいのもありますが、特に本州から来られた方は「非日常」として残念がるかもしれません。

しかし、北海道で利用する方々にとってはこれが「日常」ですから、少しでも快適になるのが望まれます。それに反対してはならないのかな?と思ったりもします。体験できる時に実行するしかないのだなと思うところではあります。

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