北海道の交通関係

津軽線末端部を訪問、GV-E400形に乗ってきました

2021/08/03

当サイトはあくまでも北海道の交通機関をメインに記載していまして、仕事柄本州に行くのもなかなかできない面もあるんですが、それでも時期を見て日帰りが可能な青森は何度か訪問しています。

今回、北海道新幹線奥津軽いまべつ駅を訪問ついでと言っては何ですが、三厩駅まで津軽線の末端部を訪問してきました。


終焉近いキハ281

その前に、札幌を6時ちょうどに出発する北斗2号です。キハ281は国鉄から引き継がれたJR北海道が誕生してすぐに着手された札幌-函館の高速化事業に伴って開発された振り子特急車両です。1994年3月改正でデビューしたので、もう27年経つことになります。月日の経つのは早いものです。

JR北海道
安全計画2023
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/02_04.html



JR北海道が2019年に策定した「安全計画2023」において「183・281・283系特急気動車の老朽取替」が2022年度までに行われることが発表されています。これがそのまま実現されるのでしたら2022年度末2023年3月改正あたりを目処にキハ281系も引退となることになりましょう。


(FUROCO281のロゴ)

(機密性を高める意図があったと思われるプラグドア)

(コロナ渦もあって、わずか5両という短編成)

(自由席車の車内は基本的に新製時のままのシート)


コロナ渦もあって5両編成に短縮された特急北斗で、さらに平日には一部運休列車まである現状です。この日の北斗2号もお世辞にも乗っているとは言えませんが、連休前ということもあって、無人という状態は免れています。
減速ダイヤもあって最高速度を120キロに制限されてはいますが、新函館北斗駅まで3時間13分で走るわけで、オレはまだ走れるぞという雰囲気は感じます。

なお、現状キハ281で運行される列車は北斗2-7-16号、北斗5(運休日あり)-14(運休日あり)-21号という最大3往復となっています。しかも、うち1往復は運休日がある列車になります。キハ281は27両しか製造されていないので、7両編成としても3本しか組成できない中3運用で5往復をこなしていたわけで、現場の苦労は高かったろうと思われます。そして現行2運用ですから、他と予備を共用できることを考えても2編成程度の新型車両の導入で置き換えられてしまう。そう遠くなく引退する伏線は敷いてあるのでしょう。

今も快適なキハ281を堪能して列車は新函館北斗駅に着きます。


北海道新幹線の「常備乗車券」

JR北海道は北海道新幹線の開業5周年のイベントの一つとして、北海道新幹線の新函館北斗・木古内・奥津軽いまべつの3駅で常備乗車券を発売しています。今回、それを購入して使用してみることにします。

JR北海道
北海道新幹線5周年企画
https://www.jrhokkaido.co.jp/5th/plan04/



JR北海道はもう「硬券」といわれる紙のきっぷを発行することはできず、今年北の大地の入場券のイベント「北の大地からの挑戦状」で硬券記念券が配布されたものが最終印刷とされたようですので、現在発行できる古いタイプの「紙のきっぷ」は常備券となるわけですね。
なお、常備券自体はJR北海道の簡易委託駅で引き続き発売されていますので、いましばらくは現役のままではないかとは思いますが、当然印刷にはそれなりのコストがかかりますので、将来に渡って維持されるかは未知数です。

とはいえ、北海道新幹線3駅では以下の常備券が発行されています。
●新函館北斗駅
・新函館北斗-木古内(860円)
・新函館北斗-奥津軽いまべつ(2,420円)
●木古内駅
・木古内-新函館北斗(860円)
・木古内-奥津軽いまべつ(1,680円)
●奥津軽いまべつ駅
・奥津軽いまべつ-新函館北斗(2,420円)
・奥津軽いまべつ-木古内(1,680円)
全て揃えると9,920円という、なかなかの高額商品です。
今回、この券も使い、なおかつ新幹線特急券も購入しますから、さらに出費します。


なお、着駅で申し出ますと券は頂くことができましたが、必ず頂けるかはわかりません。



津軽線末端部を訪問

●津軽二股駅

奥津軽いまべつ駅を出ますと駅と続いて町営駐車場があり、道の駅いまべつ半島プラザアスクルに接続されています。よくよく見なければ気がつかない感じでそこには津軽線津軽二股駅があります。

(道の駅に隣接してホームへの案内があります。残念ながらホームへは段数は少ないものの階段でのアクセスです)

(駅名標。最近装飾が追加されたものと思われる)

(ホームから青森方)

(ホームから三厩方)

(時刻表や運賃表は道の駅入口に掲載)




(2016年2月時点の海峡線津軽今別駅・津軽線津軽二股駅。すでに津軽今別駅は休止されていて立入できなかった)

山さ行がねが
ミニレポ第201回 津軽二股駅と津軽今別駅
http://yamaiga.com/koneta/koneta_201.html
(私は残念ながら津軽今別駅の現役時代に利用することは適わず、2014年に訪問されたヨッキれん様のブログをご紹介。新幹線工事に伴い興味深い運用をしてたんですね)



なお、奥津軽いまべつ駅と津軽二股駅はあくまで独立した駅で、ここで乗り替える形での乗車券は発行されません。例外は青春18きっぷによる「北海道新幹線オプション券」利用の場合、この駅で乗り替えることになります。

今回は奥津軽いまべつ駅から三厩駅まで自転車で各駅を訪問する予定を立てています。
道の駅の隣は真新しい「いまべつ総合体育館」があり、宿泊も可能とのことです(コロナ渦の現在は青森県民のみに限定)ここを拠点に津軽半島の観光もよさそうですね。

また、さらに先には駐車場の新設工事が行われていました。新幹線の秘境駅と揶揄される奥津軽いまべつですが、広域で車を集めることもあり、駐車場が混雑する状況もあったようなのですね。平日、休日と関係なく日中の列車を使う限り全く利用が無いということもないので、不要とまではいえない気がします。



●大川平駅

今別町内である奥津軽いまべつ駅、津軽二股駅付近から隣の大川平駅付近までは県道14号線通称「津軽中山ライン」を走ることになりますが、残念ながら歩道や路肩が整備されておらず、自転車ではなかなか怖い道になります。車の側もまさか自転車が走ってるとは思わないようですし、できましたら今別市街地町内まで歩道または線路沿いに細い別道路等検討頂ければと思います。

新幹線をくぐり約1kmで津軽線の踏切が見えてきました。ここからは県道を離れて住宅のある町道を走ります。


途中に荒馬の里資料館があるのですが、コロナのため休業。次回是非訪問したいですね。

駅は少しだけ奥まった場所にありました。ホームまでしっかり舗装されており、また、駅舎は古そうには見えますが、しっかり内部は整備されています。




道路から段差が無くホームには入れる構造は素敵です。駅周辺に集落がしっかり維持されているのも、閑散路線とはいえ、利用があると思わせる駅です。


●今別駅

市街地から少し離れて、線路に並行する農道のような道を走ります。ちゃんと歩道があった国道280号線に合流して今別の市街地に入ります。



今別町の中心街は駅からは少し離れていますが、町内の循環バスが充実しているようで、先ほどから何台か見かけています。


今別駅は2017年に今別町とJR東日本盛岡支社が駅舎をリニューアルし、旧事務室部分を廃止し待合室を拡張の上水洗トイレを駅内に設置しています。駅舎の青森方にあった別棟のトイレは撤去されています。



ホームから駅舎は以前からスロープとなっており、ホームも舗装されています。過去には交換可能であったものの、現在は1線だけの駅です。
ホームが舗装されているだけでも、随分立派に見えます。駅舎の事務室を全て廃止しましたが、JR東日本の場合ホーム除雪などはどうされているんでしょうね?



ここから、少し津軽浜名寄りの今別天満宮にもお邪魔。ここの参道は線路の上を跨線橋で跨いでいます。津軽線の開通は1958年と比較的新しく、この神社下の線路は切り通しとしたのでしょう。


●津軽浜名駅

カーブを描くように町並みが続きます。道幅は狭いものの通行量は多くなく、快適に自転車を走らせます。さすがに青森県内でも暑い日が続いており、30度を越える気温ではあります。
新幹線なら目と鼻の先に北海道ではあります。しかし、少し離れただけで建物や道路の感じが明らかに北海道的な景色とは違うのが新鮮です。


今別町役場を通り、今別漁港近くの海岸沿いから竜飛岬を見ます。近そうに見えますが、15kmは離れているはずです。
町外れで、特に案内も無いので、少し迷いながらも見つけたのが津軽浜名駅です。1960年開業と、路線開業からしばらくは駅が設けられていなかったようです。北海道の簡易乗降場のような雰囲気がありますが、きっちりホームはコンクリートですし、ホームに待合室も設置されています。






駅に隣接する踏切は「今別高校踏切」で、その名の通り駅のすぐ近くに高校が見えます。

現在青森県立青森北高校の今別校舎となっており、10人の生徒が通学しています。

しかし、22年3月で閉校が決まっており、その後は青森市内の高校まで通学する必要があります。
そのために今別町は昨年から北海道新幹線奥津軽いまべつから利用する定期券の助成を行っています。

毎日新聞青森面  2020/3/21
乗降客数全国ワースト 本州最北端の新幹線駅を救う定期助成作戦
https://mainichi.jp/articles/20200321/k00/00m/040/036000c
> 青森県今別町は新幹線を利用して通学・通勤する住民の定期代の半額を助成する取り組みを4月から始める。同町では人口減少が進み、地域振興の起爆剤として期待された新幹線の奥津軽いまべつ駅も利用者が低迷している現状がある。町は今回の措置により、町民の定住を支援するとともに、公共交通の利用促進を図り、人口減抑制の一助にしたい構えだ。


津軽半島北部ではこの今別校舎を含め中里高校が2022年、金木高校2023年で廃校となり、高校が無くなります。人口の減少が続いているのが要因ではありますが、これも津軽線や津軽鉄道の利用にも影響することが予想されるところでもあります。

奥津軽いまべつ駅からの青森方面の通学列車は「はやぶさ10号」が奥津軽いまべつ7:26発、新青森7:41着となり、 津軽線津軽二股6:20発、青森7:47着から考えると遅く出発することができます。今別町は新幹線に接続する三厩駅前6:41発奥津軽いまべつ7:07着の巡回バスを出していますので、これで代替するという形が見えます。また、外ヶ浜町は旧三厩村地域から三厩駅始発に接続するバスを運行し、こちらはあくまで津軽線が大事という考えも見えます。


●青函トンネル入口広場

今別校舎脇の道を通り国道280号線に繋がりそうな道を走りますと、あれ、国道を橋で越えています。橋の脇に階段があって助かりました。自転車を担いで降ろします。ここはもしかすると学校関係の道で公道では無いのかも。
やはり歩道や路肩がない国道を少し走りますと「青函トンネル入口広場」が見えてきました。

津軽線の駅から自転車や歩いて行く人はあまりいないとは思いますが、路肩を歩いていてもクルマは高速で走り抜けますので、気をつけた方が良いですね。

(国道から横道に逸れて、突然トンネルが見えてくる感があります)

(青函トンネルの題字は当時の中曽根総理が書いています)

(新青森側の第4浜名トンネル)

広場にはトイレや売店、トンネル神社があり、青函トンネルを貫通した際の石が鎮座しています。また、高架橋の下にはJR北海道銘の看板もあり、この路線がJR北海道であることを密かに顕示しているようにも見えます。



●三厩駅

少し休んで、さらに国道を北に進みます。坂を下りると津軽線の架道橋が見えてきました。北海道と違い自治体の境には「カントリーサイン」的なものはありませんが、架道橋でPRしています。


さらにその先には「龍飛ウェルカムツリー」が、風力発電の風車の羽でできているモニュメントです。
ここから少し坂を上がりますと町外れにはなるのですが三厩駅に到着です。








2019年5月末までは有人駅であったこの駅も、現在は無人駅。最近まで信号システムが自動化されていなかったのもちょっとした驚きですし、この駅で夜間滞泊まであったとのことで、駅の隣には乗務員休憩所まであります。ただ、エアコンが外された跡があるので、今は全く使っていないのではないでしょうか。

2線あった線路も、現在は1線しか使用していない模様です。臨時の観光列車も運行される路線ですが、蟹田以北三厩駅まで2列車入ることはできないので、普通列車の運行されない時間帯に入るようになっていますね。

ホームまでは旧1番線用の線路を踏切で越えますがスロープになっています。このような駅も舗装されているのはいいですね。
もちろん車いす利用が多いとは思えない地域ではありますが、階段しかアクセスできない駅を少なくしている、また、路線が単線で、すれ違いができる交換駅が少ないこともあって、足腰の悪い人にも比較的優しい形になっているのは良い面です。


GV-E400形に乗車

青森側から列車がやって来ました。今年3月のダイヤ改正から、この津軽線末端部もキハ40・キハ48に変えて新型の電気式気動車GV-E400形に置き換えられました。この新型車両も見てみたかったんですね。

GV-E400形は、JR東日本が閑散地区路線用に開発した車両で、JR北海道のH100形と基本的な構造は同一となっています。新潟地区と秋田地区に19両が配置されています。津軽線の蟹田以北で使用されるのは秋田地区に導入された車両となります。

外観





基本的な外観仕様はJR北海道のH100形と同じですが、側窓は車いすスペースを除き全て上部が内側に倒れる形で開く窓になっています。(H100形の量産車は一部が固定窓)
行き先表示器はLEDを採用、トイレ部分には大きなロゴが表示されます。

座席


2人掛けと4人掛けのクロスシートが3ボックス並んでいます。


クロスシートはいずれも方持ち式で通路側に柱がないタイプになります。暖房用にヒーターも座席に吊り下げられています。

車内設備


窓はUVカットガラスが採用されています。少し外が暗く感じますが、カーテンが無いことを補っています。



青森方にトイレが設置されています。車いす対応の大型のもので、洋式便座となっています。その出入り口の向かい側は車いすスペースです。優先座席も含めて床に大きく目立つ表示があるのはJR東日本の最近の車両に共通する仕様です。優先座席は赤系統、一般座席は青系統と分けています。

三厩方には機器室が設置されています。消火器入れに蓋があること、機器室に非常押しボタンが設置されているあたりがH100形との差異です。


天井部は中央部に木目模様となっています。LED照明でエアコンが装備されています。JR東日本でも東北北部のキハ40には一部を除き冷房がありませんでした。

運転台・ドア



車端部は完全に閉めきることが可能になっています。ワンマン運転に対応していますが、現在のところ津軽線末端部は車掌が乗務しています。運賃表示器は次駅案内として使用しています。
ドアは車端部に片側2箇所で押しボタンによる半自動ドアとしています。

基本的な構造や性能はJR北海道のH100形と同じとなっていますが、配色や案内表示の差が見えます。以前のH100形の写真を掲載した記事と比較してみてください。

North-tt
JR北海道の新型気動車H100形に乗ってみました
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=947



走行音・座席の座り心地

走行音はH100形と同一と言っていいかと思います。エンジン音自体は、少し耳障りなビリビリというかピチピチといった音が混じっている感じが、H100形同様あまり好きにはなれません。

座席は前後が広くなった分クロスシートは快適です。多分座席にH100形との差は無いはずなのですが、若干堅さを感じるのは先入観でしょうか。

座席定員は36席、立席含めて99人となります。これもH100形と変わりません。UVカットガラスはカーテンがないことを考慮してもH100形でも採用したほうがいいかも?と思わないでもありません。これはガラス飛散防止のためのポリカーボネート採用とも関連があるのかもしれません。

車両とは関係ありませんが、三厩から津軽二股までの運賃は210円。JR北海道の地方交通線運賃ですと300円ですので、随分安いなと思うところです。

東北北部で運用していたキハ40



2016年に訪問した時に撮影したキハ40形です。本州北部で使用された寒地形のキハ40は500番台と称し、側窓が上段下降・下段上昇式の2段窓となっています。北海道仕様と同様のデッキと空気ばね台車が装備されている車両です。2021年3月改正で基本的に全車が引退しています。
(なお、暖地型は2000番台となりデッキは無く、2段窓も上昇窓で完全に開け放つことが可能になっており、台車もコイルバネとなるなど仕様はかなり異なります。ただし新製時の状態では冷房なしでエンジン出力などは変わりません。JR化後と前後して多くの車両は冷房化やエンジン出力強化が行われています)


奥津軽いまべつ駅

個人的に奥津軽いまべつ駅のまとまった感じの駅は好きなタイプの駅です。今回は時間をあまり取れていませんが、津軽半島だけでなく、青森県は私にとって未知な場所が沢山あります。





コロナ開けには、是非時間をとって青森県を回ってみたいなと思っています。

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