北海道の交通関係

JR北海道の駅バリアフリー進捗

2021/08/17

当サイトでは何度か北海道内公共交通機関に関するバリアフリーなど移動制約者対応に関する記事を記載しています。

North-tt 2021/05/10
誰でもが移動できる社会にしたい。それが一日も早くなるには?
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1044


North-tt 2020/01/14
JR北海道各駅バリアフリー化の現状
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=931


North-tt 2019/12/20
交通バリアフリー法とH100形
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=927


これらの記事でも適時触れていますが、JR北海道は利用者数の多い駅を対象に駅構内の段差解消やエレベータ設置を行っています。法律面では改正バリアフリー法で「1日平均の利用客が2000人以上3000人未満の施設」について、新たに自治体と協議したうえでエレベーター等の整備を進めることになります。

前回記事を作成してから少し時間が経ちましたので、再度各駅を確認してみたいと思います。
まず、利用客上位(5,000人以上)の駅です。(ここでの数字はあくまでも「国土数値情報 駅別乗降客数データ」の値でありますので注意されたい)
JR北海道の駅バリアフリー進捗

改札内にエレベータを設置していなかった札幌駅、新千歳空港駅を含め、多くの駅で移動制約の対応を終えています。駅から列車までの段差は概ね解消されており、列車への乗降はどうしても段差が残りますので、この部分を駅員さんなどの誘導、手助けがあれば列車の利用ができる駅がほとんどです。しかし、対応の終わらないいくつかの駅があります。

・小樽駅
エスカレータに車椅子対応運転機能があり、これにより対応しているが、将来的には改札内にエレベータ設置を検討している。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(小樽駅4番線には旧荷物用エレベータがあるが、これは使いにくい)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(小樽駅のエスカレータは車椅子対応だが、車椅子使用中は他者が使えない弊害があり、利用の多い駅には向かない)

・北広島駅
改札内にエレベータがなく、自由通路内にエレベータがあるため係員の操作が必要。北海道ボールパーク建設による改修で、ここにも改札機が設けられることになっている。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(現状の北広島駅エレベータは自由通路であるエルフィンロードの一角にあり、その存在もわかりにくい)

・大麻駅
本屋側にある下りホームから上りホームへの通路は車椅子エスカレータによる対応。南口から上りホームへは段差がない。南北間の移動に関して市による自由通路が掛け替えられる予定。この自由通路にはエレベータが設置される。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
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(大麻駅の自由通路。自由通路はエレベータ付きに掛け替えることが決定された)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(2001年完成の駅構内の車椅子対応エスカレータ)

・篠路駅
高架化が予定されており、駅も高架駅として新築される予定。その後は段差解消が予定される。現在本屋側から上りホームにほぼ段差なく移動可能、しかし、西口は急ごしらえでそれなりに段差がある。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(篠路駅西口は段差が避けられない構造。高架駅は2025年の完成を見込んでおり、現在は工事は開始されていない)

・上野幌駅
札幌市・北広島市との境にあり交渉が難航していると思われ、また、駅の構造上もエレベータ設置が難しく、現時点では解消されていません。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(改札を抜けるとすぐに階段、そしてさらに先にホームごとに通路が分かれ階段と、駅構内が複雑なのも当駅の問題)


続いて、1000人以上5000人未満の駅です。
JR北海道の駅バリアフリー進捗

・島松駅
恵庭市との話し合いがまとまりエレベータ設置工事が開始される予定となっています。これに先立ち利用頻度の少なかった4番ホームが2021年6月18日をもって使用停止となりました。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(2・3番ホームから見る跨線橋。ホームが狭いこともあり、跨線橋の裏側にエレベータを設置した場合、通路幅を取れるかが課題かもしれません。4番ホームは閉鎖されました)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(駅舎側から見ても、ホームが狭いのが難点です)

・帯広駅
改札外にエレベータが設置され、係員の誘導がなければ使用できない駅です。JR北海道としてはこちらも改札内に設置したいという意向はあるものの、現在の所は具体的な話は無いようです。
設置場所が釧路方ですので、普通列車利用の場合に使いにくい面はありそうです。

・南千歳駅
2020年3月からエレベータの利用が開始されました。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(快速エアポートから苫小牧・帯広方面への乗換を対面式から、跨線橋を越えて隣のホームで行うように改めたことも、このエレベータ設置の理由の一つではあります)

・幌向駅
岩見沢市のサイトなども検索しましたが特段にエレベータの設置予定などは組まれていないように思われます。2,000人超の駅と認識されると思いますので、今後何らかの動きがあるとは思われますが。

・幌別駅
2,000人未満ですので、すぐに動きは無いとは思いますが、1978年設置の北海道ではかなり早くから存在する橋上駅で、登別市中心部最寄り駅ですので、今後も市が利用を考えるのであれば自由通路部分も含めたエレベータ設置は期待したいところです。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗

・五稜郭駅
北海道新幹線札幌開業時には基本的に経営分離される函館-小樽区間ですが、函館-新函館北斗は上下分離の形でJR北海道の運営で残るとされる区間になります。現在のところエレベータ設置などの動きはありません。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(ホームも狭く、貨物列車も出入りすることもあり、設置の難しそうな駅の一つです)

・砂川駅
以前の記事でも記載していますが、市の説明ではJR北海道側の事情でエレベータ設置が滞っているとしていますが、その間にもエレベータ設置駅が増えている現状があります。
東口設置も含めて、今のところ動きがありません。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(JR北海道との協力でホームに待合室が設置されたものの、現状階段のままの砂川駅。東側の1番ホームは通常使っておらず、ここに東側改札口を設置できるか)

・北見駅
特急列車が段差の無い1番ホームに着くこともあって、あまり困っていないのも現実に思えますが、駅舎自体も新しいわけではありませんので、今後何らかの動きがあるのかは注視したいところです。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(立派な自由通路から階段のみのホーム跨線橋を見る)

・余市駅
北海道新幹線札幌開業時に経営分離される区間ですので、鉄道の維持に動くのであれば段差解消を考えたいところです。システム上難しいのかもしれませんが、交換列車が無いときだけでも駅舎側に停車させるなどの交渉は必要だと思われます。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(駅改札内通路もそうだが、自由通路も階段のみで、付近に踏切が無いのも利用につながらない)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(階段でのアクセスをできるだけ減らす工夫が求められる)

・富良野駅
こちらも以前の記事から動きが見えません。富良野-新得の路線維持も関係しますが、新得側の引上線を使用しないことが可能であるならば(貨物列車を考えると難しいのですが)構内を平面移動できるような状態にできないかを検討してほしいところです。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(もう聞き飽きてると思いますが、階段を通らなければ列車の乗降はできません。観光客が大きな荷物を持ってここを通ることが問題視されていないのか、わかってて無視してるのかという話です)

North-tt
駅と利用者数一覧は以下に公開
https://traffic.north-tt.com/txt/20210817_01.pdf


JR北海道
移動等円滑化取組計画書 令和元年12月
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/other/pdf/191224.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20210817_02.pdf




利用者数にかかわらずエレベータ設置を決めた洞爺駅

今回、個人的には驚いたのが洞爺駅のエレベータ設置でした。洞爺は先の資料で乗降客数540人。特急停車駅としても多くはありません。

北海道新聞 室蘭・胆振面 2021/08/08
洞爺駅エレベーター稼働 JR ホームで完成セレモニー
> 【洞爺湖】JR室蘭線洞爺駅の構内にエレベーターが設置されて7日から稼働し、完成オープニングセレモニーが行われた。
 洞爺駅は道内有数の観光地洞爺湖と洞爺湖温泉の玄関口にあり、函館―札幌間の特急が停車する。近年、国内外の旅行客が増えて大きなキャリーケースを抱えた乗客が階段を乗降する姿が目立つようになり、利便性と安全性を考慮して地元も負担する形でエレベーターの設置が決まった。
 エレベーターは定員11人で跨線(こせん)橋に接続する形で2基が設置された。総事業費は2億2千万円で国の補助金に加え、町が半分を負担した。セレモニーには約30人が出席。真屋敏春町長らが「コロナが早く収束し、観光客に安心して利用してもらえるように」などとあいさつ。この後、ホームで真屋町長やJR北海道の島田修社長らがテープカットし、エレベーターの設置を祝った。


跨線橋を作り直す必要が無かったこと、また、観光客需要が多いこともあったものとは思いますが、これにより特急北斗の停車駅では今後エレベータを設置する予定の登別と新幹線開業時に在来線駅も新たに構築される長万部を除けば、八雲・森・五稜郭以外は全ての停車駅で何らかの移動制約を廃したことになります。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
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(ホーム床面にも案内を表示)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
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(駅営業時間もエレベータが使えるため、かご内に問い合わせ先も記載)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(元の階段は踊り場が無く、荷物を持つ人が途中で休めない階段でありました)
洞爺にエレベータが設置されたことは、比較的大きい駅で移動制約を廃した、つまりは、大きな駅からの車移動なら一定の移動ができる形を構築できたという言い方もできます。たとえば普通列車しか停車しない豊浦駅は必ず階段利用が必要ですが、ここから車でアクセスすることで移動制約を最小限にできる意味がありましょう。豊浦にエレベータを設置するのは今は現実的ではありませんが「近く」までは行ける、そこに一定の拠点があってタクシーなどに乗り換えて移動できることは次善の策として必要なことです。


跨線橋を廃してホーム移動を可能にする倶知安駅

まだ完成していませんが、北海道新幹線駅が設置される倶知安では、現在の在来線駅ホーム位置が支障するためにホームを新設して線路を付け替えることになっています。

倶知安町
駅舎デザインコンセプトの検討
https://www.town.kutchan.hokkaido.jp/file/contents/3737/44302/siryou1-1.pdf
JR北海道の駅バリアフリー進捗


この在来線ホームが現在制作されているホームになります。ここで大事なのは、島式ホームの2線の線路のうち、西側の線だけが長万部方に接続され、東側、現在の本屋側の線路はホームで行き止まりになっており小樽方面にしか線路が接続されていません。

このため、倶知安駅では列車交換(上下列車の行き違い)を行うことができなくなります。しかし、このために跨線橋を作ることなく、駅舎側とホームが平面的に接続できるという利点があります。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(建設中のホーム。手前が西側で長万部方面への線路が接続される)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(小樽方)
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(小樽方の踏切から見たホーム)
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(現ホーム側から見た新ホーム。線路切り替え後は旧ホームを迂回する形にはなるが段差が少なくホームに接続されるようになる)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(現ホームは必ず階段を使い跨線橋を越えなければ駅舎に行くことができない)
なお、小樽方面と倶知安方面の列車の乗り換えも平面上で行われることになります。また、現状到着、出発できるホームが限られ、乗換時ホームで待たされることがありますが、今後は直接向かい側の列車に乗り換える形での乗り継ぎしか発生しないと思われます。


新しく跨線橋とエレベータを設置する南小樽駅

南小樽駅の跨線橋が新設され切り替わりました。ただ、エレベータは旧跨線橋を撤去後で無ければ建屋を建てられないために、もうしばらくお預けになります。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(切り替え直後で旧跨線橋への通路が残されている)
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(通路は利用実績を鑑み比較的狭い)
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(旧跨線橋は駅改札前にも階段があったが、それが解消された)
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(旧跨線橋と近い位置に新跨線橋が設置された。新跨線橋の色は旧跨線橋に合わせているとのこと)
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(新跨線橋から旧跨線橋が目の前に見える)
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(エレベータ建屋はこれから建設されるため、仮設の板で塞がれている)
JR北海道の駅バリアフリー進捗
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(2018年8月撮影の南小樽駅跨線橋。非常に味わい深い、懐かしさを感じるものではあるが、毎日の利用はとても大変な跨線橋でありました)



今後予定されているバリアフリー対策等

・登別駅

北海道新聞 室蘭・胆振面 2021/02/10
登別駅エレベーター設置 市負担額3.2億円増
> 【登別】市は9日、JR登別駅のエレベーター設置に伴い市が負担する事業費について、概算で3・2億円増え、10・2億円になることを明らかにした。これまでに供用開始は2025年度中としていたが、実施設計の遅れから26年度初旬とずれ込む。


市の負担が増えた要因は様々ありますが、とりあえず設置に動いているのはよかったことです。2026年まではもう少しかかりますが、北海道新幹線札幌開業には間に合い、新幹線から乗り継げる長万部駅や札幌駅からの特急利用客には間違いなく利便を感じられる施設になろうかと思います。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(洞爺駅の階段も踊り場が無く、荷物を持って登るのが辛い駅です)

・島松駅
上記でも紹介していますが、令和3年の予定が遅れている模様で、現状工事が始まっていません。市の資料では令和4年度中、来年度の設置としていますが、もう少し遅れるかもしれません。4番線廃止に伴い必要なエレベータの設置基数が2つになります。

・石狩太美駅
当別町内に設置される新駅「ロイズタウン」に併せて駅名改称が行われることも発表されています。

JR北海道 2021.04.14
【社長会見】札沼線の駅(当別町内)に関するお知らせ
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210414_KO_royce.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20210817_03.pdf


石狩当別が「当別」に、石狩太美が「太美」となり、石狩太美駅のスロープ工事が行われます。


・ロイズタウン駅
こちらは新設駅ですので、開業当初からのスロープなどによるバリアフリー化を考えられています。
2022年春開業ということで工事はもう始まっています。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
(駅設置場所は5号線道路踏切付近で、ロイズ工場と国道337号線の間となります)


エレベータが使用できなくなった駅

最後に、JR北海道各駅の中で、エレベータが設置されていたのにもかかわらず使用できなくなった駅があります。
JR北海道の駅バリアフリー進捗
JR北海道の駅バリアフリー進捗
新夕張駅です。石勝線の新夕張-夕張が廃止になったため、荷物用エレベータが設置されていた3・4番ホームが使用停止になっており、現在エレベータの無い1・2番ホームのみを使用しています。
特急の編成長の問題などもあったものと思いますが、これにより駅営業時間にかかわらず人力での車椅子上げ下ろしが必要になります。

エレベータ自体の老朽化もあろうと思いますが、夕張市の財政上もこの駅にエレベータを今後設置するのは絶望的であり、しかも利用者数も多くは無い駅です。

以前も記載しましたが、現在は利用客の大小で設置するのは致し方ない面ではあります。しかし、一定の設備が終われば、今度は一定の距離内でバリアフリー設備を設置する必要が出てくるものと思います。特に特急停車駅にはできるだけ設備してほしいと思うのは洞爺駅で触れたとおりです。

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