北海道の交通関係


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栗山・長沼・夕張の保存鉄道車両を見てきました

2021/09/24

前回江別・岩見沢周辺の保存鉄道車両を見て参りました。今回はもう少し範囲を広げて栗山町・長沼町・夕張市など運炭鉄道の保存車両も見てみましょう。

前回の記事

North-tt 2021/09/14
江別・岩見沢の保存鉄道車両を見てきました
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1070



栗山町栗山公園・夕張鉄道21号機

栗山町の国道沿い、駅からも徒歩での到達可能な栗山公園内に夕張鉄道で使用されていた21号機関車が保存されています。1941年製造の夕張鉄道自社発注機で、廃線まで夕張鉄道で使用されたため、鉄道省や国鉄とは無関係の機体となります。川崎車両兵庫工場製の国鉄9600同一機となろうかと思います。1975年の夕鉄廃止後から長くここに展示されており、公園自体が管理のある公園であることもあって比較的状況がよく保たれています。

省9600は余計な表示とは思いますが、自社発注でこれだけの機関車を購入できたという意味では当時の石炭輸送の意味も感じます。




外観は屋根があるためにそれほど傷んではおらず、定期的な保守はあったように思いますが、ここ数年は手をかけていないようにも見えます。



機関車内部も公開されており、長く子供たちの遊び場所であったことをうかがわせる。こういう展示方法は貴重だと思うし、破損を恐れて非公開にするのも意味がないようにも個人的には思います。

カーネギー社とライエツ・セステールウォク社の1905年・1907年のレールも展示しているが、わかりにくいとは思う。


長沼町ながぬまコミュニティ公園・夕張鉄道25号機

長沼温泉の近く、東庭園前バス停下車、長沼町の公園内に夕張鉄道で使用されていた25号機関車が保存されています。こちらは鉄道省49694として製造され夕張にやってきた機体であります。案内看板もそのようになっているのですが、夕張鉄道としての歴史は触れておらず、看板の表記も49694という、いささか不思議な表記です。1921年川崎造船兵庫工場製で1961年に夕鉄に払い下げられ25号機として活躍したもののようです。廃車は1975年で長沼町内で夕鉄の線路があった北長沼などからは離れたこの地で展示されています。

案内板は少し雑な感じです。969番目ってどういう意味なんだろう?





外見は最近直されたようで、過去の写真では錆びて酷かったものが修復されています。


運転台周りは入れるようになっているので若干痛みがあります。
屋根は「ホーム」についているので、機関車にはかからず、冬期はブルーシートでは覆われるものの、機関車に雪が載ってしまいます。


夕張市三菱大夕張鉄道保存車両

夕張市の「南部」にある旧南大夕張駅跡地にゆかりの車両が保存展示されています。
保存を行っているのは三菱大夕張鉄道保存会で現在新型コロナウイルスの関係でなかなか活動できないことが公式サイトから伝わってきます。

三菱大夕張鉄道保存会
http://www.ooyubari-rps.net



ここに展示されている車両は

・キ1

・スハニ6

・オハ1

・ナハフ1

・セキ1

・セキ2
で、その他モーターカーとバス1両が展示されています。廃止が1987年と比較的新しく、運行最終日まで機関車牽引による混合列車で、旅客車両は客車が使われていましたので、これがそのまま残った形になります。


ホームは一部分が崩れ、車体の方に膨らんでいる箇所があります。保存客車も横転していた時期があったはずで、保存には苦労があると思われます。

スハニ6は、1913年製、木造3軸ボギー客車を鋼体化改造されたものとされています。



オハ1はさらに古く1906年製。明治、大正時代の客車が今に残るのは非常に珍しいものと思われます。



車内の調度品が木造客車のそれであり、座席の装飾が無骨な客車のなかでも「仕事」をしているのを感じます。ストーブ設置スペースも残っています。
ナハフ1こそ1937年製ですが、こちらは自社発注の客車ということで保存の意味もありましょう。この車両は車内非公開となっています。

セキ1・セキ2は社線内専用の石炭車で、保線用のバラストなどの運搬も兼ねていたように思われます。国鉄線に入らない貨車ですが、当時は社線内でも石炭を運ぶ需要が当然にあったということも後世に伝えられます。



バスに関しては、三菱鉱業バス保存会の所有で、ここで同様に保存されています。

三菱鉱業バス保存会
http://geo.d51498.com/mitukoubus/index1.html
(ただし内容はアーカイブの模様)



非常に綺麗な状況で保存されてはいますが、どうしても無人の場所に置いてありますし、近所の住民も少なくなっており、痛みが激しくなっているのは否めません。

また、夕張市の石炭の歴史村SL館は現在公開されておらず、ここに所蔵されている三菱大夕張鉄道の4号機が保存されているはずですが、見ることは難しそうです。



番外編1:川端駅に放置されているスハフ44

由仁町にあります石勝線川端駅の裏手にはC62ニセコ号で使用されていた客車が放置状態で存置されています。線路側スハフ44 11、奥側スハフ44 27の2両が設置され、パークゴルフ場の受付などの施設として使用されていました。2010年頃に閉業し、その後約10年全く使用されていません。



駅舎側から線路を挟んで見える2両

跨線橋から。


なお、2017年9月に訪問時奥に抜けられましたが、現在は鍵がかかっており車両の近くには行くことができません。





2017年訪問時は車両近くに近づけたが、この時点でも非常に荒廃しており、車内も見える範囲では荒廃している。


番外編2:旧安平鉄道公園に放置されているスハ45

道の駅あびらD51ステーションと銘打ってD51320号機を旧安平鉄道公園から移設。もとより非常に手厚く保存されており状況も良かったこともありますし、現状でも庫外に小型ディーゼル機関車で引き出し、圧縮空気で汽笛も鳴らせるはずですから、ここまで綺麗な状況を保つSLは類を見ません。
さらに、キハ183系気動車を展示し、1970年代から80年代の新旧鉄道のスターが展示されているということになります。

2019年撮影の道の駅あびらD51ステーションの屋外展示の2両。非常に綺麗な状態で展示され、車内の見学も行われている。

しかし、旧安平鉄道公園には客車が1両、放置状態で展示されているのか、このような感じです。




スハ45は北海道形客車としては標準的な客車ではありますが、中間車ですので現存するとなると数は少なく、店舗などに流用された車両も多くが解体されています。

また、旧安平鉄道公園はどうやら不要品置き状態になってるようで、こんな感じ。



公園としては草刈りなどは行っているので、放置ではないのでしょうが、道の駅に「展示されなかった」町として、特段大事ではないものが、ここに取り残されたともいえましょうか。

Google
安平町
https://goo.gl/maps/GidHkTF9WbqdfbU86



2014年の撮影である安平鉄道公園。小さいながらも非常にアットホームな公園だったように思います。追分機関区で焼失したD51241のモニュメントがあり、動輪と煙室扉が保存されていました。このモニュメントは新しく作り直され道の駅あびらD51ステーションに移設。その残骸がここに残されているのでしょう。


なんでも保存すればいいとは言わないですし、実際客車を連結して保存するのは難しいのはわかるのですが、あまりにも不憫というか、スハ45は構造上デッキが仕切れませんので、雨風がそのまま客車内に吹き込む上、窓がなくなってる箇所もありますので、あまり長くは持たなさそうです。

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