北海道の交通関係

さようなら札幌市電M101

2021/11/03

現在は札幌市の中央区だけを走行する札幌市電ですが、過去には北は札沼線の新琴似駅前まで、西は円山公園、東は豊平区の定山渓鉄道豊平駅前(現在の国道36号線豊平3条8丁目バス停付近)、また一条橋、苗穂駅前までの路線までありました。(1970年頃の最盛期はこれが全て存続していた時代です)

その後地下鉄やバスなどへの置き換えが進み1974年以降長らく西4丁目からすすきのまでの半環状運転を行っていましたが、2015年12月から西4丁目-狸小路-すすきのの札幌駅前通部分が開業(復活)して環状運転を行うようになりました。


(4丁目交差点の札幌駅前通。電車が歩道側を走るのも見慣れてきました。車両は250形255で、ニチレイの広告塗装。現在は別デザインに更新されています。この車両も1961年の製造)

2019年からは上下分離となり、運行が札幌市交通事業振興公社に移管されています。とはいえ乗る側には特段の変化はありません。

札幌市電の車両は長らく見た目的に旧タイプな210形220形240形250形、そして今回引退するM101が主流でした。1985年以降は新型車として8500形8510形8520形、1998年以降は既存車両を改造した3300形も導入されましたが、根本的な車両更新には手をつけられない状態でした。これは札幌市電の全廃も検討の中にあったということもあります。

2010年に市電の存続が結果的に決定したことで車両の更新を開始、2013年からは3車体連接のA1200形が、2018年から単車タイプの1100形が導入され、最終的には既存車両を全て置き換えるとしています。

あくまで当サイト管理者が把握している現在の札幌市電の営業車としての運用車両は
・210形 211・212・214の3両(213の廃車が最近行われたようです)
・220形 221・222の2両
・240形 241・243-244・246-247の5両(242・248の廃車が最近行われたようです)
・250形 251-255の5両
(札幌市交通局の標準的な塗装を纏う248)
・8500形 8501・8502の2両
・8510形 8511・8512の2両
・8520形 8521・8522の2両
(チョコレートの広告が入った8502)
・3300形 3301-3305の5両
(狸小路電停に停車中の3305)
・A1200形 A1201-A1203の3編成(A1201ならA1201A・A1201C・A1201Bの3両1組で1編成を構成)
(狸小路電停に停車中のA1203)
・1100形 1101-1107の7両
(石山通-中央図書館前付近を走行する1101)
そして今回引退したM101が1両で
以上37両(編成)となりそうです。A1200導入までは30両を保っており、1100形が勢力を伸ばす中ですので、将来的には210形-250形の各形式は引退が進んでいくものと思われます。

M101形の特徴

今回引退するM101形は他の車両とは大幅に違う特徴を持っています。元々がTc1形と連結して走る「連結車」だったということがあります。
この2両が製造されたのは1961年(昭和36年)ですので札幌市電の混雑が酷い最盛期に混雑解消の「試作」に近い編成だったと言えます。ラッシュ時に2両で、閑散時に1両で走れることを検討していましたが、Tc1形にもモーターが付いているなど、なかなか機構が複雑だったようですし、貫通していませんから車掌を2名(当時はワンマン運転ではない)乗せなければならないなどの不便があったようです、結局Tc1形は1970年には廃車となり、南区の交通資料館に保存されています。

札幌に地下鉄が走ることになる1971年より前の札幌。1970年に人口が100万人を突破するなど加速度的に都市化が進みます。M101形が誕生した1961年の札幌の人口は61万人です。豊平町や手稲町を併合して100万都市を造ったこともありますが、それ以上に札幌都心部への通勤、通学輸送には本数の他1両に乗れる人数が多い車両が求められたという背景があります。

あらためてM101形を見ますと、全長は12m、定員96名ですが、見ての通り大型の扉により2列以上に並んで乗車が可能になっています。これは環状化された最近でも特に混雑の激しい朝の外回りなどでは有効だったようです。

しかしながら、中央の大きな扉が左右にある状況ですので、貸切電車などには不向きともいえます。また扉が大きい分隙間風があり、冬期は寒いというのが個人的な印象になります。

ただ、見た目(塗装的に以前のくすんだグリーンであった)こともあって古そうに見えますが、実質的には8000形の次に新しい車両ですし、電動機出力が大きいこともあり走行は軽快そうに見えました。1両しかない異端車両であることが引退を早めたとも言えそうです。

(2005年に撮影したM101形西4丁目-すすきのの行き先表示も懐かしい。まだLED表示ではない)

また、先に引退しているTc1形は塗装業者のボランティアで塗り替えられ、綺麗な状態になっているとのことです。

屋外保存の市電 塗装きれいに 札幌の塗装業者が奉仕作業
2020/09/04 北海道新聞夕刊 札幌市内面
> 札幌塗装工業協同組合青年部会(松原雅彦会長)は一時閉館中の札幌市交通資料館(南区真駒内)で屋外保存されている市電「TC―1形」の塗装を塗り替えるボランティア活動を行った。
 TC―1形は1961年製。同年製造で現在も活躍する「M101形」に連結され、2両一組の「親子電車」として運行されたが、TC―1形のみ70年に引退。現役であるM101形も来年度中に引退予定だが、ファンの人気も高く、ともに2022年秋の同館のリニューアルオープンに合わせて展示する考え。


なお、Tc1形の塗装は現在のM101形に合わせた塗装とされ、現役時代のものとは異なりますが。約50年ぶりに「親子」が再会して展示される方が個人的にはうれしいことであります。


M101最後の活躍

市電沿線は図書館に行くときくらいしか使用しないのもありまして、よく乗ったとまでは言いがたいのですが、たまに来ますとあー珍しいなぁと思って乗ったものです。

昭和色 深緑とベージュの車両 還暦「M101形」引退へ 札幌市電のVR映像を配信
2021/06/11 北海道新聞
> 札幌市の路面電車(市電)の車両で、1961年に運行が始まった「M101形」が老朽化のため10月末で引退する。市民に長年愛された車両として、札幌市交通事業振興公社は10日、車両の魅力を体感できる映像の配信を始めた。


M101形の引退は6月に発表されました。塗装が旧塗装のままということもあって最も古く見えますが、実際はそうでもありません。ただ、1両しかないので見かけると「あっ」と思うので、やっぱり人気は高かったんでしょう。Tc1形とともに保存されることも発表されました。

先日(といっても7月の話だ)用事があって市電に乗るときにM101が来ましたので、予定を変更して電車の終点であった中央図書館まで乗り心地を楽しみました。引退の発表から日が浅い時期のことでしたので、写真の撮影に制約は無く、車内の写真も撮っています。7月でまだ日が長く、土曜日でしたので西4丁目18:34発が最初の中央図書館行きとなります。都市部で乗車したお客さんは降りていくだけですから、車内の様子も撮りやすいのですね。



(西4丁目電停に到着したM101)


(塗装の印象がより古さを感じさせるのでしょう)



(運転席周り。最後部に座って後ろを見るのが市電に乗るときの個人的な定位置です)

(すすきの交差点を横目に進むのもなれてきました)


(石山通電停で他のお客さんがいなくなりましたので車内の様子を。やはり中央ドアの幅広が目につきます)


(中央図書館終点で下車。そのまま電車は事業所に回送されていきました)
これが最後の乗車となりました。縦横がどうしようもないのですが、動画を撮影しましたので掲載します。

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