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北海道の交通関係
JR北海道の駅窓口営業時間短縮と札幌駅周辺再開発
2021/11/11
JR北海道は最近社長会見資料をWEBサイトのニュースリリースに提供するようになりました。
以前から報道されている社長会見内容と、実際の会見内容に若干の乖離があり、実際に会見で何を言ったのかが本来必要なことで、JR北海道には会見内容をそのままWEB公開するような形が必要ではないかと思ってますが、資料の公開は(いままでも行われていたが)良いことだと思っています。
2021年8月社長会見:駅業務の効率化
8月19日に行われた会見では、駅業務の効率化について触れています。【社長会見】駅業務等のコスト削減策について
JR北海道 2021.08.19
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210819_KO_Ekigyoumu.pdf
利用者が直接指定席などを購入可能であり、オペレータによる対話型の発券も可能な「話せる券売機」のさらなる導入がメインです。
JR北海道駅一覧(指定席券売機設置駅抜粋)
https://traffic.north-tt.com/index.php
2021年10月現在指定席券売機・話せる券売機は今回年度内に新設導入を予定している14駅を含めて47駅となります。
-指(話)-話せる券売機設置駅・茶色文字は今年度導入予定駅
-指(ク)-クレジットカード専用指定席券売機設置駅
-指-指定席券売機設置駅
話せる券売機は札幌圏を中心に24駅に設置済みで、さらに札幌圏と特急停車駅を中心に広めることが覗えます。
話せる券売機のオペレータ対応時間は導入当初8:30~19:00となっていましたが、2021年4月から(と思われる)6:30~22:00と拡大されています。
2019年2月の島松駅への話せる券売機導入時の案内看板(2020年1月撮影)
2021年4月のオペレータ対応時間拡大後の話せる券売機表示
札幌圏の駅でも多くの駅では1人勤務で深夜まで窓口を開けていますが、この券売機で「2窓体制」になっているとも言えますし、近距離乗車券の購入も可能ですので、駅によってはこの券売機1台のみ設置となっている状況も見られます。
20時以降無人となる八軒駅や新川駅では「話せる券売機」導入で運行時間中指定席券類の発行が可能になり、また、オペレータ対応時間を考えると、むしろ利便が高まったと言えましょう。
ただ、地方駅では窓口閉鎖と同時に券売機自体の使用を停止する駅もあり、それはそれで問題が大きそうにも思います。(洞爺駅はせっかくの話せる券売機を窓口閉鎖と同時に使用停止にしています。18時台にどのような切符も買えなくなるというのは、あまり褒められた対応ではないと思います)
会見では具体的な駅についての言及はなかったものの、直営、委託あわせて98ある有人駅のうち約8割の駅に話せる券売機を設置し、窓口営業時間の短縮、時限休止に踏み切るとしています。
話せる券売機の年度内導入駅に関してはまだ導入されたという話は聞きませんが、年内にも導入される駅が出てくるのではないでしょうか。
7駅でのみどりの窓口営業時間の短縮
こちらは特にプレスリリースでは案内されませんでしたが、11月1日から以下の7駅で窓口の営業時間を変更しています。●苫小牧 5:30~22:50->6:30~19:30
●新千歳空港 6:30~22:45->6:30~22:00
●新札幌 6:20~21:30->7:00~20:00
●小樽 5:30~22:45->7:00~20:00
●手稲 5:25~22:45->6:30~20:00
●苗穂 5:30~20:00->7:00~18:00
●岩見沢 5:30~23:35->6:30~19:00
比較的大きな駅、利用の多い駅を対象にしました。


苫小牧は独立したみどりの窓口がありましたが、改札脇の窓口スペース(これまでも時間帯によってこちらだけ使用していた)に集約されます。
これにより窓口営業時間外は基本的には改札係員だけを置く対応になると思われます。要はワンオペ化とも言えましょう。



小樽駅も改札脇の窓口と観光案内所や待合室と同居する窓口がありますが、こちらは改札側の窓口を使用しなくなったように見えます。
苫小牧・岩見沢が大規模に短くなった印象ですが、やはり夜行列車などもありませんので、基本的には夜遅くとも19時程度まであれば問題なしという判断はされたとは思いますし、また、話せる券売機の対応が22時まで、オペレータを関わらせないなら終列車まで券売機の利用は可能と思いますので、それでほぼ十分であるという判断はなされたと思われます。


新千歳空港は控えめな窓口営業の短縮になりましたが、航空利用を対象にするフリー切符の引き換えを除けば快速エアポートの指定席発売が多い印象です。南千歳駅を代替にする方法をとらないところを見ると、将来的には南千歳駅も短縮を検討しているようにも見えます。



また、札幌圏の普通列車しか停車しない比較的小駅である苗穂駅を思い切った形にしたのは、今後のテストケースとも言えましょう。18時終了ですと学生の定期券購入はまぁ間に合うにしても、社会人利用は難しい。しかし、これも「えきねっと」などのWEB+券売機対応でほぼ問題ないという観点がありそうです。この導入に問題がなければ普通列車停車駅は今後ほぼ全てこのような形で短縮されるのではないかと思われます。
旅行相談のようなものも、今や旅行センターがないわけですから、あまりそれを必要とする人が少ないということでもあるのでしょう。今回の駅は改札職員は維持した状態での窓口営業短縮と思われますので、その点でも「特段の問題はない」としているということでしょう。
なお、あくまで私個人の話ですが、ここ1年自身の定期券、高校生の息子の定期券購入(年度更新時に話せる券売機のオペレータ機能を使用)またえきねっと予約の発券に割引切符などの購入も含めて窓口をほぼ使わずに過ごしました。(唯一窓口を使用したのは「値段の表示がない指定席券(指のみ券)」の変更の場合で、これは指定席券売機では不可です。通常の指定席券でも区間や乗車日の変更も多分オペレータ対応と思います)
つまり単純な往復、フリーきっぷとそれへの指定席付与、えきねっと使用の指定席引き換えなどが問題なくできている以上窓口の必要性はかなり少なくなっているのが実感です。
マニア的に経路を指定した一周乗車券の購入などは指定席券売機では難しい面はあります。
(ただし、特定都区市内発着である札幌-白石-沼ノ端-長万部-札幌のような経路なら白石発札幌着で検索すれば同じ効力と表記の乗車券は発券できる。えきねっとでも可)
また、機械発券のできない切符、団体乗車券、旅行会社発売の切符の変更などがありますが、それに関しても小さな駅で早朝や深夜に発注するような切符ではありません。
しかし、それをどうしても必要とする人が早朝深夜に窓口を使わなければならないというのは、一応はJR全国全区間発券が可能という窓口であっても難しい面はあろうかと思います。事前に窓口が空いている時間帯にある程度時間がかかるのを当然に「お願い」するものではないかとも思います。もちろん制度上発行できるのは確かですが、これを早朝深夜いつでも発券できなければならない!というのは、個人的にはあまり思わないところです。
逆に言えばJR北海道であれば割引切符類のほとんどが指定席券売機で購入可能であることも考えると、マニアが声高に叫ぶ「困る」があまり浮かばないのも現状です。そして、多くは話せる券売機のオペレータ対応なら発券できる場合がほとんどとは思われます。
いずれにせよ今後も窓口営業時間の短縮、場合によっては無人化や窓口廃止は続くものと思われます。
札幌駅隣接の商業施設「パセオ」「エスタ」閉館
札幌駅の新幹線工事、再開発に伴い、札幌駅高架下の「パセオ」閉館が発表されたのは2021年3月の会見のことでした。
(JR札幌駅から地下1階パセオへの通路)
新幹線工事に伴うパセオの休館について
JR北海道 2021.03.10
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/dcc71256e3d9552e0853eaa0235a4895.pdf
なぜかこれに関しては非難の声が多数上がりました。
新幹線工事想定に甘さ パセオ長期休業
2021年03月11日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/520202
> <解説>JR札幌駅直結の商業施設「パセオ」が2022年秋から長期休館となるのは、北海道新幹線札幌延伸に向けた工事で、空調や電気などの主要設備の撤去が必要ということが新たに分かったためだ。
JR北海道は当初一部店舗の休業を想定しており、関係者からは工事想定の甘さを指摘する声も上がっている。
パセオの空調設備は北口東側の一角に設置されている冷凍機を使用した一括冷房であり、また、札幌駅そのものの高架橋の耐震工事自体を行うことを考えると、一部分を閉鎖して工事を行うのは困難であると考えられます。
むしろ耐震工事で空調設備が撤去されれば営業はできず、当然それは必要なので閉館すると明記していますので、何故ここまで批判するのか意味がわかりません。
むしろ、不動産賃貸としての利益が確保できていたパセオの閉館は行いたくないがやらざるを得ないという不退転の決意とも言えましょう。
パセオは2022年秋に営業を終了。その後工事進捗により再開を目指しますが、在来線の高架橋耐震工事が終わる2024年度以降に順次となろうかと思われます。
また、バスターミナル・ビックカメラなどが入居するエスタの閉店も発表されました。
(エスタとJRタワー)
【社長会見】(仮称)札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発事業に伴う札幌エスタの閉店について
JR北海道 2021.11.10
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20211110_KO_Esta.pdf
エスタは1978年9月の開業で、すでに40年以上の建物になります。駅ビルとしては北海道初となるエスタは。旧国鉄の「商業」への介入の悲願の象徴とも言えましょう。
それ以前、国鉄は駅ビルを直営できないという経営環境下でありましたが、1971年に駅ビルへの出資が認められるようになります。しかし、直接国鉄が商業を経営するノウハウもありませんし、その規模が大きく地域の小売店への影響への批判もありました。そこで、地域の商工会、企業の出資を受ける形で駅ビルを作ることになります。
エスタの運営会社は当初札幌ターミナルビル株式会社で、国鉄の他北海道の各種企業が出資しています。そして2005年には現アピアのステーションデパート(札幌駅地下街開発)、パセオ(札幌ステーション開発)、ステラプレイス(札幌駅南口開発)を統合して「札幌駅総合開発株式会社」とします。札幌駅隣接商業地帯を一体運営できる土壌になったわけです。
以前もこのあたりの話を書いていますが、
札幌駅「北5西1・西2」再開発と日高線廃線協議
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=919
ついにエスタの解体と新ビルについて決まったということで、札幌駅周辺は大きく変わります。
札幌駅の11番ホーム新設工事も進んでおり、その後1番ホームの新幹線線路転用工事も始まっていくものと思います。大きく変わっていくのは駅ばかりではなく札幌の街の中、北海道全域に広がり、そしてそれが未来の北海道を明るく変えていくことに期待していきたいものです。
昔のものを大切にすることに異論はありませんが、耐震の不完全な施設や古い建物にこだわって未来を不安、不便にし、子や孫の世代が「困る」ような街にしてはならないのです。