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北海道の交通関係
高速バス予約制あさひかわ号休止とRAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンの発売
2021/11/29
北海道の「首都」である札幌と第二の都市旭川を結ぶ高速バス「高速あさひかわ号」は、L特急として増便し高速化を図ったJR北海道の特急列車と対抗し、運賃の安さときめ細かな増便や続行便で利用者の評価を得ていました。
コロナ禍はそんな高速バスにも暗い影を落とします。
コロナ禍の高速あさひかわ号の便数
2020年4月1日改正ダイヤでは紋別などに直行する便も含めた40往復が設定されていました。2020年4月18日 緊急事態宣言発令に伴い、4月1日ダイヤを元に11往復を減便。29往復を運行。
2020年5月16日 特別ダイヤとして20往復を運行。

2020年6月11日 4月1日ダイヤを元に11往復を減便した。29往復運行に復元。
2020年12月1日改正ダイヤでは26往復運行に減便。
2021年4月1日改正ダイヤからは通常便25往復運行の他に予約制あさひかわ号6往復を新設。計31往復を運行。

2021年5月21日 緊急事態宣言発令に伴い予約制あさひかわ号2往復、通常便8往復を減便。計21往復運行。
2021年7月16日 運休便の再開。予約制あさひかわ号6往復、通常便25往復の通常ダイヤ復帰。計31往復運行。
2021年9月1日 緊急事態宣言発令に伴い予約制あさひかわ号2往復、通常便8往復を減便。計21往復運行。

2021年9月29日 運休便の再開。予約制あさひかわ号6往復、通常便25往復の通常ダイヤ復帰。計31往復運行。
2021年12月1日改正予定ダイヤでは、予約制あさひかわ号を休止、通常便26往復を運行することになります。

高速あさひかわ号は1983年の道央道札幌-岩見沢開通にあわせ1984年9月運行開始。当初は2往復2時間55分という所要時間でした。1990年の道央道旭川鷹栖IC開通で40往復2時間まで高速化し、JR北海道も1990年にはJR化後初となる新型特急電車785系電車によるスーパーホワイトアローを運行、特急30分ごとの運行、所要時間1時間20分で対抗することになります。また、往復割引や若年層、高齢者層への割引切符を発行します。
乗客200万人達成-札幌~旭川高速バス
1991/06/18 北海道新聞
> 高速道路を利用した道内都市間バスの中での最大路線、札幌-旭川間を結ぶ「高速あさひかわ号」の乗客が十八日午前、札幌発の便で二百万人に達し、道中央バスターミナルで記念のセレモニーが行われた。
>高速道路の延長で、所用時間は当初の三時間から二時間に短縮され、ビジネス客や買い物客らを中心に一日平均千二百人が利用している。運行開始から六年九カ月で二百万人を達成した。
この記事以降利用客数のデータの記事はありませんが、1日1200人で40往復なら1便あたり15人ですので、そう遠くない数字では無いかと思われます。
札幌-旭川の流動シェアは少し古い資料ですが、北海道経済連合会「道内交通量および各種交通手段に関する基礎データ」で確認できます。
道内交通量および各種交通手段に関する基礎データ
http://www.dokeiren.gr.jp/assets/files/pdf/teigen/20161128teigen2.pdf
140キロほどである札幌-旭川ですと自家用車、クルマでの移動が多いという結果ではあります。その中でも鉄道が25%ほど、高速バスは一時期15%近くの分担率だった時期がありましたが、年々クルマに押されている感じがします。鉄道の利用も減ってはいるものの、根強い利用があるのは出張や早朝夜間から運行するという安心感があろうかと思われます。
予約制あさひかわ号運行開始の背景
2021年4月1日ダイヤ改正から北海道中央バスと共同運行のジェイ・アール北海道バス・道北バスは、あさひかわ号に予約制を導入します。運行便数がコロナ禍で減っている中、25往復を通常便、6往復を予約制とし、コロナ前の40往復には届かないものの31往復を確保するということになります。北海道中央バス 高速あさひかわ号 時刻表
https://www.chuo-bus.co.jp/highway/pocket/pdf/asahikawa.20211008.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20211129_01.pdf
「あさひかわ号」一部を予約制 中央バスなど3社 来月から 定員半分 運賃上乗せ
2021/03/24 北海道新聞
> 北海道中央バス(小樽)、ジェイ・アール北海道バス(札幌)、道北バス(旭川)の3社は23日、札幌と旭川を結ぶ「高速あさひかわ号」の一部を4月1日から、定員を半分にした予約制バスとして運行すると発表した。通常運賃に千円を上乗せする。北海道運輸局によると、新型コロナ対策で特別料金を取る都市間バスは道内初とみられる。
> 北海道中央バスの担当者は「あさひかわ号で客の反応などを見た上で、ほかの都市間バスにも予約制を導入するか検討したい」としている。
通常高速あさひかわ号で使用される車両は4人掛け11列(トイレ設置のため左側は9列)で正座席40席です。予約制あさひかわ号ではこのうち窓側席のみ20席を発売、通路側席を空席として運行することになります。
特別料金として運賃の他に特別料金1,000円を徴収します。
定員が半分になることから、特別料金を徴収しつつも定員乗車の場合でも減収が避けられない運行方法になります。しかし、コロナ禍での公共交通利用の忌憚、一人利用の場合に隣に無関係の人が座るリスクを考えると、割引の子供料金相当である1,000円追加で2席が使えるというのは、ある意味理にかなった設定に見えます。
ただ、通常運賃2,300円の札幌-旭川間に特別料金1,000円込みで片道3,300円というのは、JR北海道のえきねっとトクだ値の設定が定価の45%引きで2,860円で指定席利用が可能なことを考えるとずいぶん高い印象にはなってしまいます。また、自由席利用の往復割引きっぷであるSきっぷの片道分は2,775円となります。座席数が多く、ある程度好みの席を選べるJRと比較すると、どうしても特別料金をかけてでも利用するかという判断が難しい便とも言えましょう。また、高速道路上の途中停留所に停車しないこともあり、純粋に札幌-旭川の流動しか確保できないという面もあります。
なお、特別料金が500円程度であればJR同等の金額となりますが、満席になっても通常便に対してバス会社の得られる運賃が少ないという状況から継続した設定は難しかったともいえるかもしれません。
結果的に8ヶ月の運行で終了してしまう予約制運行ですが、個人的には何か惜しいと感じます。各便をチェックしたわけではありませんが、予約サイト「発車オーライネット」で見る限りは10席程度の予約が入っている便もちらほら見かけていることもあります。
JR北海道の特急ライラックも、稚内・網走方面への接続特急の問題はあれど、指定席車両を増やす傾向にあり、えきねっとのシステム上指定席利用を優遇している面があります。コロナ禍以前に以前のような満席になる便が少ない以上「確実に席を確保できる」という利点が「とりあえず乗れる」を上回った面はあるかもしれません。個人的にもえきねっとトクだ値が設定されて以降は鉄道利用時に指定席を確保することが増えており、自由席主体の高速バスは、若干リスクを感じてもいます。
RAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンの発売
コロナ禍で失われた公共交通利用の喚起策として、北海道は「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」と銘打ったキャンペーンを行っています。ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン
https://hokkaido-rrc.jp
これは北海道が各事業者が発行するチケットの30%または50%を補助する仕掛けで、JR北海道はジェイ・アール北海道バスを含めた全線を6日間使用できる「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を設定金額の半額である1万2000円で発売、道南いさりび鉄道は「いさりび1日きっぷ」を通常価格の3割引である700円で発売しています。なお、2つ以上のモードで使用できる場合に50%、単独の場合は30%を補助するとしています。
北海道中央バスと共同運行を行う14社のバス会社の都市間路線で使用できる「RAKUTOKUBUS14プレミアムクーポン」は1000円券7枚、500円券6枚で1万円分使用できるクーポンチケットを7,000円で発売するというもので、北海道が30%を補助しています。
RAKUTOKUBUS14プレミアムクーポン
http://www.rakutokubus.jp/lp/lp09/
当初は2020年10月1日から発売を開始し、補助枠終了または2021年1月31日まで発売し、2021年3月31日まで有効としていました。
しかし、2020年12月27日でいったん発売を休止し、有効期限を2021年6月30日まで延長することが発表されます。
結局再発売はさらに延期され、2021年11月1日から再度発売されることになりました。昨年発行されたクーポンも含め使用期限が2022年3月31日に延長になっています。(チケットそのものやパンフレットなどは旧有効期限のままであるが、それも含めて2022年3月31日まで使用可能)
チケットの様式ですが、回数券スタイルで、各券片に7桁の番号が記載されています。
チケット記載の有効期限に関わらず2022年3月31日まで使用可能となります。
使用可能な路線は主な中央バス・共同運行の都市間路線で、片道運賃1000円以上の区間に限ります。札幌-小樽、札幌-岩見沢などの路線では使用できず、また、高速くりやま号、高速ゆうばり号でも使用できません。
空港連絡バスも北都交通単独である新千歳空港-真駒内などの路線では使用できません。また、長距離でも一般路線では使用できませんので、周遊という意味では少し使いにくい面はあります。
たとえば日高方面でいえば札幌-浦河の高速ペガサス号、札幌-えりもの高速えりも号、新千歳空港-浦河の優駿ひだか号は使用できますが、苫小牧-えりもの高速とまも号は使用できないなどのわかりにくさがあります。
しかし、多くの場合は往復割引や回数券より安いため、単純往復での需要喚起と考えているようにも思われます。高速あさひかわ号でいえば札幌-旭川の普通運賃2,300円、20枚綴りスマホ回数券1枚あたり1,840円のところ、端数現金併用でも1,700円で乗ることができることになります。
予約制あさひかわ号に乗ってみる
今回、旭川に用事がありましたので、予約制あさひかわ号に乗ってみることにしました。会員制の高速バス予約サイトである「発車オーライネット」から検索しますと、残席は19。乗車予定の便は1席は売れていた模様です。なお、他の予約制高速バスとは異なり、発車オーライネット上での決済を行うことはできず「バス会社窓口決済」との表示になります。実際には窓口での決済もできず(通常運賃の片道乗車券は購入できる)バス下車時に現金で特別料金1,000円と乗車券、回数券、現金で運賃を支払う方法になります。必ず特別料金1,000円は下車時に現金払いするルールです。
シートマップを表示しますと通路側の座席は全て「×」となります。これは売れた席ということではなく、販売されていない席ということになります。

私が席を既に予約した後の画面ですので、この便は2席しか売れていないことになりますね。
当日、札幌駅前バスターミナルに行きます。発車の10分前くらいに行きましたが既にバスが入線していました。旭川行きは以前は「南レーン」と表示していましたいちばん南側にある14番のりばになります。



担当は北海道中央バスで、北営業所の所属車両と思われます。比較的新しい車両のようですね。なお、札幌駅前バスターミナルでは中央バスの案内係員さんがおられ、行き先の表示などを掲げますが、その表示は通常の旭川行きと同じもの、バスの行き先表示には「予約制」の文字があります。




運転手さんによる予約の確認後車内へ。前方に他の予約客がいるので後方を使ってくださいとのお話でしたのでお言葉に甘えます。
車内は最近の中央バス高速車は黄色とグレーの座席を使っているのでしょうか、あまり見慣れないタイプです。壁側と通路側肘掛け下にコンセントが設置されています。

また、wi-fiの設備があります。その代わり以前は行われていたテレビや音楽などのサービスは終了しており、各自がスマートフォンなどでコンテンツを楽しめる形に移行したといえましょう。
北海道中央バスのwi-fiサービスは、パスワード入力が必要だった「CHUO_BUS」のSSIDで提供していたものは終了しており、また、高速バスフリーWi-Fi「.Wi-Fi_BUS」のSSIDのものも最近あまり見かけていないように思います。現在は北海道フリーWi-Fi(Hokkaido Free Wi-Fi)「.Hokkaido01_Free_Wi-Fi」のSSIDで接続し、SNSのアカウントまたはメールアドレスで認証させるタイプになっているようです。
定時刻に発車。車内は私一人です。乗り場付近には次のあさひかわ号通常便に乗られる方が既に列を作っています。大通公園に近い中央バス札幌ターミナルでも乗車は無し、丁寧なアナウンスの運転手さんですが、聞いているのは私だけです。

各地で雪の便りを聞きますが、札幌はまだ積雪しておらず、豊平川はまだ秋の装いです。米里通りに入り菊水元町7条でもう一人の予約客がご乗車。やはり2名で確定のようです。
札幌インターチェンジから道央道に入りましたので、パソコンを開きます。コンセントとwi-fi完備は本当にうれしい限りですが、やはりバスは細かく揺れますし、若干前が狭いので仕事はし辛いです。ただ、隣が絶対に来ないのが確定していますので、隣の席のコンセントをスマホ充電に、荷物も手元に置けるのは快適です。

江別市を過ぎると雪景色になりました。高速道路の速度制限も50キロを指しています。バスはまぁまぁの速度で追越車線を走っていきます。予約制あさひかわ号は高速道路上にあるバス停には停車しないのは利点の一つでもあります。ただし、運行上の短縮時間はありません。
高速あさひかわ号は旭川鷹栖インターチェンジ開通時に札幌-旭川夏期2時間、冬期2時間20分としましたが、1996年から5分伸ばし夏期2時間5分、冬期2時間25分としています
予約制あさひかわ号の特別料金1,000円は現金での支払いのみですが、運賃部分の2,300円はどのような決済手段でもよいので、今回RAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンを使います。2,500円分クーポンを出しても得ですので、このような形で支払います。

北海道中央バスの運賃箱は千円札は両替同様に挿入口に入れ、小銭やクーポンは上部運賃投入口に入れるとのことです。

旭川鷹栖インターチェンジを出て、イオン旭川西や近文駅に近い緑町20丁目バス停への到着は約20分遅れとなりました。夏ダイヤから20分遅れですので、おおむね冬ダイヤは理にかなった設定なのでしょう。
普通便あさひかわ号に乗ってみる
帰りは旭川駅前から普通便のあさひかわ号に乗ります。夕方の発車ですが、発車直前に乗りますと既に窓側は全て席が埋まっている状態。申し訳なくサラリーマン風の方の隣に腰掛けます。恐ろしく迷惑そうな顔をされても、着席が義務の高速バスでは困ります。女性客など、窓側が少し寒いという意味もあるのでしょうが、通路側に座ることで「絶対隣に座ってくれるな」オーラを発していたり、荷物を置いている方も多く、途中停留所からの乗車は、正直気分が萎えることでしょう。
この便を選ばなければ次の便は約1時間後であることもありますし、実際には定員にかなり余裕を残した状態でありますので致し方ないのですが、途中旭川市内の停留所でも最終的に5人程度は乗り、各相席で座りますので、やはり気を遣う感があります。北海道中央バスの4列座席車は補助席の関係で通路側にはみ出して腰掛けることが難しいという面もあります。これも、高速道路上での乗車の場合、最終的に10席ある補助席を使うという意味でもありますので、気楽に乗れる「自由席」であることで2人が掛ける、さらに補助席も使うのがいいのか?それとも、多少高くても指定席制を求めるかという話にもなるのかもしれません。
そういう意味で、個人的にはもし、近い時間帯に予約制の便があるならば、それも選択に入りそうにも思いますし、今はコロナ渦であり難しいのでしょうが、以前特発便や臨時便が数多く運行されていた時代を知るだけに、それもできない状況になっているという公共交通の衰退も見える面なのかもしれません。
なお、この便も高速道路上は50キロ規制ではありましたが、まぁまぁの速度で走っているようで(一応スマートフォンで速度ログは取っていますが公開しません)菊水元町7条では約15分遅れでありました。
2021年12月改正の高速あさひかわ号時刻表
先ほども触れていますが、12月以降の高速あさひかわ号は予約制の便6往復を休止した上で、通常便26往復の運行となります。運行間隔があまり一定していないので、時刻表いらずとはならないのが辛いところです。北海道中央バス 高速あさひかわ号 時刻表
https://www.chuo-bus.co.jp/highway/pocket/pdf/asahikawa.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20211129_02.pdf
ただ、今回たまたまなのかもしれませんが、それなりに盛況な便を見る限り、もう少し、朝夕に30分おきなどの増発ができないかとは思うところですね。