北海道の交通関係

室蘭の路線バスを少し見てきました

2021/12/07

前回RAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンで旭川近郊のバスを見てきました。今回は室蘭近郊のバスを少し見てきたいなと思います。

室蘭市は人口約8万人で、大きく突き出した絵鞆半島部分に市役所などの中心部がありますが、付け根部分になる東町地区から登別市幌別地区までに住民が集中しています。鷲別駅近くで境となる登別市とは市街地が接していることもあって流動が活発で、バスも多くが直通します。また、白鳥台、すずかけ台、蘭北団地など山あいの住宅地も少なくなく、バスが日常の足として機能している地域とも言えます。

そういう意味で鉄道は駅勢人口としては少ないこともあって、あまり利用されていないのが実態ではあります。それでも定期券の関係もあり東室蘭-室蘭など通勤客の「ラッシュ」が見られるのは札幌圏以外では珍しいともいえるかもしれません。

乗車券は共通だがいまも2社が別々な札幌-室蘭の高速バス

今回、札幌から室蘭までは高速バスを使います。札幌-室蘭の高速バスは長らく北海道中央バスと道南バスの2社が別々に運行していました。

道南バスが札幌-室蘭の都市間バスを運行開始したのは1955年(昭和30年)とかなり古いことです。もちろん当時は一般道経由ですので苫小牧を経由し片道4時間、1日1往復というもので、1970年代には1日5往復まで増やしたものの夏期でも片道3時間50分では国鉄急行ですら2時間半程度で結んでいたことを考えると分が悪く、結局1975年には一旦休止となります。しかし、札幌-登別温泉などの長距離バス自体は運行を続けます。
1975年の会社更生法申請、そして1977年の有珠山噴火では道南バスは大きな打撃を受けることになります。

札幌-室蘭の高速バスは1983年年末年始に高速道路経由で東町ターミナル-札幌を2時間で結ぶ帰省バスを運行、この当時白老ICまで高速道路が開業しており、途中での乗降に制限を持たせることで高速化したようです。先の通り、当時の国鉄特急・急行が1時間40分から2時間程度でしたので、同等の時間で半額程度という金額で参入したということになります。1984年には2往復体制で超特急白鳥号として路線運行を開始、1985年には登別東IC開業でほぼ現状と同じルートでの運行になり、5往復2時間1700円という設定となります。

対する北海道中央バスも1955年から札幌-室蘭の急行便を開設し、1往復4時間半にて運行。1968年には5往復まで増やしたものの1975年には一旦休止、1984年から高速むろらん号として札幌-室蘭に再参入、道南バスとは共同運行せず各社が単独で運行することになります。1985年には5往復まで拡大します。道南バスとは時刻を調整してありますが、利用者にしてみれば共通化していないので安価な回数券などを買っても片方では使えないという弊害がありました。

北海道内時刻表でも、この2社の時刻をこのように別立てて書かなければならなかったのです。同様の弊害は札幌-登別温泉、札幌-苫小牧でも起きていたのです。


国鉄も「Sきっぷ」で往復割引をすることになります。札幌-東室蘭の普通運賃が2000円のところ、特急利用で往復4000円という切符を出さざるを得なかったということになります。当時臨時列車を含め16往復程度確保されていた札幌-室蘭(東室蘭)の特急・急行列車ですが、等間隔での運行を行っていない面もあり、また、当時は室蘭-東室蘭も特急で途中停車が少なく、そして1986年まで毎年のように運賃値上げが続いた国鉄への不信感も根強かった時期とも重なります。



1997年道南バスと北海道中央バスは札幌-苫小牧のハスカップ号、とまこまい号と札幌-登別のおんせん号、のぼりべつ号の札幌-苫小牧間に限り両社の乗車券、回数券でどちらのバスにも乗車できるようにします。それに伴い札幌-苫小牧は両社の時刻表に両社のバス時刻が掲載されるようになりました。

2001年、同様に札幌-室蘭でも共通乗車が行われます。1999年に北海道中央バスは室蘭ターミナルを廃止し始発地を室蘭産業会館前(旧室蘭駅)に統一しており、また登別温泉ターミナルも共用し両社が歩み寄った運行がなされるようになります。しかし、共同運行ではなく、あくまで乗車券の共用化でありますので、運行経路や取り扱いが現在においても若干異なっていることには注意が必要ではあります。
この2001年当時道南バスは中央バス札幌ターミナルに乗り入れず逆に中央バスは道南バス東町ターミナルに乗り入れず汐見バス停付近の東室蘭ターミナルに停車、室蘭駅付近の経路も異なっていました。しかし白石本通2、白石本通8を共通化、登別室蘭IC経由の直行便を登別東IC経由に変更するなど、改善が進んでいきます。

2001年のJR北海道の時刻表を見てみましょう。札幌-東室蘭の最速は1時間11分。充実の17往復という時代です。


当時普通運賃は2,420円、往復割引のSきっぷに4枚綴り回数券のSきっぷフォーなら、運賃より安い1券片2,250円というお値段です。

当時の高速バスは14往復、片道2,000円、東室蘭地区まで約2時間、回数券1券片1,750円という戦いです。

札幌-室蘭は函館方面も絡むことから札幌-旭川ほどに電車特急を増発できない事情があったこともありましょうが、JR北海道も、かなり頑張っていたことがわかります。また、バスも本来であれば旭川のようなある程度の独占を行いたかったであろう北海道中央バスが相手方も都市間バス事業を行うことで痛み分けとなることも含めて、すごく美味しいわけではないという言い方もできるかもしれません。

「共同」ではないけど「共通」な不便さ

さて、高速むろらん号と高速白鳥号、現在は停車停留所は全て共通になっているのです。かってバス停1個分離れていた東室蘭地区の中央バスの東室蘭ターミナル(案内・発券機能を廃止し、東室蘭バス停)は2008年に廃止し2009年から道南バス東町ターミナルに乗り入れ、同様に道南バスも中央バス札幌ターミナルに乗り入れを行い、さらにサッポロファクトリーも新設することで、両社が同じ停留所に停車するようになりました。

しかし、最も大事な場所が共通になっていない。それが札幌駅バスターミナルと大谷地バスターミナルです。

中央バス 札幌市内のりば・おりば
https://www.chuo-bus.co.jp/highway/pdf/noriba.pdf




いずれも中央バス・道南バスが専用に設置しているバス停ですから、たしかに「乗るバス会社」がわかれば、そこに行けばいい。しかし、乗り慣れない人が室蘭行きの時間だけ調べて行きますと、乗り損なう可能性が高いのです。これは両社ともその事実は把握しているとも、問題とも思ってるのでしょうが、この両社が「共同運行」ではないということがネックになっているのではないかと思われるのです。



見づらいが、札幌駅前バスターミナルの時刻表。まさか室蘭行きや苫小牧行きが別々のホームで会社別になっているなんて、この掲示ではわからないだろうとも思います。また、中央バスは札幌駅前ターミナル、道南バスは札幌駅前と案内することの弊害もありそうです。

大谷地駅の道南バスのりば、中央バスは窓口設備をもっていますが、道南バスにはありません。中央バスでも聞けば案内してくれるとは思いますが表示は別々です。中央バスは大谷地駅と、道南バスは大谷地バスターミナルと案内します。

道南バス東町ターミナルの札幌行き表示。自社だけでなく中央バスの時刻も掲示しているのは「あたりまえ」と言ってしまえばそれまでだが、それができていないのが現実に起きているのです。

なお、紙による乗車券類は共通ですが、以前の各社バスカードは共通ではない上、中央バスでは利用できるkitaca・Suicaなどの交通系ICカード、札幌近郊で地下鉄等で使用できるSAPICAは道南バスでは使えず、逆に道南バスカードやPayPay支払いには中央バスは対応しません。


高速白鳥号に乗ってみる

それでは、今回もRAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンで高速バスに乗っていきましょう。今回は札幌駅前ターミナルを避けて中央バス札幌ターミナルから乗車してみます。

中央バス札幌ターミナル

中央バス札幌ターミナルは札幌市内の大通公園に近い国道12号線・国道5号線沿いにあります。将来的には再開発が予定されていて、この「いかにもなターミナル」の雰囲気は今後見られなくなっていくとは思います。



創成川通りから見た札幌ターミナル。以前はこの創成川沿いに篠路、屯田方面の市内バスが発車していました。市内バスはターミナルなのに到着案内も表示的な案内も、まして遅れ情報も「市内バスは遅れています」だけ。ここで寒さに震えながらバスを待ったという方は少なくないだろう。現在はターミナル内から発車になり、案内も行われる。(なお、豊平方面への市内バスは東急百貨店前始発でここは通らない)



ターミナル内は発券窓口と自動券売機があります。また、売店は中央バス商事が運営する「ドナ」で、以前は地下鉄駅にも出店していましたが、現在はここと岩見沢ターミナルの2店舗となっています。
見慣れない端末は無人案内端末リモートコンシェルジュで、7:30~19:00にテレビ電話的に対応とのことですが、ターミナル窓口の営業時間と同じ時間ですので、人がいるのにこれを使う可能性は少なく、窓口廃止の留萌ターミナルに続き今後案内窓口閉鎖などの可能性もあるのかもしれません。

中央バス リモートコンシェルジュ(遠隔接客システム)の導入について
https://www.chuo-bus.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A5%EF%BC%88%E9%81%A0%E9%9A%94%E6%8E%A5%E5%AE%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%EF%BC%89%E3%81%AE%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E2%80%A6/main_info/1585
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20211207_01.pdf



バス乗り場はバスが頭から突っ込むタイプ「頭端式」で、残っているのは北海道ではここと小樽駅、岩内、あとは最近更新された北見くらいでしょうか。バックでの出庫が必要ですので、安全性の面でも新設のターミナルではあまり採用されておらず、今後更新される場合このタイプのホームは見られなくなりそうです。個人的には歩く距離が少なく、着車がわかりやすいって意味でも、このタイプのターミナルは好みです。

高速白鳥号


定刻通り室蘭行きの高速白鳥号がやってきました。道南バスがここにやってくるのはもう見慣れてきましたが、長らく別々の運行を行っていた苫小牧・室蘭方面の高速バスを思うと、やはり道南バスがここにいるのは少し違和感があるのも事実です。

車内は平日の朝の便の割には乗っている感じです。
さて、この車両、あまり見慣れないクルマです。2002年製のもので、2003年にバスボディの架装から撤退した富士重工製のもの。その最後期の車両となります。高速バスの車両が20年近く動いているのも珍しく、道南バスもそんなに古い車両ばかりを高速便に使っているわけでは無いのですが、今回はたまたま当たったようです。

なにしろ灰皿の跡があるのが新鮮です。いまや高速バスでも全席禁煙はあたりまえですが、道南バスで高速バスの禁煙席が設けられたのは1990年のこと。JR北海道が道内完結全特急列車を禁煙にしたのは2006年のことで、高速バスの2002年頃の新製車両はまだ灰皿があったのかと、ちょっと驚きもします。

古い車両ではありますが、この車両でも車内Wi-Fiは設置されています。電源はありませんが、2時間半に満たない程度の所要時間であり、Wi-Fiのほうが求められているとも言えましょう。実際PCを起動して仕事をしてみましたが、トンネル内も良好に接続でき、車内で切れることはありませんでした。道南バスでは高速バスフリーWi-Fi「.Wi-Fi_BUS」のSSIDのものが設置されているようです。

毎度のことですが、苫小牧、室蘭方面へのバスは大谷地までの一般道の混雑があります。大谷地ターミナルですでに5分ほど遅れており、札幌南ICから道央自動車道に入ります。高速道路上では非常に快適に運行されています。旭川方面への高速バスと違い、途中の高速道路上のバス停、輪厚、恵庭、竹浦には予約が無ければ停車しません。一応竹浦は軽くスピードを落としましたが通過です。

登別東ICを出ますと国道上の登別バス停へ。ここでほぼ定刻に復帰しています。苫小牧、室蘭方面は冬でも雪が少なめで高速道路の通行止めが少ないこともあり高速バスが安定して運行されるという面があります。
現在、登別市内は登別、幌別本町、富岸、はまなす団地、鷲別と停車します。主に国道36号線を進みます。登別市内での下車も少なくなく、過去2002年から2020年までは(登別)市役所入口、幌別中央と登別市の中心街である幌別地区を経由していました、現在は中央バスとともに旧国道である幌別停車場線を経由し、駅の真裏にあたる幌別本町に停車します。市役所や市街地方面には幌別駅の自由通路を使うことになりますが、階段のみのアクセスとなりますので、登別市には是非自由通路の改善を行って欲しいところです。

鷲別を過ぎると室蘭市に入り、最初の停留所が道南バスの東町ターミナルです。このあと乗車はありませんので数分早着したようです。今回はここで下車しましょう。運賃は2,300円でRAKUTOKUBUS14プレミアムクーポンで支払うことにします。乗車の方の半分くらいがここで降ります。バスはこの先室蘭市役所を経由して旧室蘭駅である室蘭観光協会前、フェリーターミナルまで運行されます。室蘭からのフェリー航路が復活してフェリーターミナルまでの運行を行う便が設定されましたが、今後フェリーの撤退も検討されていて、再度フェリーターミナルまでの便は休廃止となる可能性はありそうです。


道南バス東町ターミナル

到着した東町ターミナルが道南バスの本社となります。道南バスは車両358両を持つ台数的には北海道第3位のバス会社となります。
道南バスの営業域は室蘭市、苫小牧市を中心に伊達、倶知安、日高におよび、非常に広範囲であることがわかります。

東町ターミナルは東室蘭駅から約600m、徒歩10分程度の場所になります。近隣には進学校として知られる室蘭栄高校やイオン室蘭店など市街地が形成されていますが、室蘭新道開通後の旧国道沿いということもあって、付近はシャッターを閉めた店も多く明るい雰囲気の場所ではない感じもします。



乗り場は島式ホーム状となっている1・2番、3・4番のりばと、路上になる5番のりば、そして高速便・郊外便などが発車する6番のりばがあり、以前ほどではないにせよひっきりなしにバスが発車する様はバスターミナルそのものといえます。

敷地内には都市間バス利用者向けの駐車場が設置されています。


時刻表は大型のもの、市内線バスは方面別に乗り場が分かれることもあって比較的わかりやすくなっています。そして後述しますがサイネージ形のバス案内が設置されています。




ターミナル内には待合室機能と案内、発券窓口、そして売店がありましたが、残念ながら売店は今年9月末で閉店しています。


1・2番ホームの案内表示です。以前は時刻表だけでしたが、現在は路線図(運賃表)も設置されています。しかし、時刻表に系統番号が無いので、どの行き先が路線図のどの系統に対応しているのかわかりにくい面があります。さらに「急行」と銘打っているバスがあるのに停車停留所がわかりません。
道南バスはもともと郊外線と市内線を分けて記載していることもあるんでしょうが、本数の割にわかりにくいなぁという印象を持ってしまいます。市役所、室蘭駅方面というほぼ一本道の区間でこれです。


道南バス一日乗車券


道南バスは室蘭市全域と登別市の一部区間で使用できる一日乗車券を発売しています。1日1,010円という細かい金額で、バス車内では発売しておらず、東町ターミナル窓口でのみ発売となります。
室蘭市内特殊区間は初乗り210円ですので5回乗れば元が取れますし、石川町げんき館前-資料館前(登別市)という横断で660円、東町ターミナル-道の駅みたら室蘭・室蘭水族館で320円ですので、ちょっとした室蘭観光でも使えそうです。
券はバスカード型で、通常のバス利用と同様整理券を取って乗車、降車時に整理券を投入し一日券をバスカードリーダーに通します。利用日付はパンチ穴で開けられるというタイプです。


バスキタ!道南

道南バスは室蘭市・苫小牧市・登別市・伊達市の4市が負担する形で路線バスの位置情報を確認できるバスロケーションシステム「バスキタ!道南」を2021年7月5日から開始しています。札幌のメディア・マジック社の製品で、旭川地区、札幌地区で運用されているものとほぼ同じものです。コミュニティバスとはこだて号を除く路線バスで運用されており、これを使用したサイネージ形のバス案内表示も27カ所に配置されたとのことです。

メディア・マジック バスキタ!道南
https://db.buskita.com/



東町ターミナル待合室に設置されたサイネージ形の案内表示です。バスの遅れも表示されます。


東室蘭駅は東口、西口両方にそれぞれの停留所の表示が行われます。事前に遅れがわかるので、それまで待合室部分で待てるのは非常に便利です。


東室蘭駅に貼られたポスター。室蘭市内にはこのほか室蘭駅、旧室蘭駅(室蘭観光協会前)、室蘭市生涯学習センターきらん、室蘭総合病院、日鋼記念病院、製鉄記念室蘭病院、モルエ中島、ふれあいサロンほっとなーるに設置されています。
現在のところ停留所ポールへの設置はありません。

なお、東町ターミナル待合室の表示「情報を取得できておりません」たまたまそのバスに乗車しました。

実際、自分の乗ったバスが「バスキタ!」に表示されていません。これは車載端末の不具合なのか、乗務員の設定ミスなのかは不明ですが、実際この便は5分以上遅れていましたし、表示されない便がある可能性があることを考慮して利用することを考えなければならないとすれば、ちょっと問題です。たまたまだと思いたいのですが。

なお、位置情報をオンにしたスマホ内で「バスキタ!」のバスマップを利用すると、利用しているバスと自分の位置がほぼ重なり、タイムラグがほとんど無く表示していることがわかります。


市内バスに乗ってみる

道南バス 室蘭市内線路線図
https://www.donanbus.co.jp/images/muroran/muroran_area.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20211207_02.pdf


方向的に大丈夫だろうと乗ってみたのが「急行」と時刻表に記載がある室蘭フェリーターミナル行きです。洞爺湖温泉からの便ですが、行き先表示にも「急行」はありません。また、これが掲載されている洞爺、伊達管内の時刻表にもそのような表記はありません。
そもそも同便、室蘭市の北側石川町や白鳥台地区を経由しますが、この時点では「急行」の表記は無く、東室蘭駅西口で「郊外線」の表記が現れ、東町ターミナル以降ではじめて「急行」が出現します。


実際の停車停留所は汐見・日本製鉄前・御崎駅前・御前水・母恋駅前、その後各停留所です。もちろん地元の人は郊外線のバスは市内線で停まるところも通過するという共通理解なのでしょうが、初めて使うと面食らいます。上記で紹介した路線図にも郊外線は無視されています。
なお、東町ターミナル-室蘭市役所方面は1時間に4本から6本程度とかなり頻発運行を行っています。ただ、同じような場所を経由するのに行き先がバラバラで使いにくいと感じてしまう要素はあります。
それが今後は検索で表示できる「バスキタ!」でわかるとも言えましょうが。

母恋駅前は停車しましたので、ここで下車します。

母恋駅

今回、普段あまり用事が無いであろう母恋駅に来たのは、次に乗るバスに理由があります。その前に久々に駅を見てみます。母恋は簡易委託が今も残る駅になっています。






今日はたまたま11時半すぎに窓口が開きましたが、通常は午前中も営業しています。現在記念入場券の取り扱いは無く、200円区間の乗車券が最低金額と思われます。

15げんき館地球岬団地線(白鳥大橋経由)

昨年も乗りましたが、唯一白鳥大橋を経由する路線バスが、この便です。平日1.5往復、休日1往復という非常に本数の少ない路線なのですが、乗るたびに一応お客さんがいるので、白鳥台方面から市役所などで用事を足した帰りに乗る感じなのでしょうか。

始発は地球岬団地で、ここから市役所や病院に行くということも考えられているものと思われます。室蘭市内には総合病院が3つあり、統合の話が出たり消えたりという状態ですが、絵鞆半島部分に室蘭総合病院、日鋼記念病院があり、そのどちらの前もこのバスは通ります。



道の駅を往復すると白鳥大橋を通ります。自動車専用道路ですので自転車や原付も通過できません。路線バスの本数がどうしても少ないので、できたら午後にもう一本欲しいとも思うのですが、難しいのでしょう。
橋を渡ったお客様は10人ほど、みなさん白鳥台の住宅地で降りていきました。半島を短絡する道路、何度乗っても面白いですね。
今回は終点の石川町げんき館前まで乗車しました。運賃は380円でした。
なお、母恋駅から石川町まで東町ターミナルを経由すると420円となります。定期券的にはどうなんでしょうね?

げんき館・メルトタワー・黄金駅

げんき館は隣接する西いぶり広域連合が設置するごみ処理施設(メルトタワー)からの廃熱を利用したプール施設で、室蘭市の北端となります。すぐに伊達市との境があり、市内バスはこの石川町げんき館前を終点としています。郊外線は隣接する石川町バス停にのみ停車することになります。
ここから黄金駅までは約1kmですので、室蘭線の旧線を辿るのも含めて歩いてみます。



なお、室蘭線旧線に関しては以前の記事に追記しています。

室蘭線の「貨物線」を見てみる
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1076






黄金駅は今は無人駅、1988年に建て替えられた駅舎で、居心地もいい待合室です。ちょっと仕事をしてもういちど石川町まで戻りましょう。

36げんき館資料館線


さて、その室蘭市内北側の石川町や白鳥台地区。実はここからのバス、非常に本数が少ないのです。見ての通り、郊外線である洞爺湖温泉方面からの便がまぁまぁ1時間1本くらいの割である中、先ほどの15番白鳥大橋経由は2本、そして市街地を通って登別市内の資料館前まで行くのが4本、あとは朝の通学用の2本だけ。
郊外線も白鳥台地区を経由せざるを得ないという路線構成になっているということです。なおさら「郊外線」と「市内線」を路線図的にも時刻表的にも別立てで記載する必要が無いというか、別立てで記載することの方が弊害です。

平成初期の白鳥台地区の「市内線」のバス、こんな感じですからね。今から全く想像できない。もちろんこのほかに郊外線22往復もあった上でです。



31幌別駅線(東室蘭駅西口経由)

いくつかの駅を見ていたら、すっかり暗くなってきました。こんどは西側に行ってみましょう。東室蘭駅西口からの幌別駅西口行きです。座席は全て埋まり、帰宅の高校生が多数乗車しています。道道782号上登別室蘭線を線路に沿って走っていますが、鉄道は途中鷲別駅しかありませんので、通学などは鉄道を使いたくても使えないという面があります。この区間は郊外線の登別温泉行きも走りますが、こちらの本数は限られることから市内線バスが頻発しており、約1時間2本程度を確保しています。


途中の乗り降りも多く、旺盛な利用があることが覗えます。郊外に向けての便を象徴するように降りるばかりになりました。

室蘭のバスを使ってみて思ったこと

室蘭のバスは、旭川とまた別な「わかりにくさ」があります。系統が多い割に、基本的に同じような場所を走ること、路線図の線の本数がたくさんあるのに、実際に走っている本数は片手に満たないような状況があること(それを郊外線で補完するなら路線図に掲載した方がいい)中心街と言われる場所が東側に移ったことで、本数はあるのにわかりにくいような状況が見られます。ただ、これは「バスキタ!」などのサイト表示、また、道南バスはGoogleMapにも対応しているので、それで見つけられるような状況があり、大きく改善されたように思います。

しかし、肝心のWEBサイトで運賃表も提供されず、定期券について運賃も特殊区間の共通停留所なども何も提供しない状況はあまり得策では無いようにも思います。せっかくのサイトですから出し惜しみせずに情報を提供するというのが必要な気がします。あと、運転手さんによるのでしょうが、一時停止とか、安全確認が甘く感じる方がおられます。安全に利用できてこそのバスです。


高速むろらん号に乗ってみる

帰りは北海道中央バスの高速むろらん号に乗ることにします。途中の停留所から乗車することをやってみます。

国道36号線上の鷲別バス停です。待合室こそありますが当然に中に電気もついていませんし、ポールに時刻表が貼ってあるだけです。

早速「バスキタ!」と起動しましょう・・・・まぁ、当然わかっていたことですが、道南バスの高速白鳥号しか表示しません。この間に17:59発のむろらん号があります。

では、中央バスのサイトから「中央バスナビ」を起動して、接近情報を取ります。(あくまでイメージです)
こちらでは中央バスの情報は取得できます。記載の通り白鳥号は取れません。
運行各社がお互いのバスロケ情報を取れるようにするには、システムの共用化などの仕掛けが必要でしょうが、実際には会社毎に違うシステムを導入してうまくいかないというのがあります。その差異を利用者が把握しなければならないという意味で、バス利用のハードルがあるとも言えます。

無事にバスに乗ることができました。平日の夕方の便ですので、あまり利用者がいないかと思っていましたが、登別市内でも乗車があり、最終的には10人程度の利用がありました。

うつらうつらしていますと、バスが停車。美沢パーキングエリアのようです。運転手さんが交代されるということで、隣に回送表示の高速車がいます。回送車から降りてきた運転手さんと交代し、ここまで運転してきた運転手さんがそれに乗って行くのでしょう。とまこまい号と合わせた乗務員さんの手配をしているようで、泊まり勤務などもあるのでしょうから運転手さんも大変です。これからは冬期の高速通行止めなどもあるのでしょうから。


札幌の時計台前には10分ほど遅れて到着。冬ダイヤで所要時間を少し伸ばした状態で、この日は全く雪のない状態でも遅れるのはダイヤ的な問題なのか、交代も含めてあまり時刻に厳密に運行する気が無いのかはわかりませんが、高速バスがそんなものと思われている面でもあります。

ちなみに今回乗った車両は2019年導入車両で、AMTといわれるオートマチック車(もちろん語弊がある)ですね。運転手さんはギアを扱う様子も無く、しかし、乗ってる感じは全く違和感のないマニュアル車そのもので、このあたり技術が進んでいるんだなぁと思わせます。


さいごに

早足ですが、室蘭市内のバスを見てきました。室蘭市も高齢化が進む住民に対して今までのバス交通網ではうまくいかないことを示唆しており、MaaS実証実験をウィラー社と行っています。今回見ることができなかったのですが白鳥台地区で相乗りタクシーの実証を行っています。

室蘭・白鳥台で「マース」実証事業 ウィラー村瀬社長に聞く 高齢者 安心できる交通を 相乗りタクシーで外出増/地域経済活性化
2021/11/27 北海道新聞
> 室蘭市が、オンデマンド交通を手がけるウィラー(大阪)と共同で、スマートフォンなどで交通手段の検索や決済を行う「MaaS(マース)」の実証事業を進めている。相乗りタクシーで白鳥台地区の住民を商業施設「ハック」などへ送迎するオンデマンド交通「ちょい乗り」だ。ウィラーの村瀬茂高社長(58)にオンラインインタビューし、狙いやマースの可能性を聞いた。
> ――室蘭で実証事業に取り組む狙いは何ですか。
 「高齢者らが安心して暮らせる交通体系を探るのが目的です。わが社が既にサービスを展開している別の地域では若者や子育て世代をターゲットにしていますが、高齢化が進む室蘭には違うニーズがある。白鳥台で高齢者がマイカーを持たなくても生活できる地域社会をつくることができれば、他の高齢化が進む地域にも活用できるはずです」
 ――どのようなことを調査していますか。
 「生活圏内ワンマイル(約1・6キロ)の高齢者の移動ニーズを把握します。マイカーが無いと、外出や買い物の頻度は下がります。一方、地域の交通が便利になれば外出機会が増え、地域経済の活性化も期待できます。地域でオンデマンド交通を利用できる状態にすることで、埋もれていた需要があったのか、公共交通にどんなストレスを感じていたのかなどを調べます」


白鳥台地区は先ほども書いたとおり、市内バスが大幅に減って、郊外線バスで本数を確保している地域。そのかわり郊外線バスに近距離利用者が乗り、また、白鳥台地区を大幅に迂回することで所要時間もかかる面があります。バスを置き換えるというよりも、高齢者に使いやすく、通勤通学で使う、観光で使う層と分けることでの利用促進が考えられましょう。

室蘭に限らず人口が減り、バスの本数が維持できない地域は多々あります。そして、普段バスに乗らない人に乗ってくれというのも難しい、では、何が変われば乗るようになるのか、乗らないなりに何を変えれば維持できるのか?その模索は室蘭でも続いていきます。今、室蘭市が公共交通にある程度真剣に取り組んでいるのが地域の報道からは見えますが、札幌にいると報道ではほぼ取り上げず、地方面ですから確認することもできません。前回の旭川もそうですが、そのような地域での改善の方法が他の地域に参考になることも考えられます。いろいろ事例は見ていきたいものです。

北海道の交通関係 JR北海道 路線バス

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