北海道の交通関係

学園都市線(札沼線)新駅と当別町-月形町を見てきました。

2021/12/14

学園都市線(札沼線)の北海道医療大学以北が廃止されたのは2020年の5月でした。コロナ渦もあって前倒しで行われた運行休止は沿線自治体やマスコミからの批判を浴びたものの、緊急事態も発令された中では致し方なかったとも思いますし、現にバスによる代替輸送もスタートしていましたので、実際のところ困る利用者というのも少なかったのです。

それから約1年半が経ちました。当別町では2022年の開業を予定している新駅が工事中。また、既存の石狩太美、石狩当別各駅の「石狩」を取り「太美」「当別」と駅名改称を行うことも決定。さらにバリアフリー工事も進んでいるという状態です。

また、月形町では廃線区間の駅舎、踏切などの撤去工事も行われており、また、バス待合室を兼ねる地域拠点施設の整備を検討、道の駅の設置についても議論が行われています。

今回、線路沿いに当別-月形を軽く見て参りました、近日浦臼、新十津川も訪問したいとは思っております。


ロイズタウン駅設置工事

当別町が新駅設置に前向きに検討を始めたのは15年ほど前とのことで、1999年に現在のふと美工場が稼働し、規模を拡大する中でロイズ側と町が検討を進めていたという長期的な展望があったといえます。札沼線の一部廃止についてのJR北海道からの補填としても本数増加と新駅の話は出ており、町としても2019年に案をまとめた「新しい当別町総合計画」のなかではじめて具体的な形とします。この「新しい当別町総合計画」では人口流出を防ぎさらに人口が伸びる想定で、宅地開発を積極的に進めるとの観点で「新駅」が必要としました。

人口維持 豊かな当別に 町、まちづくり指針原案策定 26日まで意見公募
2019/12/17 北海道新聞 石狩・当別面
> 原案は30年までの定住人口の達成目標を現在とほぼ変わらない1万6千人と設定。さらに将来的には40年までに1万8千人、60年までに2万人とした。その上で《1》住みよいまちづくり(地域・生活・環境)《2》豊かな人づくり(子育て・生涯学習)《3》元気なまちづくり(健康・福祉・医療)《4》活力あるまちづくり(農林業・商工業・観光業・エネルギー・移住定住)―の四つの基本施策を掲げた。
 具体的施策としては、《1》では都市部の人口を呼び込むため、新駅構築や民間による宅地開発を進める考えを示した。石狩当別駅と石狩太美駅周辺を整備し利便性を高めることや、利用者が発着地や時刻を予約して運行するデマンド型交通の拡充などを挙げた。災害対策として、防災拠点となる役場庁舎の建て替えの検討も行うとした。


2020年には具体的にJR北海道へ要望を提出、また、新駅の鍵を握る菓子製造のロイズとの協議も行います。なお、ロイズコンフェクト社長の山崎氏は当別出身とのことです。

「当別人口増へ重要案件」 町とロイズ JR札沼線に新駅要望 検討会議で毎月協議へ
2020/03/07 北海道新聞 石狩・当別面
> 宮司町長は、町とロイズともに1月、JR北海道に対し新駅設置の要望書を提出したことを明らかにした上で、「今後勉強会を重ね、新駅設置に関する協議を進めていく」と答弁した。2月には町、ロイズ、JR、北海道運輸局、道の担当者で「札沼線新駅設置に関する検討会議」を組織し、月1回程度の会合を開催すると説明した。


この時点でJRだけでなく許認可を司る運輸局や北海道も入れた協議を行っており、本気度が伝わります。また、6月には予定地の地質調査の開始、また新駅設置費用を地元が負担する請願駅として駅設備をロイズが、駅前広場などの建設を町が行うことも発表、北海道運輸局にも認可申請しており、非常にスムーズに事が進んでいることがうかがえます。

札沼線「新駅」地質調査へ 当別町 ロイズが費用負担
2020/06/04 北海道新聞 石狩・当別面
> 線路上に駅舎やホーム、駅前広場には駐車場などを整備することになるため、地盤の強さなどを調べる。6月中旬にも業者に発注し、実現可能と判断後、秋ごろ実施設計を行う。JR側が設計を受け入れ、北海道運輸局の認可を得た段階で新駅設置が決まり、本工事に入るという。
 予定地は菓子製造販売のロイズコンフェクト(札幌)が増設工事を進めるふと美工場(同町ビトエ)の約300メートル南。新駅は自治体などがJRに設置を求める「請願駅」で、町と同社は1月にJR北海道に要望書を提出。2月から協議を続けている。


JR北海道も請願駅として受け入れ、建設を行うことが決定します。

当別にJR新駅 札沼線 22年4月にも開業
2020/10/14 北海道新聞
> JR北海道は、石狩管内当別町の札沼線に新駅を設置する方針を決めた。国土交通省の認可を経て、あいの里公園―石狩太美間に2022年4月にも開業する。当別町と同町に製造拠点を置く菓子製造販売ロイズコンフェクト(札幌)がJRに請願してきており、両者が整備し、JRが原則建設費を負担しない「請願駅」として開設する。道内での在来線の新駅は、02年の函館線流山温泉駅(渡島管内七飯町)以来20年ぶり。


そしてJR北海道からも新駅の名称が「ロイズタウン」と決定し、駅ナンバリングはあいの里公園の次ということで「G11-1」となることが発表されます。併せて石狩太美、石狩当別駅を太美、当別に改称することも発表されます。後から触れますが石狩太美駅のバリアフリー化に関しても発表がありました。

【社長会見】札沼線の駅(当別町内)に関するお知らせ
2021.04.14 JR北海道
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210414_KO_royce.pdf




駅建設工事は5月から開始され、9月の時点ではまだ基礎の段階でしたが、12月の時点ではホームはほぼ完成、駅舎の建設と駅前広場の工事が併せて進められています。




ホームは6両編成対応で全面に屋根が設置されるようです。当駅では列車の行き違いはできませんので、札幌方面、当別方面両方が同じホームに停車します。なお、太美までは約1.5kmで線路はほぼ直線ですのでホームから太美駅が見えるロケーションです。


駅舎は無人駅となります。広めの待合室が設置されるように見受けられます。駅前広場も断熱材が敷かれているようで、凍上を抑制する工法のように見受けられます。また、ロードヒーティングなどの設置もあるのかもしれません。
駅前広場には50台分の駐車場も設置され、駅から離れた町内利用者の鉄道利用も考えているようにも見えます。

工期は2022年2月までとなっていますが、積雪寒冷地であることから多くの工事が年内に終了するものと思われます、冬期は駅内外装などの部分が行われるのではないでしょうか。

駅舎からロイズふと美工場売店までは約400mです。町とロイズでは無人バスの循環なども検討されており、ロイズ工場の拡張、見学やアミューズメントパークへの利用者も期待。また、実際ロイズ工場の従業員の通勤という観点だけであっても、現行が自家用車、また、あいの里教育大駅からの送迎バス利用を考えたときにロイズ側にもメリットがあるともいえるかもしれません。
なお、札幌までの所要時間は現行ダイヤを元にすると30分程度となると思われます。

現地付近は農地が広がっていますが、地目変更による住宅地化については町は将来的な課題としており、当面は宅地化されないこともあって、JR北海道は全列車の停車は行わないとしています。


石狩太美駅のバリアフリー工事

ロイズタウン駅の発表とともにJR北海道から公式発表されましたが、石狩太美駅のバリアフリー工事が行われています。改良前も駅北側にはスロープがあり一定のバリアフリーは保たれてましたが、札幌方面ホームである駅南側は階段のみ、また、両ホームをつなぐ跨線橋も階段のみとなっていました。

まず、北側駅本屋側の工事の状況です。

旧スロープは撤去され、現在は階段のみのアクセスとなっています。


新しいスロープは駅舎とホームに沿わせる形で設置されます。勾配が少ない形で踊り場部分も設けられます。



駅舎内は自動ドアが設置されます(既に稼働)当別町が整備する店舗スペースとトイレ(男女別と多目的)への通路も一部拡張されるようです。

南側は待合スペースを設置した上でスロープを整備します。


スロープと階段が設置され、待合室スペース(改札機なども収容と思われる)が作られています。

保線車両用の側線は維持されるようです。公式的にはわかりませんが、こちら側には鉄道利用者の駐車車両が見られますので、駐車場として整備するかも気になるところです。



ホーム上に簡易改札機を設置する、ちょっと不思議な光景が見られましたが、これも解消されそうです。
現時点ではホーム端に簡易の階段を設けて出入口としています。



石狩太美駅が太美駅に改称されることもありますので、この駅名表示がどのような形になるのかも気になるところです。なお、駅本屋入口上部に駅名が記載されていましたが、これも現在外されています。

(2019年撮影の石狩太美駅設置の駅名標)

また、北側駅舎内旧窓口跡上部に液晶パネルが設置されていました。現在は何も表示していませんが、太平・百合が原に設置されているものと同様の運行案内表示用のパネルと思われます。

なお、駅設備とは別ですが、当別町の当別ふれあいバスの発車案内も駅待合室内に設置されています。


石狩当別駅

1994年に橋上駅化されており、自由通路、駅ホームも含めエレベータの設置が完了している石狩当別駅は今回特段の変更はありません。
JR北海道が年度内に導入を予定している「話せる券売機」に関しても、特にまだ工事は行われていません。





太美同様駅名改称に伴う駅名看板などの変更は行われると思われます。

なお、当駅にも鉄道利用者向けの駐車場が整備されていますが、台数が少なく争奪戦、南側は短時間専用駐車場となっています。


北海道医療大学駅




現在の札沼線終点駅となる北海道医療大学駅です。2本のホームは以前と変わらず運用されています。
2020年にバリアフリー化が完了し、医療大学関係者用駐車場の一部を一般駐車が可能な形に再整備しています。また、月形方面への乗り継ぎはこの駅からを推奨しており、バス停と待合室、およびバリアフリー対応のトイレを設置しています。

なお、当駅にも稼働はされていませんが運行案内表示用のパネルと思われる液晶パネルが設置されています。


石狩金沢駅・本中小屋駅・中小屋駅跡地

廃止区間のうち当別町内にある石狩金沢・本中小屋・中小屋は駅舎として使用されていた車掌車を流用した待合室が撤去されました。撤去後と2017年撮影の現役時代の比較です。










なお、本中小屋駅前にあった公衆電話の看板はそのまま残っていますが、付近に公衆電話はありません。

ホームと線路は現時点では残ったままですが、土地は自治体に譲渡され、自治体がJR北海道からの支援金で設備を撤去する予定です。


月ヶ岡駅・知来乙駅・石狩月形駅跡地

月形町内のうち月ヶ岡駅は駅自体を保存する予定になっています。
月ヶ岡駅は1992年4月27日夜に原因不明の火災により焼失。1993年に月形町が北海道の農村活性化事業を使い、輸入材を使ったログハウス風の駅舎として再建、その後駐車場などを整備しています。
2017年にはJR利用促進も兼ね、また、農産物や特産品の販売施設としても活用することを念頭に改修しています。
このときに指定管理者制度が実施され地元の社会福祉法人雪の聖母園が受託しています。上坂月形町長はこの社会福祉法人の前理事長になります。
施設自体は町の持ち物であることもあり、今後も活用することが検討されています。ホームは保存されるとのことです。




訪問時は休日の午後でしたが、待合室もトイレも使用可能で、トイレに暖房が入っており、道路利用者の休憩所としても利用可能となっています。バス停の名称も月ヶ岡駅前となっています。

知来乙駅は待合室については2021年7月に撤去が完了しています。ホームや付近の線路は現在は残っていますが、将来的には撤去されるのではないでしょうか。2017年撮影の現役時代の比較です。






石狩月形駅舎は現在バス待合室として使用されています。しかし駅舎は解体し、跡地は道路が設置されるようです。

月形町 札沼線の跡地活用 公住や公園整備検討 農業者へ用地譲渡も
2021/05/14 北海道新聞 南空知面
> 旧石狩月形駅周辺では、駅舎とホームを解体し、町道を新設することで市街地の分断を解消。周辺には現在、7棟(計57戸)の公営住宅があるが、今後の需要に応じて新たな公営住宅の整備も検討する。また、散策路などを設けた住民のための憩いの広場の整備も計画している。
> 町内にある旧石狩月形駅を除く4駅については、旧札比内と旧知来乙の両駅は、いずれも駅舎(知来乙は待合所)、ホームともに解体。町が待合室を所有する月ケ岡、豊ケ岡の両駅では、月ケ岡駅は保存、豊ケ岡駅は今秋をめどに解体し、ホームはいずれも保存する方針だ。




駅舎外観は現在は維持されています。


ホームへの連絡通路を自由通路として駅裏から移動できるようになっています。将来的には駅裏の道路と接続し、車での往来が可能にすると思われます。

ホームは残っていますが、他駅同様立入はできません。


駅舎内は仕切られており、暖房の設備があります。


豊ヶ岡駅・札比内駅跡地

秘境駅として知られた豊ヶ岡駅は待合室が撤去されており、ホームは現在は維持されています。

なお、ホームに関しては立入禁止となっていますが、雪の踏み跡で多数の方が立ち入ったことがわかります。しかし、ホームが老朽化しており、谷筋に設置してあることから転落時は大怪我を免れないような場所です。保存が検討されており、破損を防止するためにも立入禁止カ所への侵入は遠慮して欲しいと思います。

また、豊ヶ岡駅付近は車での侵入が可能ですが、谷間になりますので雪が深く、除雪もされないと思われますので車での訪問はお気をつけください。携帯電話こそ繋がるとは思いますが、レッカーなどの出動は長時間を要する可能性が高いと思われます。

国道からの「豊ヶ岡駅」の案内標識は現存。


踏切部分の線路は撤去されています。


ホームは保存が予定されています。

しかし、ホーム自体の老朽化が進んでおり、今後積雪などで崩壊する可能性はありそうです。


待合室は撤去されました。



札比内駅は駅舎解体の予定となっていますが、現在のところは残っています。

国道脇に駅への案内看板が残っていました。

駅舎は立入できませんが、トイレは町が管理しており使用が可能です。

窓から駅舎内を。窓口跡がわかります。



札比内は駅舎もホームも保存されない予定とのことです。


月形町道の駅問題

<アングル>月形・道の駅 二案論争 経費抑え皆楽公園か/国道沿い小学校跡か 町方針に住民反発 異例の再審議
2021/12/12 北海道新聞
> 【月形】JR札沼線の一部廃止で昨春、町内から鉄路が消えた空知管内月形町で、将来の活性化を目指して浮上した「道の駅」整備構想を巡り、設置場所の論争が起きている。町が今夏、キャンプ場や温泉施設などがある「皆楽(かいらく)公園」への設置案を公表したのに対し、一部町議や町民が「中心市街地から遠い」などと反発し、月形小校舎跡への設置を主張。町は案を棚上げし、町長の諮問機関が再審議する異例の事態になっている。


月形町では道の駅整備を目指し、またバス待合室機能を持つ「地域拠点施設」整備も同時に進めています。この「地域拠点施設」は現在の石狩月形駅からバス待合室機能を移転することになっており、月形小学校を移転した上でその跡地に設置することを検討しています。



月形小学校校舎と、同じ位置から国道を見る。月形小学校は石狩月形駅の「駅前通り」を国道側約300mの場所にあり、ここに「地域拠点施設」が居抜きの形で2027年に完成する予定となっている。

町はこの「地域拠点施設」設置時に明確にしなかった道の駅の構想を突然出してきたように町民は受け取ったように思います。町は道の駅を月形温泉のある皆楽公園に設置することを検討していますが、現在のところ目処は立っていないません。


月形公園のある皆楽公園。近隣には2014年に破綻したラーメン販売業「むつみ屋」の工場跡地があり一体的な整備も可能とみるがどうだろうか。
なお、むつみ屋は現在首都圏にいくつかの店舗がありますが、現在の経営は月形とは直接的な関係は無いようです。


代替バスの利用客数

2020年4月から運行を開始している札沼線の代替バスについては、利用客数が少ないという記事が何度か出されています。

石狩当別駅前で出発を待つ月形当別線。14人乗りのハイエースによる運行。

札沼線一部廃止から半年 代替バスの利用堅調 6月以降、想定上回る ニーズに合わせ運行体制充実も
2020/11/07 北海道新聞 石狩・当別面
> 【当別】JR札沼線北海道医療大学―新十津川間が5月7日に廃止されてから、11月7日で半年がたつ。代替バス「月形当別線」の利用者数は当初、新型コロナウイルス感染拡大の影響などから伸び悩んだが、国の緊急事態宣言が道内でも解除された後の6月から増加。現状のペースが続けば年間のバス利用者数は札沼線の廃止区間と同程度になる見通し。
>当別町は年間1万1千人、月間約920人の利用を想定。4、5月は新型コロナによる外出自粛などもあってか800人以下と低調だったが6月は1290人と想定を上回り、7~9月は平均1500人で推移している。


代替交通 利用低迷続く JR札沼線 最終運行から1年 バス 目標の3割 タクシー 乗客わずか16人
2021/04/17 北海道新聞 空知面
> 月形町を発着するJR札沼線の代替バス「月形当別線」(旧石狩月形駅―石狩当別駅)、「月形浦臼線」(旧石狩月形駅―旧浦臼駅)の利用が低迷している。
> 同町によると2020年度の町内での平日乗降客数は、月形当別線(1日9往復)が計8472人、月形浦臼線(1日5往復)が計3530人。1日約50人と、目標とする160人を大きく下回った。


当別町は年1万1000人ですから1日30人を想定していて、実質月1500人(1日50人)は想定以上という認識。
月形町は平日1日160人、年間4万人を想定していたということでしょうか。結果的に月形当別線は1日23人、月形浦臼線が1日10人程度(合わせても平日1日48人にしかならないのだが、どこから記事の1日50人が出てきてる?)となっています。休日を含めるとかなり厳しい数字になりそうです。
本来同じ路線で、各町で想定が異なるというのが不思議なのですが、北海道新聞の取材の問題なのか、各町の情報公開の問題なのでしょうか。

結果的に、このような記事も出てきます。

バスの利用状況「非常に厳しい」 町議会で町長
2021/12/08 北海道新聞 空知面
> 【月形】JR札沼線の代替バス「月形当別線」(旧石狩月形駅―石狩当別駅)の利用状況について、上坂隆一町長は7日の定例町議会で、昨年10月から今年9月までの運行収入が364万円だったことを明らかにした上で「非常に厳しい状況」と述べた。一般質問への答弁。ダイヤ改正など今後の見通しについては「運行事業者や当別町と連携し、利用促進や工夫を図りたい」と答えた。


月形当別線の年間収入が364万円、1日1万円に満たない。単純に1乗車200円で計算しても18,200回、1日50人という計算になります。こうなると、上記の当別町の数字とほぼ合致するので、このあたりが利用客数では無いかと思われます。

なお、JR北海道の札沼線廃止区間の年間収入は2018年で1600万円となっていました。その収入については有効区間内であるフリー切符などからの算定があるのか、線内利用のみを算定しているのかはわかりませんが、月形町の算定にある160人ならば運賃200円で計算すれば1168万円を想定しているわけで、実際はあまりにもかけ離れている試算といえましょう。

個人的には使いもしない札沼線バスの回数券を別途購入するなどの、自分にできる限りの支援は考えますが、正直あまりこちらに用事が無いこと、温泉施設を使うなどの場合に乗り継ぎが必要だったり、結果的にたどり着くのが難しいことなんかも含めて、使いにくい印象もあります。
そして、なによりマニアや用事が無いけど鉄道が走っていたから乗っていたという層が一切見込めず、月形町から当別町に、またその逆の需要が極端に少ないことを考えると、元々本当に厳しいところに線路が敷かれ、その赤字を全てJRが持っていたということに恐ろしさも感じます。

なお、個人的に月形温泉はぬるめで長く入っていられるので好みであります。当別からのバスが温泉まで行っていればなぁと思うんですよね。せっかくバス停が温泉前にあり、月形浦臼線は経由するのですが。

北海道の交通関係 JR北海道 札沼線 路線バス

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