北海道の交通関係

根室線(富良野-新得)廃止バス転換報道

2022/01/31

滝川と根室を富良野・帯広・釧路を経由して結んでいるJR根室本線(以下根室線)のうち、南富良野町の東鹿越と新得(厳密には石勝線との合流点である南富良野町内の上落合信号場)間の16.4kmが2015年に発生した台風災害により不通となっておりバス代行を行っています。

今回この区間を含む富良野-新得(上落合信号場)を廃止しバス転換を行うことが確定的であるという報道がなされました。

幾寅駅前に保存されている「ぽっぽや号」
幾寅駅前に保存されている「ぽっぽや号」

根室線(富良野-新得)廃止バス転換報道

根室線富良野〜新得間 沿線自治体が鉄路存続断念 バス転換へ
2022年01月28日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220128/7000042807.html
>JR北海道が廃止の意向を示している根室線の富良野・新得間について、沿線の4つの市町村は28日、鉄路の存続を断念し、バス輸送に転換することを決めました。
JR北海道は、根室線の富良野・新得間について利用客の減少を理由に廃止する意向を示し、鉄路を存続させる場合は年間10億9000万円の維持管理費を負担するよう、沿線自治体に求めています。
こうしたなか、沿線の富良野市と南富良野町、占冠村と新得町は28日開いた会合で、「国の財政支援が期待できないなか、維持管理費を自治体が負担するのは困難だ」として鉄路の存続を断念し、バス輸送に転換することを決めました。
4つの市町村は、すでにバスのルートや運行ダイヤについて検討を始めていて、今後、バス転換後の「支援金」などについてJR側と具体的な協議を進めることにしています。
今回、廃止される区間のうち東鹿越・新得間は、6年前の台風被害で不通が続いています。
これについてJR北海道は「きょう、あるべき交通体系に向けて、大変、大きな判断をいただきましたことに感謝申し上げます」とコメントしています。


JR根室線富良野―新得間、廃線へ バス転換を容認
2022年01月28日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC288UU0Y2A120C2000000/
>JR北海道がバス転換方針を示している根室線(富良野―新得)について28日、関連する4市町村会議が開かれ、「JRが求める地元負担は難しい。鉄道存続を断念せざるを得ない」として、バス転換を容認することで合意した。会議終了後、北海道富良野市の北猛俊市長が記者団に語った。
会議には富良野市のほか南富良野町、新得町、占冠村の市町村長らが出席した。2月中にも各市町村が住民説明会を開催し、意見を聞いた上で正式に判断する。
北市長は「同区間の観光利用やJR貨物の災害時の代替利用を確認したが、どちらも難しいとの回答だった」などと説明。「苦渋の決断だ」と述べた。


富良野―新得 存続断念 運行費負担重く「苦渋」 沿線4市町村 道支援引き出せず
2022年01月29日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/639179
> 4市町村は昨年10月、路線存続などを求める要望書を道に提出した。だが同日の会議では、道側からは存続に向けた支援はせず「新しい交通体系の確立に向けた支援を行う」との発言があっただけ。4市町村は存続の場合に年間10億9千万円の運行費を負担するのは不可能だという認識で一致せざるを得なかった。
 上川管内南富良野町の池部彰町長は、存続断念で町民の富良野市への通院や南富良野高生の通学などで深刻な影響を受けるとする一方、「存続に向けた国や道からの支援が期待できないし、町からも運行費は出せない。新しい道を考えなければならない」と述べた。
 十勝管内新得町の浜田正利町長も「残念な選択だが、仕方がない。圏域と圏域を結ぶ新たな交通体系の確立に努力したい」と無念そうに語った。北市長も「運行費を負担して路線を維持することが住民に良いことなのか。苦渋の決断だ」。


沿線自治体 富良野―新得間存続断念 「あまりに拙速」「残念」 地元負担「応じられない」
2022年01月29日 北海道新聞 帯広・十勝面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/639137
> 19年には存続に年間10億9千万円の地元負担が必要との試算をJRが各自治体に提示。20年末には国のJR支援策に同区間存続への支援が盛り込まれなかったことから、沿線自治体は昨年7月、廃止・バス転換を含めJRと協議入りした。
 「議論が加速する」との見方もあったが、「存続する場合の各自治体の財政負担を考えると、鉄路存続は現実的ではない」との雰囲気に傾き、この日の会議では異論はなかったという。
 鉄路存続に向けて活動する「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の佐野周二事務局長は「住民に何の説明もないまま、鉄路存続の旗を降ろすのはあまりに拙速。きちんとした議論がなされたのか疑問だ。根室線は道内の幹線で、存続以外にない」とこれまで以上に粘り強く訴えていく方針。


いずれの記事も廃止の時期に関しては記載がありませんが、NHK報道では「すでにバスのルートや運行ダイヤについて検討を始めていて」とのことですので、ある程度まとまった時点で廃止届提出、そして、若干の前倒しがあれば2022年12月または2023年4月の廃止となるように思われます。

これまでのJR北海道のリリース

2010.01.14 根室線 富良野駅構内における列車と排雪モーターカーとの衝突について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2010/100114-1.pdf

富良野駅構内略図
富良野駅構内略図


廃線問題とは直接は無関係ですが、富良野駅の構内に関して重要な項目がありますのでここで掲載します。事故は富良野-上落合信号場間の除雪を終えたモーターカー富良野駅構内5番線の除雪作業を行うために転線させようとした際に快速列車と衝突したもの。

2013.09.25 根室線 滝川駅~富良野駅間は開通100周年を迎えます
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130925-1-2.pdf
(1913年11月10日滝川-富良野の開業から100年のイベントを企画している。ちなみに新得方は1900年(明治33年)に鹿越、1907年に帯広まで開業)


北海道の鉄道の多くの区間は開業から100年以上を経過しています。ある程度の設備更新は行われているものの、トンネル・橋梁などの更新はあまり進んでいないのが現状です。1907年(明治40年)以前に作られた橋が根室線には数多く残っているということになります。

2016.07.29 「持続可能な交通体系のあり方」について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160729-1.pdf

「持続可能な交通体系のあり方」について
「持続可能な交通体系のあり方」について


あまりニュースにならなかった気がしますが、「持続可能な交通体系のあり方」として、現状を知らしめるような広報を行うことになります。

2016.11.18 当社単独では維持することが困難な線区について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-4.pdf

当社単独では維持することが困難な線区について(図表)
当社単独では維持することが困難な線区について(図表)


そして、再度「当社単独では維持することが困難な線区」として輸送密度200人未満の線区を「鉄道よりも他の交通手段が適しており」とはっきり断言したのがこのときになります。200人未満の線区として札沼線北海道医療大学-新十津川・留萌線深川-留萌・根室線富良野-新得を記載します。なお、このリリース時点で既に日高線鵡川-様似、石勝線新夕張-夕張は地元自治体との「話し合い」を始めているとしました。

この間に北海道は連続した台風に襲われ、特に石北線・根室線に大きな被害が出ました。特に8月31日に通過した台風10号は道路橋にも被害を及ぼし根室線と並行する国道38号線・国道274号線が相次いで通行止めになります。

2016.09.02 一連の台風による被害状況等について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160902-2.pdf

 2016年9月2日現在の被害状況
2016年9月2日現在の被害状況


鉄道も根室線幾寅-落合-新得および新得-芽室など多数の箇所で土砂流入、路盤流出、橋梁流出が発生し、列車の運行ができない状況になりました。
札幌と帯広・釧路を結ぶ特急列車も運行できなくなり、9月8日からはトマム-帯広に代行バスを運行、前後区間を臨時列車で繋ぐ形で復旧を行いました。
また、同様に鉄道の運行ができなくなっている富良野-新得のうち、9月5日から通学用バス1往復を富良野-幾寅で運行開始、その後記事は10月3日からの富良野-落合は平日の時刻を掲載しています。(JRとしては非公示)

富良野―南富良野 代行バス増便 高校通学 なお不便 始発の出発時刻 40分早まる 「毎朝5時起き つらい」
2016/10/05 北海道新聞 富良野面
>*台風被害による富良野―落合間の臨時バス時刻表
※平日のみ運行
落合駅→富良野駅
主な停留所 臨時2便   臨時4便    臨時6便    臨時8便
落合駅   5:40    9:30   16:00   19:30
南富良野高   -       -    16:10ごろ    -
幾寅駅   5:53ごろ  9:41ごろ 16:13ごろ 19:41ごろ
山部駅   6:39ごろ 10:27ごろ 16:59ごろ 20:27ごろ
富良野駅  7:01ごろ 10:49ごろ 17:21ごろ 20:49ごろ
 
富良野駅→落合駅
主な停留所 臨時3便   臨時5便    臨時7便
富良野駅  7:20   14:00   17:50
山部駅   7:41ごろ 14:21ごろ 18:11ごろ
幾寅駅   8:27ごろ 15:07ごろ 18:57ごろ
南富良野高 8:30ごろ    -       -
落合駅   8:40ごろ 15:17ごろ 19:07ごろ


なお、石勝線・根室線に並行する道東自動車道は2016年3月に阿寒インターチェンジまで開通しており、9月1日午前8時に仮復旧し、占冠-音更帯広間の出入りは無償とする措置が執られます。高規格で高架橋やトンネルに守られた道東道は被害が少なく、被災翌日に開通できるという堅牢さを見せつけた形になります。

とはいえ、片側2車線の道東道に車が殺到、1日あたりの交通量は1万5000台近くまでなっており渋滞も発生するという状態。JR貨物も50台のトラックによる代替輸送と関東方面は釧路-日立の「ほくれん丸」による代替輸送で乗り切る状態になっています。

9月11日には国道38号狩勝峠が開通、翌2017年10月28日に国道274号線日勝峠が開通し、主な道路は復旧します。

2016.10.13 一連の台風による石勝線・根室線の災害復旧の状況について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161013-1.pdf

東鹿越-落合被災状況
東鹿越-落合被災状況
 2016年10月17日からの滝川-東鹿越・東鹿越-落合時刻表
2016年10月17日からの滝川-東鹿越・東鹿越-落合時刻表


鉄道の被災状況は、新得駅構内にある1907年架橋の下新得川橋梁をはじめとする3橋が落橋しており、比較的新しい石勝線区間に対して明治時代に建設された根室線の脆弱性を露呈しています。
富良野-東鹿越間は10月17日に鉄道として復旧し、東鹿越-幾寅-落合をバス代行することで復旧します。落合駅構内には土砂が堆積し第1落合トンネルは全区間で土砂が流入しており、落合-新得に関してはこの時点では代行を行っていません。(この区間は通学などで利用する定期利用者がいない)

 2017年5月撮影復旧後の東鹿越駅
2017年5月撮影復旧後の東鹿越駅

2016.12.14 石勝線・根室線 トマム~芽室間の運転再開について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161214-1.pdf


2016年12月22日には石勝線と根室線新得(上落合信号場)-芽室で列車の運行を再開します。この工事では室蘭線橋梁架け替えで使用予定だった桁を転用し早急な復旧が行われたもので、これが行われなければもっと復旧には時間がかかったものと思われます。

 2017年撮影の下新得川橋梁
2017年撮影の下新得川橋梁
しかし、東鹿越-上落合信号場の区間は復旧に時間がかかるとしています。バス代行を行っていなかった落合-新得は2017年3月28日から東鹿越-新得としてバス代行を開始します。

2017.03.22 根室線 東鹿越駅~新得駅間 バス代行輸送の実施について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170322-1.pdf

 2017年3月28日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2017年3月28日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表


2017年7月、東鹿越-上落合信号場間の被災、復旧費用についての発表がなされました。約10.5億円の費用がかかり、少なくとも12ヶ月以上の期間を要するとしました。そして、その前提として北海道・南富良野町に対して砂防堰堤、堤防、排水管などの新設をお願いする内容となっています。逆に言えばこれがなされない限り復旧工事は行えないということになります。

 2017年5月撮影の落合駅と代行バス
2017年5月撮影の落合駅と代行バス

2017.07.12 根室線 東鹿越~上落合間の被災状況について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170712-3_1.pdf

東鹿越~上落合間の被災状況
東鹿越~上落合間の被災状況
東鹿越~上落合間の被災状況
東鹿越~上落合間の被災状況
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170712-3_2.pdf
東鹿越~上落合間の被災状況
東鹿越~上落合間の被災状況


 2020年8月撮影の第4落合トンネル付近
2020年8月撮影の第4落合トンネル付近
 同落合駅付近
同落合駅付近
 同落合駅構内
同落合駅構内
なお、第4落合トンネル付近はJRが土堤の設置等をおこなっていますが、あくまで見た感じ他の工事は行われていません。北海道または南富良野町が行うであろうJRが要望していた工事が行われていたかは判断できません。(少なくとも現地道道は舗装を剥いだ跡が無く、センターレーン表示も新しくないので工事は行っていないと認識しています)
また、落合駅付近が雑草で線路が見えないほどとなっているのは、線路敷き上に川からの腐葉土が堆積しているからですね。少し離れた付近はこのようになっていないのは、水をかぶっているかいないかの差ということです。

バス代行から1年半後、2017年12月からは富良野-新得を直通する便を新設し、鉄道時代に直行可能だった滝川-釧路の長距離普通列車と同様の行程が実現するようなバスを設定します。また、サホロリゾートの従業員、利用客輸送も兼ねる形とすることも発表されます。逆に言えばサホロリゾートの輸送を行ってもなお1台のバスに余裕がある程度の輸送状況であったという意味にもなります。
 2019年8月撮影富良野駅の快速代行バス案内表示
2019年8月撮影富良野駅の快速代行バス案内表示
 2019年8月撮影サホロリゾート前を通る代行バス。利用は1名
2019年8月撮影サホロリゾート前を通る代行バス。利用は1名

2017.11.08 根室線 東鹿越駅~新得駅間 バス代行輸送 運行時刻等の変更について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/171108-1.pdf

2017年12月1日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2017年12月1日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2018.02.20 根室線東鹿越駅~新得駅間バス代行輸送運行時刻等について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2018/180220-2.pdf
2018年3月17日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2018年3月17日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表


 2018年撮影幾寅駅と代行バス
2018年撮影幾寅駅と代行バス
富良野-上落合信号場の廃止問題とは直接の関係はありませんが、2019年11月には制限高を超過したトレーラーが架道橋に接触し多数の運休・バス代行が発生します。翌年2月5日に鉄道の運行が再開されます。

2019.11.28 根室線 富良野~野花南間の架道橋一部損壊に伴う復旧計画について
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20191128_KO_BrokenBridgeOfNemuroLine.pdf

2019年12月3日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2019年12月3日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表


2021年3月改正ではこの区間の鉄道1往復、バス1.5往復を減便、これにより根室線を普通列車と代行バスで乗り通すにはかなり難しい状況になりました。

2021年3月13日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/20210219_KO_Nemuro_0313.pdf

2021年3月13日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表
2021年3月13日からの滝川-東鹿越・東鹿越-新得時刻表



なお、JR北海道からは発表は無かったものの、2016年7月の段階では東鹿越駅の廃止がほぼ決定していました。この時点では路線自体の廃止よりも経費を節減しての路線維持、そして、JRとしても釧路と札幌の車両面の往き来の観点から路線自体の廃止には慎重な姿勢があったと推測できるところです。しかし、現実な利用客数は少なく、また、現実的な必要性を考えるとそのままにもできないという意識はあったろうとも思われます。
そして、直後に災害があり、信号設備的に折り返しが可能であった東鹿越駅が乗り継ぎ拠点として役割を得ることになります。

東鹿越、島ノ下駅を廃止 来年3月 JR、地元自治体に意向
2016/07/21 北海道新聞 富良野面
> 【南富良野、富良野】JR北海道が来年3月のダイヤ改正に合わせて、根室線のいずれも無人駅である東鹿越(ひがししかごえ)(上川管内南富良野町)、島ノ下(しまのした)(富良野市)の両駅を廃止する意向を固め、南富良野町など地元自治体関係者に伝えていたことが20日、分かった。
 両駅の1日平均乗車数(2011年~15年の11月調査日の平均)は1人以下。同社担当者が6月上旬、各駅の利用状況を同町幹部らに説明した上で、廃止の考えを伝えた。
 JRの意向について、南富良野町の池部彰町長は北海道新聞の取材に対し、「東鹿越駅周辺には民家はなく、廃止はやむを得ない面もある」と述べた。


 2017年撮影廃止された島ノ下駅
2017年撮影廃止された島ノ下駅
また、南富良野の池部町長は南富良野町内は路線さえ残れば幾寅だけ残すという発言も行っています。

「幾寅駅だけでも構わない」 南富良野町長
2016/08/03 北海道新聞 富良野面
> 【富良野】南富良野町の池部彰町長は2日、市内で開かれた根室本線対策協議会の総会で、JR北海道が同町内の東鹿越駅を廃止する意向を伝えてきたことへの対応に言及。「南富良野は駅舎が一つ残れば良い。管理は町がやる。(廃駅になった地域には)循環バスを回す。それで鉄路は守る」と述べ、根室線が存続されるならば、町内には幾寅駅一つだけになっても構わないとの認識を示した。
 池部町長は「富良野―新得間は(鉄路存続が)厳しいとの報道があるが、本当に富良野までは残るのか。五十歩百歩ではないか」と指摘した上で、幾寅駅以外の駅の廃止に触れた。「うちは無責任な話はしない。(鉄路の存続を)お願いするだけではなく、本気度を示したい」と述べた。町内には現在、下金山、金山、東鹿越、幾寅、落合の5駅(いずれも根室線)がある。


 布部
布部
 山部
山部
 下金山
下金山
 金山
金山
 東鹿越
東鹿越
 幾寅
幾寅
 落合
落合

並行路線バス

現状の富良野-新得各区間での並行路線バスがあるかを確認してみます。

富良野-布部-山部-金山付近

●ふらのバス西達布線
富良野-山部-西達布 5往復

●占冠村営バス富良野線
富良野-山部-下金山-金山-占冠 3往復
 占冠村営バス富良野線
占冠村営バス富良野線

金山-幾寅-落合付近

●南富良野町営バス
下金山-金山-幾寅 スクールバス・デマンド4往復程度
(かなやま湖)森林公園-東鹿越-幾寅-落合 スクールバス・デマンド4往復程度 

富良野-幾寅-新得

●都市間バスノースライナー 3往復

現状で並行バスはこのような形になっています。
富良野市内の高校は富良野高校と富良野緑峰高校、南富良野町内の高校は幾寅の南富良野高校になります。空知である富良野・南富良野から十勝の新得方面への通学生はおらず、もちろん逆もいません。

ここから考えると、富良野-落合を国道38号線経由で走る便と、町営バスによる金山-幾寅、占冠村営バス(南富良野町内からも利用可能)による金山-富良野である程度担保でき、富良野-新得に関しては需要的にもノースライナーによる代替で済むようにも見えます。富良野-トマムを連絡する観光対応便のようなものを考えているかどうか?代替バスのルート・便数も気になるところではあります。


残った鉄道路線に関して

根室線滝川-富良野は富良野線旭川-富良野と富良野駅で接続しある程度一体的な運用になっていくものと思います。しかし、富良野駅の信号設備は複雑で、制約が多いことから、単純化させる必要はあるとも思われます。
そこで先の富良野駅の構内図を参考に、列車がどう動くのか確認してみます。
 富良野駅駅名標
富良野駅駅名標
 富良野駅舎
富良野駅舎
 富良野駅2・3番ホーム
富良野駅2・3番ホーム
 富良野駅2・3番ホーム
富良野駅2・3番ホーム
 富良野駅4・5番ホーム
富良野駅4・5番ホーム
 富良野駅4・5番ホーム
富良野駅4・5番ホーム
●滝川方から進入可能なホーム 3・4・5番ホーム
●滝川方へ出発可能なホーム 2・4番ホーム(と1番線)
●旭川方から進入可能なホーム 4・5番ホーム
●旭川方へ出発可能なホーム 4・5番ホーム
(参考)
●新得方から進入可能なホーム 2・4番ホーム(と1番線)
●新得方へ出発可能なホーム 3・4・5番ホーム

つまり、信号設備を改善しなければ2・3番ホームを折り返しに使用することはできません。また、4番ホームはどの路線からも到着でき、出発できますが、4・5番ホームの駅舎側の線路であることに注意が必要ですね。

滝川・旭川方面普通列車とノロッコ号だけなら4・5番ホームだけで現状の本数なら対応できるものと思われます。
ここで考えたいのが跨線橋です。1-3番線を全て廃止できるなら、跨線橋を廃止して平面的な導線を考えることができそうです。しかし、5番ホームから滝川方に出発できませんので、必ず滝川方面には4番ホームを使うことになってしまいます。

もっと複雑なのが貨物列車です。
滝川方から到着する貨物列車は
・3番ホームに到着
・機関車を下入替線に入れ、4番線を経由して上入替線に入れる
・3番線に停車中の貨車の滝川方に連結
・編成の半分だけ上入替線に入れる
・そのまま仕訳1番線に入れる
・再度機関車を上入替線に入れる
・3番線に停車中の残った貨車の滝川方に連結
・上入替線に入れる
・そのまま仕訳1番線に入れる
・機関車のみ上入替線に入れ、1番線に停車させる
 富良野駅1番線に停車中の機関車
富良野駅1番線に停車中の機関車
 富良野駅全景
富良野駅全景
 富良野駅仕訳1番線に停車中の貨車
富良野駅仕訳1番線に停車中の貨車
 右から富良野線・根室線滝川方・上入替線
右から富良野線・根室線滝川方・上入替線
 JR貨物富良野駅
JR貨物富良野駅
という手順で貨物ホームに据え付けます。これは上入替線が8両分(約160m)しかないためで、貨物ホーム自体は14両対応なのに、毎度毎度編成を分割し半分ずつ入れるしかありません。また、貨物ホームから直接滝川方に出発できませんので、また逆順で貨車を上入替線に入れ1番線で一旦組成してから滝川方に出発します。非常に手間がかかる上に、どうしても駅本屋側の線路を外すことができないという問題点を持っています。

富良野発着の貨物列車を残すと宣言するのであれば、この部分の改良は必然であると思われます。


さいごに

個人的に根室線のこの区間の廃線の確定は非常に残念です。国の支援という意味では難しかったとは思いますが、北海道はこの区間について次のような認識を持っていました。

北海道交通政策総合指針
https://pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/3/4/6/4/4/8/_/koutuuseisakusisin_6.pdf
(リンク切れ)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220131_01.pdf


>圏域間のネットワーク形成や、今後の活力ある地域づくりの観点に十分配慮しながら、他の交通機関との連携、補完、代替も含めた利便性の高い最適な公共交通ネットワークの確保に向け、地域における検討・協議を進めていく。
検討にあたっては、道北と道東を結ぶ災害時の代替ルートとして、また、観光列車など新たな観光ルートの可能性といった観点も考慮することが必要である。


ここでは「JR北海道単独では維持困難な線区に対する考え方」として根室線富良野-新得を「ネットワーク」として捉えていたと考えます。しかし、北海道はここに対して路線を維持するという考えはしていなかったということです。「代替」を選んだだけ。これでは観光列車も代替ルートもありません。ここに書いていたことは嘘でしょうか。

私個人はこの区間を「石勝線の代替」として使えるような規格では無いし、貨物の迂回も難しい、そして、何より利用者が少ない。維持は難しいとは思っていました。しかし、ネットワークです。鉄道はネットワークを維持してこそとも言える部分です。極端言えば鉄道としての路線の意味を持ちつつバス運行するという考え方もあったようにも思うのですね。

しかし、結果的には今までの路線同様地元自治体が支援できないことでの廃止という選択になりそうです。一つ大きいのは「利用客数」です。赤字金額よりも鉄道としての利用が得られないから廃止というのはわかります。ならばネットワークを維持する「バス」としての維持というやり方もあったのかなと思わないでもありません。

しかし、結局決めたのは地元ですから、私たちは何も言えません。とはいえ、残念だなという気持ちは、ある程度現実的に見ている当サイト管理者でも思うことです。

北海道の交通関係 JR北海道 根室線

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