北海道の交通関係


北海道の交通関係サイト終了のお知らせ

当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました


続:JR北海道札幌圏列車大雪による全列車運行不可。そのとき何が起こった?

2022/02/24

わずか2週間ほど前、札幌圏は大雪に見舞われ、我が家も雪に埋まったという状況がありました。今シーズンはとかく雪が多く、毎週末は雪かきをきっちり行わないと、積もった雪で車も出せなければ、家に入ることも難しい、そんな状況になっております。
前回の記事では札幌近辺の今シーズンの積雪についてと、2月6日に発生したJR北海道の札幌圏列車の全列車運休、そしてそれが2月7日以降も除雪が進まず批判が強まったことについて、当日の運行状況を含めて記載しています。

JR北海道札幌圏列車大雪による全列車運行不可。そのとき何が起こった?
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1112


これを書いたのはわずか10日前です。


2月6日以降の復旧状況

2月6日以降、札幌ではほぼ雪は降らず、気温も最高0度程度、風もそれほど強くなく安定した気候となりました。

気象庁 過去の気象データ(札幌2月)
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=14&block_no=47412&year=2022&month=02&day=05&view=p1

 2022年2月の気象データ
2022年2月の気象データ


JR北海道も各道路管理者も除雪、排雪作業を進めます。国も北海道開発局の除雪重機を自治体に派遣するなど支援します。

記録的大雪受け北海道開発局が札幌市などの除排雪を支援
2022年02月12日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220212/7000043324.html
> 記録的な大雪の影響で札幌市や近郊の自治体で除雪や排雪が遅れていることを受け、北海道開発局は保有する除雪車などをこれらの自治体に派遣することになりました。
>12日から保有する除雪車や河川工事などを担っている民間企業のダンプカーと運転手などを札幌市と石狩市、それに江別市に派遣することになりました。


札幌市は市長が会見し2月19日までに市内のバス走行経路となっている主要幹線道路の排雪を完了すると発表しています。ただ、それ以外の幹線道路、住宅地の市道の排雪は進まず、地域も負担して行われるパートナーシップ排雪も本来の7割程度の排雪量となることを発表しています。

主要幹線除排雪 19日完了 市長見通し 堆積場 新たに5カ所
2022年02月11日 北海道新聞 札幌面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/644481
>  市によると、除排雪は、バス路線と主要幹線道路計660キロを優先。10日までに49%が完了した。その他の準幹線道路の除排雪は主要幹線道路の終了後に着手するため、秋元市長は「終了の見通しは立っていない」とした。


 2月12日早朝に排雪が完了し2車線幅で路面も見えている東8丁目・篠路通り
2月12日早朝に排雪が完了し2車線幅で路面も見えている東8丁目・篠路通り

JR北海道は2月11日夜に学園都市線の運行を再開することで、札幌圏4方向の運行を再開。12日には特急列車の運行も再開しほぼ正常化しました。学園都市線あいの里公園-北海道医療大学、特急定期券の札幌-函館・札幌-釧路・札幌-旭川を含む定期券・回数券は5日以上連続での運休となったため通用期間延長が行われます。
 定期券・回数券の通用期間延長の案内
定期券・回数券の通用期間延長の案内
2月14日以降は通常の運行に戻り、復旧となりました。

しかしその後も2月15日から17日にかけては道南方面で強風と大雪となり、函館を中心に運休が発生するなど、2月の北海道の天候は非常に不安定でした。

週間天気予報で大荒れが予想されており、我が家では在宅勤務の合間を縫って自宅の除雪を進めました。具体的には雪を捨てられないほど高い雪山になった庭の雪をトラックに積み、市が開設した雪堆積場へ持って行く、また、踏み固められた家から道路までの区間の雪を削り、これもトラックで堆積場に持って行く、これを何往復もすることで、ある程度家の前が「次の雪」に備えたということになります。落ち着いた天候であったこともあり、この時期に作業しておこうとおもったわけです。札幌市の雪堆積場ももう余裕は無いものの、急遽拡大を行うなど搬入に対処しています。
 札幌市新琴似8横雪堆積場
札幌市新琴似8横雪堆積場


新たな悪天候への対策

2月18日、北海道は19日以降広範囲での大雪が見込まれるとして、関係機関が協議し、JRは計画的な運休、道路も予防的通行止めを行うことを発表しています。

20日夜〜21日道内広範囲で大雪の見込み 道など対策会議
2022年02月18日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220218/7000043560.html
> 道内はこの週末から広い範囲で大雪となる見込みのため、道や関係機関が会議を開き対応を協議しました。 18日、道庁で開かれた会議には、鉄道や電力会社などおよそ20の関係機関の担当者が参加し、オンラインで対応を協議しました。
> また、JR北海道などからは鉄道の計画的な運休や、国道や高速道路で予防的に通行止めを実施する可能性があることが紹介されました。 道危機対策課の清水章弘課長は「週明けはテレワークや休暇の取得も含め、不要不急の外出を控えてほしい」と呼びかけていました。


ただ、このニュースに関してはあまり大きく報道されず、また、北海道・札幌市などの自治体からも積極的に通知されたようには思えないところです。
例えばTwitterの北海道防災情報( https://twitter.com/hokkaido_bosai2 )では北海道雪害対策連絡部会議の内容として気象台発表の資料だけを添付し「最新の情報に留意してください。」としています。
後出しになりますが、起きた災害に対しての見積もりが恐ろしく浅く感じます。全く危機感を伝える内容になっていません。

JR北海道は事前に運休が発生することを告知しています。

2月19日夜、札幌市内でも風が強くなり雪が降ってきます。特に早朝4時頃に激しい風が吹き、叩きつけるような雪になります。気温が1度程度と比較的高いため湿った雪となり電線への着雪が見られます。
 2月19日朝8時半頃の4丁目交差点
2月19日朝8時半頃の4丁目交差点
 2月19日朝8時半頃の4丁目交差点
2月19日朝8時半頃の4丁目交差点
風は強く、特に吹雪の影響の大きい宗谷、根釧地域では道路の通行止めも行われます。JRは20日に道東方面の特急など160本を運休します。

道内今夜から荒天 JR160本運休
2022年02月20日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/647829
>JR北海道は20日に札幌駅を発着する釧路、帯広方面の特急の運行を終日見合わせるなど同日だけで160本の運休を決めた。
>21日午後6時までの24時間降雪量は、石狩、空知、後志地方の多い所で40~60センチに達する見通し。
>新千歳空港までを結ぶ快速エアポートも22本が運休し、1時間に1本程度の間引き運転となる。函館線、千歳線、学園都市線などの普通列車も計107本が運休する。


なお、この道新記事、快速エアポートを「1時間に1本程度の間引き運転」としますが、22本運休という表示からわかるとおり「1時間に1本を間引いて運転」するという、全く意味が正反対な記事を掲載しています。このような不正確な記事が出ることに、しかも数字を記載しているのに校閲も管理職も気がつかないのは末期的です。

20日は日中札幌市内はとかく風が吹き荒れました。積雪は少ないものの、風で積もった雪が飛ばされ「地吹雪」となり、飛ばされた雪が風の弱くなる建物などの周りに落ちることで「吹きだまり」ができます。我が家も給湯器や暖房の排気筒が雪に埋まる恐怖から何度か掘り出しに行っています。


2月21日

21日は月曜日ですので、大荒れの天気が予想される中、JRの運休が大きく記事になり、札幌市は学校の繰り下げ登校を指示します。JR北海道も20日の学園都市線、函館線岩見沢方面の運行を21時で終了し、小樽、千歳方面も大幅に便数を減らして運行しました。

【猛吹雪に注意】北海道は大荒れ予報…JR"426本"運休決める 札幌市立学校すべて1時間遅れ登校へ
2022年02月20日 UHB
https://www.uhb.jp/news/single.html?id=26601
>  予想される最大瞬間風速は35メートルで、予想される雪の量は21日夕方までの24時間に日本海側の多い所で60センチ、太平洋側とオホーツク海側で50センチとなっています。
>  JR北海道は列車の運行に支障が出る恐れがあるとして20日は197本を運休、21日も北海道内を走る全ての特急列車を含む426本の運休を決めています。
>  札幌市教委は、21日の市立学校の登下校について、21日朝は全校一斉に登校時間を繰り下げて1時間遅れとし、授業は2時間目から始業。下校は繰り上げて、給食をとった後、午前授業で下校することを決めました。


札幌市広報部は20日夜にこのようなtweetをします。

この時点で気象台はこの巨大低気圧が巨大台風並の950hPa程度まで発達し、瞬間最大風速35m/sが予想されるとしました。これは「登校」という行為は危険であると言わざるを得ません。NHKは深夜になって再度注意喚起のtweetを行っています。
我が家も窓の外からごーごーと風の音がし、雪が真横に降る様は、ちょっと最近経験の無いような状況です。960hPaを下回ると台風と仮定しても「強い台風」とされます。本州ならば土砂災害警戒など大きな対策が取られてしかるべきですが、台風では無く単純な低気圧、そして、降るのは雪でありますので災害といっても「雪かきが大変」なんでしょ?とかなり舐めた対応をしているように感じます。だからこそ児童を登校させることに躊躇がないし、会社を休みにするのはおかしい、JRが止まるのはおかしいという世論が形成されます。実際にこの風と雪の中駅まで1km歩きますって状態でも遭難を覚悟できるほどの酷い風と雪であります。
JR北海道は21日朝6時前に札幌圏の完全運休を発表します。5時台の時点で列車が始発駅に表示され、運行する予定だったと思われますが、今後天候の回復はしばらく無いとの判断になります。ついているリプライに不満が多く書き込まれますが、残念ですが安全には代えられません。北海道雪害対策連絡部会議として早めの運休を告知することも盛り込まれています。

早朝は運休を決めていた市内の路線バスは徐々に動き始めます。これは路線バス走行道路の排雪が進んでいない中で大雪に見舞われた2月6日と比較し、排雪がある程度進み、2車線幅が確保されている、または、バス同士、バスとトラックなどのすれ違いができないほど酷い道が少なかったという面があります。ただ、強風のため通行止めになっていた石狩方面では終日バスを運休している区間がありました。
 2月21日朝8時過ぎのJR札幌駅
2月21日朝8時過ぎのJR札幌駅
 2月21日朝8時過ぎのJR札幌駅
2月21日朝8時過ぎのJR札幌駅
札幌駅では列車の運休を知らず駅員にくってかかる老夫婦を見かけますが、テレビも新聞もある程度悪天候は伝え、現実この段階でも強風が吹いている状態ですので、このあたりの感覚はよくわかりません。空港も欠航便が相次いでおり、ネット上での変更ができないならば空港に行くしかないというのはあるのかもしれませんが。
 2月21日朝8時過ぎの地下鉄さっぽろ駅
2月21日朝8時過ぎの地下鉄さっぽろ駅
朝の段階ではバスの運休がありましたので、比較的地下鉄は空いていました。強風による影響はあるものの、道路の車線が確保されている場所が多いだけ渋滞が少ない印象ではありました。
 2月21日朝8時過ぎの西5丁目・樽川通り
2月21日朝8時過ぎの西5丁目・樽川通り
 2月21日朝8時過ぎの西5丁目・樽川通り
2月21日朝8時過ぎの西5丁目・樽川通り
8時頃は比較的落ち着いていた札幌の天候ですが、小学生の時差登校が始まる9時過ぎからどんどん悪くなってきます。午後には猛吹雪となり、札幌市内でもホワイトアウトに近い全く視界が無くなるような状態になる場面もありました。
 2月21日9時現在の高速道路通行止め区間
2月21日9時現在の高速道路通行止め区間
 2月21日9時現在の国道・道道通行止め区間
2月21日9時現在の国道・道道通行止め区間
高速道路は札幌近郊から小樽方面と日勝区間で通行止め。一般道の国道275号線が江別から当別・月形・浦臼までの通行止めは過去に記憶の無い範囲です。
都市間高速バスは札幌と小樽、釧路・帯広方面を結ぶ便が運休、その他の便も大幅に遅延して運行している状況になっています。その運行情報は一元的にはわからず、統括する北海道運輸局は「各事業者へのリンク集」だけを表示して情報公開したとします。「公共交通機関の運行情報」というなら運行情報をまとめてほしいものです。

北海道運輸局 公共交通機関の運行情報
https://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/unkoujouhou/index.html

 公共交通機関の運行情報サイト
公共交通機関の運行情報サイト


JR北海道はサイト上に地図型の現在の運転状況を掲載します。

 JR北海道2月21日9:05現在運転状況
JR北海道2月21日9:05現在運転状況
21日昼には低気圧は952hPaまで発達。猛烈な風と雪を伴って停滞するという状態です。
 2月21日12時現在の天気図
2月21日12時現在の天気図
 2月21日17時過ぎの札幌駅北口
2月21日17時過ぎの札幌駅北口
この日は少しでも早くと定時で仕事を切り上げ札幌駅へ、バスは遅れながらも運行していましたので、たまたま来た(どのくらいの遅れなのかわからない)バスで帰宅します。風でバスが揺れるほどの強い風と雪の中いつもの倍以上の時間をかけて帰宅しています。

そして不穏な翌22日の予報を聞くのです。

気象庁は2月20日21時13分から暴風雪警報を発令、21日8時時前に注意報に切り替えます。この時点では風は落ち着くと予想していたのでしょう。

2月22日

火曜日ですので、出勤なのですが、札幌市内風と雪は収まる気配がありません。気象庁は22時0時過ぎに大雪警報を発令、朝7時過ぎに大雪注意報に切り替えています。しかし、雪が全くおさまる気配がありません。
 2月22日10時30分現在のJR北海道運転状況
2月22日10時30分現在のJR北海道運転状況
 2月22日7時前の北海道中央バス札幌北地区のバス運行情報
2月22日7時前の北海道中央バス札幌北地区のバス運行情報
 2月22日7時前のジェイ・アール北海道バス手稲方面のバス運行情報
2月22日7時前のジェイ・アール北海道バス手稲方面のバス運行情報
 2月22日7時半頃の高速道路通行止め区間
2月22日7時半頃の高速道路通行止め区間
早朝から運行情報をまとめていますが、JR北海道は22日も朝から札幌圏の全列車は運休しており、あくまでテレビの情報では北海道中央バスの札幌市内線は全便運休(実際には一部運行していた模様)、ジェイ・アール北海道バスは厚別地区の多くが運休、じょうてつバスは一部区間で経路を変更し運行という状態でした。
昨日より運休が増えているのは1日でバス走行環境が極端に悪化し、排雪完了路線も車線幅が減少、バス停留所が吹きだまりで埋まり車道で待つような状態など、あまりにもバス運行環境が悪化したという事がいえます。
 2月22日8時前の自宅前
2月22日8時前の自宅前
 2月22日8時前の自宅前
2月22日8時前の自宅前
 2月22日8時前の自宅前
2月22日8時前の自宅前
 2月22日10時過ぎの自宅前
2月22日10時過ぎの自宅前
さて、22日は平日なので出勤しようと試みましたが、まず家の玄関ドア(外開き)が雪で開きません。なんとか少しずつ雪を掻きだして開け、外へ出ますが、長靴丈より深い雪が道路まで、一度除雪は入った形跡ですが、歩道も除雪が無く地下鉄駅まで歩ける状態ではないと思われ、在宅勤務に切り替えました。
吹きだまりもありますので、平均して積雪しているわけではありませんので、高いところは1m近くにもなっており、除雪をしなければ車を出すこともできません。

排気筒を掘り出し、先々週の大雪で収集が行われなかったため、2週分となっている資源ゴミが山となっているゴミ集積場の除雪も行い、家の除雪を終えたのはもう午後になっていました。この日定期配送の灯油の納品日でしたが、来ることはできず、新聞配達が来たのは14時過ぎ。北海道に住むということ、雪との付き合いは生活ではあるのですが、あまりにもこの数日は酷い状態でした。
一時的に止んだ雪は、午後からまた風とともに降り始めます。




JR北海道は22日夕方、札幌-江別・札幌-手稲のみ臨時列車として1時間2本程度の運行を行うと発表します。

JR北海道 本日2月22日(火)に運転する列車のお知らせ
https://jrhokkaido.co.jp/CM/Info/unkou/pdf/5207124c295c85a3816929ee1c47c90c.pdf
(リンク切れ)
https://tuesdayosmanthus.f5.si/txt//20220224_01.pdf




新千歳空港・丘珠空港は全便の欠航を発表します。新千歳空港の全便欠航は風雪害ではちょっと記憶が無く、それほどの大雪となっているということになります。

そんななか、北海道庁の防災情報は信じられないようなtweetを流してきました。

先々週の大雪の「対応の検証」をいまやる。単純にJR北海道の糾弾会だったと予想できます。

北海道雪害対策連絡部会議(令和4年2月22日開催)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/ktk/bsb/87638.html


中身としては一般に公開されているものは何もありません。今大雪で大変なことになっている。物流も滞って、空港も1便も飛べない、こんな緊急事態のさなかに2週間前の検証って何やってるんですかと。ついでのように今回の大雪の情報共有って紙っぺら1枚でJRの運休何本って、そんなレベルでいいのか北海道?

さらに、22日の21時30分を持って北海道は災害対策連絡本部を解散してしまいます。大雪警報が解除になったので、もう役割はおしまいということのようです。

22日時点でも新千歳空港には出発できなかった客が少なくとも650人以上滞留しており、翌23日の運行再開に向けてはいますが、そもそも空港内滞留を防止するために過去も協議が続いていたはずで、今回JRも高速道路もほぼ動かず、渋滞で動かない一般道国道36号線以外の地上交通が全て遮断され、午前中に出発したバスが片道6時間以上かかってやっと空港に到着という状態ではなにもしようがありません。

650人が空港で1夜過ごす 新千歳空港全便欠航で
2022年02月22日 HTBニュース
https://www.htb.co.jp/news/archives_15008.html
>  大雪の影響で交通機関の乱れが続いています。新千歳空港は22日、飛行機が1本も飛ばず、発着する228便全便が欠航しました。
>新千歳空港では、午後8時半過ぎから空港で泊まる人のために寝袋やマット、非常食が配られました。
新千歳空港では滑走路の除雪が間に合わず22日発着する228便すべてが欠航し、およそ650人が空港で一夜を過ごすことになりました。  空港を管理する北海道エアポートでは、夜を徹して除雪を行い、23日朝の運航再開を目指すとしています。




2月23日

天皇誕生日にて休日であります。前夜からの雪と風が断続的に続いている状態で、結局この日も雪かきから始まりました。さすがに買い物が必要なので車を出しますが、幹線道路も2車線道路が1車線に、少し中道に入ると乗用車のすれ違いも困難という状態です。
 2月23日9時半頃の北海道中央バス札幌南地区のバス運行情報
2月23日9時半頃の北海道中央バス札幌南地区のバス運行情報
 2月23日15時過ぎの北海道内高速道路通行止情報
2月23日15時過ぎの北海道内高速道路通行止情報
路線バスに関しては22日以上に運休系統が多かったように見えます。これは幹線道路でも路線バスが通れないような状態、また、少し細めの道を経由する便が経由できない、渋滞が酷く運行自体が行えないという極端な状況になります。
高速道路も恵庭付近の大雪による通行止めが前夜から続いており、空港連絡バスの運行が滞り、苫小牧・室蘭方面への高速バスは運休している状態です。

さて、JR北海道は手稲-札幌-江別の一部便を運行しているものの、特急も含め多くの便を運休しています。
 2月23日10時半現在のJR北海道運行情報
2月23日10時半現在のJR北海道運行情報
札幌-新千歳空港・苫小牧の復旧予定は何度かTwitterによる情報提供が行われました。
22日夜には「23日午後」としていた札幌-新千歳空港の復旧予定は23日午後になって「23日夜」と延長されました。そしてJR北海道は23日18時半頃の記者会見でこの区間を終日運休とし新千歳空港発札幌行きの臨時列車のみを走らせるという発表を行いました。
この間札幌-岩見沢・札幌-小樽・札幌-あいの里公園の復旧を終わらせており、今回過去最大の積雪を記録した千歳市や恵庭市を経由する千歳線の復旧に苦労している様子がわかります。
新千歳空港からの列車のみを運行するのは、この時点で到着便が次々降りている新千歳空港では既に滞留者が7000人を超えており、空港内では待合室などでの仮眠を取れるような状況ではないと判断され、JR北海道単独ではなく、何らかの機関から列車の運行を何が何でも行うように依頼されたという側面がありそうです。

JR北海道 空港滞留者向けに「札幌までの臨時直通列車」を検討…運転見合わせ続く"札幌~新千歳"間
2022年02月23日 UHB
https://www.uhb.jp/news/single.html?id=26668
> 記録的な大雪の影響で運休が続いていた札幌発着の列車のうち、学園都市線の一部区間などが2月23日に運転を再開しました。
 札幌発着の列車は除雪作業などのため運休が続いていましたが、JR学園都市線の「札幌~あいの里公園間」が23日午後6時すぎから運行本数を平常より減らして運転を再開しました。
 またJR函館線の「手稲~小樽間」も23日夕方から運転を再開、「手稲~旭川間」は日中に運転を再開しています。
 札幌と新千歳空港間については24日朝の再開を目指していますが、JRは空港の利用者向けに23日午後9時以降に新千歳空港から札幌へ向かう直通の臨時列車を複数本、運行したいとしています。現在、運行に向けた調整を急いでいます。


さらに札幌駅に到着した利用客に向け、札幌市営地下鉄を深夜まで臨時運行することも検討します。

「JR新千歳空港発の臨時便」札幌駅から"地下鉄"を深夜2時ごろまで運行で調整…札幌市も異例の対応続く
2022年02月23日 UHB
https://www.uhb.jp/news/single.html?id=26669
> 記録的な大雪の影響で運転見合わせが続いているJR北海道の「札幌-新千歳空港」間で、JRが2月23日夜に「新千歳空港発の臨時便」を運行させるとしていることに伴い、札幌市が「市営地下鉄」の時間を深夜2時ごろまで繰り下げる調整を進めています。


NHKでは会見の模様も放送され、JR北海道の鉄道事業本部副本部長兼鉄道事業本部運輸部長という肩書きを持つ島田信明氏の発言も放送されます。

札幌ー新千歳空港 通常運転再開見合わせ 臨時列車走らせたい
2022年02月23日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220223/7000043760.html
新千歳空港にいる利用客を札幌までは送り届けたいとして、除雪の作業が終わって安全が確認されしだい新千歳空港を出発し札幌だけに停車する臨時の列車を運行したいとしています。
臨時の列車の出発時刻は未定だとしていますが、除雪作業には少なくとも午後9時ごろまでかかり、さらに安全確認に1時間から2時間ほどかかるため夜遅くになる見通しだとしています。


この時点では21時頃除雪完了、試運転列車などを走らせ線路を確認後22時から23時頃には走らせられると(時刻の明言はないとはいえ)判断していたことになります。

さて、その後22時半頃に6本運行されると現地では案内されたというJRの「臨時列車」利用客が20時頃から新千歳空港駅に並ぶ様子がtweetされます。

しかしJRの目論見とは裏腹に、22時を過ぎてからまだ島松付近での除雪が完了していないという絶望的な案内がなされることになります。
これは現地で待っている人たちには、非常にショッキングな話と思います。それ以上に、21時に除雪完了で試運転列車を出せていない状況で何故その案内ができないのか、もっといえば非常に積雪の多い島松駅付近の除雪が終わっていない状態で会見を行い、21時完了などという「いいかげん」な情報を発したのか?というのが不思議でなりません。
発表したのは執行役員であり運輸部長という鉄道運行の最高責任者と言っても過言ではない方。その方に現場から適切な報告が上がっていない、もしくは中間で丸められて報告され、それを元に判断したのが21時なのではないか?
さらには、21時時点で完了の報告が上がっていないのに、それから1時間半も経ってから、もう既に駅が混乱している状況でこのような内容を出すというのはあまりにも乗客に寄り添わない舐めた対応ではないか?そうも思うのです。祝日で本社が手薄という面もあるのかもしれませんが、あまりにも情報が疎かになっています。
結果札幌市営地下鉄の延長運転もなくなり、そのための人員手配をしていたであろう札幌市営地下鉄にも迷惑をかけ、また、新千歳空港で対応を行っている駅員、北海道エアポートの職員にも多大な迷惑をかけている。
22日夜の時点から、不幸にも雪が降り続いたという状況はありますが、千歳線の復旧を23日昼、23日夜、22時台に臨時と、結果的にズルズル「全て嘘」を案内し続けたJR北海道の情報管理のやり方はあまりにもお粗末と言わざるを得ません。

結果的に除雪の完了は2時45分にtweet、そして3時頃から6本の臨時列車の運行を行ったとしています。それまで待機した乗務員さんも、駅員さんも含めて現場の方々は最善を尽くして頑張ったと思います。しかし、これで助かったとする方がいる一方、不満を思った方も多かったと思われます。

空港に4000人足止め、未明の臨時列車から運転再開…住宅街は車1台通行やっと、各地で立往生など大雪余波続く
2022年02月24日 hbcnews
https://www.hbc.co.jp/news/1da0990c959b21171a1f6d92fbfa8bed.html
> JRの運休で、新千歳空港に4000人が足止めされましたが、未明に札幌市への臨時列車が運行しました。
 空港内アナウンス  「本日、午前3時までは運転しないことが決まりました」  空港内にいた人  「島田(JR北海道の社長)呼べ、島田!」  空港内にいた人  「本当に裏切られている感じ。何を信じていいかわからない」  新千歳空港では、大雪でJRが運休したため、一時4000人が足止めされました。  ようやく24日午前3時に臨時列車が運行しました。


民報テレビ局HBCはJR北海道の島田社長を出せと怒鳴る声を放送しました。このような怒号を放送するのは私は全く好みませんしやめるべきだと思いますが、これに対応していた現地の職員さんを思うとあまりにも不憫でなりません。

こうして23日深夜に空港からの救済として「歓迎」されるはずだったJR北海道の臨時便運転は、結果的に不満を募らせ、報道も全く良くは取り上げず、現地で頑張っている社員の士気を下げてしまうという「大失態」になってしまいました。報道によれば6本の臨時列車の利用者数は3390人とのことです。


まだ終わっていないが

ここ数日の大雪で感じたことは、以前から言われているJR北海道の案内体制の貧弱さはTwitterを含め改善していこうとしているのはわかります。また、運転区間、運休区間の視覚的なわかりやすさについても、多少雑な絵であってもそれができているのは悪い話ではありません。
とはいえ、まだ、運休便、運行便がある場合の表現方法を考えなければならないでしょう。少なくとも社内に案内に関する基本的なガイドラインを作り、どの区間が運休しても運休列車を知らせ、そして復旧の目処を「大きめに」取ってから縮めていく形のほうが良いように思います。今回も一部区間は「復旧してから」案内を行いました。まだ作業を行っている間に復旧予定を知らせ、それが履行できないよりはずっと正しいとも言えるかもしれません。

それ以上にダメなのが各バス会社です。Twitterで運行情報を書く北都交通や道南バスはともかく、北海道の最大手北海道中央バスの運行状況は「運休」しかわからず、渋滞等での遅延については一切触れられず、始発からの遅れがあっても全くわかりません。中央バスナビの使い勝手も一覧として見えないのでわかりにくく、大きな遅延を余儀なくされ、高速バスの一般道経由が発生する北海道の環境には全く合っていません。
 公式バッジまで取得している北海道中央バスのTwitterが期間中これしかtweetしていない
公式バッジまで取得している北海道中央バスのTwitterが期間中これしかtweetしていない
北海道バス協会(会長は北海道中央バス社長平尾氏)あたりが音頭を取った形で道内全域のバス運行情報を通知できるような仕掛けが必要だと思うのです。バス協会を利用者側を向かない組織にしている今、内部から変えていかなければバス協会の未来もないでしょう。

さらに広域自治体である北海道の全く明後日な広報体制はどうにかならないのでしょうか。
この時期北海道に不慣れな観光客や受験生に適切な情報を提供する形というのが必要です。

北海道 令和4年2月20日からの悪天候について(公共交通機関を利用される皆様へ)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/saigai.html

 令和4年2月20日からの悪天候について(公共交通機関を利用される皆様へ)
令和4年2月20日からの悪天候について(公共交通機関を利用される皆様へ)


前回も指摘していますが、このサイトなんですか?これを見て「皆様」はどうすればいいのですか?例えば空港に行く不安を抱える客はこのサイトから何を読み取れというのですか?
さらに、北海道民の不満は、JRが動かなかったことよりも、自分の生活圏の問題である除雪、行政サービスの話が全く、北海道のウエブサイトのトップページには今回の災害については一行たりとも記載が無いというのはどういうつもりなのか。広域行政として道民の命と健康を守るという求められる内容に対して交通事故や屋根の雪下ろしからの落雪による死亡者は「自己責任」ですか?

2月の大雪は「災害」です。誰もが死に直面するほどの気象条件でした。そして、除雪排雪が進まないことによる緊急自動車などの到着遅延も含めて「命」の問題が発生しているのにあまりにも暢気でだらしない。私にはそのように見えています。

札幌市に至っては災害とは一切思っていないらしいので、もう言うこともありません。北海道に住むのは自己責任です。そうとしか言い様がない。いくら個人が頑張っても自治体にしかできないことがある。それを放棄してはならないのです。

道内マスコミは今回もJR北海道の運休を大きく取り上げていますが、市民生活に直結する行政サービスに関してはほぼ報道しない。これも含めて恐ろしく感度が鈍い。除雪の行き届いた中央区都心部だけで生活しているわけじゃあるまいに、いいかげんに「提供される」情報だけ報道するという「記者として恥ずかしい記事」を書きなさんなと強く思います。

北海道の交通関係 JR北海道 札幌市交通局 路線バス 高速バス 輸送障害

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