北海道の交通関係

2022年3月ダイヤ改正で行われる地方路線のスピードアップ

2022/03/10

JR北海道が地方路線の体質改善を目的に2018年から導入を開始した新型気動車H100形。
これまでに函館線長万部-小樽(札幌)・宗谷線旭川-名寄・室蘭線長万部-(室蘭)東室蘭-苫小牧に導入が進められ、2020年度までに45両が導入されています。特に宗谷線では76kmの運行区間で31分もの大幅な時間短縮が実現した列車もありました。ちょうど1年前に記載した記事ですが、自分で書いててもうれしくなるような内容になります。

2021年3月ダイヤ改正で行われる地方路線のスピードアップ
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1030


2021年度、H100形はさらに30両を増備し、釧路に24両、旭川に6両が新たに追加されました。2022年3月ダイヤ改正ではこの車両が根室線新得-釧路・石北線旭川-上川に投入されることが発表されています。


根室線新得-釧路H100形導入による普通列車のスピードアップ

今回改正では新得-釧路の全普通列車をH100形で置き換えることが発表されています。全区間を走る比較できる列車を見てみましょう。

●新得発釧路行き2531D
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310012531D&traindate=2021-03-13
 2021年3月改正の2531D
2021年3月改正の2531D

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=0&rb=0&traincd=22310012531D&traindate=2022-03-12
 2022年3月改正の2531D
2022年3月改正の2531D
新得から釧路まで直通する列車は今回改正で1本減便になって2本となっています。(乗り継ぐことは可能)そのうちの1本、新得-釧路を4時間台で結ぶ普通列車となります。旧ダイヤでは4時間29分が、新ダイヤでは4時間2分となっています。特急に対しての「逃げ足」が早くなることで待避時間も短くなっている場所もありそうです。(まだ新ダイヤでは信号場の時刻が入っていないが、新ダイヤでは昭栄信号場で5分程度停車すると思われる)
駅間の区間速度を見ても70キロ台になる区間があるのは加速性能のなせる技と言えましょう。(あくまでも分単位で計算しているので、秒単位の時刻では結果は異なる)

●釧路発新得行き2532D
同様に上り列車も見てみましょう。釧路を19時台に発車し音別以西は最終便になる列車です。待避や交換に伴う長時間停車が少ないので比較にいいかもしれません。上り列車は釧路-新得の直通列車は1本増え3本になっています。

旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310012532D&traindate=2021-03-13
 2021年3月改正の2532D
2021年3月改正の2532D

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=0&rb=0&traincd=22310012532D&traindate=2022-03-12
 2022年3月改正の2532D
2022年3月改正の2532D
こちらはトータルの改善時間が20分マイナスとなっており、十勝清水の交換待ちが無くなるなどの利点も。ただ、最終列車としては「時刻が繰り上がっている」ことに留意が必要かもしれません。

その他、新得-釧路の普通列車各便の各区間で最速を取り出し、比較してみました。利用が多い各区間で見ても最大7分の改善が行われています。また、帯広駅での接続の改善は朗報でしょう。スピードアップで「変えられない時刻」をそのままに到着時刻を改善できるために、運用の効率化や接続の改善が図れるという意味があります。

根室線時刻比較
https://traffic.north-tt.com/txt/20220310_01.pdf

 根室線時刻比較
根室線時刻比較


あと、やはり大きいのは冷房車になること。北海道の夏とはいえ、30度以上になることも少なくない十勝地方。冷房車導入は長く望まれていましたし、乗務員さんにとっても大きな業務改善になると思われます。また、冬期はボタン式ドアになりますので利用の無い駅は開かないのもいい面です。

 帯広駅停車中のキハ40形
帯広駅停車中のキハ40形
 釧路運輸車両所に到着しているH100形
釧路運輸車両所に到着しているH100形

石北線旭川-上川H100形導入による普通列車のスピードアップ

石北線は既に昨年上りの通勤・通学時間帯の列車2本にH100形を導入していますが、今回本格的に置き換えが行われることになりました。
石北線は「黄色線区」とされる鉄道維持に自治体の協力を要請している路線であり、結果的に地域の直接的な支援の無いままに新車が導入されるという形になります。
ただ、JR北海道としても旭川地区で使用する車両は他線と共用できることが望ましく、将来的には車両の統一を行うと考えれば、導入線区の拡大は必要なことです。JR北海道の会社案内パンフレットには2021年度から「黄色線区」用にH100形を導入するように記載があります。

JR北海道
会社案内パンフレット
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/company/com_04.html
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/company/pdf/2021_07_11.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220310_02.pdf

 中期経営計画内にあるH100形導入について
中期経営計画内にあるH100形導入について


少なくともこの後2022年度、2023年度もH100形を「黄色線区」向けに導入することは決まっているということですので、数年内にキハ40形はあまり見られなくなるでしょうね。

●旭川発上川行き4535D
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310014535D&traindate=2021-03-13

 2021年3月改正の4535D
2021年3月改正の4535D

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=0&rb=0&traincd=22310014535D&traindate=2022-03-12
 2022年3月改正の4535D
2022年3月改正の4535D
夜間の列車ということで特段待避などもなく普通列車としては最速で走っていた列車です。それでも石北線を峠に向かってずっと登りが続く上川方面はキハ40の性能ではかなり厳しかったことが覗えます。トータルで6分改善し1時間を切っています。改正後はおおむね1時間程度で走破する列車が多く、全体的に所要時間を押し下げています。

●上川発旭川行き4534D
旧ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=old&rb=0&traincd=21310014534D&traindate=2021-03-13
 2021年3月改正の4534D
2021年3月改正の4534D

新ダイヤ
https://timetable.north-tt.com/04_train_info.php?old=0&rb=0&traincd=22310014534D&traindate=2022-03-12
 2022年3月改正の4534D
2022年3月改正の4534D
こちらは下り坂を下りていく列車になりますが、こうなるとあまり性能差が出なくなるんでしょうか改善は4分となります。それでもブレーキ性能などの進化はあります。なお、キハ40のままと思われる4622Dは所要時間が延びてしまいました。これは桜岡での交換待ちが増えたことがあるのでしょう。

石北線時刻比較
https://traffic.north-tt.com/txt/20220310_03.pdf

 石北線時刻比較
石北線時刻比較


こちらも旭川近郊の都市内路線としての利用も一定数ある石北線も改善されたことは朗報です。旭川近郊では宗谷線・石北線・富良野線のほとんどの列車が冷房車となり、函館線も残る非冷房車は少なくなってきました。


接続の改善による到達時間の改善

函館本線の函館-長万部は車両こそ今回は変更がありませんが、函館-長万部を直行する列車が増え、長期休み期間に普通列車で移動することでの不便を少し解消しています。
 2022年3月改正函館-長万部普通列車時刻表
2022年3月改正函館-長万部普通列車時刻表
今回直通になったのは823Dで函館を12:35発、長万部14:58着で、長万部からは倶知安周りでも苫小牧周りでも札幌に当日夜までに普通列車で到達が可能です。
この列車は新函館北斗を経由しない藤城線といわれる迂回線を経由しますが、新函館北斗12:17着の新幹線はやぶさ7号からも一旦七飯まで函館方面への普通列車で移動することで乗車が可能になります。
新青森11:20
新函館12:17(はやぶさ7号)
新函館12:43
七 飯12:48(4832D)
七 飯12:56
長万部14:58(823D)
長万部15:34
東室蘭16:58(481D)
東室蘭17:02
苫小牧18:28(441D)
苫小牧18:42
札 幌19:44(2797M-3943M)
このような感じですね。
ただ、長万部20:09着の825Dから小樽方面への最終列車2959Dはわずか5分で接続せず、長い間これは未解決です。函館方面の車両改善があるまで難しいのでしょうか。

また、長万部発の函館行き最終列車822Dが25分遅く18:40出発になりました。これにより1952D-2954Dと乗り継ぐ小樽15:05発長万部18:32着から乗り継ぐことができるようになります。これにより新青森まで新幹線に接続できますし、函館からフェリー深夜便も利用できるでしょう。
札 幌14:13
小 樽14:46(3877M)
小 樽15:05
長万部18:32(1952D-2954D)
長万部18:40
新函館21:00(822D)
新函館21:57
新青森22:59(はやて100号)

これだけではありませんが、細かい接続改善はなされてきているように思われます。できることできないことがあり、JR北海道としてもできるだけ対応したいという意識は感じられます。

ただ、列車の時刻変更は長距離をマニア的に移動するための人のためだけではなく、毎日利用する通勤・通学の意見が重要です。単純に高速化すればいいというものではなく、必要な時間、始業や終業、また、部活や定期試験などに合わせた便が必要であって、本数を増加できない事も含めて難しい選択であろうとも思われます。
そして、本来必要がなくなれば改悪してしまうのは仕方の無いことなのですが、それを必要以上に悪く言うことも含めて改善意欲を削いで、そのままにしておけば批判されないという状態にしてはならないのですね。

なので、改善されたダイヤについては、本当にそれで利便を感じたのであれば発信していくことも大事だと個人的には思うのです。

北海道の交通関係 JR北海道 石北線 根室線 新しい施策 ダイヤ改正

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