北海道の交通関係

並行在来線である函館線(長万部-小樽)廃止バス転換報道

2022/03/29

前回当サイトでも取り上げましたが、北海道新幹線の並行在来線長万部-小樽間について、長万部-余市に関しては廃線が決定的となり、ネット上にも反発の声が多く聞かれました。

並行在来線である函館線(長万部-余市)廃止バス転換報道
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1111


それから約2ヶ月、鉄道での存続も視野に検討を行っていた余市-小樽間に関しても余市町、小樽市がバス転換を受け入れ、結果的に長万部-小樽の全区間が将来的に廃止になることが確定しました。

当サイトでは並行在来線問題をカテゴリとして各記事にしていますので、よろしければご確認ください。

カテゴリ:並行在来線問題
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?category=%E4%B8%A6%E8%A1%8C%E5%9C%A8%E6%9D%A5%E7%B7%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C




なお、当サイト管理者はあくまで趣味人としての立場での発言であります。決めるのは沿線自治体と北海道であり、その首長を決めたのはその地域の住民であり北海道民です。関係の彼らとて闇雲に鉄道を廃止しているわけでは無く、将来的な公共交通の維持を考え、地域の課題に向き合った上での決断であったと思われます。
ですので、個人的には寂しい、残念な気持ちにはなりますが、その決断は尊重しなければならないと思いますし、結果がよりよいものになっていくよう応援していきたいと思います。

なので、この記事をお読みの方で、もちろん廃止は腹立たしかったり面白くなく思う方はおられましょうが、それを住民に対して向けないでいただきたいと思うところであります。北海道民は~などと括られてもしらんがなって話です。

 2019年のまだ新幹線工事の始まっていなかった頃の倶知安駅
2019年のまだ新幹線工事の始まっていなかった頃の倶知安駅

2022年3月26日の後志ブロック「余市・小樽間」個別協議での結論

前回2月3日の第12回後志ブロック会議から約2ヶ月、公開はされない形で北海道・小樽市・余市町の3者による個別協議が行われました。その結果については個別協議終了後の記者会見内容が「結果概要」という形で公開されています。

後志ブロック「余市・小樽間」個別協議(令和4年3月26日)
北海道新幹線並行在来線対策協議会 後志ブロック「余市・小樽間」個別協議 終了後記者会見 結果概要
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/heizai.html
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220329_01.pdf
>(北海道交通企画監)
今後の後志地域の経済、観光などを俯瞰的に見た際に、地域住民や来訪客などの利便性を高めるべく新幹線の各駅や後志自動車道の各ICとを結ぶ交通ネットワークの整備が一層重要と考えております。
>未来志向で地域を俯瞰しながら、総合的に判断した結果、今後、バスを中心とした新たな交通ネットワークの構築に向けて、3者で検討を進めていくことで合意いたしました。
>(小樽市長)
今、北海道から説明があったとおり、今後の人口推計や鉄道施設保有による将来負担、国の支援がないことなどを考慮すると、鉄道維持は難しいと いうことでバス転換を容認する判断をした。
>新しいバスルートが提案されており、塩谷から最上町に抜けるショートカットする路線が示されているので、それで便益も確保できるということで、十分バスが鉄道に変わり得るという、代替性はあるという判断で、私どもとしてはバス転換を容認するという立場を取った。
>(余市町長)
迅速性が下がることによる便益を鉄道と同じくらいまで引き上げるため、バスの速達性を確保するということについて、最大限、道としても努力することを確約してもらった。
鉄道とバスを比較した際に、利用者の便益が下がらないという余市の第一条件が確保できる見通しとなった。
>余市町において、新たな交通拠点や交通ネットワークを整備するということについて、道としても最大限努力していくことが確約された。
>迅速性の確保という観点で、例えば、小樽潮陵高校に通う子が朝多いが、 高速道路の活用などで その通学に要する時間を鉄道と変わらないようにするということ、 余市駅をバスターミナルのような交通拠点として整備すること、あとは渋滞などを回避するべく道路網の整備に最大限努力いただくことの確約をもらったということ。


このなかで大切なことは、交通ネットワークの整備ということを認識した上で、鉄道は不要であるという決断をしたことになります。
また、既に開通している小樽-余市の後志道を使った高速バス便の開設などにも言及があります。また、塩谷と小樽市内の最上町に建設されている道路トンネルの開通による新しいバスルートも念頭にあるという説明となっています。

この個別協議が始まる前から「沿線はバス転換で折れたらしい」と報道がされることになります。

小樽市 小樽‐余市間のバス転換容認へ 新幹線の札幌延伸で
2022年03月23日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220323/7000044733.html
> 存続か、バス転換かが焦点となっていた小樽ー余市間の鉄道について、小樽市はバスへの転換を容認し、今週にも開かれる余市町との協議の場で表明する方針を固めました。


NHKは23日夕方のローカルニュースで報じました。ここでは小樽市がバス転換容認であり、余市町が単独での負担は難しいことでの存続は難しくなったとしています。

知事定例記者会見(令和4年3月24日)
2022年03月24日 北海道庁
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r3/107300.html
> (北海道新聞)  続けて別件で、並行在来線の小樽-余市間についてなのですけれども、余市町が条件付きでバス転換を検討しているとのことです。地元自治体が、鉄路を廃止してバス転換を選ぼうとしていることについての知事の受け止めを伺います。
> (知事)  今ご質問のありました件につきましては、小樽市においては、まだ保留ということ。そして、余市町については、鉄道を維持したいという状況にございます。道としては、できるだけ早く結論が得られるように取り組んでいるところであります。


24日の北海道知事定例記者会見では北海道新聞の質問に対しての回答として「早く結論」という言葉で近くこれが行われるであろう事が示唆されたように思われます。残念ながら北海道新聞の記者のこれ以上の質問は無く、若干知事に対し及び腰になってるような印象を受けます。

並行在来線 余市-小樽 バス転換容認「合意事項」 小樽市認識 費用便益分析せず
2022年03月25日 北海道新聞 小樽・後志面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/660787
>複数の関係者によると、1カ月ほど前に小樽市内で行った非公開の3者協議で、両市町と道が大筋でバス転換容認を確認したという。
>事態が急転したのは今月中旬。市は、道側から余市町側とバス転換の「了解を取り付けた」との連絡を受け、市議会などに「3者がバス転換容認で合意した」と説明したもようだ。
>  一方、道や市は、時間短縮効果や道路の渋滞緩和、交通事故の減少などを金額で算出した「便益」と事業の「費用」を比べ、鉄道が地域にもたらす効果を数値で評価する費用便益分析を行っていない。
市建設部は《1》既に判断材料が出そろっている《2》赤字負担に加え、施設改修費なども発生するため財政負担は難しい―との立場で「便益が上回るかの観点よりも、可能な財政負担かどうかが重要」とする。


北海道新聞は地方面で非公式な協議で余市町が既に大筋でバス転換を容認していたこと、道と余市町間でバス転換の「了解」を取り付けたとされ小樽市がバス転換容認を発表したとします。
費用便益に関しては、当然行うべきだとは思いますが、もはや小樽市にとって鉄道が残った方が便益を得られたとしても「費用」は出せないわけで、それを負担する意思は一切無いという強い決断となります。

鉄路存続論議を継続 余市商工会議所方針
2022年03月26日 北海道新聞 小樽・後志面
(WEB配信無し)
> 出席議員からの質問に答えた。別の議員は、2011年に町が並行在来線のJRからの経営分離に同意した際に同商工会議所が後押ししたことに触れ「あの時は余市に何のメリットもなかった。町の財界が鉄路を残してほしいという意向を示していきたい」と述べた。


2012年の北海道新幹線延伸工事認可に関して「整備新幹線の基本条件」である「並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意」を拒み続けていた余市町でしたが、小樽市が早々に同意を表明し、「札幌延伸は地域の活性化、経済発展に大きく寄与する。経営分離への同意について早急な判断をお願いしたい」と余市商工会議所自ら当時の嶋保余市町長を動かし調印させたという過去になります。
町長同様当時の商工会議所メンバーと10年以上経過した現メンバーが異なることは理解できますが、当然コロコロ「立場が危うくなる事」を恐れて言うことを変える姿勢はあまり擁護できない面がありましょう。

そして26日の個別協議の結果を受けた報道が出てきます。

JR北海道・余市-小樽間バス転換 3者会議で合意
2022年03月26日 小樽ジャーナル
https://www.otaru-journal.com/2022/03/post-79961/
>  迫俊哉小樽市長、齊藤啓輔余市町長、柏木文彦北海道交通企画監と後志総合振興局・天沼宇雄局長が出席し、余市-小樽間の経営分離後における地域交通の確保方策について、非公開で話し合いが行われた。


小樽の地元WEBメディアの小樽ジャーナルも大きく取り上げ、会見内容を報じました。今回公式的にも記者会見資料が出てくるだけで、議論は非公開で行われています。もちろん会見である程度話をしたとはいえ、各首長がどのような想いで話したのか?は少々興味深いものです。あと、事前に道と余市が何らかの取引事項が無ければ余市が鉄道維持を諦めることはなかったとも思えますので、何が余市をバス転換容認に導いたのか?は気になるところです。

余市―小樽バス合意 巨額赤字 苦渋の転換 道路・拠点整備で協議決着
2022年03月27日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/661638
>鉄路存続の巨額赤字が強調される中、存続を訴えてきた後志管内余市町はバスの利便性向上や交通拠点整備を道に迫り、実を取る形で矛を収めた。だが、将来も住民の足を確保できるのか―。苦渋のバス転換は、道や地元に重い課題を改めて突き付けている。


北海道新聞は道内全域面で大きく取り上げ、地元自治体が苦渋として受け入れたという形で報じました。ここでも余市が「決め手」としたのは速達性とバスターミナルですが、これはバス転換を容認するだけの内容かどうか?といえば元の拒否理由からあまりにもかけ離れているように思うのです。


2022年3月27日の後志ブロック会議での結論

それにしても26日の個別協議の会見のなかで北海道交通企画監がNHK記者の質問に、次回のブロック会議を「できるだけ早く開催できるよう、早速日程調整したい。」と回答していたそのブロック会議をまさか翌日の27日に行うとはちょっと予想できなかった面があります。年度末に何が何でも間に合わせたいという観点で土曜日曜を返上してブロック会議を行ったという状況のようです。

先の知事会見での発言の通り、北海道知事はこの会議を長引かせることに対しての抵抗感があるように思われるのです。前回も紹介しましたが、

知事定例記者会見(令和4年1月21日)
2022年01月21日 北海道庁
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r3/95961.html
>まずは前提として、それぞれ沿線のみんなで経営分離に同意したわけですね。それぞれ沿線のみんなで、その後のあり方について決めていきましょうねということで決めました。ですが、うちは(方向性を)決めたけれど、他のところで保留になっているという状況が、まずありますよね。
 それで、方向性が保留になっているのを、次までに決めて、みんなで集まりましょうねとなっているわけですから、そこでしっかり議論することが大事だと思います。


「経営分離に同意」して5年も10年も経って未だに結論が出ないなんて何やってるんだ?って思ってるようには見えるのです。年度末までになんとしても「合意」取り付けろと発破かけられたのでは?という印象を持ちます。

第13回後志ブロック会議(令和4年3月27日)
北海道新幹線並行在来線対策協議会 後志ブロック「余市・小樽間」個別協議 終了後記者会見 結果概要
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/heizai.html
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220329_02.pdf


メンバーは黒松内町が副町長であったことを除けば沿線8市町の首長が参加、道庁からは3名が参加しています。通常首長のスケジュールを前日に抑えるのは難しいと思われますので、ここでも1ヶ月程度前からこの日に「決定する」と期限を切っていたと思うのが自然なような気がします。
この記事を記載している3月29日時点では議事録などは出ていませんので、報道を中心に記載します。

小樽ー長万部 全線廃止バス転換決定 北海道新幹線札幌延伸時
2022年03月27日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220327/7000044845.html
> 北海道新幹線の札幌延伸に伴ってJRから経営が分離される小樽ー長万部間の並行在来線について、沿線自治体は27日の協議会で全線を廃止し、バスに転換することを決めました。


記事中での結果は

●バス転換
長万部町、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、倶知安町、共和町、仁木町、余市町、小樽市

という形になりました。結果区間が連続している長万部-倶知安-余市-小樽は全区間でバス転換が決まったという報道になります。

長万部―小樽 議論10年 廃線ありき 巨額維持費 自治体に重く
2022年03月28日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/661904
> 10年間に及んだJR函館線長万部―小樽間の存廃論議は27日「全線廃止」で決着した。2012年に始まった道と沿線9市町の協議は当初から鉄路維持の財政負担が強調され、自治体からは「バス転換ありきだった」との声も漏れる。全国では多くの並行在来線が第三セクターで存続する道を選んでおり、専門家は「鉄道の多面的な価値を十分評価しきれていない結論」と指摘する。
>  「山線」は、豪雪地帯の長大路線で維持管理費もかさむ上、橋やトンネルは老朽化が進み、貨物列車の線路使用料も入らないなど不利な条件が多いのも事実。ただ、道教大札幌校の武田泉准教授(地域交通政策論)は「鉄道が地域にもたらす効果は観光振興や災害対策など幅広い。自治体は費用便益分析の検討をさらに深めるべきだった」と話す。
>後志管内倶知安町の文字一志町長は27日の後志ブロック会議でバス転換に関し「一日も早い前倒しを」と訴えた。
>倶知安は在来線駅舎などを撤去しないと新駅関連施設の工事が進まないため5年程度早めたい考えだ。長万部町の木幡正志町長も「前倒し時期の明示を」と要望。小樽市の迫俊哉市長も取材に「住民の利便性が確保できるなら前向きに考える」と前倒しに理解を示した。


費用便益に関しては机上でいくら考えたって、使ってる人は「便利だから」使っていたわけではないのではないか?って観点からすると、バス並の運賃、定期料金の第三セクター鉄道に転換した場合、使ってくれるか?って面を考えると費用便益なんて吹っ飛ぶような面もあります。

また、倶知安町、小樽市は廃線時期の前倒しを進めたい考えを示唆しています。

並行在来線 長万部―小樽間の廃止決定 沿線自治体が了承
2022年03月28日 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASQ3W7F79Q3WIIPE00D.html
>バス転換は新幹線の札幌開業時となっているが、倶知安町の文字一志町長は新幹線駅の周辺整備のために現在の倶知安駅舎や線路を早期に撤去したい考えを示し、「30年度にこだわらず、(バス転換の)一日も早い前倒しの検討をお願いしたい」と話した。
 迫市長は、バス転換の前倒しがJRの負担軽減につながると指摘し、「経営分離が早まることでJRからバス転換に対する支援は受けられないか」と述べた。道の柏木文彦・交通企画監は「理論上はありえるのではないかと思う。JRに確認して検討する」と答えた。


本当に倶知安町としては「一日も早い前倒し」鉄道なんか1日も早く引っぺがせって話で、これまたせっかく報道が「地域の足」「観光に必要」「旅情が山岳が」と廃線を残念って書く中でも、本当に地元には在来線鉄道は必要とされていないという悲しさを感じます。
また、小樽市も廃線前倒しを「JRの負担減」の話にしていますが、これもJRの経営悪化が今後も続いた場合JRから受け取ることのできる支援金が少なくなるという可能性を考えてるとも思われます。
バスの本数が少なく、域内移動需要が少ない長万部-ニセコを除けば一定のバス運行が現行行われており、例えば小樽市なら塩谷地区は市内線バスの域内、蘭島も1時間2本程度の確保が行われていれば特段廃止を前倒しても移動的な問題が少ないと言い切ってしまえる面があろうかと思われます。

現状の小樽市内塩谷・蘭島駅付近のバス停である国道上バス停の時刻表を確認します。

 塩谷バス停小樽方面時刻表
塩谷バス停小樽方面時刻表
なお、「本局前」は小樽市中心部であり小樽駅前を経由する市内線便であります。
 蘭島バス停小樽方面時刻表
蘭島バス停小樽方面時刻表
蘭島バス停は高速バス便が停車するため余市・積丹方面からの便も含めて一定の本数が確保されています。

また、余市地区の本数は蘭島バス停とほぼ同じ本数になりますが、仁木、小沢方面となりますとバス本数は減ります。それでも仁木は高速いわない号があり、本数が確保されています。
 仁木郵便局バス停小樽方面時刻表
仁木郵便局バス停小樽方面時刻表
倶知安・小沢に関しては小樽方面へのバスはニセコバスの4往復と高速ニセコ号3往復の7往復となります。さすがにこのままでの代替は考えていないとは予想しますが。

小樽―長万部廃止へ、ニセコ「代替バス以外の交通を」
2022年03月28日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC281H30Y2A320C2000000/
>鉄道利用が増えれば、倶知安駅からスキー場への移動手段の充実が欠かせない。冬季に駅とスキー場、スキー場同士を結ぶ連絡バスが走っているものの、運行本数は限られる。一般的に鉄道より建設費が安いモノレールや東京都心を走る「ゆりかもめ」など新交通システム、廃線跡を使ったバス高速輸送システム(BRT)などが一部で浮上している。片山町長は「民間の投資を呼び込みたい」と意欲をみせる。


日経新聞はもはや「在来線後」に目を向けています。札幌や新千歳空港から倶知安駅までのアクセスはもう新幹線を使うことが前提、倶知安駅からひらふ地区へのアクセスは現在もバスが早朝から深夜まで10分と空けないような間隔で路線バス、送迎バスが運行されており、ここに「新交通システム」を導入するとまで「意欲」としています。もはや在来線は地域としては無視できる存在であると考えている節があります。

<社説>函館線山線廃止 後世に禍根残さないか
2022年03月29日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/662368
>  新幹線駅整備を急ぐ倶知安町からは早くも廃止前倒しの声が出ている。性急すぎる姿勢に沿線住民の納得が得られるのか疑問だ。
 決定は後世に禍根を残さないか。各首長も胸に刻んでほしい。
>  今回の山線では国、JRとも終始支援に後ろ向きで「地域が議論する問題」と突き放してきた。
> 余市町の斉藤啓輔町長は代替バスの利便性向上に「最大限努力すると道の確約を得た」と述べた。鈴木直道知事は、約束を誠実に果たすという意思表示をすべきだ。
>  札幌延伸で新幹線利用が大幅に増える胸算用も楽観視できない。新函館北斗開業でも政府・与党の事前試算では収支改善効果が年45億円程度あるとされた。実際はコロナ流行前から赤字が続く。
>住民の足確保だけでなく、農林漁業などの産業振興を図る手だてを地域一体で時間をかけ模索する必要がある。  過疎化に歯止めをかけるのは道の役割だ。今後のバス網構築にも消極的ならば、道に対する全道市町村からの不信は増すだろう。


道新は社説でまたも強い言葉を使って今度は「道」と倶知安町など「沿線自治体」を批判しました。もちろん国とJRも「後ろ向き」と全方位での批判です。
しかし、これまでのブロック会議の議事録を全て見ていれば、JR北海道は第三セクター鉄道や上下分離での解決の場合も相応の支援の準備があるとしています。
国の支援に関しても、少し他地区の状況を調べれば国は直接の赤字支援は行わないまでも、第三セクター鉄道の設備投資や安全確保への拠出、また、福島県による只見線の上下分離でも復旧費用などに国の支援が行われている。そのような形に持って行けなかったのは北海道庁と沿線自治体が鉄道運行に対しての熱意が無く、鉄道をどうしても維持する必要が無いと考えていたことでもあります。

北海道新聞が自らが報道していた内容すら精査すること無く、このような意味不明な社説を世に出すのは、論説委員氏の不勉強と、批判を行わなければという強迫観念ではないかと思いますが、ろくに調べもしない自分の殻の中でさらに嘘を出すのは沿線住民にも悪影響です。

そして、では「性急」というならいつなら納得できるのか?という話です。倶知安町や長万部町は新幹線後の町づくりのなかで在来線が利用者の行動的にも土地や工事準備の中でも「在来線は無い方が利便が高い」とまで思っているほどに在来線は不要と思っています。その考えを頭から「そんなはずはない」と新聞が否定していいのでしょうか?

在来線鉄道が不要と思われているのは、このような趣味を行っている私にとっては非常に悲しいことではあります。しかし、新幹線の駅を中心とした町をできるだけ新幹線が開業したそのときまでに準備を終わらせておきたいと思う町の考えを否定することはできません。倶知安は後志道のインターチェンジが町役場がから線路を渡った反対側に設置されることも考慮にあることでしょう。そして、少なくともこれらの町は在来線を「住民の足」とすら考えていないのです。

鉄道は利便高く使われてなんぼですので、町がいらないというものを維持する必要は無いのですし、その考えを否定してはならないのです。

今後後志ブロックは「どのような形で在来線鉄道の運行を終了」するかを決めていく会議となりますが、北海道としては今度は昨年から議論がストップしている渡島ブロック会議に全力にならなければなりません。

在来線存廃 議論が停滞 函館市議会 材料なく答弁変わらず 協議会、1年開かれず
2022年03月18日 北海道新聞 函館面
(WEB配信無し)
> 2030年度末予定の北海道新幹線の札幌延伸に伴い、JR北海道から経営分離される並行在来線のうち、JR函館線函館―長万部間(147・6キロ)の鉄路維持に向けた函館市の議論が停滞している。
道南の沿線自治体対象の道の協議会が昨年4月以来開かれず、議論を具体化する材料が少ないためだ。市議会でも市側は従来の答弁を繰り返すしかなく、時間だけが経過している。
>  函館―長万部間で議論が進まないのは、同区間で貨物列車が運行していることが大きい。同区間は本州と道内を結ぶ物流の大動脈でもあり、鉄路を維持する場合、経営分離後に誰がどの程度費用を負担し、どんな仕組みで残すかという枠組みさえ示されていない。
 道は昨年4月に開いた北海道新幹線並行在来線対策協議会渡島ブロックで、経営分離後30年間の累積赤字が944億円になるとの収支予測を公表。沿線自治体は費用負担額などさらに詳細な情報を求めており、道は試算のめどがついた段階で、4月に1年ぶりの開催を目指している。


4月以降は函館-長万部がどのように解決するか。これにも注目が必要です。

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