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遠軽・湧別・佐呂間の保存鉄道車両を見てきました②
2022/06/24
中湧別、計呂地、佐呂間の各駅跡地を巡ってまいりました。湧網線跡地には他にも保存車両がありますが、次回に回しまして、今回はここから遠軽に向かいます。
前回
遠軽・湧別・佐呂間の保存鉄道車両を見てきました①
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1146
佐呂間から遠軽へは道道103号留辺蘂浜佐呂間線から国道333号線を走るルートになります。非常に快適な2車線幅の道路が続きます。途中の佐呂間町若佐は札幌から佐呂間町へ直行できる唯一の便である都市間高速バスイーグルライナーが停車するのですが、札幌を発車しますとここには3時30分の到着。佐呂間町中心部までは7km以上ありますので徒歩だと1時間半はかかるでしょう。また、若佐付近には特段何もありませんのでバス待合室くらいしか雨風を防げる場所はありません。自転車持ち込みとかで乗ってみたい場所ではありますが、夏至の頃でも暗いかもしれませんね。
国道333号線も旭峠区間はかなり狭くカーブの多い区間でありましたが、現在は無料の自動車専用道路である遠軽北見道路の一部として2002年に旭野トンネルが開通しています。トンネル区間以外は既存の国道に接続されますが、安国付近、遠軽までの接続道路は事業中で数年内に開通するであろうと思われます。旭川紋別道とも何らかの形で接続されると思われますので、その後は札幌-北見のルート採りに気になるところです。結果的に昔のままで残されている石北線をどう考えるかということが地元の意識と関係なく突きつけられることになります。
遠軽公園展示車両と郷土館資料
遠軽町には町のシンボルである願望岩の麓、遠軽公園内にSLと除雪車が展示されています。石北線を走る列車からもちらっとは見えるものと思われます。まずSLです。屋根が掛けられた下に佇んでいるのはD51 859です。1943年(昭和18年)国鉄鷹取工場製の機関車で関西地区を中心に運用されていた機関車です。戦後に北海道に渡ってきて遠軽・旭川に配置され主に石北線を走り続けた機関車になります。1972年(昭和47年)に廃車となりここに設置されています。






マチきれいに 心さわやか ナッパ服着てD51ピカピカ JR・OB会
2003/05/13 北海道新聞 遠軽・紋別面
> 【遠軽】旧国鉄時代からの元鉄道マンでつくる町内のJR・OB会(太田和男会長)は十日、瞰望岩下の遠軽公園に展示してあるD51型蒸気機関車の清掃奉仕をした
遠軽地区での車両清掃奉仕は2003年以降報道されていないのが気がかりです。
もう一両、少し離れた場所にあるのがキ282でキ100形ラッセル式除雪車です。
ちなみにこのタイプの除雪車は北海道では1989年まで現役で使用されており、今でも弘南鉄道で使用されているはずです。
また、公園内には遠軽機関区45周年を記念した動輪が展示されています。遠軽機関区は石北線の開通時である1932年(昭和7年)開設と思われますので、45周年は1977年になりますね。このD51 484は石北線でお召し列車の牽引を行ったとの記録があるようです。1976年に廃車後ゆかりのあった遠軽区の側に設置されたものとおもわれます。
遠軽機関区転車台と当車両の移設計画
遠軽町は遠軽地区都市再生整備計画で、地域創造支援事業として遠軽公園のSLと遠軽駅の旧遠軽機関区の転車台を石北線のY字形に分岐している旭川方、網走方の線路間に移設する計画をもっています。遠軽町 遠軽地区都市再生整備計画
https://engaru.jp/common/img/content/content_20200322_115116.pdf
遠軽地区都市再生整備計画
計画通りなら平成34年となる今年は広場整備、翌年以降に整備作業が行われるものとおもわれます。
遠軽駅周辺 二つの「広場」 にぎわい創出、町が調査へ
2021/03/11 北海道新聞 遠軽・紋別面
>「鉄道広場」(仮称)の場所は、JR石北線の旭川方面行きと網走方面行きの線路に挟まれた土地。現在は「西町駐車場」として使われている。
国鉄のマチとして栄えた遠軽らしく、近くの瞰望岩の下には蒸気機関車(SL)などが保存されているほか、駅構内にはSLの方向を変えるターンテーブル(転車台)が残されている。町はこれらを新しい広場へ移設が可能かどうかなどを調査する。
実際に移転するかどうかはわかりませんが、実現すればSLが転車台に乗っている形となりますので、非常に面白い施策と思います。
遠軽町郷土館資料
すぐ近くにあります遠軽町郷土資料館では廃止されたJR名寄線に関する展示があります。遠軽駅にあった名寄線への乗換関係や時刻表などの資料があります。

名寄線廃線反対ポスター
丸瀬布いこいの森の雨宮21号
この日はここまでなんとか天候が持っていたのですが、丸瀬布までの道のりは土砂降りでありました。あまり降られると厳しいなぁと思っていましたが、なんとか現地では小康状態で車両を見ることができました。
丸瀬布町は2005年に白滝・生田原とともに遠軽町に合併しています。
林業が盛んであった丸瀬布で、国鉄丸瀬布駅から木材運搬や人員輸送に使われたのが武利意森林鉄道で北海道内では最後となる1963年(昭和38年)まで生き残った森林鉄道です。この路線の一部を使って運行しているのが雨宮21号であります。
まずは駐車場前に鎮座する青い客車を見てみましょう。

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703

丸瀬布いこいの森のスハ43 703
スハ43は1951年から製造された急行用客車で700番台は北海道形として2重窓改造などを受けた車両となっています。そういう意味では北海道でも珍しい客車と言えましょう。国鉄は本州タイプと同じ型式の車両を北海道形に新造・改造する場合は500番台を付けるのが一般的でしたが、スハ43は500両以上(当方が確認できるだけで698両)製造されており、500番台を付ける車両が既にあったことから一旦500番台を付けた車両を700番台に改番しています。スハ43 703はスハ43 324から1973年にスハ43 503になったあと1976年から今の番号を付けていることになりましょう。
北海道では旭川客貨車区に所属していたので石北線も走っていた可能性は高かろうと思われます。
外見こそ退色していますが、車内はかなりきれいに当時の雰囲気を感じられるようになっています。ボックスシートにはテーブルが後付けされていますが、休憩室ですので致し方ありません。
廃車後地場の建設会社管野組(かんの)が1986年に国鉄から払い下げを受けて、町に寄付したようですね。
雨宮21号
さて、先ほどから園内に汽笛を響かせている機関車も見ておきましょう。この機関車も簡単に保存されてここで動いているわけではありません。1957年(昭和32年)の蒸気機関車運行終了時に解体になるところを町民有志が寄付して丸瀬布営林署で静態保存。その後林野庁が別の場所での保存を模索して持ち出そうとするところをまた町民が阻止した形です。

雨宮21号
1976年(昭和51年)からは丸瀬布町管理となって翌1977年に札幌交通機械で動態状態に復元、1979年に武利ダム建設によるダム湖周辺に設置したキャンプ施設「いこいの森」に機関庫を設置、1981年には園内に8の字形に軌道を構築し、ここを運行する形になります。
遠軽町 北海道遺産 森林鉄道蒸気機関車 雨宮21号
https://engaru.jp/tourism/page.php?id=545









遠軽町 北海道遺産 森林鉄道蒸気機関車 雨宮21号
https://engaru.jp/tourism/page.php?id=545
また、奥の機関庫も外部は見ることができます。
その他の保存車両
奥の車庫にはさらに鶴居村営軌道6tディーゼル機関車、北見営林局10tディーゼル機関車、緩急車、井笠鉄道客車などが展示されています。








今回はちょっと足を伸ばして日帰りではありますが廻ってみました。北海道内の保存車両も大事にされているところとされていないところがあり、今回訪問した各車両は幸せな方と言えましょう。しかし、保存には人手がかかり、そして費用もかかります。これをある程度財政が豊かだったり、ちょうど交付金などを得られた時期に作ることができたものの、その後放置されるような例も少なくはありません。
保存すると簡単に言えないのが昨今です。逆に保存されているものは、できる限り目に焼き付けておきたいものです。