北海道の交通関係

日高線と代替バスにちょっとだけ乗ってきました

2022/08/19

急に水曜日に休みをいただきました。職場に行く気満々の格好で、はて、朝にどこに行こうか?駅に行きまして、久々に日高でも行ってみるかなぁと列車に乗ります。この日はよく晴れていてお出かけ日和でありました。


日高線 苫小牧-鵡川

苫小牧では少し時間がありましたので、駅から少し離れたポイントへ。ここには苫小牧運転所敷地になるかと思いますが、日高線運輸営業所の跡があります。室蘭線の列車に見えるように「日高路へご案内します」という看板があります。いまは苫小牧運転所の詰所になっているのでしょうか。ちょうどその前に次に日高線に使用するであろう車両も見えます。
 日高線運輸営業所跡
日高線運輸営業所跡

日高本線の運営分離-JR北海道、苫小牧に新営業所。住民、「廃止への一歩」
1990/06/28 北海道新聞
> JR北海道は七月一日のダイヤ改正に合わせ赤字ローカル線の日高本線(苫小牧-様似間、百四十六・五キロ)の運営を同社本社から分離、独立させ、苫小牧に日高線運輸営業所を新設する。ダイヤ編成などの権限を委譲する道内で初の試み。同社は「サービス向上と経営効率化が狙い」とし、二十八日、苫小牧で日高管内九町の首長に対する説明会を開くが、沿線では「ギリギリまで説明がなかったのはおかしい」「廃止へのワンステップではないのか」など不安が広がっている。


日高線運輸営業所は1990年7月に発足、まぁ、報道はよく書きませんが、どう考えても廃止したいならばこのような新しい組織は作りません。ワンマン運行し、地元の要望でダイヤを修正するのも本社案件から委譲されるとすれば、当然地元は歓迎すべき事でありましょう。しかも当時は直営であった様似のバス営業所も傘下ですから、一体化して日高の公共交通を担うという意味があったのでしょう。今更何を言っても実際廃止になっていますから、すべてJRが悪いなのですがね。

さて、鵡川行きがやってきました。昨年2021年10月に「カムイサウルス(むかわ竜)復興トレイン」としてラッピングされた車両です。結果的に生き残った苫小牧-鵡川に関してはむかわ町が高校生の通学補助を行うことで時刻の変更を要求しJRもそれに応え、鵡川高校の通学生がスクールバスから鉄道利用に切り替わったという成果を出しています。

 日高線むかわ竜号
日高線むかわ竜号
 日高線むかわ竜号
日高線むかわ竜号
 日高線むかわ竜号
日高線むかわ竜号
キハ40ももはや確実に乗れるという路線は少なくなってきており、日高線は現状ではキハ40のみが運用されますが、室蘭線用のワンマン電車の話も出てきましたし、今後は新しい車両に置き換えられていくのではないでしょうか。

運転士さんは研修中のようであります。列車を動かすということ、そしてこの路線はひとりで運行するわけで大変な作業であります。

鵡川駅に到着しました。乗客の多くはフリー切符で来ているマニアの方のようで、すぐ折り返しの列車で帰るようです。
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
相変わらずですが鵡川駅は旧様似方面ホームのみを使用しています。駅舎側の苫小牧方面ホームは使用しておらず、線路も出発信号機が横を向いていますので使用停止となっています。ただし、苫小牧方のポイントも稼働できるようで、そこまでの設備撤去は行っていません。システム変更にもある程度の費用はかかりましょうから、特に困らないのならということなのでしょう。
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
鵡川駅の駅待合室は「みんなの茶店」という交流施設になっており、基本的には火曜木曜と第3日曜日に営業している模様です。

 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
鵡川駅で気になっているのが、駅舎の反対側である北側に高校があること。そのため自由通路である跨線橋が設置されているのですが、保線用の線路を跨ぐ形でここに通路をなんとか作ることができないか、また、鵡川の保線基地は基本的に今は常駐しておらず、北側の住宅地から直接ホームに入るための通路をこのあたりに設置できないか。是非町とJRで検討して欲しいと思っています。残ったからには使いたい、使いやすい駅舎であってほしいと思うのです。

 鵡川大踏切跡
鵡川大踏切跡
 鵡川大踏切跡
鵡川大踏切跡
 鵡川大踏切跡
鵡川大踏切跡
 鵡川大踏切跡
鵡川大踏切跡
鵡川駅から様似方最初の踏切である鵡川大踏切跡です。道路部の線路は撤去され舗装路面となっています。鵡川駅側には車止めがあり、様似方面の線路は撤去されていません。場内信号が横を向いており撤去されていないのも、まだ廃止から日が浅いとも言えますし、廃止から設備撤去が進んでいないとも言えます。


路線バス 鵡川-新冠

苫小牧からのバスが駅前まで来るのにまだ時間があります。駅付近を散策して、鵡川農協前のバス停から乗ることにしましょう。ちょうど昼時ですから日陰が少なく難儀します。それほど遅れずにバスが来ました。道南バスはバスロケーションシステム「バスキタ!」を採用していますから、バスが近づくまで建物内に避難できるのは良い面です。

バスキタ!道南
https://db.buskita.com/#/map


 静内行き道南バス
静内行き道南バス
JR北海道線としての廃止から1年、2022年4月のダイヤ改正から日高地区の道南バスでは新車の導入、実態を反映したダイヤの変更、停留所増設などが行われました。

新ひだか町 日高地域広域公共バスのダイヤ改正について(R4.4.1改正)
https://www.shinhidaka-hokkaido.jp/hotnews/detail/00005180.html
>ダイヤ改正の概要
1.特急とまも号(えりも~苫小牧)の停留所増設と発車時刻を変更します。
2.静内方面への通学便を見直し、わかりやすいダイヤ設定にします。
3.静内方面~えりも方面は、停車箇所や経由地を見直し、利便性を向上します。
4.苫小牧方面~静内方面は、利用実態に合わせて時刻や経由地を見直します。
5.日高縦貫線の一部の便を直通化して利便性を向上します。
6.バリアフリー対応新車導入やICカード導入等で利便性を向上します。(一部6月頃予定)


道南バスではノンステップ車5両が導入され、道南バスの時刻表にも区間が重複するジェイ・アール北海道バスの時刻表が掲載されるなどの変化が見えます。

 沙流川橋梁
沙流川橋梁
 旧清畠駅付近
旧清畠駅付近
 旧清畠駅付近
旧清畠駅付近
相変わらずというか、基本的に線路の撤去は進んでおらず、踏切も線路が残ったままの場所が数多く見られます。

日高町は富川大町・富川本町間のサッポロドラッグストア富川店付近にバスターミナルを含めた複合施設を建設する予定があり、将来的には平取方面、富川高校方面へのバスが接続できるような拠点ができるようです。富川付近はバス停が入り組んでおり、バス同士の乗り継ぎが難しい、知ってる人だけができる感じでしたので、これが進むことが期待されます。残念なのは国道沿いに設置されなかったのでバスが右折を繰り返す形で迂回する形になることでしょう。

日高町富川市街地複合施設新築の配置計画
北海道建設新聞 2022年06月20日
https://e-kensin.net/news/148762.html
> 複合施設新築は、町民の約半数が住む富川地区の中心市街地のにぎわい創出につなげるのが目的。公共交通の拠点となるバスターミナルや行政サービス、交流機能などを持たせる。
> 建設地は富川北3丁目195の1ほかで、既存商業施設の北隣に建てる。


バスはところどころで国道を外れて市街地を走ります。日高線の代行バスもそうでしたが、駅は旧道沿いにありますので、駅跡も見ながら進むことができましょう。厚賀を過ぎますと沿線に日高道の工事箇所が見えてきます。

 日高道節婦川橋
日高道節婦川橋
 日高道新冠IC
日高道新冠IC
節婦駅から工事の様子がよく見えた節婦川橋はほぼ完成しているように見えます。意外と進みが遅そうなのが大狩部付近の大節婦川橋で500mを越える長大な橋になります。鉄道が壊滅的になったこの付近、国道も海沿いで津波や浸食対策が必要です。日高道はそれを解決する意味もありましょう。


旧新冠駅

旧駅の手前、新冠診療所前でバスを下車します。バス運賃は1020円鉄道時代に比較すれば270円ほど安くなっています。道南バスは賃率が比較的安く、鉄道並行区間では鉄道より多くの区間が安い運賃を提示しています。
 新冠学校踏切跡
新冠学校踏切跡
 新冠学校踏切跡
新冠学校踏切跡
 新冠学校踏切跡
新冠学校踏切跡
少し歩くと踏切が見えてきました。新冠学校踏切跡で警報機だけは外してありますが線路部分はそのままです。市街地だけにカラー舗装された手のかかった踏切ですが、今や荒れるに任せる状態ですね。
 新冠第一踏切跡
新冠第一踏切跡
 新冠第一踏切跡
新冠第一踏切跡
 新冠第一踏切跡
新冠第一踏切跡
駅を挟んだ新冠第一踏切跡も同様です。バスはこの2つの踏切を渡り入り組んだルートになります。これも含めて線路跡を道路にするなどの方法も採れそうに思いますが、高速道路ICを考えると今の道路のほうが都合がいいのでしょうか。
 新冠駅跡
新冠駅跡
 新冠駅跡
新冠駅跡
 新冠駅跡
新冠駅跡
 新冠駅跡
新冠駅跡
 新冠駅跡
新冠駅跡
駅はトイレなどが使用可能な「出会いと想いのセンター」という看板が付けられていますが、特段中に施設はありません。

新冠の“玄関”新しく JR駅舎オープン 段差なくすなど配慮
1999/12/17 北海道新聞夕刊苫小牧・日高面
> 【新冠】JR日高線新冠駅の新しい駅舎ともなる町の「出会いと憩いのセンター」が十五日、オープンし、早速、通学の高校生らが利用した。
 木造平屋約百十平方メートルで、駅の待合室を兼ねるホールのほか、地場産品の展示コーナー、トイレが配置されている。きゅう舎をイメージした外観で、旧駅より約三十メートル門別寄りに建てられ、総事業費は約三千二百万円。身障者用のトイレや入り口をスロープにしたり、ホールと日高線のホームとの段差をなくすなど、障害を持つ人やお年寄りにも配慮されている。


当時は列車発車時に音楽が鳴るなどの仕掛けがあったようですが、売店もなく無人で、いつの頃からか撤去されていたようです。


路線バス 新冠-鵡川

さて、帰りは道の駅に近い新冠バス停から乗ります。昨年6月訪問時は日高線廃止前の時刻表が改正後2ヶ月も過ぎても掲示してあるという、あまりにも杜撰な状況があった新冠バス停ですが、今回は正しく時刻表も掲示されています。
 苫小牧行きバス道南バス
苫小牧行きバス道南バス
バスは通学帰宅時間帯ですので、その状況も見ることができるなと思いました。確かに通学の高校生がたくさん乗っています。立客がいるものの、前方は1人2人の座席がついていますので2人席は全て埋まっておらず、申し訳ありませんがその隅に腰掛けさせて貰っています。新冠時点で8分ほど遅れています。

新冠市街地でも細かく下ろし、大狩部の高台地区や厚賀の駅から離れた地区など、駅利用だけでは見えてこない、代行バス時代に駅からかなりの距離を歩いていたであろう生徒が多くいることがわかります。
 苫小牧行きバス道南バス
苫小牧行きバス道南バス
特に日高町に入って代行バス時代日高門別駅にあれほど車での出迎えがあった理由がよくわかります。多くの通学者は国道沿いの高台地区に住むのですね。各停留所でまとまった下車があります。そして富川地区で静内からの高校生はすっかり下車し、車内は数人になってしまいました。
この便は土日祝日は鵡川駅止まりになりますが、その理由はわかりやすいとも思われます。
 鵡川駅前
鵡川駅前
さて、通学時間帯のバスは大きく遅れています。鵡川駅前は定刻17:31のところ17:45の到着。乗り継ぎの苫小牧行き列車は17:49発なのでまだ余裕はありますが、鉄道代行バスのような余裕は持っていないことに注意が必要です。
 鵡川駅
鵡川駅
 鵡川駅
鵡川駅
夕方の列車は今度は鵡川高校の生徒が乗っていますが数は多くありません。マニアも何人か見える中夕闇を走ります。
「道央花の恵み」と装いを新たにしているキハ40 1780ですが、もうそう長くなく引退するのではないでしょうか。
 浜厚真付近
浜厚真付近
 浜厚真付近
浜厚真付近
 苫小牧駅キハ40
苫小牧駅キハ40
ブレーキがかかって浜厚真付近の湿原で鹿と対峙です。夕方は鹿の動きが活発になるようで職員さんの苦労が忍ばれます。もう窓を開けてのこの区間の移動もなんどもないかもしれません。


今回は短い時間ですが日高線の転換バスを見てきました。より使いやすいダイヤと、複数の路線が入り組む中特にわかりにくかった富川地区が変わっていくことも含めて、今後も見ていきたいと思っています。

北海道の交通関係 JR北海道 日高線 路線バス

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