北海道の交通関係


北海道の交通関係サイト終了のお知らせ

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当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました


JR北海道の構内踏切設置駅・跨線橋設置駅

2022/08/26

国土交通省は2019年(令和元年)度よりバリアフリー法に基づき、毎年度「移動等円滑化取組計画書」を国に提出することを公共交通事業者に求めています。そして、その計画書は公表することを義務づけています。

北海道の鉄道事業者であるJR北海道、札幌市もその対象となり移動等円滑化取組計画書を公表しています。

JR北海道 移動等円滑化取組報告書・計画書
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/other/enkatsuka.html
JR北海道は令和3年度の移動等円滑化取組計画書で各駅の取組状況を令和4年3月31日現在でまとめています。
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/other/pdf/r3_houkoku_eki.pdf
見ることができない場合
https://traffic.north-tt.com/txt/20220826_01.pdf


札幌市交通局 移動等円滑化取組計画書及び取組報告書について
https://www.city.sapporo.jp/st/barrier-free/idoenkatsu-plan.html


函館市 移動等円滑化取組計画書・報告書
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2020062500049/



JR北海道では駅を列挙して、ホーム数(あくまでホームとしての数、2線あっても一つのホームなら「1」であることに注意)とスロープ・エレベータなどの対象数、そしてスロープなどで段差を解消している駅、ホーム数についても記載しています。

鉄道利用時の段差問題は、大きく分けて
・街から駅そのものへの段差
・駅改札口からホームへの段差
この2種類があり、改札口に接するホームは対策が比較的容易でありますが、その先線路を跨いだ先にさらにホームがある場合、跨線橋または構内踏切にて移動する必要があります。
跨線橋にエレベータを設置して、それを改善している駅が少しずつ増えているのは現状ではありますが、構内踏切のある駅の場合、段差そのものは少ないながら、線路自体を横断するという危険性と線路からホーム上までの段差、スロープによる対応が必要となりますので、移動制約者の対応に難しさが出る面があります。
ただし、介助者の観点から見ると跨線橋よりも階段段差が少ないために楽であるという面もあります。この場合も列車の進入、通過に伴う問題を解決するための鉄道職員の立ち会い、介助が必要であるのは言うまでもありません。



JR北海道の構内踏切設置駅一覧

 有珠駅
有珠駅
まず、構内踏切設置駅を列挙します。構内踏切は俗称で「渡線路」というようですが、北海道には比較的多くこの構内踏切が残っています。
表の中で利用者数は「国土数値情報 駅別乗降客数データ」より作成した1日あたりのものです。乗降客数となりますので、実際の利用者数は約半分と考えられます。また、無人駅は2014年以降提供されていませんので、黄色表記は2014年度を、有人駅でデータが提供されているものはコロナ渦前の2017年度のものを採用しています。
 JR北海道の構内踏切設置駅
JR北海道の構内踏切設置駅
PDF: https://traffic.north-tt.com/txt/20220826_02.pdf
ホーム数は島式ホーム(ホームの両側に列車が着発する)場合も1と数えます。
列車自体が基本的に走行しない線路を越える場合も含みます(東鹿越・鵡川等)ただし保守用の線路を越える踏切に関しては除外しています。
実質的に構内踏切の先に発着列車が無く、構内踏切を使用しない場合も含みます(札内・厚床など)

●駅舎側にホームがあり、対向ホームに構内踏切で移動する例

 仁山駅
仁山駅
このような駅は2線を横断する必要があり、片側に列車が止まっている場合でも逆方向からの列車が来る可能性があり、できる限り避けたい形態です。

このタイプの構内踏切では過去に痛ましい事故が発生しています。現在は有人化しエレベータの設置された跨線橋によるホーム間の移動が可能な高砂駅は設置当時は無人駅でした。

JR高砂駅の死亡事故 無人駅 重すぎる責任 利用客急増10年で10倍 マナー頼りの綱渡り 有人化や改築未定
1996/02/27 北海道新聞
> 同駅は無人駅で、反対側のホームに行くにはレールを横断する連絡通路を歩いていかねばならない。地元高砂町自治会の白勢宏副会長は「地元住民は『事故はついに起こった』と受け止めている。危険は以前から言われていた」と指摘する。
 連絡通路は幅約二メートル、長さ約二十メートルほど。両側に遮断機と列車の方向をランプで示す指示機が設置されている。列車が近づくと「危険ですから通路を渡らないでください」と三回、音声が流れる。
 遮断機の作動中は警報も鳴るが、死亡した女性は下りホームに停車中の普通列車のために警報がなっていると思い込み、その陰から進入して来た上り特急に気が付かなかったらしい。
> 市も昨年九月、高砂町自治会から有人化などの要望を受けながら、具体的には動いていない。今回の事故で「安全のために何ができるのか、JRとも話し合う必要がある」(森山庸美企画部長)と橋上駅化なども含めた対策を検討する方針だが、駅舎建設には多額の建設費がかかり、当面は利用客のマナーに頼るしか方法はないようだ。


 現在の高砂駅
現在の高砂駅
江別市では豊幌駅に構内踏切が残っており、北海道内の構内踏切設置駅では利用が最も多い駅と思われます。こちらも通過列車が多い駅でありますので、改善が求められます。国鉄時代は普通列車にも通過列車もあったほどの閑散した駅も現在は通勤・通学客の少なくない駅にあります。
 豊幌駅
豊幌駅
 豊幌駅
豊幌駅
ちなみに踏切事故(自殺の可能性もあるが)はあったものの新聞で高砂駅のような形で豊幌駅について取り上げられた形跡はありません。また、中学校の無い豊幌地区の中学生の通学は2000年以降鉄道からスクールバスに移行しており、現在は中学生の利用はありません。


●駅舎側から本線1線だけ構内踏切で移動する例

あまり例は多くないのですが、1線だけ構内踏切で越える例です。閉塞するのが片側だけとなりますので、対象の列車が半分になることで、若干は安全性が高いと言えるかもしれません。
 利別駅
利別駅
 利別駅
利別駅
ただ、列車が停車しているときに踏切を通過できない場合があり、無理な線路横断に繋がることがありましょう。
 稀府駅
稀府駅
稀府駅の2番線(写真の左側の線路)は列車の追い抜きなどでしか使用しない待避線で、ここに貨物列車が停車すると上り列車を利用できないことになります。通常のダイヤではそのようなことは避けますが、ダイヤの乱れがある場合に問題になり跨線橋になった例があるようです。


●特急停車駅で構内踏切で移動する例

白滝・丸瀬布・生田原と女満別という石北線の特急停車駅4駅が構内踏切を有しています。利用の決して多くない駅ではあるのですが、いずれも無人駅であります。
宗谷線では天塩中川だけではありますが、基本は本屋側に停車することで構内踏切の利用を抑える工夫があります。
 女満別駅
女満別駅
 天塩中川駅
天塩中川駅


JR北海道の構内跨線橋設置駅一覧

無人駅・簡易委託駅に限って跨線橋の設置駅を列挙します。
 JR北海道の跨線橋設置駅
JR北海道の跨線橋設置駅
PDF: https://traffic.north-tt.com/txt/20220826_03.pdf
 北舟岡駅
北舟岡駅
エレベータを設置している駅は栗山とあいの里公園のみ、駅の両側にスロープを設置して段差を改良したのは太美のみとなっています。それ以外の駅は駅舎側のみが段差が無い駅がいくつかある以外は、多くの駅が段差を越えなければ列車を利用することができません。
 栗山駅
栗山駅
線路を挟んでホームが2つあるような場合にスロープなどを設置できるか?鉄道会社と地元自治体がどこまでそこに意欲があるかが問われます。
 太美駅
太美駅
また、跨線橋は必要であろうとは思いつつも、通過線路を少なくする制御ができるならば、段差の少ない構内踏切にできないか?という考えもあるかもしれません。実際には踏切の新設は非常に難しいのですが、肥薩線人吉駅では2013年に、山田線茂市駅では跨線橋廃止と構内踏切新設が行われており、それを実現できるかは地元の働きかけ次第といえるかもしれません。
 三川駅
三川駅
例えば片側1線の跨線橋であり、日中の通過列車が無いなどの場合に構内踏切化は可能かどうか。また、近隣の踏切などに対向ホーム部から出口を作れるかなど、スロープでの対応が可能な駅を増やすことができるか。これが使いやすい駅への次のステップではないかと思っています。

そして、逆を言えば、通過列車が多い駅の構内踏切をどうにか廃止する方法も模索してほしいのです。

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