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北海道の交通関係
その後の札沼線バスと新十津川町の「新公共交通」
2022/09/08
2020年5月7日(鉄道運行は4月17日まで)をもって廃止された札沼線北海道医療大学-新十津川間。代替バスは廃止前の2020年4月1日から当別-月形・月形-浦臼で新たに運行されます。
当別-月形に関しては長年スクールバスなど限られたバス路線しか無く、一般の乗車ができるバスが運行されるのは国鉄バスが当別線を運行していたであろう昭和30年代以来となることになります。
当別町自体も過去に北海道中央バスの当別ターミナルが設置され、石狩八幡町、札幌などへのバスも運行していたものの1993年分離子会社の第一観光バスに移管、2002年にはそれも撤退しています。2016年についに当別-江別のバスを廃止、現在は月形行きの他は町のコミュニティバスが札幌市内であるあいの里に向かう以外は町内運行のバスしかありません。(新篠津村からのバスは現在運休中)
また、月形町内に関してもジェイ・アール北海道バスが2003年に撤退時月形町は町内のバス路線を新設せず、北村経由で岩見沢に繋がる北海道中央バスと新篠津村からの通学便であるニューしのつバス以外はスクールバス運行にとどまっていました。
浦臼町は2003年のジェイ・アール北海道バス撤退時に浦臼-奈井江・浦臼-晩生内-石狩新宮は町営バスにて代替、浦臼-新十津川-滝川は北海道中央バスが代替します。そして2020年札沼線廃止を迎えます。
今回は2022年4月に行われた新十津川町の「新公共交通」による町内輸送と、2022年10月に予定されている浦臼-滝川の北海道中央バス廃止による代替輸送、そして札沼線廃止後の代替輸送が2年を経過してどのような変化となっているかを記載していこうと思います。
ところで、札幌から厚田、浜益、新篠津、当別などに向かうには石狩川を越えなければなりません。
現在石狩川には河口から(現道名・橋梁名・最初の開通年)
・国道231号線石狩河口橋(1976年)
・国道337号線札幌大橋(1988年)
・札沼線石狩川橋梁(1934年)
・国道275号線新石狩大橋(1968年)
・道道139号江別奈井江線石狩大橋(1920年)
・国道337号道央圏連絡道路美原大橋(2005年)
・道道1121号月形幌向線岩見沢大橋(現たっぷ大橋)(1960年)
と架橋されていますが、1970年近くになるまで札幌と当別は渡船に頼るか国鉄札沼線と江別まで迂回し石狩大橋を使う以外の陸路交通手段が無かったことになります。石狩川を渡らず岩見沢、滝川に向かう函館本線、国道12号線に比較して札沼線の沿線(新篠津・厚田なども含めて)は交通不便な状況が続いていました。
また、月形は道道6号岩見沢月形線月形橋が1940年代から架橋されており、岩見沢との交通が盛んだったという面を抑えておかなければなりません。(開拓初期の明治時代には架橋阻止運動もあった)
いまでこそ札幌からは短時間で移動可能な当別町ですが、過去には江別と石狩八幡を結ぶ中継地の役割があり、当江軌道が石狩川を渡っていなかったことも含めてバスが当時「どこを結んでいたのか」そして人流がどう繋がっていたのかというのを考えながら過去からの交通事情と、これからの交通事情を考える必要があると思うのです。
新十津川の今までの公共交通
新十津川町は石狩川で滝川市と隣接し北海道中央バスが路線バスを頻発運行していました。しかし、過疎化、コロナ渦での利用低迷を受け一部を除き新十津川町に路線の廃止を提案します。そこで新十津川町は新たな「公共交通」を模索していきます。
「新公共交通」の前にここ20年程度のこの地域の公共交通問題を振り返ってみましょう。
滝川周辺のジェイ・アール北海道バスの撤退
国鉄バス-JR北海道本体が運営し、2000年から子会社に分離していたジェイ・アール北海道バスは2003年2月末をもって滝川を含めた空知地区全ての路線を撤退します。このとき、滝川地区で最終的に残っていたのが以下の路線です
・滝川駅-和・碧水・石狩沼田駅 2002年度平日合計8.5往復乗客数282人
・滝川駅-新十津川-菊水町・花月市街-砂川駅・浦臼駅-石狩月形駅 平日合計23往復乗客数835人
・滝川駅-温水プール 平日2往復
・浦臼駅-奈井江駅 平日3往復
北海道中央バスはこのとき
・滝川沼田線・滝川-沼田駅前
・滝川浦臼線・滝川-新十津川役場-浦臼
・花月砂川線・滝川-新十津川役場-花月-砂川
・浦臼奈井江線・浦臼-奈井江
この4系統に絞り路線を引き継ぐことを決めます。ただし、年間3000万円以上の赤字が発生するとして地元が約800万円、国と道が地域間幹線系統補助金にて負担することとしました。
また、自治体町営バスとして
・沼田町営バス・碧水-沼田
・浦臼町営バス・浦臼-奈井江
・浦臼町営バス・浦臼-石狩新宮
が引き継がれました。
2002年の段階で中央バスの新十津川周辺の路線は
・滝川-新十津川-福祉会館・保養センター(グリーンパーク)
・滝川-新十津川-上吉野団地・盤の沢-浜益村
がありました。これに加えてジェイ・アール北海道バスの路線を引き継ぎましたので、新十津川町内の民間バスは全て北海道中央バスになったということです。
しかし、2005年には滝川でも市内線の大幅な減便と廃止、そして滝川-新十津川路線に関しても整理が行われます。
2013年にはジェイ・アール北海道バス代替の滝川-花月-砂川も廃止となり、新十津川町は代替としての乗合タクシーを始めることになります。
2013年新十津川町の乗合タクシー開始
このバス撤退は町がバス運行に対する補填が難しくなっていること、そして地域間幹線補助の適用から外れる利用客が極小になる路線が増えてきたことによります。乗り合いタクシー導入 新十津川町、来春 バス2路線統合
2012/10/25 北海道新聞
> 町内を運行する中央バス7路線中6路線で町が赤字を補填(ほてん)。昨年度は2千万円を支出した。補填額は年々増えており、町は07年に地域公共交通を活性化するための協議会を設置。実証運行を経て再編準備を進めてきた。
> 町内吉野から滝川を結ぶ総進線には平日4便の乗り合いタクシーを導入。同路線は一定区間内なら利用者の自宅前を通るようにする。花月砂川線は役場前から砂川市立病院まで行くルートに変更、平日3便の乗り合いワゴンを導入する。いずれも町内のタクシー会社などに委託し、花月砂川線、総進線ともに予約がない場合は運休とする。
これにより、新十津川町内を走る路線バスは再編されます
・滝新線 ・新十津川役場-(滝新橋)-滝川駅(ターミナル)-滝の川団地 14.5往復
・ふるさと公園線・滝川駅-橋本町-新十津川役場-グリーンパーク 5本
・滝川浦臼線 ・滝川駅-橋本町-新十津川役場-浦臼駅 5往復
・滝川北竜線 ・滝川駅-橋本町-碧水 4往復
新十津川役場前のバス停が3箇所に分散するきらいはあったものの、町内中心部からの一定の利便は確保されていました。
2020年札沼線廃止による影響
2016年11月に発表されたJR北海道の「単独では維持困難」とされる路線にリストアップされた札沼線北海道医療大学-新十津川の沿線4町は、その後も長く協議を拒否し続け約2年を経過した2018年に協議入り、結果2020年5月に廃線となります。このときに1往復の運行にとどまり実質的な地元利用の無かった新十津川町もJR北海道からの支援金を受け取る形で廃線に合意するとしました。しかし当別町が土壇場で協議継続を主張、結果北海道医療大学に乗り入れる残存区間の列車本数の増便を勝ち取ります。本来はこの時点で代替交通についてもう少し詰めておかなければならなかったのではと思わないでもありませんが、浦臼側に利用者がほぼ発生しない新十津川町も本来交流のない札沼線沿線4町が「観光振興などを共同で取り組んできた」と言い張るしかなかったともいえます。
札沼線一部廃止まで半年 住民の足 確保へ 代替バス新設、タクシー導入 沿線3町、駅周辺整備も検討
2019/12/07 北海道新聞 岩見沢・南空知面
> 札沼線の一部廃止に伴い、JR北海道からは、3町と石狩管内当別町に
《1》代替交通確保策に廃止から20年間で計14億8600万円
《2》廃止後のまちづくり関連で計3億3千万円
―の総額18億1600万円の支援が行われる。
> 新十津川町では役場と滝川駅や浦臼駅とを結ぶ現在の民間バス路線は維持される。町は町内の水田を分断していた線路や踏切は撤去し、水田を大型化することで基幹産業のコメ作りの効率化につなげる考えだ。
代替交通としての民間バス路線が維持されることが前提での転換となります。特に下徳富駅の最寄り地区である花月地区の住民の足に関しては浦臼からの路線バスの維持が不可欠といえるものでした。
2022年バス廃止問題と「新公共交通」
長引くコロナ渦はバス会社に大きな影響を与え、結果的に路線の維持ができないという地域通告をせざるを得ない状態になったことを報道は伝えます。この廃止が北海道中央バスから地元自治体に伝えられたのは札沼線代替輸送開始から半年が経過した2020年秋だったようです。芦旭線、滝川北竜線、ふるさと公園線、滝川浦臼線 中北空知4バス路線廃止へ 代替交通確保へ調整
2021/08/25 北海道新聞 中・北空知面
> 北海道中央バスや各自治体によると、4路線のうち、芦別から深川を経由し旭川まで結ぶ「芦旭線」が今年9月末で廃止されることが決定。さらに滝川を起点に新十津川や北竜などを結ぶ「滝川北竜線」「ふるさと公園線」はともに22年3月末に廃止予定だ。滝川と浦臼を結ぶ「滝川浦臼線」は22年9月末の廃止に向け、同社と沿線自治体などが協議を続けている。
> 同社によると廃止の4路線はいずれも利用が低迷。コロナ禍による外出自粛なども追い打ちとなり、昨年度はふるさと公園線の年間利用者が前年度比4割減の7700人に落ち込むなど厳しさを増していた。同社と沿線自治体などは、これらの廃止と代替手段の整備に向けた協議を続けてきた。
新十津川町ではふるさと公園線の廃止を受け来年4月から、町内の運輸会社がワゴン車で町内を巡回する「町内便」の運行を始める。町もスクールバスを一般開放する混乗便を実施。これらは町役場にも停車し、町民のニーズが高い滝川方面に向かう「滝新線」にも乗り換えできるようにする。
ここで新十津川町は既存の乗合タクシー、そしてスクールバスの一般混乗も含めた抜本的な町内外への公共交通を作ることを検討します。
また、浦臼町・北竜町も滝川浦臼線・滝川北竜線の廃止提案を受け、この路線を町営バス化することを検討します。浦臼町は半年の中央バス廃止延期を要望し委託することで存続、この便が経由する新十津川町内については新十津川町内-滝川市内を利用できないクローズ化を行うことにし、新十津川とは費用負担を別にすることにします。
新十津川の「新公共交通」について報道を確認してみます。
新公共交通 町内業者ら運営 新十津川町、4月開始へ体系まとめる スクールバスと混乗、運行効率化
2022/01/13 北海道新聞 中・北空知面
> 北海道中央バスは利用低迷を受け、滝川と町内などを結ぶ「ふるさと公園線」と「滝川北竜線」を3月末に廃止する。「滝川浦臼線」の廃止は9月末だが、4月から町内停留所を18カ所から2カ所に減らした上、滝川行きは降車専用、浦臼行きは乗車専用となる。「滝新線」は継続する。
新しい交通体系では4月から、誠和運輸と新十津川北星ハイヤーなどが町役場と滝川駅を結ぶ「新十津川線」を平日7・5便、砂川高校を結ぶ「砂川線」を平日6便、主にワゴン車で運行する。
また、現在乗り合いで運行している町内路線を変更して便数を増やす。役場を起点に総進、花月、徳富、大和の4地区を循環する路線(平日各7便)は小中学校の登下校時間は一部スクールバスとの混乗便とし、夏冬休み期間は減便する。利用者の少ない時間帯は2地区ずつの共通路線となる。このほか、ふるさと公園を結ぶ路線(平日2便)もある。
新交通体系の要は町役場前に設置するバスターミナルで、全ての路線の起点または終点となる。昨年9月から工事を進め、今月31日にバスの発着を開始する予定。庁舎内に待合所を設け、地図上でバスがどこを運行しているかを示すシステムも導入する。
町内線と砂川線は原則予約が必要。町内線で一律100円、町外線は100~300円または北海道中央バスの運賃表に準じ、事前に運行会社や役場内のカフェで乗車券を購入する。
中央バスとして残るのは2022年9月までの期間限定となる「滝川浦臼線」を除けば「滝新線」のみとなります。記事に記載はありませんが高速たきかわ号が延伸している形になっていた高速しんとつかわ号も廃止となっています。
新公共交通はこれまでの乗合タクシーに加え、バスが廃止・減便・利用不可となった徳富方面、ふるさと公園方面、大和方面、花月方面に町内線として運行、さらに、滝川・砂川への路線も設定されました。既存の中央バス滝新線は残るものの、町内の多くの地域にデマンド交通が走ることになります。また、小中学校のスクールバスとの混乗も設定されます。
新十津川町 新公共交通の利用案内
https://www.town.shintotsukawa.lg.jp/hotnews/detail_sp/00004041.html
新十津川新公共交通路線図
・徳富・大和方面
徳富方面は中央バスが滝川-浜益として運行していた路線が経由していた地域。浜益村は石狩市と合併し、現在はワゴン車による予約制デマンドバスとして浜益-滝川線を運行しています。滝川の北星三星交通が運行を担います。新十津川町内での乗降不可。
途中の当別町四番川地区は現在住人はいない模様で当別からの当別町コミュニティバスは現在途中の青山地区までの運行となっています。
新十津川町は吉野市街、上吉野団地までをデマンド運行しスクール便併せ平日7便を運行します。乗合ワゴンを北星ハイヤー、スクール便を誠和運輸が運行します。誠和運輸は「こすもす観光バス」を運営しているトラック、バス運送を行っている会社になります。
大和方面は滝川北竜線が運行していた雨竜、北竜方面のバスが経由していた地域です。国道275号線に沿って杉岡町まで中央バスルートを経由、その後旧札沼線北上徳富駅、上徳富駅付近を経由して市街地に戻ります。徳富方面から連続した形で運用されますのでスクール便併せ平日7便、休日3便運行します。
・ふるさと公園・花月方面
中央バスのふるさと公園線を辿る形で運行します。平日2本、土日祝3本は役場とグリーンパークの折り返し便を運行しますが、合わせて花月方面も含めた循環便としてスクールバス併せ平日7便、休日3便が運行されます。花月方面は旧南下徳富駅付近だった9号線バス停から旧下徳富駅付近の花月市街、弥生会館前と旧中央バスバス停を辿り戻ります。運行は誠和運輸です。
・花月・砂川方面
新十津川-砂川に関しては2013年のバス廃止後からデマンド交通がされていた路線ではあります。新十津川役場-花月市街は国道上バス停を使用し、砂川市内のみの利用はできません。平日6便、土日祝日3便が運行されます。町内地区は100円、砂川市立病院までは200円、砂川高校までは300円という運賃になります。運行は北星ハイヤーです。ふるさと公園と花月地区を回る町内路線は誠和運輸ですので事業者が異なることに留意が必要です。
・滝川方面
今まで通り滝新橋を経由して新十津川役場-滝川駅前を結ぶ北海道中央バス路線は維持されます。1便だけ運行される新十津川役場-西高入口経由の滝川行きを含めると14.5往復です。この路線は予約不要となります。今回、新十津川役場-西高入口-滝川への路線バスも「新十津川線」として誠和運輸が引き継いでいます。中央バス便の1本を除き平日7往復、土日祝3往復が確保され、この路線のみ定期運行となります。滝川市内のみの利用はできません。
中央バス便と誠和運輸運行便では運賃が異なります。また、誠和運輸運行便は現金での支払いができません。なお、誠和運輸の定期券でこの朝1本の中央バスを利用できるようになっています。高校生の通学便にワゴン車では足りないために1便だけ中央バスに依頼するような形になったものと思われます。また、経由違いでも定期券は共通であった滝川駅-新十津川役場の中央バス利用者は利用できる本数が減ったことにもなります。

・「新公共交通」の運賃
ここまでの町内線、砂川線、新十津川線の各路線の運賃は現金での支払いができません。町内は1乗車は100円、町外へは200円または300円となり、回数券は運行会社窓口(平日・土曜のみ)、新十津川役場1階カフェ(平日11時-15時)、近隣文具店(平日・土曜のみ)で発売します。こう書く以上車内での現金収受を行いたくないということが見え隠れします。休日は回数券を購入できませんから域外から来て乗ることは(基本的に)できないことになります。(追記:現在は金滴酒造での休日の販売も行っている)
また、回数券は「運行会社毎」となります。ただし、徳富・大和方面は北星ハイヤー回数券で誠和運輸のスクールバスに乗車できます。しかし、文面をそのまま解釈すれば花月地区は2社が運行しますので乗る路線毎の回数券が必要になるはずです。
回数券は2社ともに100円10枚綴り1000円または50円10枚綴り500円と割引無しとなります。面白いのは役場カフェでは「ばら売りご相談ください」と書かれています。(追記:現在は書かれていない)割引のない回数券ですし、それこそグリーンパークしんとつかわで温泉入りに1往復みたいな需要には、なんとなく対応していただけるような気がしますが、それも含めて、車内での現金収受は行わないにしても、全く対応しないとなるとあまりにも不便ですので、利用を検討している方は事前に運行会社への相談を行う方がいいものと思われます。
なお、定期運行の新十津川線以外は登録者以外の利用はできませんので、町外在住の利用は難しいものとおもわれます。(これはパンフレットに記載が無いのですが、広報誌に記載があります)
新十津川町 広報しんとつかわ2022年3月号
https://www.town.shintotsukawa.lg.jp/hotnews/files/00004000/00004073/p1-22.pdf
広報しんとつかわ バス利用登録
新十津川町への定期運行バスは中央バス滝新線、2022年9月までの中央バス滝川浦臼線、2022年10月からの浦臼町営バスの滝川浦臼線、誠和運輸の滝川-新十津川役場便のみとなります。なお、誠和運輸便は回数券でしか乗車できないので滝川方で回数券を売らない以上事前に何らかの方法で新十津川に入り回数券を購入しなければ利用できないことになります。
これが問題と言うよりも、新十津川町は町外利用者の公共交通利用はほぼ発生しないということを認識した上でこの設定を行ったと思われるのです。
2021年9月11日訪問 新十津川役場 公共交通待合室
新たに発売所に金滴酒造が追加され、日曜日でも回数券の購入が可能になった模様です。ただし、役場から金滴酒造までは1.5kmほど離れています。
新十津川役場 新十津川役場・回数券定期券発売箇所掲示 新十津川役場・公共交通のご案内 新十津川役場・公共交通のご案内 バスロケーションシステム 役場内のアトリエロカル(土曜休日は休み)
雨竜町・北竜町の中央バス滝川北竜線代替輸送
今回廃止になった北海道中央バス滝川北竜線が経由していた雨竜町、北竜町に関しても動きがあります。1972年に廃止となった札沼線の新十津川-石狩沼田を引き継いだ路線ではありましたが、新十津川町内が新公共交通になったことから登録の無い者は沿線利用はできません。新十津川から雨竜町・北竜町へは一旦滝川へ出て、空知中央バスの深滝線にて雨竜町市街地へ入るほかはないことになります。なお、中央バスの滝川北竜線は2020年には平日1.5往復、休日1往復と減便されていて、もはや一般利用は難しくなっていました。雨竜町の新十津川側、滝川北竜線のみが使用していたオシラリカ地区の尾白利加停留所から雨竜までは乗合タクシーが運行されます。なお、町民以外も利用登録を行えば利用が可能となっています。
雨竜町 滝川北竜線代替交通「オシラリカ号」について
https://www.town.uryu.hokkaido.jp/soshiki/kikakuzaisei/oshirarika.html
オシラリカ号
運行は地元の雨竜ハイヤーでセダン型タクシー使用、バス接続で平日・休日ともに定期運行となっています。運賃は100円ですが、車内での現金支払いは取り扱わず、乗車券、回数乗車券での利用が必要です。乗車券・回数券発売場所は雨竜町役場総務課企画財政担当で平日8:30-17:15ということです。
雨竜町の北部渭の津地区と北竜町に関しては雨竜町内の追分停留所まで北竜町の町営バスが運行されます。こちらは現金利用が可能になっていますが一部便は「北竜町」に予約が必要になります。雨竜町内は100円、北竜町内まで乗車の場合は200円となります。
雨竜町 滝川北竜線代替交通「北竜町営 北竜追分線」について
https://www.town.uryu.hokkaido.jp/soshiki/kikakuzaisei/oiwake.html
北竜追分線
北竜町よりも雨竜町の方が詳しいのがよくわからないのですが、主体は北竜ですが雨竜の意向が大きいようにも思います。
なお、碧水市街から石狩沼田(沼田駅前)は2008年に路線バスが廃止になっており、沼田町営バスが連絡していましたが現在はデマンドタクシーによる連絡となります。登録は町外在住者も可能となっています。
沼田町 乗合タクシーの運行について
https://www.town.numata.hokkaido.jp/section/kensetu/h0opp20000007rns.html?channel=main
ここまで書いてだんだん訳がわからなくなった、地名がたくさん出てきていますから土地に詳しくなければよくわかりませんね。
札沼線が1972年まで札幌-当別-月形-浦臼-新十津川-雨竜-北竜-沼田と各自治体を結んでいました。新十津川が空知地区の拠点都市である滝川と隣接しており、バスの拠点が滝川にあります。
滝川-新十津川-雨竜-北竜-沼田と結んでいた路線は滝川-雨竜-(深川)・北竜-(深川)を残して路線バスは無くなり、各デマンド交通、乗合タクシー等で結ばれる事になります。
浦臼町の中央バス滝川浦臼線の特殊な取り扱いと2022年10月以降の町営バス・美自校観光バス路線
先の新十津川町の「新公共交通」に伴い、北海道中央バス滝川浦臼線は滝川市内で乗車した場合新十津川町内での下車ができず、逆に浦臼発は新十津川町内からの乗車ができなくなりました。そして大事なのは新十津川町と浦臼町の往き来を行うには多くのバス停留所が廃止されてしまったということなのです。2022年3月までの滝川浦臼線の停留所を列挙します。×印は中央バスとしては今回廃止された停留所です。△印は停留所としては存置されていますが滝川発の降車ができず、滝川行きの乗車ができない停留所です。
・浦臼駅
・浦臼役場前
・浦臼市街
・ひばり団地入口
・黄臼内
・鶴沼公園前
・鶴沼市街
・南於札内
・於札内
×十一号線
×十号線
×九号線(南下徳富駅近く)
×八号線
△花月市街(下徳富駅近く)
×下四号線
×下三号線
×下二号線
×下一号線
×弥生区自治会館前
×中三号
×中四号
×青葉
×菊水町
△新十津川農高前
×新十津川役場(新十津川駅近く)
×みどり団地
×橋本町
・西高入口
・銀河団地
・西町
・銀座通
・NTT前
・滝川駅前
滝川西高校最寄りの「西高入口」から石狩川を渡り新十津川町に入り、樺戸界川を越えて浦臼町に入る「於札内」までの各停留所は新十津川町内であり、少なくとも新十津川町としては中央バスの乗降を扱わせない措置を執ったということです。一部のバス停は「新公共交通」の停留所としては存置されていますが、多くの停留所は一般利用ができません。

新十津川新公共交通の9号線バス停と中央バス花月市街バス停
9号線バス停は定期運行はないので標柱のみで時刻などは貼られていない。
中央バス花月市街バス停には滝川浦臼線廃止のお知らせが掲示されていた。乗車できない滝川行きバス停には時刻表が貼られていないが、待合室は綺麗に地元の方が整備されている模様。
9号線バス停 中央バス花月市街バス停 中央バス花月市街バス停 中央バス花月市街バス停 中央バス花月市街バス停
さらに便数が滝川浦臼線は4月から大幅に本数が少なくなりました。
浦臼町 令和3年度町政懇談会(広報うらうす2022年1月)
https://town.urausu.hokkaido.jp/kouhou/r3/01.html
中央バス委託の経緯 10月からのバス運行予定
浦臼町 町政執行方針(広報うらうす2022年4月)
https://www.town.urausu.hokkaido.jp/kouhou/r4/04.html
浦臼町 町政執行方針
浦臼町長は町政執行方針で9月までの北海道中央バスへの委託、10月からの町営バス運行について説明します。中央バスの廃止提案に対して浦臼町の動きが「間に合わなかった」という言い方ができるかもしれません。
●2020年10月からの浦臼町の公共交通
2020年10月からは晴れて浦臼町がやりたかった公共交通の姿となります。浦臼町 令和4年10月からの浦臼町地域公共交通のお知らせ
https://www.town.urausu.hokkaido.jp/gyousei/kakuka/koutsu/2022_10_koutsu_new.html
(見ることができない場合) 令和4年10月からの浦臼町地域公共交通のお知らせ
https://traffic.north-tt.com/txt/20220908_01.pdf
上記にも記載がありますが、浦臼-滝川、そして浦臼-奈井江・砂川に大幅な変更を行います。路線毎に見ていきましょう。
●町営バス浦臼滝川線
運賃は浦臼町内200円、浦臼-新十津川400円、浦臼-滝川市内600円となり、現在の中央バスの初乗り200円、浦臼-滝川600円は同額ではありますが、浦臼-新十津川農高前560円が400円と減額、浦臼-西高入口560円が600円と増額となります。現在の町営バスうらうす線同様整理券などを出さないワンマン運行になると思われます。定期運行ですので町外在住者の利用も可能です。
時刻は平日4往復、休日3往復が確保されました。土曜・休日も朝昼晩という形で運行されるのは非常に望ましく感じます。平日のみ通学利用の帰宅便が運行され、滝川発が現行より1時間程度早くなるのは致し方ない面でしょうが、そこを代替するのが奈井江方面からの便になります。
●美自校観光バス浦臼砂川線
現行5.5往復の町営バスから、浦臼発5本、砂川発6本、奈井江発8本と増発され、特に奈井江発の最終が今までより1時間繰り下がっています。これにより滝川19:36発の列車からの乗り継ぎが可能になります。
現在も滝川からの本数が少ない関係で奈井江までの鉄道利用、家族の自家用車送迎での帰宅という学生利用があったとのことでそれを改善する動きと見ます。
これまで全便運休していた土曜・休日も4往復確保しています。これは2020年以降町民のみのデマンドタクシーとして土曜休日は運行していたもので、デマンドタクシーは今回奈井江・美唄への便を廃止して町営バスが全日特急停車駅の砂川まで直行する形を採ったことになります。10月以降も町内の晩生内方面および鶴沼方面へのデマンドタクシーは町民限定にて維持されます。
空知地区の高校がある、岩見沢・美唄・奈井江・砂川・滝川への通学を確保、医療機関においても地域拠点の砂川市立病院へ直行することも含めてよく練られたダイヤではないかと思われます。平日はどうしても2台運行になることは他の路線との車両面の融通があるのでしょうか。
運賃は今まで通り浦臼-奈井江は200円で、浦臼および奈井江町内停留所から砂川を500円としています。ただし、奈井江駅・砂川市立病院・砂川駅間のみの利用はできません。(奈井江役場・病院前-砂川駅のような利用は可能)
実際に浦臼町民が必要な「行きたいところ」は月形ではなく滝川・砂川・奈井江(からの岩見沢方面)であって、札幌方面に行く場合も利便の高い奈井江町側に出られる方が便利です。特に土曜・休日にここを大きく改善したこと、その一部にJRからの支援金も使われるというのも含めて、町はよく考えて練ったなと思うのです。
滝川-浦臼-月形-当別とバスに乗ってみました
10月以降に浦臼と新十津川の新交通に関しては訪問したいと思っていますが、その前に最後の活躍を行っている中央バス滝川浦臼線を絡めて札沼線代替バスに乗り通してみました。●滝川浦臼線
平日の1便目、16:30の便を待ちます。滝川駅前の1番乗り場は同時間に空知中央バスの雨竜経由深川市立病院行きがあり、そちらが先に停留所に着車されています。発車直前に深川行きが少し場所をずらし、浦臼行きが着車します。






●月形浦臼線
浦臼駅の待合室は現在もバス拠点として開放されています。また、歯科診療所と同居しているため今しばらくはこのままと思われます。
写真を全く撮っていないのは、運転手さんと停車中は楽しくお話ができたということであります。気さくな運転手さんは浦臼町にお住まいの方とのことで、この後月形を1往復して美唄まで車両を回送し、また自宅に戻られるということで大変な運行です。
浦臼町の高校生に相当する人口は2020年国勢調査で推計すると35人ほどおられると思われますので、多くが滝川へ通い、月形高校への定期的な通学生は5名以下と思われます。
高校生は帰宅時の時刻がバラバラのため鉄道で奈井江まで鉄道を利用、親が奈井江までクルマで迎えに行くというのが多く見られるとのことであります。これも奈井江駅からのバス運行時刻拡大の要因である模様です。
美自校観光は浦臼町営バスの運行も受託しており、10月以降は奈井江、砂川への路線バスを運行、運行数が増えるため人員の確保が大変なのではないかというお話でした。
あまり表に出しにくい、書きようのない話も多かったのですが、非常に参考になりました。
月形浦臼線の運賃は1町分が200円、2町にまたがると400円で、月形から当別行きに乗り継ぐ場合は乗り継ぎ券が発行されます。これにより月形町内の利用は無料となり、当別町内までの乗車は200円、浦臼から当別まで600円で利用が可能になります。10月からの浦臼滝川線もそれに倣った感じなのでしょうね(乗り継ぎ券は出さないようだが)

●解体を待つ月形駅舎
この日は雨でしたので運転手さんには屋根のある月形町役場庁舎の町民プラザでの乗り継ぎを勧められましたが、状況を確認したかったので旧駅舎の終点まで乗車します。石狩月形駅舎はバス転換後もバス待合室として開放されていました。鉄道廃止後待合室には仕切りとエアコンが設置されます。
その後、月形町は駅舎を解体し、線路で分断されていた市街地を渡ることのできる道路を計画します。
札沼線の跡地、公住や公園整備検討 月形町 農業者へ用地譲渡も
2021年05月20日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/546134
> 旧石狩月形駅周辺では、駅舎とホームを解体し、町道を新設することで市街地の分断を解消。周辺には現在、7棟(計57戸)の公営住宅があるが、今後の需要に応じて新たな公営住宅の整備も検討する。また、散策路などを設けた住民のための憩いの広場の整備も計画している。
8月1日からは駅舎を閉鎖し構内踏切跡を使用していた線路横断もできなくなっています。
旧石狩月形駅舎 1日閉鎖、解体へ バス待合所は役場に
2022年07月27日 北海道新聞 岩見沢・南空知面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/710521
> 【月形】町はJR札沼線代替バスなどの待合所になっている旧石狩月形駅舎を8月1日で閉鎖し、待合所を約300メートル離れた役場内の町民サロンに移す。旧駅舎は解体する。
バス待合室を町民サロンに移すことは直接的には駅跡地で案内はされておらず、雨宿りできるのは駅舎に隣接されたトイレのみとなっています。
2022年9月11日撮影の旧石狩月形駅トイレ
町民サロンへの案内がされていた
石狩月形駅トイレの案内
2022年9月23日撮影の旧石狩月形駅ホーム
旧石狩月形駅ホーム跡 旧石狩月形駅ホーム跡 旧石狩月形駅ホーム跡
また、ホームで使用されていた看板類の撤去、放置の感じを見ても、あれほどに鉄道が大切と言っていた言葉が実際の行動には伴っていないように思うところです。
駅舎待合室の閉鎖から1ヶ月近く経った訪問日は駅舎の解体はほとんど進んでいないように見えますが、まず、バスを待つに困らないちょっとした「仮待合室」を近隣に設置することを検討してほしいと思います。
●月形役場前町民サロン
町民サロンは駅跡地から約400m離れた場所にあります。道新記事の300mは直線距離です。役場庁舎の西側1階部分で、ここから月形行き、浦臼行き両方が停車します。近くには中央バス岩見沢方面、ニューしのつバス新篠津・江別方面のバス停もありますが、この場所から直接は見えません。





その町民サロン入口にある「風除室」がバスの待合スペースのようです。椅子が3脚置かれていて、バス時刻表も掲示されています。実際に3人が座ったら息苦しいくらいのスペースなのと、町民サロンへの車いす動線が椅子で塞がれているのも含めて、もう少しなんとかなりませんか?という場所になります。
それでも雨に濡れながら便所で待つよりはよっぽどマシです。
住民混乗が可能なスクールバスが通過していきました、時刻表は掲示していないもののここからの乗車が可能で、見慣れない「大人」を警戒している節もありそうです。

●月形当別線
9往復運行されている月形当別線は昨年時刻を変更し、早朝の月形発を廃止して月形発が遅い時間まで運行されることになりました。先ほど月形駅のトイレ前におられた方と思われる方と2人だけという車内です。当然のように乗ってくる方も降りる方もありません。


停車時間に少し運転手さんにお聞きしたところによると、当別方から月形高校への通学生は現在いらっしゃらないそうです。月形から当別高校への通学はほぼ考えられず、札幌への通学はできないことはないものの、実際にいないようで、こうなると定期的な利用者はいるのか?というところになります。

月ヶ岡駅当別方面乗り場案内
2022年10月から月ヶ岡駅のロータリー内バス停は当別方面へのバスが入らず、国道での取り扱いになる旨が掲載されました。
月ヶ岡駅案内
月形町の高校生に相当する人口は2020年国勢調査で推計すると50人ほどおられると思われますが、月形高校の2021年5月時点の生徒数は42人、岩見沢方面からの通学もありましょうが20人程度は岩見沢方面の高校に通うものと思われます。当別側には残念ながら需要がないのです。そうこうしているうちに中央バスの岩見沢-月形路線は今や休日は2.5往復となっています。もはや通学生は土曜、休日に部活すらできないのです。