北海道の交通関係 JR北海道 札幌市交通局 北海道新幹線 北海道新幹線工事箇所 サイトアクセス傾向 並行在来線問題 保存車両 夕張鉄道 車両更新 新しい施策 自動運転 路線バス サイト更新情報 話せる券売機 日高線 高規格道路 花咲線 北広島球場輸送 夕張支線 廃線跡 留萌線 ダイヤ改正 地域交通 路線維持問題 輸送障害 読まなくていい日記 人口減少 高速バス 札幌市電 バリアフリー 札沼線 室蘭線 高速道路 ICカード乗車券 徒歩 根室線 踏切 貨物線 えきねっと 鉄道高架化 新型コロナウイルス JR東日本 千歳線 自転車 深名線 列車位置情報 時刻表 北の大地の入場券 輪行 北の40記念入場券 空港民営化 観光列車 運行トラブル わがまちご当地入場券 人手不足 一日散歩 乗車促進運動 地方と札幌 航空 フォーラム 北海道鉄道活性化協議会 夕鉄バス 空港輸送 宗谷線 JR九州 石北線 夜行列車 認知症JR事故死関係 東北新幹線 青い森鉄道 バス業界 道南いさりび鉄道 JR西日本 ホームドア 新幹線 LCC 国鉄廃止路線のその後 バニラエア 免許返納 釧網線
北海道の交通関係
北海道の交通関係サイト終了のお知らせ
当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました
並行在来線である函館線(函館-長万部)の新たな動き
2022/09/29
北海道新幹線の延伸区間である新函館北斗-札幌の開業に伴いJR北海道から分離される函館-小樽間の函館線については、これまでもいくつかの記事を書いてきています。
カテゴリ:並行在来線問題
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?category=%E4%B8%A6%E8%A1%8C%E5%9C%A8%E6%9D%A5%E7%B7%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C
都度説明していますが、北海道新幹線もそれに関わる整備新幹線は地域が条件に同意しない限り建設されることはありません。先日開業した西九州新幹線(長崎新幹線)が何故武雄温泉-長崎というわずかな区間で開業したのか?を考えれば、佐賀県区間の大部分で佐賀県はこの要件を満たさなかったこと、特に「並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意」が得られなかったことで現在のところ建設されません。
国土交通省 新幹線鉄道について◆整備新幹線について
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr1_000041.html
>整備新幹線の基本条件
1.安定的な財源見通しの確保
2.収支採算性
3.投資効果
4.営業主体であるJRの同意
5.並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意
私個人は佐賀県の主張はとてもよくわかりますし、経緯的にフリーゲージトレインの頓挫があったにもかかわらず「フル規格」の新幹線を佐賀県に半ば「押しつけ」る形で建設費負担と在来線分離を求めたことは非常に悪手だったと思うところです。佐賀県にしてみれば福岡、博多まで在来線でも53kmほど、1時間とかからず走る在来線特急で特に困らない上に、既に開業している九州新幹線新鳥栖から新大阪など関西圏は3時間程度、関東圏へは市街地から13kmほどのナイトステイで早朝便もある佐賀空港を使える事を考えても、どうしても新幹線を佐賀駅に欲しいのだという意識は低くなるという面はありましょう。
また、西九州新幹線では並行在来線である長崎本線(肥前山口-諫早)を上下分離しJR九州が「上」を運行する形で維持しました。肥前山口駅は江北駅と名を変え、諫早方面は肥前鹿島までは普通列車が1時間に1本~2本程度、電化設備を廃するさらに長崎方面は本数は減るものの、JR九州のままですので在来線特急は減少したとはいえ利用客的な変更はありません。
沿線自治体が鉄道廃止とバス転換を選択した長万部-小樽
2022年3月末に、北海道庁と沿線自治体は長万部-小樽の鉄道廃止、バス転換を決議しました。北海道新聞は早速検証記事を地域面に掲載しています。<検証 「山線」バス転換決定>1 通院、通学 利便性に不安
2022年04月21日 北海道新聞 小樽・後志面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/671945
<検証 「山線」バス転換決定>2 「前倒し」論 期待と懸念
2022年04月22日 北海道新聞 小樽・後志面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/672392
<検証 「山線」バス転換決定>3 鉄道並み輸送 増便が課題
2022年04月23日 北海道新聞 小樽・後志面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/672874
<検証 「山線」バス転換決定>4 財政負担 沿線の利害交錯
2022年04月26日 北海道新聞 小樽・後志面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/673914
<検証 「山線」バス転換決定>5 鉄道遺産 未来へどう継承
2022年04月27日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/674375
感情的な項目はあるものの、経緯や課題がよくまとまっていますので、この連載は是非読んでいただければなと思います。特に廃線の前倒しを求める倶知安に関しては、新幹線移行前に一定のバス利用者がいる前提がありますから、その短い期間に多い本数を確保しなければならないという面、バス1台あたりに乗れる数を増やすなどの何らかの対策は必要というのがよくわかろうものです。
「方向性」は決まったものの、それをどのように行うかが見えないというのが現状ともいえます。決まった以上は最終的に利便性が確保されるのか、段階的な廃止もあるのかも含めた議論が(特に前倒しするというなら)早く行う必要がありましょう。
倶知安町は町議会定例会で今年のうちにバス転換後の運行ルートやダイヤが具体的に提示されるとしました。
バス転換後のルート ダイヤ秋にも具体案 町長、定例会で見通し
2022年06月23日 北海道新聞 小樽・後志面
(WEB配信無し)
> 【倶知安】文字一志町長は22日の定例町議会で、2030年度末予定の北海道新幹線札幌延伸に伴い経営分離される並行在来線、JR函館線長万部―小樽間のバス転換後の運行ルートやダイヤについて、沿線自治体と道の協議会で「秋ごろに具体案が示される」との見通しを明らかにした。
これは過去の鉄道代替バスに比較すればかなり早い段階で提示されることになります。これも異例なことと思われます。
長万部―小樽道が基本方針 通学、通院 利便性に重点 バス4区間 ルート提示 運転手確保、財源が課題
2022年07月09日 北海道新聞
(WEB配信無し)
>道は《1》長万部―黒松内《2》黒松内―倶知安《3》倶知安―余市《4》余市―小樽の各区間で、沿線9市町、既存の路線バスを運行する中央バス、ニセコバスを交え、検討している鉄路廃止後のバス運行ルートの基本方針やイメージを説明した。
> 各区間に共通するのは、高校への通学や病院への通院の利便性に重点を置く方針だ。蘭越駅から倶知安高に向けては、同校前に停留所を設けることでJRより通学時間が5分短縮され、47分になるとの検討案を示した。余市―小樽でも小樽市内の高校近くを通るルートを検討。蘭越町の目名駅前では午前の便をJRより増やし、倶知安厚生病院に通院しやすくする方向だ。
いずれの記事もWEBに配信されない地域面の記事になり、全てを貼れませんので概要だけですが、後志ブロック会議には各路線の概要が掲載されています。
第14回後志ブロック会議(令和4年7月7日) 資料1-2 バス運行に向けた検討状況について
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/heizai.html
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220929_01.pdf
函館線(長万部・小樽間)の区間別バス運行ルート(検討案)
これによればバスは駅跡にも寄ることを検討しますが、然別、銀山に関しては仁木町によるデマンド運行、塩谷、最上トンネル経由の小樽築港駅行きも検討しているようです。また、余市-札幌の直行高速バスも検討されています。基本的に線路をなぞる形にはなるものの、駅経由での時間増大などはどの程度勘案しているかは正直わからない部分です。
この区間は比較的鉄道が速いという面があります。あまり立ち寄り箇所が多ければ大幅に遅くなり利用されなくなる、かといって駅を無視もしたくない。このあたりの駆け引きはまだ発生しそうです。
函館-長万部 渡島ブロック会議
函館-長万部の「渡島ブロック」に関しては2021年4月以降会議が開かれていませんでした。やっと開かれたのが2022年8月31日です。配付資料は需要予測・収支予測に関するものであります。第9回渡島ブロック会議(令和4年8月31日)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/heizai.html
函館線(函館・長万部間)における将来需要予測・収支予測調査の精査について
議事録の函館市長の思いは、随分外してる感はありますが、なんとなく、全体に、閉塞感というか、半分どうでもいい感が見えているようにも思えます。諦めムードというのですかね。
この会議を前にJR貨物小暮支社長は鉄道の維持について先に表明します。三セクなどで路線が維持できない場合、貨物線として自社で維持することはできないという表明です。
長万部―函館間 三セクで維持を JR貨物道支社長
2022年05月28日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/686555
>小暮支社長は、本州と結ぶ物流網での鉄道の重要性を強調し、自治体が財政負担を理由に維持は難しいと判断した場合、自社だけで貨物の路線を保有するのは困難と述べた。
朝日新聞はかなり長い、まとまった記事を掲載します。ただし、今までの報道をなぞっただけで新しい内容はありません。
(岐路の鉄路)貨物の大動脈、寸断の可能性 函館―長万部間 /北海道
2022年08月20日 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASQ8M5H5XQ8MIIPE001.html
むしろ、国土交通省の有識者会議「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」の内容を少し書いています。では、今後の鉄道物流のあり方に関する検討会ではどのような(中間)結論を出したのでしょうか。
国土交通省 今後の鉄道物流のあり方に関する検討会
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk5_000016.html
中間とりまとめ(2022年7月28日)
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001493250.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20220929_02.pdf
新幹線による貨物輸送の拡大に向けた検討の具体化
しかし、実際の内容は朝日新聞が触れている新幹線貨物輸送の検討など1ページですらなく、記事の印象とあまりにかけ離れています。肝心な並行在来線による鉄道貨物輸送の分断には触れておらず。既存の貨物調整金制度、アボイダブルコストルールの中で維持されるべきという主張に見えます。
有識者としては、鉄道貨物輸送のメリットとしての環境性能によるインセンティブが無いこと、標準的な40フィートコンテナ輸送に限定的な対応しかできないこと(北海道の貨物列車は国際海上コンテナ輸送に対応できていない)はまとめておきたかったとは思いますが、残念ながら「鉄道そのものの存廃」によって鉄道貨物輸送の危機になっているという現状認識はなかったとも言えましょう。そういう会議では無かったのでしょうが。
結果として渡島ブロック会議の内容に関しても、大きな記事にはならなかった、それを報じるだけの新しい内容があまりなかったことになります。
在来線赤字 816億円に圧縮 函館―長万部 分離後30年、新予測
2022年08月31日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/723979/
>新たな収支予測ではJRからの譲渡車両数や価格を見直し、初期投資を317億3千万円から288億6千万円に減額。30年度の単年度収支も運賃を30%値上げするなどして、18億8千万円の赤字を14億4千万円まで圧縮した。
この結果、当初予測の累積赤字944億2千万円は、816億8千万円まで減った。
まぁ、沿線が944億から816億円になった!素晴らしい安くなったね!とはまぁ、思わないだろうなぁという内容ですね。
札幌延伸後30年間、函館―長万部の在来線赤字816億円に
2022年08月31日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC314NW0R30C22A8000000/
>北海道農業協同組合中央会(JA北海道中央会)の小野寺俊幸会長は31日の記者会見で「在来線による貨物輸送を確保できるよう国に要請していきたい」と述べた。ホクレン農業協同組合連合会の篠原末治会長も「貨物鉄道なしに物流を考えることはできない」と語った。
日経新聞はかなり細かい内容を報じています。また、JA北海道中央会、ホクレンのコメントも掲載しています。とはいえ、現実的にブロック会議では貨物の件は触れてもいないので、結果補助金や貨物調整金(の後継)に関しても触れられません。
北海道知事はこれを受けてコメントを発表します。
函館線貨物機能維持 「国が中心に検討を」 知事
2022年09月01日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/724496/
>JR函館線函館―長万部間(147・6キロ)が担っている貨物輸送機能に関し、「わが国全体の経済や暮らしを支える上で不可欠。国が中心となって検討するものと考えている」と述べた。
実際のコメントを見てみましょう。
知事定例記者会見(令和4年8月31日)
2022年08月31日 北海道庁
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r4/126232.html
>(日本経済新聞)
先ほどの質問にも関連して、本日、北海道新幹線の並行在来線の問題で、渡島のブロック会議が開かれました。結論は、当然まだ出ておりませんけれども、函館線は既に小樽-長万部間は廃止で地元が合意した一方で、まだこの長万部-函館間は議論が続いています。特にこの部分は貨物列車が走る部分で、単純に旅客だけではなく、北海道内、国内の物流全体のことにも影響を与えるお話と思いますが、まず道として、この並行在来線の、残るこの下ブロックの問題をどういうふうに考えていらっしゃるのか。特に貨物物流の維持という点において、道として、また知事としてどういうふうなお考えがあるのかをお聞かせください。
(知事)
本日になりますけれども、渡島のブロック会議が開催され、経営分離後における地域交通の確保方策の検討に向けた、各交通モード別の収支予測における精査内容が報告されたと承知しています。
会議の詳細については、今の時点でまだ報告を受けていないところでありますけれども、函館線の函館-長万部間については、通勤、通学、観光、物流の面において、大きな役割を担っておりますことから、線区の特徴や地域の実情などを十分踏まえながら、沿線の皆さま方としっかり検討を進めていく必要があると考えています。
そして(鉄道)貨物輸送についてでありますが、本道の農産品を国民の皆さまに安定的に供給する役割をはじめ、わが国全体の経済、暮らしを支える上で不可欠な輸送モードであることから、安定性の確保、利便性の向上など、全国的な貨物ネットワークの維持の観点から、国が中心となって検討を行うものと考えております。この(北海道新幹線並行在来線対策)協議会の地域協議とは別に、議論を進めていく必要があると考えています。
これを受けたのか、国土交通省は北海道、JR貨物、JR北海道との4者協議の場を設けると発表します。
函館線 国交省が協議会 道、JR2社と 貨物路線維持向け
2022年09月13日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/730042/
>国土交通省は、北海道新幹線札幌延伸でJR北海道から経営分離される並行在来線の函館線函館―長万部間(147・6キロ)を貨物路線として維持するため、道とJR貨物、JR北海道との4者協議の場を設けることを決めた。
北海道知事にもそれは連絡されていたことでしょう。会見でも質問に答えます。
知事定例記者会見(令和4年9月13日)
2022年09月13日 北海道庁
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r4/127779.html
(北海道新聞)
国土交通省は、北海道新幹線札幌延伸に伴って、JR北海道から経営分離される並行在来線の函館線、函館-長万部間を貨物路線として維持するため、道とJR貨物、JR北海道との4者協議の場を設ける方針とのことです。
道としては、これまでも貨物機能の維持の重要性を鑑みて、この区間への国の関与を求めてきたところですけれども、この受け止めをお願いします。また、重ねて、現在行われている、道と沿線自治体による旅客路線を中心とした渡島ブロックの協議会との関係ですとか、今後のスケジュール感ですとか、もし見通しが現在何かあれば教えてください。
(知事)
今ご質問にもございましたけれども、道といたしましては、鉄道貨物輸送を含む本道における物流体制の確保に向けて、これまで(北海道)交通・物流連携会議などで、関係者と検討を進めてきたところでありまして、鉄道貨物輸送については、全国的な観点からの検討が必要であるとしてきたところであります。
そして、本日の報道については承知しているところでございますけれども、このことを受けて、国にあらためて確認いたしましたところ、今後の進め方については現在検討中であるとお伺いしているところであります。道としては引き続き、国をはじめとした関係者の皆さまと連携しながら、対応してまいりたいと考えております。
(北海道新聞)
関連で、現状これは歓迎するですとか、そのような見方、評価というのはまだちょっと早いという感じなのでしょうか。
(知事)
そうですね。国のほうに確認させていただいたのですけれども、今後の進め方を現在検討中の段階です、というお話でありますので、その評価などについても今後、状況をしっかり注視していきたいと考えています。
その内容について、国交省はこの後9月20日の会見で明らかにします。
斉藤大臣会見要旨2022年9月20日
2022年09月20日 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin220920.html
(問)北海道新幹線の札幌延伸区間についてお尋ねします。
函館本線の函館~長万部間については、沿線自治体が廃止バス転換を受け入れています。
一方で貨物路線としても日本の大動脈になっており、いろいろな物資が運ばれている状況ですが、廃止バス転換となることでこの路線の維持の仕方について地元から少し危ぶむ声も出ているようです。
国土交通省としてはこの貨物路線の維持についてどのようにお考えでしょうか。
(答)函館~長万部間のいわゆる「海線」は、地元自治体が、北海道新幹線の札幌延伸に当たり、JR北海道からの経営分離に合意した路線であり、現在、北海道庁及び沿線市町長からなる「北海道新幹線並行在来線対策協議会」において、令和7年度までに地域交通の確保策を決定すべく検討が行われています。
国土交通省としては、現時点で何か結論が出ているものではないと認識しており、地元での議論を見守ってまいりたいと考えています。
また、ご指摘のとおり、「海線」は、農産品の輸送など北海道と本州を結ぶ貨物鉄道輸送を担う重要な路線であると認識しており、北海道と本州の間の物流を着実に確保していく観点から、北海道庁やJR貨物、JR北海道などの関係者と必要な対応を検討していく必要があると考えています。
北海道の物流の在り方と、国全体の物流の在り方という2つの観点から、北海道庁と国が共同して議論していくことが重要だと思います。
さすがに「沿線自治体が廃止バス転換を受け入れています」はどこの記者か知りませんが話が早すぎだろうと思いますが、国交省は「北海道庁と国」が議論して検討という立場を表明しています。大事なのは「北海道庁」がどう考えているか?です。もちろん結果的に貨物列車を運行するのはJR貨物であったり、線路保守や運行管理を行うのはJR北海道(の可能性?)でありましょうが、現段階でJR北海道は整備新幹線の並行在来線ルール上路線を手放すのは決まった話でありますし、JR貨物は自社で路線を持つことは是としません。
この「4者協議」に関しては道内メディアはちょっとズレた感想を持っているように見えます。
<今日の話題>民営化の呪縛
2022年09月17日 北海道新聞夕刊
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/732675/
> 沿線自治体の首長たちは少し肩の荷が下りたのではないか。北海道新幹線の札幌延伸に伴いJR北海道から経営分離される並行在来線、函館線函館―長万部間の存廃論議のことだ。国が道、JR貨物、JR北海道との4者協議の場を設けることになった。
いくらコラムでも道新記者の考えはズレすぎです。地域の路線に関してはこれ以降も地元自治体が考えなければならないことです。いくら理屈をこねてもそれは無くならない。今回の件に関しては既に地元で鉄道をやりたくないという表明があるわけで、しかも路線が残るならば旅客「駅」が無くなるが、街に横たわる線路は残るってことです。地元にとって使われない線路について課題はこれからのほうがずっと大きいとも思われるのです。
とはいえ、広域的な貨物列車による輸送網をどう考えるのか。立場が違う4者が集まっての議論の行方は注目されます。むしろこの議論に沿線自治体は「蚊帳の外」であることになります。沿線自治体が口を出せないということは、ローカル列車についての議論はここでは一切行わないということです。結果旅客は一切走らない線路が残るのか、それとも鉄道貨物輸送を何らかの形で線路以外の方法に移行するのか、様々な立場が話をしますが、まずは「国土交通省」と「北海道庁」ここでどのような話になるのか注目したいところです。
道南いさりび鉄道のほか盛岡-青森の青い森鉄道、いわて銀河鉄道の並行在来線三セクの経営問題、そして今後のローカル鉄道の問題にも繋がっていく大事な局面であること。さらに今、ローカル鉄道を中心に在来線鉄道は歴史的な時期を迎えていることを認識して、できるだけ正確な情報を入手したいものだと思うのであります。