北海道の交通関係

豊浦・洞爺・登別・苫小牧の保存車両を見てきました(と室蘭線貨物線)

2022/12/06

実際に現地訪問したのは10月の末、既に1ヶ月以上も前の話でありますが、なんとなく書くタイミングを逸してしまいました。年末までの決算で書いておきましょう。

豊浦町中央公民館のD51

豊浦町中央公民館にはD51 953が保存されています。胆振縦貫鉄道が1941年(昭和16年)に導入した機関車でありました。鉄道省D51とほぼ同型機関車が私鉄に導入された例は知る限りここしか無く5両が製造されたうちの1両がここで保存されています。
長らく保存されたことであまり状況が良くないのですが、ギースル・エジェクター煙突を装備していて保存されているものは道内では唯一と思われます。

 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
 豊浦町中央公民館D51 953
豊浦町中央公民館D51 953
撮影日は機関車先頭で猫がひなたぼっこしており、撮影が終わっても動く気配がありませんでした。こういう写真も平和的で良いかなぁと思っています。なお、看板の「走行距離不明」という状況は本来は無いと思うのですが、情報としてないという意味なのでしょう。

なお、現地は屋根も無く、直近の塗装は新聞によれば2017年のようです。ボランティア頼みでの整備であり、町としては解体を検討していた状態が、なんとか生きながらえていると言えます。

黒光り 再び 愛好家3人 豊浦でD51塗装
2017/09/28 北海道新聞 室蘭・胆振面
> 「お色直し」は5年ぶり。愛知県の自営業****さん(62)ら3人で、インターネットを通じて声を掛け合い、交通費や宿泊費を自己負担して集まった。17~22日の朝から夕方まで1日10時間ほどかけて車体を塗り直した。小島さんは「大変だったけれど、車体がきれいになれば疲れも飛ぶ」と笑顔を見せた。


よみがえる漆黒の車体 豊浦の「デゴイチ」ファン4人が塗装
2012/09/22 北海道新聞 室蘭・胆振面
> 塗装は4年ぶり。4人はインターネットで呼びかけ合って豊浦に集合。塗料代は町が提供するが、旅費や宿泊費は自己負担した。
 山梨県富士河口湖町の会社員****さん(45)と、さいたま市の会社員****さん(26)は、休暇を利用して最終日まで参加、さびを削り落として白の下地を塗り、黒く塗り上げた。


<胆振遺産>30 豊浦の「デゴイチ」 日本で最後に旅客輸送
2011/09/14 北海道新聞 室蘭・胆振面
> 76年8月、豊浦町が国鉄から借り受けて現在地に設置した。町の協力を得ながら機関車の維持管理に力を注ぐのは「とようらD51友の会」。道内の蒸気機関車に関心を寄せるメンバー5人は、札幌や江別など町外の機関車ファンだ。
 メンバーで山梨県在住の会社員****さん(44)は「2002年に解体の話が持ち上がり、管理を申し出た仲間が友の会の母体。03年に手弁当で塗装を施した」と振り返る。正式な発足は08年。5年ぶりに塗装し、運転台の開放やライト点灯など特別公開の催しも開催した。次回の塗装は2年後を予定し、再び公開イベントを行う考えだ。


町としては既に屋根をかける、冬期の維持などに金をかける意思はなく、完全ボランティア頼みという状況ですので、ボランティアの方が維持できなくなれば終了という言い方もできましょう。町も、町民も無視する以上仕方ないことです。


北海道糖業道南製糖所の5801

伊達紋別駅から1986年(昭和61年)まで専用線を運用していた際に使用していた機関車が保存されています。昭和33年川崎車両製でDMH17Bエンジンで180馬力ということで、Bでも改良型のCタイプに近いエンジンを持つように見えます。キハ22あたりと同等と言えましょうか。
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
 北海道糖業5801
北海道糖業5801
こちらには日本最古の精糖機器として効用蒸発缶、結晶缶が保存されており、いずれも工場発展の基礎となった歴史を刻む機器を大事に保存、展示していることが覗えます。
 日本最古の精糖機器
日本最古の精糖機器
 日本最古の精糖機器
日本最古の精糖機器
なお、訪問時は土曜日で、正門の受付で申し出ますと快く見学を許諾していただきました。
工場の近くの室蘭線には工場の前身である台湾精糖時代に開設されたと思われる台糖踏切もあります。


室蘭線旧線(貨物線)の撤去

さて、以前当サイトでも紹介しております室蘭市内の室蘭線の貨物線であります陣屋町(貨物駅)-陣屋町臨港駅と崎守埠頭公共臨港線が正式に廃止となり室蘭市は風力発電などで活用するとしています。

North-tt 室蘭線の「貨物線」を見てみる
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1076


この貨物線は2008年まで萩野へのチップ輸送に使用されており、貨物列車廃止後も何度かはJR北海道車両の解体や海外譲渡などで使用されていたものの、2019年以降は休止となりトンネル等が封鎖されていました。

JR貨物 専用線の撤去完了 室蘭・崎守埠頭 踏切2カ所も廃止洋上風力ヤードに活用
2022/12/01 北海道新聞 室蘭・胆振面
> 洋上風力発電施設の部材管理などを行うヤード(作業場)として活用するため、JR室蘭線から崎守埠頭(ふとう)へ引き込まれた貨物専用線路の一部を撤去するJR貨物(東京)の工事が30日、終了した。
> 工事は10月中旬に始まった。旧JR貨物陣屋町駅から同埠頭の旧チップヤードまでの約2・4キロのうち、市が同社に敷地を無償貸与していた区間を含む埠頭側の約1キロが対象で、線路と臨港道路などが交差する踏切2カ所も廃止。このほか、埠頭側で分岐している線路のうち第三セクター室蘭開発が管理する約800メートルも撤去した。


 外港1号踏切
外港1号踏切
 外港1号踏切
外港1号踏切
 外港1号踏切
外港1号踏切
 旧国道踏切
旧国道踏切
なお、キハ183は無事に輸出されましたがDD51は臨港線の山手線側から海手線側へ移設されていました。今後の工事によって、さらに移動するのか、現地で解体するのかは気になるところです。


室蘭市ぽっぽらん公園のD51

旧室蘭駅である室蘭観光協会脇に機関車が移設されたのは2019年8月のことでした。室蘭市青少年科学館の前庭で展示されていた機関車は科学館の建て替えで移設されることになります。
D51 560は苗穂工場製で北海道から出たことの無い機関車になりましょう。科学館時代から屋根があり、保存会が手をかけて保存整備してきた機関車でありました。

SL白鳥号 23日夜移設 旧室蘭駅横へ
2019/08/01 北海道新聞
> 【室蘭】室蘭市教委は31日、市青少年科学館の屋外で展示中の蒸気機関車(SL)「白鳥号」=写真=について、23日夜に約1・4キロ先の旧室蘭駅舎横に移設する作業を行うと発表した。
> 同科学館の建て替えに伴う作業で、11月から移設先で一般公開する予定。


この移転先決定までは紆余曲折がありました。青少年科学館の建て替え自体がPCB廃棄物処理の追加受入条件としての国の補助金でのもの、新しい科学館とSLがそぐわないと半ば「追い出された」形でもあったためです。

<探見 西いぶり>室蘭の新科学館・図書館か旧室蘭駅舎か SL白鳥号 移設論議 「テーマ合わず」/費用膨大
2016/10/13 北海道新聞 室蘭・胆振面
> また移設の有無にかかわらず、SLの維持管理も課題。さび落としや注油など特殊な技術が必要で展示開始以来、国鉄OBによる保存会が市から清掃業務を受託している。だが今や会員全員が75歳以上。会長の****さん(87)は「あと5年できるか。市にはSLを残す方法を考えてほしい」と願う。


とはいえ、結果的に旧室蘭駅に設置でき、屋根もつき、長期にわたって保存が可能な場所になったというのは良かったと思いますし、市街地や駅にも近く訪問しやすい場所でもあります。今後は観光協会も含めた管理となると思われ、良い状況を保ち続けると思っております。

 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
 旧室蘭駅D51 560
旧室蘭駅D51 560
屋根の柱は若干目障りですが、ここの素晴らしいところは機関車の真下に潜ることができるピットが作られており、他の場所とは違う視点で機関車を見ることができることです。
 旧室蘭駅謎の車輪
旧室蘭駅謎の車輪
もう一つ、謎の車輪があり、歯車的には電気機関車かと思わないでもありませんが、何の車輪でしょうか?



室蘭市テツゲン室蘭支店のS-205

旧室蘭駅から室蘭線沿いの国道を走り御崎駅を過ぎたあたりで踏切を渡ると見えてきます。このS-205は日立製作所で1938年(昭和13年)製造されたもので、元は日本製鐵(現日本製鉄)室蘭の工場内専用線で使われていた機関車のようです。(現在も日本製鉄室蘭の構内では製品輸送用の専用線が運用されているはずで、5G回線による遠隔操作実証実験が行われています)1951年(昭和26年)に鐵原(製鐵原料輸送)に移管され1982年まで運用されていた機関車となります。同時に使用されていたS-304は昭和14年日本車両製で現在三笠鉄道村で動態保存されています。
なお、社名は2002年にテツゲンとなっております。
 テツゲンS-205
テツゲンS-205
 テツゲンS-205
テツゲンS-205
 テツゲンS-205
テツゲンS-205
 テツゲンS-205
テツゲンS-205
 テツゲンS-205
テツゲンS-205
屋根は無く、敷地外からフェンス越しに見ることになりますので、看板も含めてあまり見やすい位置にはないのですが、報道などにもなかなか取り上げられない保存機関車であります。


登別市いなか村ログハウスレストランゴルフ練習場サハネ581-18

鷲別駅-幌別駅のちょうど間、登別室蘭インターチェンジの少し鷲別側にあるゴルフ練習場です。高速道路を潜った先になります。ゴルフ練習場ですが、サハネ581の大きな車体がお出迎えしてくれます。

その前に倉庫のような場所の奥に国鉄バス(JR北海道バス)の廃車体がありますので見てみます。
 国鉄バス廃車体
国鉄バス廃車体
 国鉄バス廃車体
国鉄バス廃車体
 国鉄バス廃車体
国鉄バス廃車体
 国鉄バス廃車体
国鉄バス廃車体
 国鉄バス廃車体
国鉄バス廃車体
屋根は落ちて荒廃していますが、廃車前には長沼営業所にいた車両のようです。子供の頃に乗った「国鉄バス」そのもので、ちょっと懐かしいですね。

さて、道路前に鎮座するサハネ581ですが、以前美幸線仁宇布駅跡で紹介したサハネ581-19同様国鉄末期にサハネのみ7両が北海道に搬入されたものの1両です。1990年に廃車になっています。
ここではトイレや休憩室として使用されているようで、トイレは下水道(浄化槽?)に接続されているようです。
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
 登別市のサハネ581-18
登別市のサハネ581-18
一応使われているとはいえボロボロで、あまり長くは維持できないかもしれません。


苫小牧市王子軽便鉄道4号機関車

苫小牧駅からほど近いアカシア公園で保存してあるのが王子製紙苫小牧工場から千歳市烏柵舞を結んでいた王子軽便鉄道で使用されていた4号機関車と貴賓車です。機関車は小樽市の橋本鉄工所製で1935年(昭和10年)製造で1951年(昭和26年)には廃車となっています。東京都北区堀船にあった王子製紙王子工場跡を利用した紙の博物館が移転する際に展示していた機関車を移設しています。記事によれば今後「製紙記念館」ができた暁には再度移転することが書かれていますが、現在の所ここのままです。

40年ぶりSL里帰り 「王子軽便」の雄姿 記念館に 苫小牧
1996/08/20 北海道新聞
> 【苫小牧】終戦後まで王子製紙(現・新王子製紙)苫小牧工場と支笏湖畔を結んでいた王子軽便鉄道(通称・山線)の蒸気機関車と客車一両が九月二日、苫小牧に四十年ぶりに里帰りする。東京都北区の「紙の博物館」に保管されていたが、同博物館の移転に伴い、故郷で余生を送ることになった。


また、当初炭水車は展示されておらず、これは東京時代に場所の制約があったためと思われますが、これを復元しています。

「山線」の炭水車復元 アカシア公園に展示 苫小牧
1998/03/20 北海道新聞
> 苫小牧市王子町三のアカシア公園に展示されている王子軽便鉄道の機関車と客車に加え、列車が走っていたころの雰囲気により近づけようと十九日、水と石炭を積載する炭水車が取り付けられた。
> 機関車の後部に連結していた炭水車は処分され、元機関士などOBから「昔の姿と違って物足りない」との声が上がっていた。このため同社関連の王子工営が当時の設計図を基に、長さ三・一八メートルの炭水車を復元。材料は主に鋼板と木を使った。


 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
 王子軽便鉄道4号機関車
王子軽便鉄道4号機関車
屋根が付けられており、位置的には軽便鉄道とは特段の関係はありませんが、良い場所ではないかとも思います。王子軽便鉄道に関しては2020年に王子軽便鉄道ミュージアム「山線湖畔驛」が支笏湖温泉にオープンしています。


千歳市キリンビール千歳工場D51 1052

さて、日が暮れてきて今日最後の訪問地は千歳市の長都駅近くにありますキリンビール千歳工場です。工場内の庭園内に展示されています。状況はそれほど悪くはありません。
1944年(昭和19年)日立製で関東圏で主に使われた機関車です。1955年に北海道に転属し、その後は1975年に名寄で廃車になったとされています。
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
 キリンビール千歳工場D51 1052
キリンビール千歳工場D51 1052
掲示に英語表記があるのが珍しいですね。主な運転路線として「深川線」というのだけがよくわかりませんが、深名線にD51が入線するとは思えず、留萌線も考えにくいかなとも思います。
戦時型のD51の保存は道内ではここ1両であります。

北海道内では保存車両を見学できる時期が限られますので、来年以降も廻っていきたいなと思っています。



おまけ:苫小牧市 科学センターのC11

2021年10月に訪問していたのですが、記事にしそびれていましたのでここで。苫小牧市科学センターといえばロシアの宇宙船ミールが展示してあります。その玄関にはC11が展示されています。
C11133は1938年(昭和13年)汽車製造大阪工場製、主に関西で使用された後1941年(昭和16年)から深川機関区で主に深名線で使用されていたものと思われます。その後標茶、釧路と転属し1974年廃車。そしてここに展示されているという機関車です。思ったより綺麗な状況を保っているように思います。是非ミールと一緒にご見学を。
 C11 133
C11 133
 C11 133
C11 133
 C11 133
C11 133
 C11 133
C11 133
 ミール
ミール
 ミール
ミール

北海道の交通関係 保存車両

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