北海道の交通関係

2023年ダイヤ改正の各駅の様子を見てきました

2023/03/23

当サイトの時刻表も予定通り終了しましたので、特に今後あちこちで時刻表を見て歩く必要は無いのですが、そのあたりは性といいますか、やっぱり現地で確認したいよね?って気持ちがありまして、今回も出歩いております。


各駅掲示の時刻表

JR北海道では今回も各駅、特にホーム上の時刻表掲示を継続しています。本州ではJR東日本が2019年3月改正から、JR西日本が2020年3月改正から、JR東海が2021年3月改正から一部の駅のホーム上から時刻表を撤去し、QRコードを掲示し利用者が自身のスマートフォンなどを利用して時刻の確認を行って欲しいという案内を出しています。また、名刺サイズとなるポケット時刻表に関しても本州では多くの駅で配布が終了しています。

JR北海道は公告のない自社配布のポケット時刻表の配布を終了、しかし、広告入りの各駅時刻表の配布は札幌圏の駅を中心に千歳市の広告会社北新企画制作のフルカラーのポケット時刻表が残っており、利用客にとっては非常にありがたい話でもあります。また、乗換駅などでは駅独自で作成しているA4サイズにコピーしたような時刻表も配布しており、その体裁は各駅がわかりやすいと思っている表示ですので、オリジナリティがありマニア心にも楽しいものでもあります。

また、以前は冊子のタイプの北海道内全線を掲載したポケット時刻表まで制作し、配布に関しては告知もしていました。このポケット時刻表も2020年改正を最後に配布を終了しています。

JR北海道 JR 札幌駅でポケット時刻表を配布します!
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2012/120530-1.pdf


現在はポケット時刻表に代わり「手帳」として発売しています。この手帳は私が知る限りは2018年から発売開始されており、当初は紙の表紙でしたが、2021年からはビニールレザー風の「手帳らしい」表紙となっており、手帳としてはほとんど使用しないものの時刻表として重宝しています。

交通新聞社 「JR北海道時刻表付き手帳2023」を発売しました
https://www.kotsu.co.jp/information/2023/2023_1_1.html

 JR北海道時刻表付き手帳
JR北海道時刻表付き手帳



JR北海道が利用者への告知として駅・ホーム掲示時刻表を継続、また、時刻表の配布をやめない理由はわかりませんが、その年1回印刷するコストを削減しても批判の声や係員の案内面のコストの方が大きいと見ているようには思います。
ただ、JR北海道もWEBによる各駅の「当日の時刻表」と「編成両数」「運転状況」を告知できる体制が整いつつありますので、将来的にも掲示時刻表が維持されるかはわからないところです。

JR北海道 列車運行情報-駅検索-各駅運行情報-上川駅
https://www3.jrhokkaido.co.jp/webunkou/timetable.html?id=469

 各駅運行情報・上川駅
各駅運行情報・上川駅


ちなみに、この「各駅運行情報」の駅番号一覧を作りましたが必要ですかね?
https://traffic.north-tt.com/txt/20030323_01.xlsx

ともかく、各駅の駅待合室やホームなどには今改正も時刻表が掲示され、発車標のある駅に関しても駅窓口時間外にも表示が継続されています。利用者にとってはありがたいことです。

 千歳駅の札幌圏標準タイプの掲示時刻表
千歳駅の札幌圏標準タイプの掲示時刻表
 長万部駅の函館支社タイプの掲示時刻表
長万部駅の函館支社タイプの掲示時刻表
 桑園駅ホームの職員作成と思われる時刻表
桑園駅ホームの職員作成と思われる時刻表
 他では見かけないタイプの旭川駅の時刻表
他では見かけないタイプの旭川駅の時刻表


到着時刻表

とはいえ各駅「到着」時刻表は掲示を終了している駅が増えてきました。2022年改正時に復活した深川も今回掲示を終了、岩見沢、江別、小樽なども数年掲示が無く、復活していません。
その駅の利用者にとって到着時刻表はあまり必要性の高いものではありませんし、発車時刻表と誤って時刻を確認する方もおられる可能性もあり、掲示をやめたいのはわからないでもありません。

当サイトが時刻表を作成していた頃何故到着時刻とその到着ホームの情報を欲しがったかといえば、乗り換えの動線の問題を考えていたからでもあります。乗換が必須となるような駅で、対面ホームで乗り換えられるのか、跨線橋などで別のホームで乗り換えるのかという情報は貴重です。また、到着列車から段差無く駅に出られるか?なんていうものも含めた到着列車の情報は事前にその駅を利用しようと考える移動制約者には貴重な情報ではないかと思うのです。

到着番線、時刻の駅掲示までは不要ではありますが、何らかの形でWEB等での告知をいただけると嬉しいなと思うところです。

全国版時刻表での入線時刻掲載の廃止

交通新聞社が発行する「JR時刻表」およびJTBが発行する「JTB時刻表」に以前は掲載があった札幌駅の入線時刻の掲載がとりやめになっています。
入線時刻を必要とするような層は少ないという判断ではありましょうが、この入線時刻は自由席利用などのホームでの整列の目安になっていた面があり、個人的にはあって欲しい情報になります。
以前から北海道内路線のみ掲載の「北海道時刻表」では入線時刻の掲載はありませんでしたので、道内移動だけしかしなくても全国版時刻表を購入する理由のようなものでもありました。

なお、北海道内の駅で発車番線の掲載があるのは札幌駅のみで、先の到着番線がわからないという問題でも、旭川や函館などの掲載があると個人的には嬉しいのですが、掲載内容を増やすことは今後期待できない面でしょうね。


富良野線全列車のH100形への変更

今回のダイヤ改正では石北線特急へのキハ238系導入と富良野線列車へのH100形導入という車両変更がありました。石北線特急に関しては項を改めますが、富良野線に関しては確認してきました。

2020年3月改正から函館線長万部-小樽・札幌で運用が開始されたH100形はJR北海道の地方路線の標準車両として増備が進められ、旭川地区では宗谷線旭川-名寄・石北線旭川-上川のほぼすべての普通・快速列車で使用されています。今回富良野線への投入で、旭川駅発着の普通・快速列車はほとんどがH100形となり、それ以外の車両はかなり「まれ」となりましょう。
 旭川駅でのH100形
旭川駅でのH100形
 旭川駅でのH100形
旭川駅でのH100形
 行先表示
行先表示
それまでのキハ150形から大きく変更になるのはドアの取り扱いで各駅とも通年半自動扱いとなります。
キハ150形には半自動ボタンがなく(当初存在したが使用しておらず撤去された)本来は全てのドアが開放される旭川駅ではこれまでデッキのない構造のため旭川駅では前方1箇所のドアのみを開扉していた扱いも終了となります。
 ドアの取り扱い
ドアの取り扱い
このあたりも含めた案内のためにダイヤ改正翌日ということもあって案内の職員さんが後部運転台に待機していますが、ほとんど出番は無さそうです。
 H100形の窓は綺麗
H100形の窓は綺麗
 千代ヶ岡駅での交換
千代ヶ岡駅での交換
乗車車両は2022年1月に搬入されたH100-70で、H100形は現在83両の導入が終わっており、車両置き換えが進んでいます。千代ヶ岡で交換した旭川行き列車はH100-27でこちらは2020年導入の車両。これを見る限りH100形は宗谷線、石北線と運用上の差異を無くしたということになりそうです。キハ150形は2020年改正以降に苗穂運転所所属車両が旭川に転属するまでは富良野線をほぼ専用に運用していました。結果宗谷線・石北線などとの運用は完全に分けられており、予備車両もそれだけ多く持たなければなりませんでした。H100形に固定されることで予備車両を共用化し全体の配置車両数を縮減することも狙いにあるものと思われます。
 座席数問題
座席数問題
ただ、強馬力で冷房も完備していたキハ150形限定で運行されていた富良野線にとってH100形はスピードアップの恩恵もなく、冷房も変わらず、座席数だけが49席から36席に減少することになります。乗車車両は1両での運行で、夏期には増結される列車ではありますが、座席数の減少はシーズン中には心配になりますね。
 富良野駅での段差
富良野駅での段差
 富良野駅でのH100形
富良野駅でのH100形
なお、H100形は床面高さが下げられていますのでステップ面の高さは変わりませんがキハ150形よりも段差が少なく乗りやすく、特にトイレは今までの和式から洋式になることは改善にはなるでしょう。


「話せる券売機」のさらなる導入

ダイヤ改正とは直接的な関連はありませんが、2022年度内に話せる券売機が以下の駅に設置されました。
●函館線
五稜郭

八雲
星置
大麻
野幌
●根室線
富良野
新得
池田
●石北線
遠軽
北見
網走
このうち遠軽・北見・網走・五稜郭は既存の指定席券売機を残した上での導入で、えきねっと等の受け取りの場合はどの券売機でも受け取れるなど利便が高まった面がありましょう。
いくつかの駅を訪問しています

星置駅

星置駅は通常タイプの券売機1台を残し話せる券売機を設置しています。話せる券売機ではkitacaの新規発行やkitaca残額を利用しての乗車券類の購入ができないため、kitacaエリア内での導入駅は通常型券売機も併用して欲しいのが正直なところです。(JR東日本の同様機「話せる指定席券売機」ではsuica購入やsuica残額での乗車券類購入ができるので機能を解放していないだけにも見える)
現在のみどりの窓口営業時間5:45-23:40
 星置駅話せる券売機
星置駅話せる券売機

大麻駅

大麻駅は本屋側である北側に話せる券売機が設置されました。南側はこれまでと同様通常の券売機のみの設置です。
現在のみどりの窓口営業時間5:30-23:00
 大麻駅話せる券売機
大麻駅話せる券売機

野幌駅

高架駅で改札、出札が1箇所の野幌駅も通常券売機との併設になりました。
現在のみどりの窓口営業時間5:30-23:00
 野幌駅話せる券売機
野幌駅話せる券売機
今回の札幌圏導入3駅は秋頃にはみどりの窓口の時間短縮に踏み切るものと思われます。JR北海道の場合話せる券売機のオペレータ対応が6時-23時であることで、特に大きな問題にはなりにくいものとは思われますが、話せる券売機導入ということは人が対応できる時間が減っていくということであることは留意が必要でしょう。鉄道職員も多く配置できないという面があります。

なお、札幌圏では発寒駅に定期券発行機能が無いkitaca対応券売機が残されており、多分唯一と思われます。札幌圏の有人駅券売機の多くがJR東日本の多機能券売機相当(ただしクレジットカードは利用できない)の機能を有しています。個人的には無人駅の券売機を食券形から少なくとも特急券、企画券、kitaca対応のタイプに変えていって欲しいとは思っております。(沼ノ端駅にはkitaca対応ではないものの特急券が購入できる券売機の前例がありますが、券種を多くするのは金銭管理的な問題があるのでしょう)

富良野駅

富良野駅は既存の券売機スペースに話せる券売機が設置されました。富良野駅は営業時間短縮後は指定席券などの購入ができなくなっていましたので、話せる券売機導入はサービスアップになる面があります。最終列車の関係でオペレータ対応時間は6時-22時30分となっていますが、他の機能は早朝の運行時間中も利用できるようです。
なお、現在のみどりの窓口営業時間7:00-18:00ですので、秋にもう一段短縮するのかは気になるところです。
 富良野駅話せる券売機
富良野駅話せる券売機
 富良野駅話せる券売機
富良野駅話せる券売機
話せる券売機とみどりの窓口が併設で窓口廃止とならないのは、窓口対応中にも券の購入が可能という面で、特に地方駅は列車発車間際が混雑するという面はありましょうね。


ダイヤ改正に合わせた窓口営業時間の変更

以下の駅で3月18日から営業時間、営業日が変更になりました。
旧駅営業時間新駅営業時間備考
七飯06:50-18:3006:50-16:15
05:00-22:0005:00-19:40話せる券売機
幌別07:00-17:3007:10-17:00
東室蘭07:20-19:0007:00-19:00話せる券売機
上野幌07:00-17:2007:15-17:20
平和06:50-18:3007:15-17:00
八軒07:00-18:0007:15-18:00話せる券売機
新川07:00-18:0007:15-18:00話せる券売機
高砂07:00-19:0007:15-17:00
南稚内06:10-17:5006:10-14:00
白糠06:30-16:4006:35-16:40話せる券売機
標茶06:40-16:5006:40-15:20日祝休
また、大沼駅の窓口営業が廃止(無人化)となりました。


根室線滝川方の行先表示廃止

根室線滝川-東鹿越の普通・快速列車ではキハ40形が使用されており、行先表示も昔ながらの「サボ」とよばれる板を使用していましたが、今改正から廃止されているようです。前面の種別幕も快速列車でも「ワンマン」固定となったように見えます。
 根室線滝川方行先表示
根室線滝川方行先表示
なお、滝川から岩見沢・旭川方面へのキハ40形充当列車のサボは残っていますので富良野での交換作業や清掃作業などを行う北海道クリーン・システムの対応が無くなったのかもしれません。
なお、キハ150形の撤退でH100形は方向幕の変更は列車番号などの設定で自動で行われるようになっており、清掃員氏がいなくても行先表示設定されることになっています。

なお、別件ではありますが根室線は滝川-富良野の全駅、富良野-東鹿越でも布部・下金山を除き交換設備が維持されています。今回私が利用した列車は本来赤平で交換するダイヤとなっていますが東滝川での交換に変更となり、こちらの遅れは全くなく滝川に到着しています。すでに東滝川での交換列車設定はなく、交換設備を廃止していればこうはいかないわけで、このような冗長性を企業が維持する必要があるのかどうか?本来旅客に必要な案内表示を中途半端に行うことも含めた対応の難しさを感じるところです。
 東滝川で交換する列車
東滝川で交換する列車


留萌線増結と現地掲示

3月31日をもって廃止となる留萌線石狩沼田-留萌に関して、JR北海道が対応を発表しています。

JR北海道 2023.03.15 【社長会見】留萌線(石狩沼田・留萌間)のラストランに向けた取り組み
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/230315_KO_Rumoi.pdf

 留萌線(石狩沼田・留萌間)のラストランに向けた取り組み
留萌線(石狩沼田・留萌間)のラストランに向けた取り組み


3月18日ダイヤ改正後は全列車がキハ54形2両編成での運転としており、運行最終日の3月31日は全列車を4両編成で運行するとしています。

当サイト管理者はこのような最終運行近くなった路線にはあまり近寄ることはないのですが、留萌線には思い入れもありましたので、日中を避けて夜間の列車で訪問することにしました。

 深川駅跨線橋表示
深川駅跨線橋表示
 深川駅留萌線列車
深川駅留萌線列車
 深川駅留萌線列車
深川駅留萌線列車
 深川駅留萌線列車と留萌線0キロポスト
深川駅留萌線列車と留萌線0キロポスト
深川18:09発の4931Dは深川駅を唯一6番ホーム(旧深名線ホーム)から発車する列車になります。なお、4番ホームには旭川行き普通列車が特急を待避しており区間廃止後も列車時刻が変わっていませんのでこの6番ホームはそのまま残ります。

さすがにこの時間ですとマニアは乗っているにしても数は少なく、2両運行になっていることもあって列車には余裕があります。JR北海道の告知とは異なりキハ150形2両となりますが、これは富良野線での運用が終了して一時的には車両に余裕があるキハ150形を利用する形のようです。
 マニア向けの案内表示
マニア向けの案内表示
 留萌線車内
留萌線車内
この時間は留萌駅も無人扱いですので2両目は一切ドアが開かず落ち着いて乗れそうですので、2両目に座席を確保します。1両でも充分な程の利用者数ですが、日中は大変混雑したと漏れ聞いております。

この深川18時台の列車といえば札幌発深川・留萌経由の幌延行き急行「はぼろ」の時刻に近く、幼少の頃は親戚宅などへの訪問はこの列車を何度か使った記憶があります。
 1982年の時刻表
1982年の時刻表
まだ雪の多い中を走り続ける、車内の明かりが雪に反射する車窓の様子は、その頃を思い出させてくれます。
 車窓
車窓
峠下では対向列車との交換があり、こちらはキハ54とキハ150の2両編成だったようです。こちらの方は時間帯的に混雑していたようですね。
 峠下での交換
峠下での交換
なお、窓の開かないキハ150形で良かった面は、廃止直前は窓を開けるのに厭わないマニアが出現することで、この列車でも開いた前方ドアで乗降客を押しのけて写真を撮り続ける方を見かけています。2両連結してくれるのは直接彼らと対峙することなく落ち着いた車内で過ごせることです。

留萌線は多分利用されたことが無い方には意外と思われるくらい速い速度で運行しています。線路のメンテナンスは廃止直前のこの時期でも行われていることがわかり、ダイヤ的にも(それをもう行う必要は無いのに)キハ54・キハ150でなければ走れないものになっています。結果折り返し時間などで送れると回復が難しいので、訪問予定の方は定時運行への協力をお願いしたいところです。

無事に留萌駅に到着、約1時間の折り返し時間がありますが、駅窓口も閉まっていますし駅蕎麦もとっくに営業を終了しており、駅前もコンビニくらいしか立ち寄れる場所はありません。でも、これが留萌の姿でもありますので、この時間に来るのは貴重ではあります。
 留萌駅ホーム
留萌駅ホーム
 留萌駅ホーム
留萌駅ホーム
定期券の差額補償についての案内が掲示されています。留萌線の今回の廃止区間は高校生の定期利用者はほぼおらず、旭川への通学など限られたものになりそうです。
 廃止後の定期券等の案内
廃止後の定期券等の案内
 廃止後の定期券等の案内
廃止後の定期券等の案内
鉄道廃止後のバスなどの交通機関ですが、既存の旭川-深川-留萌の路線バスの他に3年間の実証運行を行う羽幌-留萌-旭川の都市間バス「特急あさひかわ号」を運行すること、そして早朝、夜間の予約制乗合タクシーが運行されます。
ただし、早朝5時台の便の運行は2年間のみとしており、現在の利用者の卒業までという前提と見えます。
留萌-沼田を直行する公共交通は設定されない(地域ではそのような利用はない前提)ようです。
 廃止後のバス案内
廃止後のバス案内
 廃止後のバス案内
廃止後のバス案内
広い構内を持て余していた留萌駅ですが、日中はかなり多くの方が乗られたのでしょう。廃止後行き先がないと報道された数の子オブジェや道の駅移転となる蕎麦店、もはや駅が地域にとって邪魔なものという意識が市民にも大きかったような、そんな感じが伝わってきます。
 留萌駅
留萌駅
 留萌駅
留萌駅
 留萌駅
留萌駅
 留萌駅
留萌駅
 留萌駅
留萌駅
 留萌駅
留萌駅
なお、窓口は終了していますが、券売機は最終列車であるこの列車の発車時刻までは購入可能となっています。
留萌駅、恵比島駅、石狩沼田駅ではこの時間も警備員の姿を見かけています。JR北海道が依頼していると思われますが、最後の日まで安全に運行が行われることを願っています。


ホームライナー販売方法リニューアル

JR北海道が手稲-札幌の特急車両の回送列車をホームライナーとして運行するようになったのは国鉄末期の1985年8月からとされています。当時は時刻表にも掲載されておらず「会員制」としており、会員証がなければ乗れない形でありましたが、JR化後は時刻表に掲載され乗車整理券を購入すれば乗車できる形で長年運行されていました。
1988年から小樽発の設定が行われ、2014年に車両繰りで休止し復活したものの、利用低迷で2015年に廃止となっています。また、札幌発手稲行きも運行されていましたがこちらも2017年改正で廃止されています。

1997年の新聞記事では1ヶ月の利用者は2万5000人前後としていますので、当時朝4本、夜1本ですからほぼ満席で運行していたことがわかります。不景気や編成短縮での定員減少などもあり、今はもう少しすくなさそうですが、札幌駅でたまに見かける限りでは多くの利用者がいるようにも見えます。

2017年改正でホームライナー回数券(1000円で10回分)と券売機での乗車整理券の扱いが廃止となっており、100円を駅職員に現金手渡しという形で運行する状態が約1年続いていました。
2018年からは手稲駅にホームライナー券売機が設置され、ここで3本のホームライナーのどの列車に乗るのか選択して整理券を購入し、乗車時に係員に手渡す形に変更になります。
 2017年の札幌発廃止直前のホームライナー整理券
2017年の札幌発廃止直前のホームライナー整理券
 2018年手稲駅のホームライナー案内
2018年手稲駅のホームライナー案内
 2018年手稲駅のホームライナー券売機
2018年手稲駅のホームライナー券売機
JR北海道のホームライナーは車内の設備に関するランクを設けず、普通車もグリーン車も整理券は100円で固定し、早い者勝ちで席を利用する形となっていました。グリーン車のシートにも100円で座れたのです。

2023年のダイヤ改正で、このホームライナーに号数が設定され、JRの指定席販売システム「マルス」に収容されることになりました。これにより全車指定席となり、1ヶ月前から全国のみどりの窓口で「指定席券」として購入可能となります。運転日も毎日運転(それまでもホームライナーとしての運休日は回送列車として運行されていた)となります。

そして指定席料金を普通車530円、グリーン車780円としました。

JR北海道 2022.12.16 ホームライナーが便利に生まれ変わります!
~チケットレスサービス導入でご予約・ご乗車がスムーズに~
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/221216_KO_homeliner.pdf

 ホームライナー案内
ホームライナー案内


しかしえきねっとチケットレスサービスを利用することで普通車210円、グリーン車310円と大幅に割り引かれる施策も導入され、えきねっとの利用拡大も模索した試みであるといえましょう。

チケットレスを利用しても乗車整理券時代からは110円と倍以上の価格差となり、100円で券を購入して乗るという気楽さがなくなります。

ダイヤ改正最初の平日である3月20日月曜日に実際に乗車してみました。

 えきねっとの表示
えきねっとの表示
実際にえきねっとで時刻を検索して購入するのは簡便です。今回はグリーン車を選択してみました。

当日の手稲駅です。7:24発のホームライナー1号は空席が目立つ感じで出発していきました。
 ホームライナー整理券販売機は撤去
ホームライナー整理券販売機は撤去
 ホームライナー1号
ホームライナー1号
改札前にはホームライナーに関する新しい告知があります。カラー印刷のパンフレットは内製でプリンターで印刷したように見え、意外とコスト高です。
 ホームライナー案内
ホームライナー案内
私の乗車予定のホームライナー3号の指定席発売状況を見てみますが、おおむね窓側は売り切れており、定員の半分くらい、今までの乗車整理券から比較すれば減収はあまりないのではないでしょうか。
 ホームライナー3号の指定席発売状況
ホームライナー3号の指定席発売状況
 ホームライナー3号
ホームライナー3号
 ホームライナー3号
ホームライナー3号
 ホームライナー3号
ホームライナー3号
 ホームライナー3号
ホームライナー3号
乗ってしまえばグリーン車は非常に快適であります。狙って乗車した方もいらっしゃるようですが、メインは普通車ともいえましょうか。100円差でグリーン車も特別な日には良いかなぁ。それにしても窓が汚いのは気になりますね。

さて、この列車は全車指定席の普通列車扱いとなりましょう。一応気をつけたいのは青春18きっぷ・北海道東日本パスなどの普通列車専用の企画切符では「普通列車(快速含む)のグリーン車指定席」の利用はできませんので、この列車でもグリーン車は利用できません。なお、普通車は指定席券購入で乗車できます。

車内のアナウンスは特急列車同様の大橋氏の録音音声ですが英語など他の言語での案内はなく、また、携帯電話はデッキでということで、ここは特急に準じた扱いになっているようです。

先行の普通列車に続いてゆっくりとしたペースで走るホームライナー3号は桑園から学園都市線列車と併走しながら札幌駅に到着。札幌駅での車内整備は行わないのでテーブル、リクライニングを戻しゴミはくずかごにという案内がされます。このまま8:43発の北斗6号函館行きとなるためです。そのため同じ席の指定席を持てば函館まで直通利用は可能ですが、以前の特急スーパーカムイ-快速エアポートのような直通の場合特急区間の指定席料金のみで良いとはなりませんので注意。
 北斗6号となったホームライナー3号
北斗6号となったホームライナー3号
指定席化、毎日運行化ができましたので、今後は上り列車や日中の運行も期待したいところではあります。小樽方面からの列車に関してはちょうどいい時間の回送列車が存在しないこともあって難しいかもしれませんが手稲方面は北斗15号・おおぞら10号・北斗17号の回送などが期待できそうですがいかがでしょうか。

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