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北海道の交通関係
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一日散歩きっぷで「沿線バス」に乗れるようになった施策
2023/07/31
JR北海道が札幌圏の駅を限定して発売している普通列車用の1日フリー切符である「一日散歩きっぷ」(道央圏用)は1995年4月1日から発売されています。土曜、日曜の1日有効で道央圏では札幌を中心に滝川、新得、長万部を周遊可能なエリアとなっています。
当時は大人2,000円、子供1,000円で、現在は大人2,540円、子供1,270円と値上がりしたものの充分お得感のある切符であります。
この一日散歩きっぷ、現在は廃線となった札沼線や日高線の一部区間が含まれていたこともあり、これらの地域への鉄道利用での観光などにも「使えなくもない」施策となり、これらの沿線自治体でも期待されていたきっぷの一つでもありましょう。
また、エリア内の室蘭線の苫小牧(沼ノ端)-岩見沢、日高線の苫小牧-鵡川、根室線の滝川-富良野間、富良野線の富良野-美瑛間は「黄色線区」と言われる輸送密度200人以上2,000人未満の線区であり、地域とJR北海道が「アクションプラン」として利用促進の取り組みを行っている路線になります。
室蘭線・日高線ではじまった鉄道・バス乗車券共通化の試み
その中でも室蘭線・日高線では今年度新たな「目立つ」取り組みを開始します。それがこの一日散歩きっぷによる沿線路線バス利用、また、苫小牧方ではJR定期券でのバス利用を可能として実質的に利用できる本数を増やそうという試みです。残念ながら今回は一日散歩きっぷ・定期券以外での利用は共通化されていませんが、まず大きな一歩を踏み出したと言えると思います。さて、その内容を確認してみます。まず主体となる「JR室蘭線活性化連絡協議会」を見てみましょう。このJR室蘭線活性化連絡協議会は特段WEBサイトのようなものは無く、岩見沢市のサイト内に記載があります。
岩見沢市 鉄道に関する取組
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/soshiki/kikakushitsu/kotsu/2/3/3449.html
なんと2022年4月から全く更新されていません。えっ?今回新しい施策があるんだから当然このページからリンクされている必要があるでしょう?と思いますが、これが現実です。
別なページである「企画室-交通」のところに今回の施策についての記載がありました。
岩見沢市 JR室蘭線における「調査・実証事業」のお知らせ
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/soshiki/kikakushitsu/kotsu/11464.html
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/material/files/group/7/072802.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20230731_01.pdf
一日散歩きっぷは、土曜、休日に輸送力に余裕のあることから利用客の多い都市部から地方への「旅行喚起」な商品で、なおかつ全国やJR東日本の共通である青春18きっぷや北海道・東日本パスなどの商品よりはピンポイントに札幌圏の利用者が特段用事無く移動してくる「観光」としての利用を増やしたいのだという地域の思いを感じます。
今回一日散歩きっぷの利用者は
・岩見沢-由仁
・苫小牧-早来
・苫小牧-鵡川
・鵡川-穂別
以上の4区間の定期バス路線を利用できるようになります。
また、苫小牧・安平・鵡川地区はもう一歩踏み込んでJR定期券によるバス利用を可能にしています。これは平日も含まれます。
・苫小牧-早来
・早来-追分(安平町循環バス)
・苫小牧-鵡川(勇払除く)
このバス路線にJR定期で乗車ができ、利用機会が増えることになります。なお、安平町循環バスは土日は運行されませんので定期券は対象になり、一日散歩きっぷの対象にならなかったと思われます。
今回対象区間のJRと沿線バスの時刻表を掲載します。
https://traffic.north-tt.com/txt/20230731_02.pdf
岩見沢-由仁の鉄道並行区間のバスに関しては、1996年までは追分まで運行されていましたが、その後三川までに短縮、その便も2022年9月で由仁までに短縮された形になります。なお、由仁町では三川-由仁-北広島のデマンドバスを運行していますが由仁-三川だけの乗車はできませんので、現時点でこの区間は鉄道以外の公共交通はありません。
しかし、特に岩見沢-栗山に関しては一定のバス本数が確保されており鉄道よりも利便が高いことが窺えます。
なお、案内には長沼線・栗山線・由仁線各線となっており、同区間も走行する夕張への路線が含まれないようにも見えますが、一応記載しておきます。
安平町は2006年(平成18年)に早来町と追分町が合併して誕生した町になります。役場庁舎は早来地区に設けられていますが追分地区とは13kmほど離れており、合併後の2006年10月から両地区を結ぶ安平町循環バスが運行されています。
地域の経由地などを変更しながら現在は5往復を運行、2021年からはNAVITIMEなどのネット検索で時刻や乗り場の確認ができるようになっています。ただ、土日に運行されません。
苫小牧-早来の鉄道並行区間のバスに関しては全て厚真への便となります。一部は鉄道への接続も考えられているダイヤで、実際に早来で鉄道からの乗換を見ていますが、これも含めてバス自体にJR定期で利用が可能になると乗換の必要性が減る面もあり利便性が高まりましょう。
日高線の鉄道並行バスに関しては日高線廃線区間の関係で再編された部分もありますが、時刻がばらけたこともあり、バスと鉄道での補完輸送という面はありましょう。ただ、鉄道の所要時間が30分ほどの区間で路線バスは1時間以上かかるということもあります。
今回旧富内線代替バスの鵡川穂別線の利用が可能になりましたが、こちらはむかわ町営バス扱いとなっており運賃200円、こちらも2006年に鵡川町と穂別町が合併しむかわ町となったこと、富内線の転換バスに関する協議会が2002年に解散後は富内-振内を廃止、その後穂別-富内をデマンドバス化しています。
こちらがどのような経緯で一日散歩きっぷの範囲内に組み込まれたのかは不明ですが、むかわ町としては穂別地区まで使えることをアピールする、むかわ町穂別博物館の足も考えたことになりそうです。
実際に一日散歩きっぷでバスを利用してみた
今回は室蘭線側でバスを利用してみました。岩見沢-由仁-早来-苫小牧とバスと鉄道を乗り継いでみます。岩見沢駅は跨線橋改築中
岩見沢駅ですが、現在跨線橋を改築中です。ホームからの階段に踊り場のない階段自体は改善していませんが窓などが新しくなっています。バリアフリー面はエレベータが稼働しているので、これで良いという判断でしょう。



2000年の岩見沢駅舎火災では跨線橋には被害は無く、1890年製の印があるドイツ製レールを使った梁などが残ったままに、天井が低い跨線橋が残ったままになっていました。
今回は鉄道ではなく、バスに乗ります。駅から「岩見沢ターミナルビル」に向かいます。
岩見沢ターミナルビル
岩見沢ターミナルビルは当初1990年に着工され1992年完成の予定となっていました。事業主体は北海道中央バスと市の第三セクターでした。当初はホテルや温泉も併設されることになっていたものの地元旅館組合などが反対、また、元々この用地は国鉄用地であり、当時管理していた国鉄清算事業団から市が「公共施設建設」という名目で随意契約で購入していたことから営利施設への変更は契約違反であると批判される事態になります。8階建てのホテルビルを諦められない市は基礎部分は8階に耐える設計の地上2階地下2階の建物を設計したものの、事業費が大幅に膨れ上がり1990年には着工できず、建物を作ることができなければ国鉄清算事業団との契約違反となることから四面楚歌となります。1991年に工事が開始されたものの、8階建てへの計画変更が当初ホテルを運営するとしていたジャスマック社が難色を示し頓挫、長く工事が休止する事態になります。
1993年には岩見沢ターミナルビル社長が辞任、建物を市が買い取ることに決定し建物は1994年に「外装」が完成します。
当初掘削時に温泉が出ていたこのターミナルビル内では温浴施設は開設される見込みでしたが、これも浴場組合が反対、そして、当初の8階建てのための資材が建物内に置かれたままで内装工事ができずオープンも遅れるという事態になります。とかく市の態度がはっきりせず建設主体側も工事代金の受け取りができない以上引き渡せないとなるのは自然なことでもあります。その後には8階建て時代の設計監理をおこなっていた設計事務所からも未払い代金の請求をされるなどゴタゴタが続くままに越年します。
結果1995年9月に建物が完成、バスターミナルは1996年から利用開始となり、少し遅れて駅前に発着していたJRバスもターミナル内に入ることになります。元のバスターミナルは停留所名を4条西5丁目とし解体、現在は岩見沢中央公園の一部となっています。
なお、第三セクターとしての「岩見沢ターミナルビル社」は2003年に自己破産、8階建て用の資材はタダ同然に放出せざるを得ませんでした。出資者の一つである北海道中央バスも少なからぬ痛手を被ったという結果になります。
頑丈につくられたこの建物、1997年に「自治体ネットワークセンター」として3-5階がつくられます。結果的に地下はほとんど使われることが無く、1階にコミュニティFMとバスターミナル、2階3階が会議室、多目的ホール(120人規模)の「岩見沢市コミュニティプラザ」、3階-5階も研修・会議室、230名規模の多目的ホールと内容が重複し、あまり利用されていないというのが印象です。結果一部が「自習室」として開放されています。パソコン講習用のコンセントなどが生きてきますね。

さて、バスターミナルを眺めてみますが、この時間帯30分おきに出発する札幌行き高速いわみざわ号以外は利用が少なく閑散としています。中央バス直営の売店も2022年2月で閉店、ターミナル内には不動産屋さんが入っているほかにテナントはない模様です。



先ほどから私は駅とバスターミナルを何度か往復している怪しい人になっていますが、何を探していたのかといえば一日散歩きっぷでバスに乗車できることを記載した掲示などがないかを探していたんです。無いんです。仕方ありません。バスの時刻になりました。
28由仁線 岩見沢ターミナル-由仁駅前
ではバスに乗ります。この日は暑く冷房の効いたバスは快適です。岩見沢ターミナルでの乗車は5名ほどです。

苫小牧とを結ぶ国道234号線に入りまして市内線区間で2人ほどが下車、国道から逸れて志文市街で1名下車、栗沢駅前で1人が下車します。結局バス利用も「駅」に近い方。駅近くに集落ができているのもありますが、鉄道を使ってもバスを使っても良いという地域ならば、バスと鉄道両方使えれば利便は高まるはずです。まして沿線に岩見沢西高校など鉄道では利用しにくいがバスでは利用しやすい場所もあります。
バスは栗山町内に入り栗山駅に着くと残る1人が下車。ついに私だけです。

ただ、栗山の市街地で買い物袋を持った方が乗車、栗山には大型スーパーがあるなど地域の買い物先になっている面はありそうです。栗山中学校入口でも乗車があるのは近隣のマックスバリュの利用客でしょう。由仁には残念ながら現在ホクレンショップ以外のスーパーは無く、やはり買い物は大きな店でという心理はありそうです。

さて、車内にも何の掲示も無い中で緊張の下車です。一日散歩きっぷを見せてJRのフリー切符ですと声がけしましたが特段運転手さんからの反応も無く下車です。拍子抜けですが、ちゃんと伝わっているのは良いことです。

由仁では駅前の食堂でお昼ご飯をいただき、今回の施策の一つ駅カードもいただきますが、当然のように私が最初のお客さんということで、どうすれば良いか店員さんもわからずなかなか大変そうです。
なお、由仁町は由仁-三川のバス廃止に関して特段代替交通の案内はなかったものの、当初由仁-北広島を運行していたデマンドバスを2023年4月から三川-由仁-北広島と拡大しました。ただし由仁-三川相互間の利用はできません。

ちなみにここまでの運賃ですが、
岩見沢-志文 JR290円 バス300円
岩見沢-栗沢 JR340円 バス400円
岩見沢-栗丘 JR440円 バス530円
岩見沢-栗山 JR440円 バス600円
岩見沢-由仁 JR540円 バス750円
と差があります。鉄道運賃によるバス乗車という施策はなかなか難しいのかもしれません。
JR室蘭線
ではここから鉄道で早来に向かいます。見慣れたキハ150形ですが後に回送車1両がついていました。「一日散歩」の方や学生等の用務客も含めてさらっと10人程度、由仁での下車は3人でしたので、部活などの学生は定期の関係もありますしJR利用になりましょうか。
あつまバス 早来駅前-苫小牧駅前
早来駅で下車した方はおらず、しかし同じ町内になった追分地区と早来地区を結ぶ公共交通は土曜休日は鉄道しかありません。

早来駅は簡易委託で駅内の安平町物産館で乗車券が購入できます。ここでもお土産を購入するとカードをいただけます。やはり私が最初とのことでした。


また、苫小牧市の港まつりでの公共交通利用を訴えるポスターも掲示。これも大事です。

早来地区ですが、やはりスーパーマーケットは少なく、サツドラやDCMニコットなど生鮮品も扱う店こそありますが、買い物を苫小牧でという方は少なくないでしょう。駅数ではそうでもないのですが、意外と苫小牧までの距離があるというのもあります。
さて、バスの時間になりました。この日は暑かったので冷房無しの室蘭線列車よりも冷房車のバスの方がありがたい面はあります。


早来時点での乗車は1名だけ、バスはひたすら国道234号線を走り、遠浅は駅前に乗り入れますが乗降無し、沼ノ端跨線橋を渡ると沼ノ端の市街地です。

イオン苫小牧もよりの職訓センター通りで少し下車があって、その後も市内線的な利用があり苫小牧駅前に到着です。



ちなみにこの区間の運賃ですが、
苫小牧-沼ノ端 JR290円 バス360円
苫小牧-遠浅 JR440円 バス410円
苫小牧-早来 JR540円 バス520円
となります。
鉄道・バス共通乗車制度は今後も続くか
JR四国と沿線バス会社が鉄道並行バス路線への共通乗車、共同経営を行ったのは2022年のことです。国土交通省 徳島県南部にて、全国初の鉄道とバス事業者間の共同経営がスタートします
~JR 切符や定期券で、並行するバス路線の乗車が可能になり、乗車機会拡大~
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001471342.pdf
徳島県南部地域におけるJR四国と徳島バスの共同経営について
これに関してはJR四国の資料も参照していただきますと、その「本気度」(という言い方は好きではないが、実際に相当練られて、各社が協議したことがわかる)が伝わるものになっています。独占禁止法の問題がありますので、簡単に両社を共通化するというのもできない項目です。
JR四国 徳島バス 共同経営
https://www.jr-shikoku.co.jp/02_information/tokushima-kippu/
共同経営計画 JR四国 徳島バス 共同経営
https://www.jr-shikoku.co.jp/02_information/tokushima-kippu/pdf/kyoudou-keikaku.pdf
(見ることができない場合)
https://traffic.north-tt.com/txt/20230731_02.pdf
ここでは両社の運賃が異なる区間でもJR側の運賃で利用が可能になる(乗車券類を持たずにバスに乗車した場合はバスの運賃になる)ことになります。この施策はバス会社にもJRにもメリットが無ければ意味がありません。
この運賃差をJR四国と徳島バス両社で負担、その負担割合も協議しています。両社が「増便した」と同じだけの利便性改善による増収ができることが大事なことでもあるわけです。利便性が上がり利用が増えるからこそやる意味があり、増えないならばこのような施策は後に続かない。こうも言えます。
JR四国の場合、列車本数を減少した区間、その減少した区間をバスに肩代わりさせることができ、バス会社もクローズドアだった区間をオープンにでき、区間利用分は確実に増収になるという面、そしてJR乗車券利用者はJR側が一定の負担があることでバス会社としても参入しやすい内容だったともいえるでしょう。
「便利になった」全国初徳島バス・JR四国共同経営1年 乗客は計画の3・8倍
2023/05/18 徳島新聞
https://www.topics.or.jp/articles/-/890875
>両社によると、2022年度の同区間(1日上下8便)の乗客は2077人で、21年度(541人)の3・8倍になった。年間で49人の増加を見込んでいたところ、1536人も増えた。
想定を大幅に上回り、両社は「初乗り運賃を支払わずに済むほか、視察が相次いだのが影響した」とみている。
> 延伸される共同経営の区間は阿波海南駅までとなり、高速バスを海部高校前にも停車させる。同校2年の****さん(16)は「放課後に下校する際は30分も時間短縮できる。部活動を引退したら積極的に利用したい」と話した。
> ただサービスは向上しても収益増にはつながっておらず、赤字体質は変わらない。徳島バスの林直人企画課長は「事業者の力だけでなく、自治体とも協議しながら地域の足を守りたい」と述べた。
乗客数は増えたが、収益には繋がっていないというのが難しい部分で、JR側としてはさらに運行コストを下げる(減便)も視野になりますし、バス会社側はさらに通学需要も取り込むことを期待したいという面があり、どう今後に繋がるかは注目したいところです。
室蘭線・日高線の実施内容
今回、あくまで予想ではバス会社の理解が得にくかった面があるように見え、岩見沢方はあくまでJRフリー切符での利用に留まり、一定の理解が得られた苫小牧方では定期券の共通化までは踏み切れたと言えましょう。今回の施策ではJR北海道側にほぼメリットが無く、バス会社側は「協議会」から運賃を受け取ることになると思われますので、損はないとはいえ、JR側の複数の乗車券類をチェックするのも大変ではあります。このあたりをどう折り合いをつけたのか?
報道はこのように伝えました。
JR「一日きっぷ」バスもOK 室蘭線きょうから事業 沿線の店でカードラリーも
2023/07/29 北海道新聞空知面
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/885212/
>同協議会は列車と沿線路線バスの運行ダイヤをまとめた共通時刻表を8月上旬に沿線約3万世帯に配布するほか、胆振管内でJR定期券の利用者が一部路線バスに乗り放題となる事業も行う。協議会の関係者は「公共交通全体の利便性を向上させ、JRもバスもどちらも利用してもらえる取り組みを進める」と話している。
費用負担の問題などは記事に触れられていません。
そして岩見沢市のところでも記載した「室蘭線活性化連絡協議会」についても公式Instagram
https://www.instagram.com/muroransen/
での告知は無し。フォロワーは601人。
公式Facebookでは告知されているもののフォロワーは351人に留まります。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100081900316854
各自治体サイトの「お知らせ」欄などを見る限りも岩見沢市以外のサイトでの告知は無し。
ご当地カードラリーのパンフレットこそ下車した各駅で見かけましたが、鉄道利用客に対する利用促進では無いはずですよね。「一日散歩きっぷ」という札幌圏各駅でしか買えない乗車券でのイベントなのでしたら、当然向ける先は札幌圏ではないかと思います。しかし、札幌市内でこれに気がついた方がどれほどいるか、いや新聞をちゃんと読んでいる方でもなかなか伝わらないんじゃないかなとは思うのです。
当のJR北海道もリリース無し、一日散歩きっぷの発売情報のページには記載がありますが、それだけです。普段一日散歩きっぷを買う人はそんな部分読まないので気がつかれにくいですね。
北海道中央バス、あつまバス、道南バスのサイトにも何ら記載はありません。現地でバス乗るまでちゃんと使えるか不安になりましたが、そういう面もわかっていただけない。
いや、批判だけしてるんじゃないんですよ。あつまバスはきちっと車内掲示していましたし、早来駅にはポスター掲示もありました。これはまず最低限やらなければならないことでしょう。しかし、苫小牧も岩見沢も不安なんですよ。これじゃ。
そしてせっかくのカード、束でお店に渡してそれっきりですか。お店の人は困惑しています。JRのきっぷの実物見たこともなく、でも当日のJR乗車券類の提示が条件?それをどのくらい配ったのか、どこからの人が貰っていったのかとか、聞き取り調査しなければならなかったんじゃないか。そうも思います。
せっかくの施策です。多くの人に参加して貰って、バスと併せて便数が増えた分各地で下車して観光を楽しんで欲しい。でも、駅に降りてもどうにもならないところばかりです。
やっぱり使いたくない言葉「本気度」が足りないんじゃないかなぁ。
JR北海道は交通新聞社発行の「北海道時刻表」の2023年5月号から宗谷線、石北線をバスも含めた統合型の時刻表も追加掲載しています。「公共交通」として何があるか?がわかりにくくなってしまった、むしろ公共交通忌憚が進みそこに何が運行されているか気がつかなくなってしまったという面では統合型の時刻表にも良い面があります。
JR北海道 黄色8線区 全駅に「鉄道・バス共通時刻表」導入
https://news.kotsu.co.jp/Contents/20230417/82d37606-f5c0-4a3e-b5d3-55264a1b01fe
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札幌から釧路とか札幌から稚内など区間を決めてどのような手段があるか統合型で掲載する方が良いのかもしれません。
利用者はバスを使いたいわけでも鉄道を使いたいわけでもなく、早く、安く(相応に安く)、快適に移動したい。その選択肢に現時点では公共交通が入ってこない。それを一人でも多くの人が公共交通を使うようにならなければ鉄道だけで無くバスも無くなる。誰かが金を出せば維持されるのでは無く、今沿線が使わなければ維持されることはありません。
「札幌から鉄道で来た」という人を珍しいものでも見るかのように「大変だったでしょう」「どこを通ってくるんですか」ってのは、まぁ百歩譲って仕方ないのですが、沿線住民がとかくバスも鉄道も使わないんだろうなというのを再確認させられるということでもあるのです。