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JR島田社長、新ひだか訪問 大野町長と初会談報道

2018/05/06

JR北海道の日高線に関しては、沿線首長が強硬な姿勢を崩さずJRとの協議が事実上停止している状態になっています。
先日行われた新ひだか町町長選挙では新人大野氏が当選。日高線に関して費用負担の一切を拒否しDMV等意味不明な「提案」をし協議を混乱させていた前町長が失職した結果、もう一度仕切り直しということになりましょう。

北海道新聞 2018年05月03日
JR島田社長、新ひだか訪問 大野町長と初会談
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/186264
> 【新ひだか】JR北海道の島田修社長は2日、日高管内新ひだか町を訪れ、4月の町長選で初当選した大野克之町長と役場内で会談した。
2015年の高波被害で不通が続くJR日高線鵡川―様似間(116キロ)の協議は現在、JRを除く沿線7首長で行われているが、両氏は協議の早期再開を進める考えで一致した。 面会はJR側から打診があり、2人は初顔合わせで約30分行われた。


さて、JR日高線に関しては、JR北海道が復旧を拒否しているという報道や意見をよく見かけます。しかしながら、2015年の災害発生後の復旧工事では国、JR北海道、地元自治体および北海道が1/3づつ負担して復旧する話をまとめようと奔走していた事実があります。

北海道新聞 2015年11月16日
JR日高線の復旧費 国が10億円負担提案
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0202650.html
>高波被害のため今年1月から不通が続くJR日高線(鵡川―様似間)の本格復旧に向け、国土交通省北海道運輸局は16日、本格復旧にかかる約30億円のうち、国が事業費の3分の1を補助する方針を固めた。


北海道新聞 2015年11月17日
JRも10億円負担方針 日高線復旧、沿線自治体協力が条件
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0202896-s.html?df=1
>高波被害のため今年1月から不通になっているJR日高線鵡川―様似間の運転再開に向け、JR北海道は16日、沿線自治体が継続的な利用促進策を示し、一定の財政支出も行うことなどを条件に、線路の地盤が流出した厚賀―大狩部間の本格復旧に必要な30億円のうち10億円を負担する方針を固めた。


2015年11月18日に開かれた国土交通省北海道運輸局の「JR日高線検討会議」に3社が集まりこの1/3負担での復旧を協議した結果北海道庁と沿線自治体は負担を拒否。さらにJR北海道が復旧の前提で求めた「鉄道の利用促進策」に対して沿線自治体があまりにも幼稚な案を出したこともあり、結果決裂したということになります。
これを受け、JR北海道側は「復旧するための協議は困難」であると判断し、廃止協議に舵を切ることになります。
JR北海道が「鉄道を復旧しない」というのは結果論であって、最初から沿線自治体は鉄道復旧に関しての自治体負担を一切拒んだ結果復旧できなかったということです。
現在、本州でも赤字ローカル線問題では災害路線の復旧は困難を極めています。そのなかでJR東海の名松線は土砂災害で不通になったあと「治山、治水対策は、県や自治体が責任を持って復旧」したわけです。何度も「JR東海、県、市」が協議した結果です。結果的に被災から6年5カ月かけて復旧しています。
ここで大事なことは黒字企業であるJR東海ですら単純な自己負担での復旧はありえないということです。名松線の復旧費用17億円、鉄道そのものの復旧費用5億円程度は日高線に比較し安価ではあったとはいえ、三重県が5億円、津市が7億円以上負担しています。それだけの負担と、住民の後押しが無ければ復旧しませんし、それだけの声があれば日高線も復旧の目はあるわけです。
もう一つ、JR東日本の只見線を取り上げます。ここも2011年の大雨災害で不通となり10年となる2021年開通を見込んで復旧作業が行われています。JR東日本は復旧を諦め廃線を地元に提案しています。
ここでは沿線だけではない17市町村が「只見線復興推進会議」としてJR東日本と協議。そしてその協議には福島県が代表となりました。ここでも鉄道の復旧費用とJRだけが負担するバス転換との話し合いになったわけです。
工事費用の1/3をJR東日本が、2/3を福島県が負担。福島県は、運休区間の鉄道施設を保有しJR東日本が運行(上下分離)となりました。
http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170619.pdf
こちらの方が実質的に日高線に近いかもしれません。上記の通り日高線を鉄道での復旧で考えていたJR北海道と違い、只見線は最初からJR東日本は廃線することが前提でした。復旧費用の見積も当初から圧縮されるなど、若干の不誠実な内容もあるわけです。
JR北海道が日高線を維持しない方向に傾いたのは沿線自治体の「使う気がさらさら無い提案内容」と、自分達は一切負担する気のない他人頼みの状況から致し方ない部分です。また、多数の自治体にまたがる関係上表に出てくるべき北海道庁がオブザーバ的にしか関わらず、当然費用負担をする気が無い。これでは鉄道を残せ復旧しろなどと言う方がどうかしているわけです。
沿線自治体や北海道の財政が良くないのは百も承知です。しかし、三重県にせよ福島県にせよ「本当にこの路線は必要なのだ」と路線を残す様々な知恵と、国をも動かす行動力を取ったからこそこれらの路線は復旧する形になっています。
国が悪いJRが悪い、分割民営化が悪いと幾ら唱えても、現実に沿線は特に鉄道を使ってないので困りませんという意識では鉄道が復旧するわけが無いのです。逆に沿線が本当に鉄道が必要なのだ、住民の足なんだ観光の足なんだと本気を出すなら、今からでも日高線の復旧は可能なのです。
そして、最も困っているのは中途半端な代行バスと路線バスと通学用バス、そして町営バスが併走し、バスだけ沢山あるけどどれも煩雑で利用できない住民そのものなのです。

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