北海道の交通関係

(ツイッターに記載したJR北海道決算について私が記載した内容)

2018/05/12
ところでだ、経営安定基金の運用益だが、平成25年から27年までの3年「経営安定基金評価差額金」で100億円近く積み増しされてるんだが、この辺りのロジックが正直私の頭ではわかっていない。
とりあえず数字をこねくり回して黒字決算にさせることはもうしないという明確な意思を感じるんだよね。
JR北海道がいくら危機を訴えたって、決算が黒字なら誰も本気にしない。北海道知事にせよ国会議員にせよだ。決算が毎年100億赤字だと言い続ければ、なんらかの手を打つだろうと国土交通省、鉄道運輸機構、JR北海道の思惑があるのかもとうがった見方もする。
で、道内マスコミをはじめ、赤字理由を「北海道新幹線の不振」と書くのはやっぱり納得できなくて、運輸収入の1割が新幹線由来だったり、在来線のままでも青函トンネル維持費用は変わらなかったりするわけで、北海道新幹線をやめれば解決するような単純な話ではない。
逆に言えば、青函トンネルに関わる貨物列車共用設備をはじめとする設備維持負担をJR北海道から免除した場合、どの程度決算に影響があるのかはみたい感じもする、実質的に国がJR北海道の単純あ赤字補助無しに救済するのはその方法がもっともわかりやすいと個人的には思うので。
大切なのは「JR北海道を維持する」ことではなく、北海道の鉄道交通網をある程度維持することにあるわけで、そういう意味では国も含め留萌線やらを維持する気なんかさらさらないし、ある程度「身を切る廃線」を受け入れた後に、「支援策」が出てくるのかもしれん。そのためには「赤字決算が必要だった」
過去数年間の決算書を見てる感想としては、そういう印象があるんだよね。これまで無理に「黒字を作り出していた」をもうやらない。
あと、人件費や設備投資費用のグラフ。あれを見ると、高速無料化がJR北海道の収入に対して大きな問題点だったことも見て取れるよね。耐え忍んだ結果がこれ。

北海道新幹線開業後のJR北海道決算は鉄道運輸収入が持ち直し700億円オーバーに復帰してるわけです。
これはどういうことかと言えば、北海道新幹線の収入がなければ(青函トンネル区間在来線時代同様の主運輸であれば)赤字額は最低でも60億円以上悪化していたと言えるわけです。これはいさりび鉄道に転換されていない江差線の赤字額が2016年公表分で18億円の赤字、また、北海道新幹線より少ない津軽海峡線輸送量、輸送密度から推計する値で、そう遠く外してはいないはずです。つまり、北海道新幹線を作らなければ赤字は減るはずだという批判は的外れということになります。平成29年度と同じ経営安定基金運用益で平成27年決算と同様の鉄道運輸収入で計算すれば経常利益(損失)で200億円以上の赤字となったはずです。
大事なことは「鉄道運輸収入」が伸びて、「人件費」が減っていることです。これが経営努力というものです。これを行なっても決算が赤字になるのはもともとJR北海道が「経営安定基金の運用益」が想定以下なら赤字になるという宿命を持った会社であること。鉄道の赤字が当たり前の会社なのだから致し方ないことなんです。
ところで、JR九州を上場する際経営安定基金を返納させずにこれを決算に組み入れ、5268億円分の固定資産を減損処理しました。これは「経営安定基金の運用益」があるから「鉄道事業は収益事業」であったものを、「鉄道事業は収益を生まない」に転換したということです。ですのでJR九州の「運輸事業が黒字化」してはいますが、この黒字は決して鉄道事業が黒字化したわけではないことに留意が必要です。決算資料を見ればわかりますが、平成27年度に250億円近くあった減価償却費が平成28年度決算で20億円しかありません。250億円の鉄道事業の黒字はこうして生み出されているわけです。
ただ、もう鉄道事業の後ろ盾がないので、JR九州は今まで以上に不動産など「関連事業」で稼がなければなりません。このところ次々行われているJR九州の鉄道事業の減便、駅無人化、特急列車すらワンマン化する姿勢はこのような状況がもたらしているわけです。減損会計している以上鉄道事業を赤字に見せるわけにはいかないのです。しかも、年々黒字幅を増やす必要がある。平成28年度決算では震災の影響などで旅客運輸収入を落としていますので「経費」をこれまで以上に減らす必要があります。
JR九州の懸念材料はそのような状態で長崎新幹線の建設が行われると。せっかくの固定資産の減損処理が無になることでもあります。運輸事業の見た目の黒字をどう維持するかが問われます。平成27年度に4444億円の赤字としたJR九州ですが、その辺りをちゃんと報じたマスコミはあまりないように思います。これは数字のまやかしと個人的には取りますけどね。
逆に考えるとJR北海道は新幹線札幌開業が行われた後に「無理に上場する」方法も取れます。収益の上がらないものばかりのJR北海道の固定資産を減損会計すれば減価償却費は数億円レベルになります。北海道新幹線と札幌圏など関連事業で維持できるだけのスマートさになれば同様の方法で上場することが可能になるという「前例」を作ったことになります。

経営安定基金は「国鉄債務の一部」であることを書きました。国鉄債務は一部を国民が負担して返済しているものです(もちろん本州3社のJR旅客会社と貨物会社も負担しています)国民の知らぬ間にこのような会計処理が行われたのは個人的には良いことだとは思っていません。また、JR九州は過去の決算短信などを意図的にかWEBサイトに掲載していないのも気になるところです。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 北海道新幹線 留萌線

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