北海道の交通関係

どこかだらしがない釧路空港LCC就航に関する自治体対応

2018/05/15
釧路空港にLCC就航までこぎ着けた釧路市をはじめとする周辺自治体の対応は良かったと思います。北海道から本州を結ぶ空路は新千歳空港以外は競合が少なく、どうしても高止まりになります。ここにLCC就航できれば交流人口が増えるメリットがあります。
ただし、よく考えなければならないのは、そのメリットは航空機の定員以上にはならないことです。着陸料、空港設備使用料を補助にすることで就航できるのなら、それが行われなくなれば撤退するということです。釧路市は2018年度予算でピーチが負担する空港施設使用料や着陸料などへの補助として3100万円を予算しています。夏季のみの就航ですから単純に1便当たり1万7000円ほどとなります。ピーチクラスの機材の着陸料は1万円ちょっとくらいと予想しますので、ピーチ社が空港設備に支払うほぼ全てを釧路市が負担するという契約になっているものと思います。

 

北海道新聞 2018年02月17日
釧路市一般会計950億円 18年度予算案 LCCに独自補助
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/165069
>ピーチが負担する空港施設使用料や着陸料などへの補助として3100万円を充てる。

そして、1便当たりの搭乗客は180人です。搭乗率80%として140人ほど。全てが観光客ならばある程度の目論見が見えますが、現実には同様夏季運行のANA伊丹-釧路との競合になりそうで、来年度以降のANA撤退も現実的なのかなとも思います。いずれにせよ搭乗率確保が課題です。
ちなみに関西・伊丹発
ANA 08:15-10:10
Peach 09:50-11:50
釧路発
ANA 10:50-12:50
Peach 12:30-15:00
と比較的時刻が近いのもありますね。

 

北海道新聞 2018年05月13日
「オール道東」で乗客確保 LCCピーチ 釧路―関西線8月就航 観光情報発信、2次交通に課題
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/188987
蝦名大也・釧路市長は「就航が目的ではなく、釧路拠点の道東周遊客の増加につなげることが重要。3年かけて関西とのつながりを定着させる」と力を込める。空港を抱える道東の各自治体が誘致に動く中、釧路市は着陸料や空港施設使用料の補助など独自の支援策を売り込み、就航につなげた。
ピーチが掲げる目標搭乗率は75~80%だが、全日空が7、8月のみ季節運航する釧路―伊丹線の昨年の搭乗率は60%。LCCは採算の見込みが立たないとみれば、撤退の決断も早いとされる。同業のバニラ・エア(千葉県)は昨春に函館―関西線の季節運航を始めたが、平均搭乗率は70%程度にとどまり、計75往復の運航実績で事実上撤退した。
観光関係者の中には「航空会社におんぶに抱っこの意識での路線維持は厳しい」と不安視する声もある。観光事業者自身が若い女性向けの食事や体験観光メニューを開発し、会員制交流サイト(SNS)などを通じて積極的に発信しなければ、ピーチ利用客を確保できないとの指摘だ。

伊丹-釧路便の就航に対して釧路市と周辺自治体が何をしてきたのか?LCC就航について2次交通だのと大騒ぎし、釧路空港-帯広などのバスが運行されるなどの話も含めてANA側はあまり面白くないでしょうねぇ。まぁ、客層が違うという言い方はできますけど。

釧路市の交通行政については、観光という観点からしてJR釧網線や花咲線に関しても「鉄路を残すための方策を固め、関係機関に要請していきたい」だけで具体的な方策に全く触れず「維持策の一つとして観光列車の運行」とか言いながら一銭の金も出さず、高速道路延伸に関しては札幌まで出てきて大々的にキャンペーンを打ちます。
「航空会社におんぶに抱っこの意識での路線維持は厳しい」
当たり前の話です。航空会社、バス会社、鉄道会社にただ任せるだけの路線維持などあるわけがありません。LCCが欲しけりゃ金を出せ、鉄道を残したければ金を出せ、バスを残したければ金を出せ。それしかありません。
ある一定の企業だけを優遇するのなら、それを肯定できるだけのメリットを示す必要があります。さんざんLCCに入れあげた結果それ以外の路線、交通機関に撤退されるのなら意味が無いのです。優先順位がありますのでわかっていて「拠出しない」のは致し方ありませんが、鉄道維持の話には「自治体が金を出す理由が無い」といいながら「観光列車」などという無責任な議論が通るわけが無いのです。

カテゴリ: 北海道の交通関係 航空 LCC 釧網線 観光列車 花咲線

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