北海道の交通関係

鉄道維持といいながら1年1ヶ月放置した苫小牧市など胆振管内の自治体。

2018/05/16

JR北海道の各種問題が出て、それなりの期間が経ちました。今、これに関して何の協議も行っていない地域は「鉄道が不要だ」と思っている地域だと思って差し障りは無いでしょう。そりゃそうです。2年以上経っていますから、路線維持の要望だけでなく利用促進にせよ利用者把握にせよ重い腰を上げ動き出した地域はそれなりにあります。
では苫小牧を中心とした胆振地域はどうでしょう。
この期に及んで「情報共有」ですからねぇ。要らないんでしょ?本心は。道が動かない国が動かないと言っていれば自分達の無策が擁護されるのですから気楽なものです。
現実はもう廃線提案待ったなしではありませんか?どうせ学生しか使ってないしオレたちには関係ないってのがミエミエの会合開いて「日高線、室蘭線の両線区の維持存続を求める要望書」だけ出してれば仕事したように思って貰えますものね。

苫小牧民報 2018年05月14日
JR維持困難路線存続方針を再確認 東胆振1市4町の首長が会合
http://www.hokkaido-nl.jp/article/6000
>JR北海道の「単独維持困難路線」に含まれた日高線と室蘭線をめぐり、東胆振1市4町の首長は14日、対応策を探る5回目の会合を苫小牧市役所で開いた。路線の維持存続を基本とする考えは変えず、自治体間で情報共有を深め、必要に応じて会合を開いていく方針を確認した。
今回、情報共有を図るため1年1カ月ぶりに会合を開催。苫小牧市の岩倉博文市長、厚真町の宮坂尚市朗町長、むかわ町の竹中喜之町長、白老町の戸田安彦町長、安平町の及川秀一郎町長が出席し約1時間、非公開で協議。道の担当者から道交通政策総合指針の内容などについて説明を受けた。
> 会合後の記者会見で、岩倉市長は「日高線、室蘭線は(通学など)生活に密着した利用が多い。(路線維持という)これまでのスタンスに変わりはない」と強調。「JR北海道とも協議しながら、列車のさらなる利用促進を図りたい」と話した。



毎度書きますが、鵡川高校への通学生で日高線を使う生徒は一人もいません。鵡川高校は町が「無料通学バス」を運行していますから日高線を使う通学生はいません。苫小牧方面への片側の通学生しかいない以上日高線はほぼ潰してもいい路線という認識があるでしょう。苫小牧方面への通学生の数も1便あたり200人を切っています。苫小牧市内に点在する高校への通学を考えればバス移行の方が利便が高いのは誰の目にも明かです。

https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/09.pdf
JR北海道が各線で発表する数字。これを見ると、苫小牧への通学生のうち鵡川から乗車するのは約100人。苫小牧方線外への需要があるということは錦岡など乗り継ぎも必要だという生徒がいるということです。また、鵡川以遠からの通学生が78人。これを考えても日高線は一括バス転換で通学便を複数方向に振り分け高速道路経由便等で各高校への通学便とするのが最も利便が高いことがわかります。鉄道維持が全く利用客である高校生のためになっていない典型的な路線です。

室蘭線に関しては、貨物列車の通過経路であることを差し引かなければなりませんが、日高線より多いだけマシレベルの数しかいません。

高校生の数がこれから増えるなら鉄道を維持する意味があります。現実に30年前の高校生数は倍以上、鉄道輸送密度も3倍あったわけです。長く1便たりとも減便せずに1/3まで下がったことは沿線人口の減少とクルマ利用の増加しかないわけです。便数が多少増えたって高校生以外は鉄道を使わない以上、通学時間帯以外の減便は受け入れざるを得ませんし、通学時間帯さえ輸送できればあとは「ワゴン車」クラスの利用しかありません。

そこまで調査でわかっているのですから、鉄道利用を本当に増やすなら方法は現在鉄道を利用していない送迎利用の高校生を乗せる=鉄道駅から通学バスに変更することや、役場職員から積極的に鉄道利用にシフトするしか無いのです。それすらやらずに何が利用促進かと。

安平町の月1回の鉄道通勤についてはネット上で毎回調査されてる方がおられますが、結果は芳しいものではありません。それでも「続けてるだけマシ」レベルです。使わなければどうにもなりません。そこを無意味に「利用促進」だけ言い続けるのなら退場して貰うしかありません。路線維持は不可能です。

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