北海道の交通関係


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北海道の少子・超高齢化・そして「働ける人がいなくなる」社会

2018/05/20

北海道は全国平均より早く「少子高齢化」がやってきました。それに対しての対策は進まず、今や取り返しのつかない状況に陥っています。
10年、20年後運輸・交通に限らず、路線維持だけでなく日常的な移動にすら困るような状況は目の前まで来ていますが、未だにJRの路線維持さえさせれば解決するような単純なお花畑理論がマスコミ各社をはじめまかり通っていることに危機感を感じます。

釧路新聞 2018年05月02日
深まる超高齢化社会 釧路
http://www.news-kushiro.jp/news/20180502/201805022.html
>釧路市の住民基本台帳(3月末現在)の総人口はは昨年同期より2288人も減少しているのに、65歳以上の高齢者人口は908人増の5万5345人に増えている。
同様に75歳以上の後期高齢者人口も594人増の2万7205人に増え、高齢者に占める後期高齢者の割合は49・16%とほぼ半分に迫り、超高齢社会が深まっている。


北空知新聞 2018年05月02日
秩父別 町の若手職員が葬儀の手伝い
https://www.fukanavi.com/rmxdkryjytfy/index.php?id=71295
>【秩父別】今年で8年目を迎えた町内で実施する葬儀に町の若手職員をボランティアで派遣する事業が、じわっ、と浸透している。町民から「助かる」との声が寄せられるなど、人口減・高齢化・核家族化に伴い冠婚葬祭もままならない細るコミュニティーを補完している格好だ。


北海道建設新聞 2018年05月08日
生活物資やサービス提供 「コンビニバス」の可能性
https://e-kensin.net/news/105666.html
> 地域の課題解決に取り組むNPO法人フューチャー北海道は、生活物資やサービスを移動しながら提供する「コンビニバス」を提案している。このほど札幌市内で、2016年度に実施したコンビニバスの実用性や需要に関する調査の結果報告会を開いた。
ネット通販の普及で日用品の宅配が増加する一方、身近な買い物の足となる路線バスは、利用者減少によるサービスの廃止や縮小が相次いでいる。
免許返納などで移動手段をなくした地方の高齢者が課題となる中、同法人は、人だけでなく物資やサービスを運ぶことができる「コンビニのように便利なバス」を発案。コンビニバスのバス停を新たなコミュニティーの場として、地域を再生することができるとして、実現を目指している。


北海道新聞 2018年05月20日
運転手不足対策 船や鉄路が活路になる
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/191140
宅配貨物をはじめ小口輸送の需要増大などに伴う全国的な運転手不足が深刻化し、効率的な物流網の再構築が急務となっている。
道内関連では室蘭市と岩手県宮古市を結ぶ定期フェリーが来月、就航するなど新たな動きが出てきた。大量に運べる船や鉄道への貨物の集約効果に期待したい。
遠隔地を結ぶルートから地域の戸別配送まで、物流網は道民生活と産業を支える上で欠かせない。機能の充実に向け、官民で知恵を絞る必要がある。
国土交通省によると、宅配便の取り扱い個数は5年で15%増えた。総合物流施策が運転手不足対策として、海運や鉄道輸送に転換するモーダルシフトや輸送共同化を掲げたのはうなずける。
道内は拠点都市間が遠い上、道外と海で隔てられ、海運や鉄道輸送は要だ。その活用により、地球温暖化につながる二酸化炭素の排出量を減らす効果も期待できる。
川崎近海汽船の室蘭―宮古航路は、苫小牧と道外を結ぶ航路であふれた貨物や、新たな需要を取り込む可能性がある。
苫小牧でフェリーに乗れなかったトラックが、青函を結ぶ船に乗るため函館まで走れば、余計な時間がかかる。新航路は運転手の負担軽減にもつながるだろう。
栗林商船は苫小牧―東京を往復する貨物船「神明丸」の航路を近く、清水(静岡県)、大阪、仙台にも寄る形とする。
長距離輸送と戸別配送の分業に一層、力を入れてほしい。
一方、鉄路ではJR貨物による道央から道東へのビールの共同配送などが行われている。
気がかりなのはJR北海道が単独で維持困難とする路線にJR貨物が走る石北線や、室蘭線と根室線の一部が含まれる点だ。
タマネギ、ジャガイモなどは鉄路で運ばれており、JAふらのの存続要請決議に続き、JA北海道中央会は国交省に鉄道輸送力の確保を求めた。
JR北海道の経営難の背景には、旅客各社にJR貨物が支払う線路使用料が抑えられているルールがある。
国は物流網を社会基盤と位置づけている以上、持続可能な負担方法を検討すべきだ。
2年前から道東や道北などで導入された、路線バスに宅配貨物も載せる「貨客混載」は13路線で本格運行し、宅配トラックの運用効率化につながっている。
柔軟な発想で荷主や運輸業者、行政の連携を深めてもらいたい。



最後の北海道新聞社説など、何を言ってるんだお前はの典型であって、未だ鉄道は余剰人員を抱え人員不足に陥るわけが無い、路線さえ維持されれば物流網は安心という前時代的な観点を隠そうともしません。

運輸に関してだけとりあえず取り上げますが、運輸部門での人員不足はバスとの混載や鉄道輸送だけではもう間に合わない事態になっているわけです。今や7000人規模しかいないJR北海道にとっても、従業員不足は既に始まっています。単純に計算してみましょう。7000人が新入社員から退職まで30年働くとして年間233人退職するわけです。実態は国鉄末期に人員を取らず、いびつな人員構造になっているJR北海道は退職者よりも多く人を取らなければ破綻します。定年延長や嘱託社員でやっと回しているのが現状です。JR北海道の今年度の新入社員は昨年300人、今年度も314人です。これと、彼らを育てる社員研修センターすら高額と批判した北海道新聞ですが、これから「路線網を維持する」ことについて全く理解していない報道機関ということがわかります。

鉄道の運転士養成にはそれなりの年月がかかります。クルマの運転のように学科試験、技能試験だけでは終わりません。そして運行管理や車両基地の人員も当然列車運転のための国家資格を必要とします。そのあたりバスやトラックの乗務員より厳格さを求められるわけです。今JR北海道が職員を採用しなくなれば、それは鉄道をやめるという話になるわけで、従業員数が多い、給料が高すぎると単純な批判を繰り返す北海道新聞をはじめとするマスコミと壊れたテープレコーダー以下の自助努力と言い続ける北海道知事や沿線自治体を心底軽蔑します。

さて、では、運輸に関する人材不足にどう解決していくのか?という面は「集約化」しかないわけです。まず、路線トラックの集約。ジャストタイムではないために各社が自社でトラックを出すわけで、それを受ける側の運送業者もいまはそれを受けられるだけの人材を抱えていません。ならば荷主は多少の時間差を受け入れ1台当たりの積載効率を上げていくしかないわけです。

そのなかで鉄道貨物をどうするかという議論になるはずです。道新が言う道東方面の貨物はほとんどがジャガイモ、タマネギなどの農産物輸送で、道東方面へは「空のコンテナ」を運んでいるわけです。これを方荷問題といって、JR貨物も儲からず、状況としては「辞めたい」と思っている路線が多々あるわけです。つまり「荷があること」で儲かるわけではありません。「両方向に荷があるから」こそ鉄道貨物は生きるのです。

例えば一時貨物列車の撤退を示唆した石北線北見駅の平成27年貨物取扱量は
発送310,232t
到着49,667t
と大きな乖離があります。
しかし、
根室線新富士駅・音別駅合わせた平成27年貨物取扱量は
発送116,980t
到着78,050t
と北見駅より発送量が大幅に少ないながら、こちらの廃止問題は発生していません。見ての通り発送と到着の差が少ないからです。音別駅の大塚製薬の原料・商品発送、新富士駅の紙、乳製品発送、LNG到着など、これは「年中安定した到着、発送がある」から貨物会社も貨物列車を維持できるのです。

石北線や根室線富良野などの沿線は「鉄道貨物は必要」と声を揃えていますが、農産物輸送しか無い以上定期的な貨物列車を運行できず、貨物会社にとってはこのためだけに余計な機関車、貨車を用意しなければならない非常に非効率な運行を余儀なくされているから「存廃問題」がおきることを理解しなければなりません。また、1個のコンテナの運賃が非常に安く、そのために北海道から本州西部、九州への農産物輸送はほぼ鉄道が100%シェアを持っていますが、逆に貨物会社からしてみれば安い運賃で長距離を、しかも季節限定で輸送しなければならない厄介な貨物ということになるのです。

では、石北線や富良野の自治体、通運業を含む地域ではどうすれば良いのかといえば「年間通じた貨物の取り扱い」を考えなければならないのです。北見駅の廃乾電池処理輸送、LNG輸送(これは現在帯広貨物駅からトラック輸送されている)などの増加もありますし、地域も鉄道貨物を守るために鉄道発送、受け入れをするという意識を持たなければならないのです。
石北線沿線は貨物列車維持のために貨物コンテナをJR貨物に寄贈したが、これも北見市・美幌・訓子府は協力したものの沿線の多くの自治体は「自分達は発送していない」と非協力だった。こんな状態では鉄道貨物を残せない。

そのような状態でも沿線の道路には多数のトラックが走り回る。これを集約化しなければトラック輸送すらできない状態になるほど深刻な労働力不足が起こっているのに未だ解決しようとしていないのだ。
鉄道を残すなら「荷物を運ばせる」しかない。鉄道が無くなってからトラックの労働力がいないから運べないと泣きついたところで意味が無い。今動かなければならないのだから、石北沿線は特に危機感を持って欲しいと思う。まず、沿線市域で「北見への到着貨物」を作り出す努力=トラックからの移行を進めることが第一歩だ。これは富良野あたりもそう。「オレたちの農産物をコンテナ一個たった10万円で九州に送れる便利なツール」が多大な赤字体質で維持されていることを当然と思うことがおかしいし、無くして欲しくなければ必ず他の荷物も受け「目標は貨物列車の通年運行」でなければならないのです。

次に各社の「路線トラック」の集約化。1人のドライバーが夜通し走って届けるという形を少なくすることです。やっとドライバーが途中で交代し逆側のトラックで戻る(出発点にドライバーが戻ることで労働条件を改善する)などの対策が始まっていますが、逆に中小の運送会社ではそれができていないのですから、ある程度の規模を維持できない運送会社の淘汰も必要なことです。市場開放で異常に安い金額で参入した中小運送会社が業界ルールを逸脱し労働問題と事故を生んでいる土壌もあるわけです。

「どうせ客乗ってないんだから路線バスに貨物乗せれば良い」これが道新の主張だけど、これ、良い考えだと思いますか?
バスも季節で満席になったりするわけです。今日は荷物載せられませんよはできないんですね。だから今は「客が数えるほどしか乗っていない地方路線」だけでしか実験が行えていない。そもそもドライバー不足は宅配だけで起きてるわけじゃない。もっと基幹輸送の現場で起こっている。これは「社会が回らなくなる」という問題なんです。だから安易に鉄道に載せればバスに載せればという単純な問題で回避できないんですよ。バスに載せるは宅配便の一部でしか使えない方法であることです。これで全てを解決することはできません。

結局社会を「ジャストタイム」から「ウエイティングタイム」を認めるように変えていくしかないんです。必ずモノが揃っている店から、多少の欠品は容認できる社会への変更、○日までに欲しいから○日くらいに欲しいへの変更。

それがなければ労働力不足でただ不便になると喚くだけになります。逆に許容をすれば別なルート、混載、鉄道等物流をまだ維持できる土壌があるのも事実なんです。結局は一人一人の寛容性に関わるのです。

北海道の交通関係 JR北海道 石北線 路線バス 免許返納

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