北海道の交通関係

「ライドシェア」も「自動運転車」も公共交通の代わりにならない

2018/05/21

お役所やマスコミが「新しい物好き」なのは今に始まったことではなく、多少得体の知れないモノでも何か新しいモノに取り組んでいるという姿勢を見せるためには新しいモノで釣るのは非常に得策です。

留萌管内の天塩町がライドシェア「ノッテコ」と提携して1年ほど経っています。実証実験ではドライバー登録者30名ほど、同情登録者50名ほどで半年推移したことが報告されています。たしかに天塩町から稚内までのバス路線は無く、非常に行き来が不便であるという現状からこれは問題点の一つであろうと思うわけです。その解決としてライドシェアという仕組みを設けたことはある意味では正しいことです。

天塩町から最寄りの「まともな医療機関」は稚内になります。路線バスではどうしても出発が遅くなり、JR乗り継ぎで稚内に到着するのは昼になる。これでは通院できません。なので「足」がバスやJRでは難しいというのが言い分になります。

しかし、その「足」を一般の乗用車に任せることが正しいのかは別途な話になります。町内の顔見知りさんが送ってくれるまではいい。行き帰りが別の人、まして知らない人であることは「公共交通」がその社が法律に基づいた運行をして、当たり前に有している「担保」がないわけです。
クルマに乗せる側も万一の事故はどのような扱いになるのか。これについてノッテコのWEBでは「事前に保険加入状況の確認をおすすめします」としています。本当に対人対物搭乗者保険等が加入され、「個人用の自動車保険で同乗者を乗せて事故を起こした場合、ビジネスに使用していたとみなされると同乗者に関する保険金がおりない可能性がある」のかを確認する術はないわけです。

バス会社が営業区域や始発地の出発時間などの関係で天塩町にちょうど良い時間のバスを出せない以上天塩町が遠別町・幌延町などと合同でバスを出すなどの対策はあっても良かったのではないかと思う部分ではあります。また、これは設定時間的に問題がありますが、宗谷バスの「わっかない号」等都市間高速バスの一部区間便宜利用を認めるような交渉を行うことも一つの方法でしょう。

本当のところは元々「白タク」行為が横行しており、これをなんとか「合法」にすることを考えて、苦肉の策で導き出した方法にようにも思えるわけです。

個人的にライドシェアの考えは、特に公共交通の不便な地域においては必要なアイテムの一つとは思っています。しかしながら、それは、基本的に「タクシー」に近いものでは無ければならないとも思っているのです。今なら天塩の人が稚内空港から飛行機に乗りたいとなるとライドシェアでの移動は難しい。多くの「乗せてくれる」人は空港に行かないでしょう。これが稚内空港の利用者数の面でも問題なわけです。それならば、稚内近郊市町村に行き来できる「乗合タクシーネットワーク」を作る方がよほど理にかなってるようにも思うわけです。そのピースの一つにある程度の講習と車両や人身保険を完備した「ライドシェア」も入れていく。つまり地域の「副業」の一つとしてのライドシェア+タクシーという考え方です。これぞ「特区」のような形でやるべきものでしょう。

稚内クラスの人口で、今後「バス」も「鉄道」もおそらく地域内の一部でしか維持できません。それ以外の多くの場所は多くても数人のタクシーレベルの客しかいない状況になります。そのためにも「高速都市間バス」の一部開放も含めて幹線と枝線のはっきりした区分と路線網を構築するしか無いのではないかと思うわけです。

そして、良く期待されている自動運転車に関しては、特に保険の問題、事故時の責任の所在という面で数年で実用化できることは無いし、10年、20年レベルでもそれが「メインストリーム」になることはないでしょう。もちろん開発は必要ですし、ある程度の実用化は進みますが、それに期待しすぎた街作りをいますることはできません。今自動運転を大げさに言う議員や企業があればほら吹きです。もっと堅実にこれからの人口減を生きていかなければなりません。そのためにも「交通」に関しては早急な構築が必要なのです。

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