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札幌-帯広を巡るJR北海道対高速バスの戦い

2018/05/22

札幌と帯広の間は1日当たり2500トリップ(単位:千人/年)ほどの行き来があります。ざくっと1日7000人です。このうち4割近くをJR北海道の特急列車が分担してきました。しかし、2007年に道央道日勝峠区間が開通、2011年には高速道路だけで札幌-帯広が全通し、鉄道の分担率が30%程度まで下がっています。
一例を挙げますとゴールデンウイーク期間中の特急列車の利用状況として公開されている2007年は1日5000人程度あったこの区間の特急利用者が、2017年には2890人。(あくまで連休期間中の集計を1日当たりで割った数であることに注意)大幅に減っていることがわかります。

JR北海道は便数を維持しながらも列車の両数を短縮しているのが現状です。では、鉄道利用者がどこに移転したのか。多くはクルマ(自家用車)に移転しています。現在65%程度が自家用車利用で、これが非常に大きいのです。

北海道新聞 2018年04月20日
帯広―札幌高速バス「ポテトライナー」2往復増便 6月2日から土日祝日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/181817
> 北海道中央バス(小樽)、十勝バス(帯広)など5社は19日、共同運行する帯広―札幌間の高速バス「ポテトライナー」を、6月2日から土日祝日に2往復ずつ増やし、12往復にするダイヤ改正を発表した。単身赴任者や買い物客らの利用が好調なため。


さて、札幌-帯広の高速バスですが、今回土日祝日に12往復まで増便することが発表されています。高速バスの分担率は2.5%ほど。1台あたり20人程度の利用がある計算になります。しかしながら鉄道の11往復に対して12往復、1時間半から30分間隔となります。所要時間は3時間半から4時間程度となりますが、片道3,770円往復割引や学生割引などもありますのでJR利用よりも安価でした。

北海道新聞 2018年05月22日
特急スーパーとかち、ネット予約で55%引き 7月運行分から
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/191670
> JR北海道は21日、インターネットによる早期予約限定で、札幌―帯広間の特急「スーパーとかち」の運賃を55%引きにするサービス「お先にトクだ値」を始めると発表した。片道大人で通常7220円の同区間が3240円となる。


これに対抗してJR北海道も割引切符を出すようになります。JR北海道は過去に「お得なきっぷ」を整理し、現在は往復割引よりもネット限定で片道が割り引かれるタイプになっています。席数を限定できることもありますので、JR側としても安売りだけで席を埋まらせない工夫ともいえます。

しかし、本当のところはバスも鉄道が相手ではないわけです。クルマに逃げた客をどう取り返すかという話が大事です。現実にクルマの場合高速道路をかなりな無謀運転で行けば鉄道並みの時間で帯広まで行くことができます。それが必要なのでは無く、鉄道でもバスでも「プロの運転」で安心して移動できるルートとして存在しなければなりません。高速バスにとっても競争相手は鉄道では無くクルマなのです。

十勝では新しい試みも始まります。

北海道新聞 2018年05月19日
JR→バス 接続スムーズ 十勝で道がモデル事業 ダイヤ調整、停留所 駅直結に
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/190936
> 道は本年度から、鉄道の到着時刻に合わせて路線バスの出発時刻を設定するなど、公共交通機関の乗り継ぎの際に切れ目のない運行体系を目指すモデル事業を十勝管内で始める。住民や観光客の利便性を向上させ、新たな利用客を掘り起こすことで事業者の収益を確保する狙い。
道は本年度から、鉄道の到着時刻に合わせて路線バスの出発時刻を設定するなど、公共交通機関の乗り継ぎの際に切れ目のない運行体系を目指すモデル事業を十勝管内で始める。住民や観光客の利便性を向上させ、新たな利用客を掘り起こすことで事業者の収益を確保する狙い。


列車で帯広についても接続のバスが無いという現状を少しでも解決する方策としてこのような仕掛けは歓迎したいです。鉄道を幹線とし、鉄道から、鉄道へのアクセスを利便良くすること。これは大事なことです。
また

北海道新聞 2018年05月21日
帯広駅前のバス待合所刷新 「おびくる」 25日開業、自転車貸し出しも
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/191296
> 帯広市が改築を進めるJR帯広駅前の新待合所「バスターミナルおびくる」が25日、オープンする。乗客の利便性を高めるとともに、観光情報発信の拠点にする。 おびくるは鉄骨平屋建て、床面積298平方メートル。
帯広観光コンベンション協会などが行うレンタサイクルの申込窓口を設け、折りたたみ自転車や電動自転車、マウンテンバイクなどを有料で貸し出す。予約は不要。窓口には十勝管内のイベントや観光案内のチラシを置き、スタッフが常駐して観光案内にも対応する。


帯広市は駅前のバスターミナルも改装しました。駅周辺にちゃんと案内所を設ける。これができていない都市がいくつかあります。公共交通機関を利用して貰うようにすることは大事なことです。

そして、JRもバスも、ある程度の相関関係をもってこの都市間に参入していきたい。JRは特にまちまちな運行間隔をある程度等間隔にする必要がありましょう。特に速度差があったり停車駅に差があるのも含め、改善していきたいところです。札幌-旭川のような等間隔1時間おきが理想ではありますが、そうでないにせよある程度の運行時刻平均化は必要です。

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