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北海道の交通関係
JR北海道の役員人事に見る今後
2018/05/25
JR北海道の役員人事の骨子が決まり発表されました。
日本経済新聞 2018年05月21日
JR北海道、会長に白川氏 須田氏は退任へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30767460R20C18A5L41000/
> JR北海道で会長の須田征男氏(74)が退任し、後任に元JR東日本常務でCSP(セントラル警備保障)相談役の白川保友氏(71)が就任する。2014年4月から4年会長を務めた須田氏に続き、2代続けてJR東出身者がJR北の会長に送り込まれることになる。島田修社長(60)は続投する。月内の閣議決定を経て、6月の株主総会後に就任する。
白川氏は1971年、国鉄に入社。民営化後のJR東日本では車両製造関連の部門や、鉄道の利便性を高める部門などが長い。安全運行の徹底と経営再建の両面で手腕が期待される。
島田社長は留任する。同社は単独では維持困難な13路線の見直し作業を進めていて、国は今夏をめどに同社への支援に向けた一定の方向性を出す考えを示している。夏以降も沿線地域での議論が活発になることが予想されるため、島田社長が引き続き指揮を執り対応にあたる。
JR東から送り込まれていたJR北副社長の西野史尚氏(59)はJR東に取締役として戻る。西野氏に交代する形でJR北はJR東横浜支社長の渡利千春氏を迎える。ただ西野氏はJR北の鉄道事業本部長として同社が進める路線見直し問題で中心的役割を担っている。当面はJR東取締役とJR北副社長を兼務する。渡利氏の役職案は月内に開く取締役会で決める。
JR北は13年、函館線での貨物列車脱線事故を契機にレールの検査データ改ざんが発覚。14年に当時の野島誠社長と小池明夫会長が退任した。後任として同年4月、須田会長と島田社長が就任して現体制となった。11年11月以降は社長の在籍期間が2年以内の状況が続いていたが、島田社長は5年目に入る。
JR北は新たな経営陣で再建を加速させる。島田社長は路線見直し問題について「年内には解決の方向付けを決着させたい」としている。沿線地域の協議は進捗に濃淡があるが、国の支援検討が大詰めを迎えており、支援のめどがつけば各地の議論も前進しそうだ。JR北にとって「問題解決の年」(島田社長)になるか、新布陣の手腕にかかっている。
北海道新聞 2018年05月23日
JR北海道の再生託す 白川会長新任、島田社長再任 政府了解
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192042
> 政府は22日の閣議で、JR北海道の須田征男会長(74)の後任にJR東日本元常務の白川保友氏(71)を充て、島田修社長(60)を再任する人事を了解した。6月20日の株主総会と取締役会後、正式に就任する。
北海道新聞 2018年05月24日
JR北海道 副社長に小山氏 西野氏と当面2人体制
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192434
日本経済新聞 2018年05月24日
JR北、副社長2人に 路線見直しなど議論加速
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30928030U8A520C1L41000/
> JR北海道は24日、同社副社長に小山俊幸専務を昇格させる人事を発表した。JR東日本出身で6月に同社取締役への就任が決まっている西野史尚副社長もJR北が進める路線見直し問題にめどがつくまでJR北副社長を兼務し、当面は副社長2人体制を取る。
JR北は副社長ポストを1枠増やして専務の小山氏を充てる。小山氏は西野氏の退任後の後任として路線見直し問題などの対応にあたる。西野氏の具体的な退任時期は明言しなかった。 副社長2人体制をとることについてJR北の島田社長は「異例の体制」と説明。
北海道新聞 2018年05月25日
JR北海道人事 退任の須田会長 安全再生「一定の手打てた」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192758
6月20日にJR北海道の代表取締役会長を退任する須田征男氏は24日会見し、任期中の安全再生の取り組みについて「設備面で本当に重要なところには一定の手を打てた」と強調した。その上で、「鉄道は99%現場の力で動いている」とし、厳しい気候条件のなかで仕事に取り組む現場社員への感謝を繰り返した。
須田氏は元JR東日本常務。2011年の石勝線特急脱線炎上事故後の安全体制確立のため、14年4月にJR北海道会長に就任した。須田氏は任期中、安全再生のために「人材の育成と設備の強化、更新をやってきた」と述べ、現場の人材について、「安全に対する非常に高い熱意を強く実感している」と力を込めた。
印象に残ったこととして、現場の社員が「(設備の)老朽化をカバーしてなんとか列車を動かそうとしていた」ことを取り上げ、「この会社は絶対再生できると思った」とした。また、北海道新幹線の開業前、工事の遅延を防ぐために、JR東日本やJR貨物などが列車の運行減で協力したこともあげて、「薄氷を踏む思いの新幹線工事だった」と振り返った。
須田氏は退任後、当面は公職に就かない予定。「東京に帰り、少し充電したい」と述べた。
北海道新聞 2018年05月25日
JR北海道人事 「東日本頼み」色濃く 西野副社長続投、路線問題打開へ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/192759
JR北海道は24日発表した役員人事で、JR東日本出身の西野史尚副社長を当面続投させ、昇格させる小山俊幸専務と2人の副社長を置く「異例の体制」(島田修社長)を選んだ。正念場を迎える単独維持困難路線問題の打開には、辣腕(らつわん)を振るう西野氏の力が不可欠と判断したためだ。新会長に就任する白川保友氏、新取締役の渡利千春氏を含め、経営における「東日本出身者頼み」の色はますます濃くなった。
西野氏は、鉄道事業本部長として安全運行の再構築を担い、北海道新幹線開業や札幌駅ホーム位置問題でも陣頭指揮を執った。さらに、単独維持困難路線問題ではバス転換を求める札沼線や日高線の沿線自治体などとの協議の最前線に立ってきた。安倍政権中枢にも人脈があるとされる。JR東日本では6月22日付で非常勤取締役となる予定で、北海道を離れた後は副社長就任が内定している。
島田社長は24日の記者会見で、「維持困難線区の問題は大まかな方向付けは8月までに付けるべく努力している」と説明。西野氏の功績を念頭に「この方向付けは引き続き重要任務を担う西野氏の責務。その後、各線区で具体的な解決策につなげるのが小山氏の責務」と述べ、当面は西野氏に頼らざるを得ないとの認識を示した。
新会長の白川氏はJR東日本では元常務で運輸車両部門に精通し、安全再生の新たな計画策定や技術面の指導などに期待。渡利氏は西野氏と同様に安全対策と企画の両方の部門を経験し、国や道からの財政支援を踏まえた経営再建策や2030年度の新幹線札幌開業に向けた具体的作業での手腕発揮が望まれている。
一方、島田社長は生え抜き組の処遇にも腐心した。小山氏を副社長に昇格させ「次期社長への布石を打った」(JR関係者)。総務や企画、営業と幅広い経験があり幹部候補と目されてきた綿貫泰之取締役函館支社長を常務に起用し、技術系の田畑正信常務に鉄道事業本部長を兼務させた。総務、組合対策に定評がある山口力常務は留任させ、求心力維持を図った。
JR北海道は3月期決算で400億円を超える過去最大の営業赤字となり、20年度末には資金枯渇するという深刻な危機に直面している。西野氏退任までに、東日本出身組と生え抜き組が、その穴を埋められるようになるかが、経営立て直しの鍵となる。
さて、JR北海道の各種問題に対してJR東日本から送り込まれた役員氏。彼らの果たした役割が大きかったのはここ数年の各自治体との協議で西野氏が果たした役割を思えば自明です。そのなかでJR北海道生え抜きの役員として小山氏を昇格させているわけで「JR北海道の社長はJR北海道生え抜きから今後も続けさせる」という明確な意思を感じます。
これはJR東日本が実質的に金銭面でのJR北海道救済ができるわけではないこともありますし、まして救済する義理もないわけです。JR東日本は既に店頭公開した「一般の上場企業」でありわけで、最初から赤字前提であるJR北海道を吸収することに何にメリットも無いわけです。
しかしながら、役員人事上JR北海道に送り込んだ西野氏を将来的にはJR東日本の副社長等役員として迎える準備は出来ており、厳しい環境での貴重な経験が今後JR東日本でも活かされることを踏んだとも言えます。JR東日本とて東北等の需要の減りきった路線を単純に維持することなど不可能で、JR北海道以上の大鉈を振る必要になる可能性は捨てきれません。そのときに必要な「実績」を積ませたとも言えます。
JR北海道の新会長となる白川氏はJR東日本の車両運輸車両部長を努めていた方。鉄道畑からはしばらく離れており、JR北海道の車両開発に関して今後どのような影響があるのかは気になるところでもあります。しかしながら新幹線車両をはじめ、結果的にはJR東日本と共同開発、同一車種などの必要性は今後増すわけで、このタイミングでの起用は当然北海道新幹線札幌開業への準備と切り離せないでしょう。
ただ、北海道と本州の車両面での違いは大きく、JR東日本の思想で作られる車両が必ずしも北海道に合わない可能性はあろうかと思います。在来線では現在H100型気動車がJR東日本とほぼ同一車として現在試験が続けられていますがその結果も気になるところです。
個人的にはJR東日本横浜支社長だった渡利氏のJR北海道副社長起用についてです。横浜支社での伊豆方面への観光新車両や管内駅のリニューアルを行った実績はありますので、札幌圏の商業拡張などを期待されているのかもしれません。西野氏が仙台支社長からの抜擢であり、JR東日本側にそういう流れがあるとも言えますが、あくまでJR北海道への出向が「歴任」では困るわけで、西野氏が今まで鉄道事業本部長、安全統括管理者としてJR北海道諸問題に矢面になっていたことを考えると、今しばらくは副社長兼務とは言え、失うのは惜しいとも思うわけです。とはいえ、西野氏も心労も多々あったとも思われ、北海道への貢献という意味でももっと惜しまれて良い方と思います。
これからJR北海道の行く末は北海道新幹線の集客如何によっても変わります。JR東日本も札幌開業に向け東北新幹線のさらなる高速化、増便への設備投資を行います。設備面、営業面での連携は不可避です。北海道のメディアも「東日本頼み」色濃くなんて書いている場合ではなく、単純にJR北海道だけでは北海道新幹線の集客は維持できないこともわかった上での視点が欲しいところです。現在の北海道新幹線の苦境もJR東日本が北海道に送客することが東北から批判されていることもあるわけで、北海道向けの旅行商品を絞った結果でもあるわけです。また、東北新幹線の東北地区に配慮した鈍足な北海道新幹線列車を今も維持していることも原因の一つです。批判するならばそういう面も見なければなりません。