北海道の交通関係

北海道の鉄道車両の「冷房化率」

2018/05/30

現在40代以上の方でしたら、1990年代まで首都圏や関西圏では「鉄道車両の冷房化率」という記事が必ずこの時期に掲載されていたのを思い出すのではないでしょうか。
鉄道車両の冷房化は1970年代から始まって、当時技術的な事情で冷房化が進まなかった地下鉄線も含め、現在よほど特殊な車両を使う路線以外は冷房の無い列車に乗ることはまれです。

夏でも涼しいといわれる北海道ですが、それでも真夏日を記録する日もありますし、内陸部やオホーツク海側など気温的には本州より高くなる地域も少なくありません。
しかしながら交通機関の冷房設置はなかなか進みませんでした。国鉄からJRへ転換された1987年当時、北海道で運用される鉄道車両で冷房が設置されていたのは特急用車両と、急行グリーン車、夜行急行の寝台車や座席車で運用された一部の急行列車だけでした。(1987年には既に急行グリーン車は全廃されていたはずです)

JR北海道が普通列車用車両ではじめて冷房を取り付けた車両が民営化直後から製造され、今も札幌圏で活躍するクロスシート車両721系で、この車両は民営化後の札幌圏輸送の標準的な車両として設計されました。特急と見まごうほどの車内設備と性能を持って、一部の窓をのぞき固定窓となりました。夏といえば窓全開で走る列車しか経験の無い札幌近郊の利用客には非常に好評だったわけです。
札幌圏以外では1993年に富良野線用に導入されたキハ150が最初となりましょうか。盆地気候で寒暖の差が激しい旭川近郊のサービスアップのために導入されましたが、その後の増備が少なく旭川近郊をはじめ札幌圏以外の普通列車の多くは非冷房のままとなっています。
札幌圏ではそれ以前から運用していた711系電車(赤い旧型車両)の一部も冷房化。学園都市線用の気動車も多くが冷房化されました。その後これらの車両は引退、転属され、現在札幌圏の列車はほぼ100%の冷房化率を達成しています。

それでは現在の各路線の冷房化率を見てみましょう。まず、札幌圏です。
・千歳線(白石-沼ノ端)
 ほぼ100%(千歳-南千歳に入る石勝線普通列車以外は全ての車両が冷房車となりました)
・函館線(小樽-札幌-岩見沢)
 ほぼ100%(札幌始発の旭川行きのみ非冷房車。運用の都合で札幌発然別行きの始発列車に非冷房車が入る可能性がある)
・学園都市線(桑園-北海道医療大学)
 ほぼ100%(石狩当別から石狩月形方面へ直通する列車以外全て冷房車で運行)

では、地方を見てみましょう。
・函館近郊
 はこだてライナー以外の普通列車は全て非冷房車。
・室蘭近郊
 室蘭-東室蘭の特急車両での普通列車と、室蘭-苫小牧の一部列車以外非冷房車。
 室蘭-苫小牧はおよそ半分の車両が冷房車となります。
・旭川近郊
 富良野線はほぼ100%冷房車。函館本線の約80%程度の普通列車は冷房車。それ以外は非冷房車。
・北見・帯広・釧路近郊
 全て非冷房車

こうなります。普通列車で冷房装置を積んでいる車両が走るのは札幌近郊、小樽-長万部・岩見沢-旭川・旭川-富良野・苫小牧-室蘭のみで、それも多くの場合全てではありません。

夏の暑い時期、走行中はそれなりにさわやかな風が入ってくる列車ではありますが、さすがに21世紀もそれなりに過ぎた中、未だに非冷房の列車を頑張らせているのも、いくら何でも酷いかなとも思うところです。
今後JR北海道は既存の普通列車用気動車を新型車に置き換える計画を発表しましたが、まだその時期、規模がはっきりしませんので、まだ少なくとも10年は冷房の無い列車とつきあう必要があります。

なお、当サイトの「北海道鉄道時刻表」では冷房車をある程度見分けられるようになっています。札幌近郊以外では「143」「150」「721」「733」となっているものが冷房車になります。(150の一部は非冷房の場合がある)先の通り札幌圏の列車はほぼ冷房車ですので「40」表示の列車以外は冷房車になります。

「冬にも冷房」が入ってるのは何故?
ネットの投稿でJR北海道はこんなに寒いのに冷房動いてるぞアホなのか?ってのを見かけます。最近の車両は「エアコン」ですので、冷房装置と足下のヒーターでちょうど良い温度を作り出す仕様になっています。また、空調が動いていても冷房では無く換気運転もありますので、必ずしも「クーラー」が入っているわけではありません。
ただし、JR北海道の車両の設定温度は車掌さんに寄りますが極端な場合がありますので、極端に暑い寒いは乗務員に言った方が良いでしょうね。特に夏の昼間暑い日、夕方以降に急激に冷えているときも冷房が強力に効いている車両に乗ったことがあり、いくらなんでも寒いと車掌に申し出た時があります。

バスの冷房化の現状は?
北海道内の路線バスも高速バスや長距離路線以外の冷房化は遅れていました。札幌市内の路線バスで冷房車が新車で入るようになったのは1989年以降で、2000年頃でもまだ冷房の無いバスが運行されていました。
地方のバス会社は首都圏などから中古車を導入し、1990年代頃から一気に冷房化が進みました。特に寒暖の激しい旭川近郊では本州からの中古車を大量に導入して完全冷房車になったんですよね。これは1970年代から冷房車が導入された首都圏と、先のように80年代後半でもまだ冷房車が導入されなかった北海道の差で、首都圏の10年程度使用した冷房車の廃車が大量に発生し、これが流れてきたとも言えそうです。
バスの耐用年数は15年から20年程度ですので、現在北海道内でもよほど特殊な事情が無ければ冷房の無いバスを見ることは無いと思います。稚内でも網走でも根室でも冷房の無い車両を見ることはありません。

地下鉄・市電の冷房化の現状は?
札幌市営地下鉄には現在においても冷房車は1両もありません。トンネル内が比較的涼しい上、旧型車両での電熱によるブレーキ(モーターを発電機として電気を熱に変えてブレーキ力とする)も現在は皆無であることもあり、冷房は入っていないようです。また、暖房は設備されていますが、節電を受けて厳冬期もあまり使用しないようになっています。ですので、夏季冬期はあまり快適では無い列車であることが多いですね。特にラッシュ時は結構キツい。
市電については新型車両ポラリス以外は非冷房です。新型車両は3編成しかおらず、基本的に2編成しか使用していないので、1時間に1本程度しか冷房車がないことになります。

なお、当サイトの市電時刻表で「低床」マークのあるものがこのポラリスで運行されますのでご確認ください。

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