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花咲線「観光列車」と摩訶不思議な沿線自治体の「資金調達」

2018/06/02

JR北海道の「当社単独では維持することが困難な線区」に含まれている通称花咲線(根室線釧路-根室間)に新たな観光列車の試みを行うという報道から約2ヶ月。6月1日から運行が開始されました。

根室新聞 2018年05月30日
花咲線を観光列車に 6月1日に開始セレモニー【根室】
http://www.hokkaido-nl.jp/article/6235
根室市観光協会(小林茂会長)は、JR花咲線の利用促進策の一環としてJR北海道が6月から取り組む「いつもの列車で観光気分」の開始セレモニーを6月1日午前8時から行い、同8時22分発と同10時51分着の乗降客にパンフレットと記念品をプレゼントする。また、根室発には長谷川俊輔市長も体験乗車する。


毎日新聞 2018年06月01日
花咲線の景勝地で徐行、乗客が車窓の眺め満喫
https://mainichi.jp/articles/20180601/k00/00e/040/355000c
JR北海道は1日、花咲線(根室線・釧路-根室間)の利用促進を図るため、定期列車の上下各1本について沿線の景勝地で通常の半分程度の速度で走らせる取り組みを始め、乗客は車窓からの眺めを満喫した。 対象は釧路午前8時18分発と、根室午前8時22分発の便。
「いつもの列車で観光気分」と銘打ち、エゾシカが多い別当賀-落石間(1.8キロ)とラムサール登録湿地・別寒辺牛(べかんべうし)湿原を通る厚岸-糸魚沢間(1.5キロ)で、時速約30キロで走行。本土最東端の駅「東根室駅」では2分間停車し、記念撮影ができるダイヤにした。


日本経済新聞 2018年06月01日
湿原・海岸線付近、花咲線が減速 JR北、11月末まで
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31276750R00C18A6L41000/
ゆっくり車窓を楽しんで――。JR北海道は1日、根室本線花咲線(釧路―根室)の一部区間で速度を通常の半分に落とす運行を始めた。11月末まで実施する。終着駅の到着は1~3分遅くなるが、湿原や海岸線が間近に迫る眺めを楽しんでもらい、乗客の観光気分を盛り上げる。
湿原を間近に見ながら観光気分を味わえる(厚岸―糸魚沢駅間) 画像の拡大 湿原を間近に見ながら観光気分を味わえる(厚岸―糸魚沢駅間) 区間は厚岸―糸魚沢間のうち1.5キロ、別当賀―落石間の1.8キロメートルで、午前8時台に釧路、根室両駅を発車する上下各1本の列車で実施する。


釧路新聞 2018年06月02日
「観光列車」花咲線スタート/JR北海道
http://www.news-kushiro.co.jp/news/20180602/201806021.html
午前8時22分根室駅発と同8時18分釧路駅発の普通列車。根室駅と東根室駅では事前予約で名物弁当も購入できる。この日は釧根両地区の関係者らも乗車。車窓に広がる海岸、湿原などの絶景に乗客から「素晴らしい景観を再認識した。
存続に向けて沿線で連携していきたい」「景色をゆっくり見せるのは良いこと。(写真共有サイトの)インスタグラム用の写真も撮りやすい」と高評価だった。


北海道新聞 2018年06月02日
「観光列車」花咲線出発 景勝地で低速運行「じっくり楽しめた」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/195558
> 【根室、厚岸】JR北海道は1日、花咲線(根室―釧路間)普通列車の一部を観光列車として運行する「いつもの列車で観光気分」を始めた。乗客は景勝地での低速運行やスマホの音声案内を通じて沿線の魅力を満喫した。
JR北海道が「単独では維持困難」とする花咲線の乗客増への試み。上下線各1本が別寒辺牛(べかんべうし)湿原(釧路管内厚岸町)と落石(おちいし)海岸(根室市)を通る際、速度を30キロ程度に落とす。国内最東端の東根室駅ではホームで記念撮影できるよう停車時間を延長する。
初日は上下線とも1両増結して2両で運行。沿線の首長ら自治体職員も乗車した。根室駅では根室市観光協会によるセレモニーの後、乗客45人を乗せて午前8時22分に出発。落石海岸付近にさしかかると乗客は車窓から海を眺め、写真に収めた。


詳しい内容はJR北海道のニュースリリースに記載があるのでご確認を。
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20180412_KO_itumonoressyakankou.pdf
釧路8:18発の根室行き、根室8:22発の釧路行きの普通列車で見所区間の減速、東根室駅の停車時間拡大、GPSアプリSkyDesk Media Trekを活用した音声ガイダンス
http://www.fujixerox.co.jp/solution/skydesk/skydesk_media_trek/
を行い、秋からは沿線観光資源のラッピング車も走る予定になっています。
また、「ご当地弁当」として予約を受けた弁当を出張販売することも行います。厚岸駅の「かきめし」は今や列車利用で購入するのは至難の業でしたので朗報です。

初日である6月1日は根室市などの関係者も乗車し、各駅では歓迎イベントが行われたようですが、これ、続けるんですかね?せめて根室駅での出迎えイベントくらいは毎日やった方が良いと思うんですけどね。

そもそも沿線自治体である根室市・浜中町・厚岸町の自治体サイトに本件の案内は一切無く、JR北海道にしても4月のリリース文を捜すまでこの「観光列車」についての案内を見つけることができません。

「やる気」って言葉はあまり好きではありませんが、観光列車をわが町の宣伝媒体として告知していこうという気概が全く自治体側に無く、また、JR側もあまり乗り気では無いのかな?という印象すら与えます。

そして、沿線自治体の不可思議な対応としては次のようなものが。

北海道新聞 2018年05月31日
花咲線PR、ネットで資金調達 写真撮影やPV制作 根室市が31日から募集
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/194587
【根室】JR花咲線(根室―釧路間、135キロ)の魅力を発信し利用促進につなげるため、市はインターネットで寄付を集めるクラウドファンディング(CF)を6月1日から始める。有名写真家による沿線の絶景写真撮影や、プロモーションビデオ(PV)の制作などを行う。11月末までに事業費約3300万円の調達を目指す。
花咲線はJR北海道が「単独では維持困難」とする一方、一部普通列車の観光列車としての活用や、市民有志によるイベント「ふれあいレールフェス」など、利用促進に向けたさまざまな試みが行われている。根室市も花咲線を「国策上重要な鉄路」と位置付けており、寄付金を使って魅力を全国に発信し、利用客の増加につなげたい考えだ。


根室市が募集を開始したクラウドファンディングによる花咲線PR費用調達。
「日本最東端の鉄路「根室本線花咲線」を守ろう!~美しい大自然が織り成す絶景、海と大地のグルメ路線~」なるタイトルで「ふるさとチョイス」サイトで行われています。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/312
で、この費用3000万円以上集めてやることは
・人気写真家による絶景ポイントの掘り起こし
・花咲線PRムービーの制作
・花咲線ウェブサイトの構築、運営
・その他普及促進活動
ということなんですが、これ、普通に考えて「沿線自治体が自ら金出してやるのが当たり前の内容」ではないか?と思うわけです。これに3000万円集めてもJR北海道には一銭も行かないわけで、これが一体何故「花咲線の維持」に繋がるのか皆目見当がつきません。どちらかと言えば「花咲線」という他人のコンテンツを使って自分の町のPR費用を捻出するという「詐欺」に近いものではないかと私は思うのですが。本当に「地域の宝」と思ってるなら、観光予算で出すべき内容ですし、有名写真家など使う必要も無いのです。最初から「有名写真家に費用を払う」目的があってのことではありませんか?最初からWEBサイトやPRビデオの制作会社に支払う目的があってのことではありませんか?最初から自分達の「懐」と「町」で金を循環させるのが目的ではありませんか?私は全くこの内容に賛同できません。せめて「地域の宝」の観光列車について自治体観光サイトで紹介してから言いなさいなレベルです。

「観光列車」の取り組みはJR北海道の予算が限られる中、苦肉の策としてはよくできた内容だと思いますし、足りない分は地域で盛り上げる必要があると思いますが、それについて沿線は非常に冷酷だなという印象を受けました。これでは花咲線の維持など無理でしょうね。

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