北海道の交通関係

人口減、学校統合、スーパー閉店・・・「維持」することが大事なのか?

2018/06/12
全国的に過疎地域で各種インフラが維持出来ない事態になっていることが報道されています。

 

北海道新聞 2018年06月09日
唯一のスーパー次々閉店 道内の町村 バスや移動販売支援限界も
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/197791
市町村で唯一の食品スーパーの閉店例が、道内で相次いでいる。留萌管内小平町では今月下旬、農協運営のスーパーが営業を終える。十勝管内豊頃町の店舗も年明けに閉店予定。少子高齢化による売り上げ減少と、大型店への顧客流出という地方スーパーの苦境は全道共通で、閉店が加速し「買い物弱者」が増える恐れもある。バスの運行や移動販売などの買い物支援に取り組む市町村もあるが限界があり、専門家は「店内に住民が集う場を整備し、公共インフラとして官民で守るべきだ」と指摘する。
買い物弱者問題に詳しい立教大の原田晃樹教授(地方自治)は「買い物弱者支援は買い物のニーズを満たすだけなく、高齢者らに社会との接点を提供することが必要だ」と指摘する。店内で住民が交流するスペースを設けることや、宅配による見守りを提案し「住民にも、地域の店で買い物をして支える意識が求められる」と話している。

専門家氏の意見は「まだマシな地域」ならば正しいのかもしれない。しかしながら既に町に人がいないところに「交流するスペース」があったところでスーパーが維持できるわけではない。
多くの町が駅とバス停と病院と学校とスーパー、そして役場も公民館も含めててんでバラバラの場所に存在する。そこを利用客は自家用車を使い、クルマが無ければ吹雪の中徒歩で移動する。これが現状です。

記事に取り上げられた小平町は小平地区と鬼鹿地区の大きく2つの集落に別れ、海沿いに漁業集落が、山側には農地が広がる典型的な過疎地ではあります。国鉄羽幌線が廃止されたのは1987年ですが、24時間除雪維持の国道で交通の便は担保されています。
人口は3300人程度1980年頃は6500人ほどおりましたので、人口が半分になっているわけです。
現在では小学校は小平・鬼鹿の2箇所に、中学校は小平1箇所に統合、高校は留萌へバス通学、金融機関は小平・鬼鹿に信用金庫と郵便局、コンビニは小平地区2箇所、鬼鹿地区2箇所です。その他商店がいくつか町内に存在します。
そして、唯一「スーパー」として存在したのが小平地区のAコープ小平店で、留萌市、増毛町、小平町を管轄するJA南るもいの店舗になります。既に増毛などの店舗を閉鎖しており、店舗は留萌1店舗、小平1店舗だけという状態でした。

留萌管内の人口は減り続け、ざっと埼玉県程度の面積に現在46000人ほどしかおりません。そのうち留萌市には約半分の21500人ほどが住んでいます。その留萌市には郊外型スーパーや病院などがこれまたバラバラに立てられ、バスだけでは移動に困るという状態になります。

こういう過疎問題では高校を維持せよ、鉄道を維持せよ、スーパーを維持せよと「維持」という言葉が並びますが、本来は、町を中心部集積し、徒歩圏内で済む形にするのが理想になります。小平市街地なら留萌や札幌など外部との交通拠点である「バス停」と「役場」「金融機関」「スーパー」が集積した施設を用意したいところです。それを町が運営すること。これも必要な事だと思います。

以前同様に住民に必要なスーパーが撤退し、バスも既に使えないほどに便数を落とし、鉄道駅も町外れで階段を要する状態を放置し、住民が誰も使えない「秘境駅」である小幌駅には自治体負担で「維持」している豊浦町について書いていますが、記事ではここも隣の洞爺湖町への買い物バスについて記載していますが、この状態では町に住むのは非常に難しいだろうとも思います。限られた財源を何に使うかは町が決めることではありますが、現実はこの町では高齢者のクルマが一時停止もせずにフラフラ国道に出てくるなんて日常的で、そういう車に頼らなければ日常の買い物すらできない「生存権」という意味で脅かされている現実があります。

 

NHK 2018年06月06日
公立高校の配置計画案 公表
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180606/0000556.html
北海道教育委員会は来年度から3年間の公立高校の配置計画案を公表し、生徒数の減少などにより空知の南幌高校で2021年度から生徒の募集を停止することになりました。
また、オホーツク海側の大空町にある道立の女満別高校と、町立の東藻琴高校を再編して2021年の4月から町立の新設校を設置することにしています。

 

読売新聞 2018年06月06日
女満別と東藻琴高が統合…19~21年度案
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20180606-OYTNT50014.html?from=ycont_top_txt
道教委は5日、大空町の道立女満別高(普通科)と同町立東藻琴高(生産科学科)を統合し、新たに町立高校を設置するなどの方針を盛りこんだ公立高校配置計画案(2019~21年度)を公表した。町立高の新設は2021年度とし、1学年1学級の総合学科とする。校舎は東藻琴高から引き継ぐ方向。道教委によると、道立と市町村立の高校が統合し、市町村立高校となるのは初めて。
また、今年度40人の募集に対して新入生が10人だった南幌町の道立南幌高(1学年1学級)は21年度の新入生の募集を停止し、23年3月に閉校とする。
幕別町に19年度、新たに1学年3学級の道立高校を設置し、道立幕別高は21年3月に閉校とする。新設校は同町の私立江陵高(閉校予定)の校舎を引き継ぐ。幕別、江陵両校は19年度の新入生募集を停止し、同年度の募集は新設校が行う。

札幌から比較的近い空知地方でも公立高校が維持できない地域が出てきています。また、設立経緯の異なる複数の高校が合併するのは今や不自然なことですらありません。道教委の資料ではこれから数年内にさらなる統合、学究減が必要であるとされている地域も多く、これからも高校の閉校、そして小中学生人口の減少に伴う各自治体内での小中学校の統合も進めて行かざるを得ません。
そのなかで、「通学する」ための運輸機関についても考えていかなければなりません。

 

北海道新聞 2018年06月06日
代替バスに1億円補助 夕張支線廃止で市方針
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/196687
夕張市は5日、JR石勝線夕張支線(新夕張―夕張、16・1キロ)の来年4月1日の廃止に向け、JR北海道が拠出する支援金を活用して、代替バスを運行する事業者に、初期投資費用として1億500万円を補助する方針を決めた。
市はJRの支援金7億5千万円を積み立てる基金を創設し、基金の一部を取り崩して代替バス事業者の夕鉄バス(夕張)に補助する考え。
 初期投資費用の内訳は、大型バス3台の購入費9900万円、バスの外装費300万円、停留所などの整備費300万円。市は、総務省の同意を得て市の財政再生計画を変更し、関連の補正予算案を12日開会の定例市議会に提案する方針。

一部には批判も聞こえたJR夕張支線の廃止。この鉄道が残れば通学生の足は確保できるのでしょうか?そうではありません。現実的に路線の維持は難しく、今生き残せたとしてもこれから数年内にまた廃線論議が発生します。そして沿線の路線バスの疲弊は進みそのときはもうバスすら維持できなくなるかもしれません。
夕張が恐れたのは、全ての交通機関が無くなってしまうことです。現に夕鉄バスは毎年のように減便を繰り返しています。
今回バスを新車で購入し、停留所また、高校付近に新設する複合施設の建設も含め南清水沢近郊の地区を「夕張の新しい中心地」として整備する方策が見えます。しかし、当初予定していた病院の清水沢地区への移転は「へき地」要件の関係でできず、少し離れた若菜地区になる見込みです。ただし、これらの地域はバスで結べるようになります(若菜地域には線路はあれど鉄道の駅は無い)

これから小さくなる町を「維持」するには細かくあれもこれもを同じ位置で「維持」することでは無理になります。少しでも早く衣食住と「足」そして様々な用事を近いところで済ませられるワンストップ型の町に変えていくのが、維持の必須条件のように私は思います。

カテゴリ: 北海道の交通関係 路線バス

検索入力:

記事カテゴリ

最近の100件を表示