北海道の交通関係

JR北海道の運営方法には問題は無いのか?

2018/06/16

Twitterなどに記載していた個人的な考えや報道記事紹介を当ブログに切り換えたのは文字数が少なすぎて複数のツイートに分割する時に、その一部のツイートだけ見て批判するなどもよく見ますし、また、私のブログ内容が新聞等の記事に対する「これちがうんじゃねぇ?」とか、自治体等の広報内容に関して疑問があるとの提議だったりという面だけ捉えますと、North-tt管理者は「JR北海道を擁護し報道機関や自治体を批判する」とされるのも無理はありません。

しかしながら、当方は過去別のブログ記事(いろんなところに書いてるのはその当時書きやすいところに書いてるだけなので他意は無い)にはJR北海道批判を書いていました。
たとえば


2013年08月04日
運動部維持できるような状況ではない
[JR北海道、野球大会出場を辞退]記事を受け
辞退どころか即刻廃部でいいレベル。元々経営安定基金で運営している自社の努力で運営できもしない鉄道会社が自社の運動部を持てることがおかしい。ファイターズやコンサドーレへのスポンサー契約も含めて見直さなきゃならない。
それ以前に鉄道会社と運動部というのは相性が悪い。現業職員なら夜勤に近い勤務もあるはずで、本業に従事しない選手もいたであろう。そのような選手を抱えるために基金やら国庫からの資金を受け取っているわけではない。
そもそも運動部のようなものを抱えているから職員に「まだうちの会社は大丈夫」という甘えを生むんだ。もうJR北海道は笑える状況ではないこと、それを全職員にちゃんと知らしめるべきで、それができていないから未だにマニュアル無視やなあなあ整備がまかり通るんだ。


先日JR北海道の野球チーム(現在はクラブチームとなっている)の試合を観戦したが、今も動員を掛けたであろうJR社員の応援団しかり、現在は駅員等を兼務してるようだが専用施設を持ち、野球ができていることとはやはり良いものとは個人的に思えない。北海道の都市対抗野球の火を消すなという意見があるのはわかるが、JR北海道がそれを守る必要があるかは別な話だ。なお、ファイターズとコンサドーレのスポンサー契約は終了している。当然のことだ。


2013年10月02日
「組合」は不良職員を守る組織ではない


2013年11月19日
JR北海道 徹底監査で不正を洗い出せ
(ホームの無い側のドア開けたトラブルに関して)本務運転士が操作するというルール、ホームを確認してドア開けるルール両方を無視した、結構根深いルール無視。今のJR北海道はこれが横行してるんだ。この期に及んでですよ。もうバカかと。
ドアスイッチは鍵を差し、「自動」なり「半自動」なりに回し操作する。速度検知もあり、走行中は操作しても開かない。そこまで安全を考えて作っていても、結局こうなる。ハードじゃない。バカに操作させてるのが問題なんだ。 客に見える場所がこのありさまだもの。保線みたいに見えないところで何やってるものだかわかったもんじゃない。


2013年12月13日
運行停止を含めた処分を急げ
子供のころから慣れ親しみ、特に冬期間は鉄道に対する信頼の厚かったこの土地で、今全く鉄道は「信頼できないもの」になってしまった。あまりにもそれが悲しい。
39mmという数字。約4cmです。1067mmという、私たちが両手を広げた程度の幅のなかでの4cmがどれほど広いか。それだけのずれを放置して、なお改竄する。もう「仕事」というレベルじゃない。素人が見たって明らかだったはず。
もう「安全」なんてことばを口にすることすら恥ずかしい。
以前私は、あまりにも停止の影響が大きい札幌圏と特急列車を除き列車の運行を停止し、すべての路線のチェックと修繕を行うべきだと書きました。
冬期間になり簡単に線路の修繕ができない以上、ローカル線を中心に列車の運行を停止するという選択はもう待ったなしなのではないかと思います。
線路の異常に関して言えば、北海道の幹線線路等級は元々17t許容と思われる。しかしながら函館線等は日常的に軸重が16tの機関車を含む貨物列車が最高速度100km/hで行きかうわけですし、臨時特急北斗に使われる初期型の183系は軸重13tで110km/hで走行と、特急減速だけでは軌道破壊が抑えられていないのではないかという現実もあります。
こうなりますと保線の質に合わせて、列車の速度を下げるしかない。軸重15t許容の路線に軸重16t列車を入れるためには70km/h制限をかけることになる。これにならって貨物の速度を下げることは考えたほうがいい。
そして、1両編成で十分な程度の乗客しかいない普通列車はバス代行を行う。これにより、札幌圏以外の各路線は昼間でも線路保守が可能になる。普通列車のみ走る学園都市線北部、留萌線、日高線は一時的に全列車運休となる。江差線末端は今からでも「休止」として実質廃止を前倒しする。富良野線や根室線滝川方あたりも朝晩のみ運行などの対処を行うことで保守間合いを確保する。
札幌圏も函館線は快速列車の運行中止で昼間運転間隔を30分間隔くらいまで広げること、千歳線はかなり難しいのだが、普通列車を運休したうえで快速列車の本数半減と減便分普通列車化することを検討したい。
減速減便しても、いつもの列車が走っていることで危機感が共有されていない。大ナタを振るい、利用者も含めてJR北海道が本当の緊急事態に陥っていることを知らしめなければならないのだ。もう小手先の対処でどうにかなる状況ではない。



今の私のブログってまた「丁寧に書いてるんだ」とすら思う。極端を言ってるようだけど、この2013年頃は本気で私はJR北海道の全区間の運行停止を含めた安全確認を行えと書いている。

今でもときより列車に乗ると車掌や運転士を見る。ルールに基づいた安全な運行を行っているか?車両や設備の不具合を放置していないか?
今でもろくに外を見ずに停止位置を確認せずドアを開け、車側灯(ドアが開けば赤く点灯する)消灯を確認する前に発車合図を送るなどの怪しい運行を行っている職員に遭遇することは少なくない。
車両設備に関しては明かな安全面で不安な車両(異音や、明かな故障挙動)には当たらなくなったが、それでも行先表示器の不具合や窓の異常な汚れなど、これちゃんと整備してるのか?という車両に当たるのは少なくない。

そういう意味では現在の特急の減速減便、各路線での重軌条化とコンクリート枕木化などは非常に良い方向に進んだと感じてもいます。
しかしながら一般的な観点からすればコンクリート枕木になったから列車に乗るわけではありませんので、単純に列車が遅くなり、乗換が増え、減便で使いにくくなったという話にもなるわけです。また、特に地元に捨てられた路線(反対反対と全く地元では使いもしない路線)を廃止する方向になったことは、こと安全面では良いことです。

JR北海道の経営にはいくつかの問題点がありますが、その大きいところは本当は経営は苦しいのに表向きの利益を出し続けたこと。そのために線路設備、車両設備などの安全投資を怠り、従業員教育を疎かにした。それが大きいと感じています。

この図は先日も掲載しましたが、利益が出ることがおかしな図なんです。従業員も歴代の経営陣もこの状態を受け入れず、危機感無く漫然と運営してきたことに関して、私は本当に腹立たしくも思いますし、今もその反省がちゃんと活かされているのかを見ていかなければなりません。
決算が赤字になったことを受けて値上げした1996年はその方向に進まなければならない時期でした。多大な反対運動を展開されやっと深名線を廃線にしたことで、あんな批判はもう嫌だという経営陣のあきらめがこの後の廃線論議を遅らせました。本来は札沼線末端、留萌線、日高線等の現在廃線論議の区間はこのときに廃線論議に上げなければならない区間でした。
この90年代半ばの「経営危機第1弾」は大きく取り上げられること無く終了し、このときに人件費を大きく削ったことが従業員の士気にも関わったわけです。この1997年からスーパーおおぞら運行開始、これ以降はしばらく経営は持ち直しますが、それはさらなる省力化とセットだったわけです。スーパーおおぞらが130km/hで走っていた根室本線が木枕木の上ロングレールですら無い状態だった、軌道の整備が充分じゃないのでよく揺れ、そして車両は石勝線で事故を起こしました。この間15年近く。特急が高速で走る根室線などですら木枕木でいいという認識だったわけです。もちろん木枕木がダメではありませんが、それだけこまめな交換、整備が必要なわけです。
先に投資額を上げて長期間使える形で整備するか、投資額をそこそこにこまめに人件費を掛けて整備するかという話です。そして人件費を削れば結果は目に見えている。

次のタイミングは2007年。スーパーカムイ登場、今に繋がるスーパーとかち用キハ261系気動車が登場し、宗谷線、石北線以外の特急列車が130km/hで走れるようになりました。札沼線電化も決定、北海道新幹線の建設も始まっています。この頃に第二次といえる大きな赤字を出しています。これは基金運用益収入の悪化です。2008年の基金運用益収入は231億円。ピークの半分以下です。そして電化、新幹線関係で投資する必要が増しているわけで、削れるのは人件費と修繕費。そして冬期の減速運転が始まったのが2009年からです。冬期にバラストを巻き上げ窓を破損するという名目ではあったものの、もうこの当時実は130km/hでの特急運転は危険だという認識が経営陣にあったのではと個人的に思っています。このときに「新幹線前に在来線の徹底的なメンテナンス」というのができていればとも思います。また、このときにも廃線議論はあってよかったはずです。今廃止を検討している路線はこの時点ですら維持不可能なレベルの乗客数だったことが後日出されるわけですが、この当時になぜ言い出さなかったのか。深名線の廃止によるバッシング報道なども含め、かなりトラウマになっていたとも言えるでしょう。

ローカル用車両の老朽化による不足も、単純に150両あったローカル気動車キハ40を全て置き換えるなら年20両作っても7年以上かかるのですから、最も新しいものが1982年で、30年使用で考えても2000年頃には新しい車両を配備開始する必要がありました。しかし、1993年に26両富良野線等にキハ150型を作り、その後1両事故代替でキハ160型を作った以外はローカル車両の置き換えを行いませんでした。
これは日高線の省力化用に導入した新型車両キハ130がわずか14年で全車廃車になるなど、適材適所を無視した車両導入による無駄遣いもありました。キハ160にせよハイブリッド車の試験車になったもののハイブリッド車は実現できる前に経営問題になり廃止。何のために開発したかわからないようなDMVにしても、これでローカル輸送を改善することなどはなっから無理な車両でした。

結局JR北海道は技術面でも残念ながら身の丈以上のものを作り、末端の整備も行き届かず、ただ無駄にした車両がいくつもいます。せっかくの技術力を技術系の暴走を許して経営にまで影響したとも言えます。

「あのときこうしておけば」は結果論ですから言えることです。しかし、歴代のJR北海道経営陣が問題を先送り、いくつかの大切な事柄に目をつぶったことが地域から鉄道を遠ざけたようにも思うところです。
いずれにしてもJR北海道が理想的な健全な状態であったにせよ廃止問題から目を逸らすことはできません。

JR北海道への批判を「夜行列車をやめるな」「どんな乗っていない路線でも廃止は許さん」「新幹線なんか辞めろ」ってレベルで言っていないから、North-ttはJRを批判していないという方もおられましたが、残念ですがそんなものは批判ではありません。夜行列車を維持したところで車両老朽化は解決せず、新車両を作ったところでそれをペイできるだけ乗らないのは廃止2年ほど前の北斗星もカシオペアも余裕で乗れたことでも明かです。夜行列車は「人気列車」ではなかったんです。その実数はJRも把握しており、それよりも新幹線の方が最終的に輸送量は多くなることがわかっていたわけですし、現実にそうなっています。
「儲からない列車を運行」できないほどJR北海道は既に疲弊していますし、儲かっているはずのJR東日本も追随して「あけぼの」なども含めて辞めたことで明らかなことです。夜行列車は鉄道会社としてやりたくないのです。

当方はそのレベルで「JRを批判していない」というなら、その方とはもう関わる気はありません。他人を批判するなら「感情」とは別に、せめて数字を見てからにするべきでしょう。

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