北海道の交通関係

浦臼町は札沼線に「万策」といえるほど何か行ったのか?

2018/07/12
JR北海道が維持できないとしている札沼線北海道医療大学-新十津川に対して浦臼町も廃線容認するとの報道がありました。
これで自町の利用客がほぼおらず他の町に従うとした当別町を除く月形、浦臼、新十津川の沿線3町が「廃止」を容認することになり、数年内の路線廃止が決定的となりました。

 

プレス空知 2018年07月10日
☆浦臼町も札沼線廃線容認へ
http://www.websorachi.com/sub10.html
【浦臼】町はJR札沼線の北海道医療大学―新十津川間の廃止を容認する方針を固め、11日午後5時から役場で開く住民説明会で正式表明を行う。沿線4町のうち、廃線容認は月形、新十津川に次いで3町目となる。

プレス空知は住民説明会の前に「廃線容認」を表明するという記事を配信しました。既定路線とはいえ、これがリークされるのはあまり良い印象が無いですね。

 

UHB 2018年07月11日
「万策尽きた」浦臼町長 JR札沼線廃線・バス転換 容認を表明 住民から不安の声も… 北海道
https://uhb.jp/news/?id=5143
 JR北海道が提案する札沼線の廃線とバス転換について7月11日、浦臼町長が容認を表明しました。
 蓼沼阿由子記者:「間もなく浦臼町の住民説明会が始まります。20人ほどが集まっています」
 浦臼町 斎藤純雄町長:「万策尽きた感じがする。廃線を町として容認したい」
 浦臼町の斎藤純雄町長は午後5時から開いた住民説明会で、札沼線の廃線とバス転換を容認すると表明しました。
 理由としてJRから20年間代替バスへの支援を受けられることをあげ、理解を求めました。
 札沼線は札幌まで直通で行くことができたため、住民からはバスの乗り換えが多くなるのではといった不安の声が上がりました。
 札沼線の沿線4町のうち、廃線を容認したのはこれで3町になりました。

住民説明会の参加者が20人というのが地域の札沼線への思いを代弁しています。実際住民は札沼線を使わない。しかも「札幌まで直通で行くことができた」は今の時刻表を見てわかるとおり大ウソで、最初からこう話した人ですら札沼線を使っていないということが明らかです。北海道医療大学までの電化開業前ですら浦臼からの札幌直通は運用の都合による1本だけとなっていて、日常的に直通していたのは相当昔の話なわけです。この程度の印象だけで全く使っていない住民が発言するのはちゃんちゃらおかしいわけです。

 

日本経済新聞 2018年07月11日
JR札沼線廃線、浦臼町長も容認表明 住民説明会で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32874040R10C18A7L41000/
浦臼町の斉藤純雄町長は11日に開いた住民向けの説明会で「札沼線の廃線を町として容認したい」と述べ、廃線を受け入れる考えを示した。廃線後の代替輸送はJR北から一定の支援を得ながら確保する。
 斉藤町長は容認の理由に廃線後の代替交通でJR北から支援を得られる見込みが立った点や、同社が6月に示した国の支援を求めない5線区に札沼線が入った点などを挙げた。廃線後はJR北の支援を基に、代替バスを走らせるほか美唄方面への乗り合いタクシーの運行も検討する。

 

北海道新聞 2018年07月12日
浦臼町長も容認表明 JR札沼線一部廃止、3町目
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/208016
 斉藤町長は「国や道からの支援が見込めないことが分かり万策尽きた」と述べた。廃線後の地域交通の維持やまちづくりに関してJRと進めてきた協議内容に触れ、「JRからの支援を有効活用することが町のためになると判断した」と理由を挙げた。
 JRはこれまでの協議で、《1》浦臼―月形間の代替バス運行《2》浦臼―奈井江駅(空知管内奈井江町)の町営バスの土日祝日運行《3》特急が停車する函館線美唄駅と浦臼を結ぶデマンド交通―などの費用を20年間支援する意向を示したという。4町長は8月2日に月形町で会合を開き、今後の対応について協議する。

美唄への乗合タクシーもJR負担なの?という印象。浦臼から美唄は国鉄時代も含めてバスの運行実績も無く、特段結びつきは無い。特急停車駅という意味はわかるが、むしろ早朝、夜間など一部の特急を奈井江に停車させる交渉をする方がよほど理にかなっている。

浦臼町の言う「万策」とはなにか?

先日の日記に札沼線沿線の各町の取り組みに関する年表のようなものを書き出してみた。
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=278
見ての通り、何らまともな利用促進策が各町から出されることは最後まで無かったのだ。浦臼に関しては元々札沼線を利用する意識は全く無く、実際浦臼止まりの列車は「誰も乗っていない」ような有様だったわけです。本数が比較的多く確保されていてもこの状態な訳で、最初から住民が使わない以上維持できないわけです。

浦臼町のページ内で「札沼線」で検索した結果。
ちなみに2016年以前は1件も出てきません。サイトリニューアルで消したにしても酷い。

●2017年
「斉藤すみおの普段着トーク」という町長ブログだけ。BG海洋センター本部を訪問し「JR札沼線廃線問題によりますます過疎化につながっていく心配」だけを話してきたという。
この1本だけですよ。

●2018年
「斉藤すみおの普段着トーク」の内容はいくつか見つかる。6月21日の記事では「これまで関係4町での協議では特に月形町が強く『存続』を希望していたところですが、これでより廃線に向かっていくことになります。」と廃線容認を示唆しています。
ちなみに1月のいすみ鉄道訪問記事では、観光列車の取り組みよりも沿線自治体がいすみ鉄道に多大な拠出を行っていたことに落胆する様子が見られます。「基本的には北海道とは違うかなという印象」について多く語らないのは結果的に沿線が鉄道に金を出さなければ維持できないという現実を突きつけられたことに他なりません。北海道だけは金を出さなくても維持されるなんてことはあり得ないのですけどね。

3月の議会議事録では牧島議員の質問が。なんと燃料代と人件費だけで1日16万円で運行できるじゃねぇかとのお考え。それが成立するのはバスで、そのバスですら車両や運行管理など様々な管理費用は別途かかるわけで、鉄道が1日100万円程度で運行できている札沼線は充分コストの安い部類なんですけどねぇ。そしてまた新幹線は無駄という考えを声高に。

あとは「札沼線沿線自治体観光日帰りバスツアー」だけですよ。本当に浦臼町が全く札沼線に興味が無いことが見えるわけですよ。これで「万策尽き果てた」って何もしてねぇじゃないかと。

浦臼町が考えなければならないこと

各新聞などメディアはある程度「可哀想な自治体」と報道されるだろうけど、あまりにも何もしなさすぎて逆に大丈夫?と思ってしまう。以前も書いたとおり代替交通はJR北海道や北海道庁が考えることじゃないんだよ。自分達が自分の町が本当に利便が高い交通機関を作っていくんだという想いが無いとさ。

町の子供達が将来に渡り町に住むためには、通える学校と就職先が必要なわけですよ。今、浦臼は高校を滝川に依存し、もう一歩頑張って大学行こうとしたらもう通えないわけですよ。あのね、札幌まで100km無いんですよ。車で1時間半かからないで行けるの。でも現実通えないじゃないですか。同じくらいの距離の滝川、砂川だと札幌へ通学できるんですよ。

町に大きな病院が無い浦臼は通院も別の町に行く。実際どの病院に行く人が多いのですか?奈井江も浦臼も国保病院で内科と整形外科くらいしかないんですよ。当別は総合病院が無くなっているんです。今公共交通で直行できるのは滝川だけ。これはまずいとおもわんのですか?

本当にJR北海道が考えた「代替交通」で町民は救われるんですかね?札沼線は最初からこの目的に使えない状態だったにせよ、代替交通というやっと「町民の手で交通機関を構築できる」タイミングになって、未だにJRが道が~なんですか?自分達がもっと考えなければならないのではないですか?

この辺りが報道からも町のサイトからも全く伝わりません。町民に知らしめる広報でも見かけません。何故でしょう?多くの町民は公共交通を使わず、車だから困らない。しかし、困る人に寄り添うことこそ政治の話ではないのですかと。

JRに廃線を逆提案した夕張ですら交通機関はかなり練られているものの、本当に市民が使いやすいのか、学生の通学対応等は難しいと言わざるを得ません。それだけ交通機関を考えることは難しく果てしないことなんです。JRが金出してくれるからこれでいいね、難しいことはJRがやってくれるって言うし~なんて丸投げするような町に未来は無いし、住民も住めないんですよ。何を被害者ぶって何もしていないのに「万策尽きた」なんて言ってるんだろうか?正直意味がわかりません。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 札沼線 観光列車

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