北海道の交通関係

災害から鉄道が復旧するのは「当たり前」ではない

2018/07/14

7月5日の大雨災害で運休していた函館本線の然別-倶知安が13日午後から運行を再開しました。
バス代行輸送などを行いながら平行する道路の少ない中復旧できたことは喜ばしく思います。
何と言っても連休に間に合わせるというのは大変なことです。目標値としていたでしょうし、各方面からの問い合わせも多かったと思うのです。

NHK 2018年07月12日
土砂撤去で函館線13日運転再開
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180712/0001488.html
大雨で線路に土砂が流れ込んだ影響で不通となっていたJR函館線の然別と倶知安の区間は土砂の撤去作業などが終わり、13日午前11時ころから運行を再開することになりました。
函館線は今月5日の雨の影響で然別と倶知安の間で土砂が崩れて線路に流れ込み、列車の運行ができなくなっていました。
JRによりますと、12日までに土砂の撤去作業などが終わり、13日から運行を再開することになりました。
13日は上りが午前10時53分に小樽を出発して倶知安に向かう普通列車から、下りが午前11時45分に倶知安を出発して小樽に向かう普通列車からそれぞれ運行を再開することにしています。


北海道新聞 2018年07月13日
函館線・然別―倶知安間13日再開
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/208376
 JR北海道は12日、大雨の影響で線路に土砂が流入し、5日から運休が続いていた函館線然別(後志管内仁木町)―倶知安間について、13日午前11時ごろに列車運行を再開すると発表した。
 JRによると、同区間の2カ所で線路に土砂や樹木が流れ込んだため、5日午前から運行を見合わせ、復旧作業を行っていた。13日朝の普通、快速列車11本は運休する。



復旧するのは「当たり前」ではない

鉄道が様々な災害を経験し、そこから復旧していくことは当たり前ではありません。日高線、根室線の一部を始めJR北海道でもいくつかの路線が復旧できずにいます。
また、一昨年の台風被害では石北線、石勝線、根室線など多くの区間で鉄橋などの線路設備に被害が出て長期にわたり運休が発生しました。それなりの時間をかけて復旧できた区間というのは、幸運とすら言える状態だとも言えます。

JR北海道
2016/10/13 一連の台風による石勝線・根室線の災害復旧の状況について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161013-1.pdf


昨年7月の大雨被害で運休が続いていたJR九州の久大本線が今日7月14日に復旧しました。しかしながら、同時に被災した日田彦山線は復旧の目処が立っていません。久大本線復旧で一部のネット上ではJR九州は復旧するのにJR北海道は復旧しないなどと書く方もおられますが、JR九州とて全ての路線を無条件に復旧することはできないのです。

久大本線の復旧について沿線の日田市などは大々的に復旧を喜ぶ各種のイベントで盛り上げました。

日田市役所
みんなで祝おう!「久大本線全線復旧」
https://www.facebook.com/hita.official/?hc_ref=ARQyqbMbY88nfgoFX__uzlzCiJPwfqgmZCZDQ1kpHKa4kGccpgbTrVhvtfTFQlpNR1I&fref=nf


また、JR九州が「つながるプロジェクト」として特別サイトをオープンしています。

JR九州
つながるプロジェクト
http://kyudai-line.com


さて、このようなイベントを根室線では行ったのか?皆無ですよね。
根室線特急の停車駅だけでも数多くの十勝、釧路地方の自治体で、根室線復旧に何かイベントを行った自治体はあったでしょうか?地元メディアも含めて「復旧が遅い」「トラック代替大変だ」「車椅子利用者に配慮がないJR」「高速バス盛況でJR不要」などと報道を繰り返し、復旧しても「当たり前」という態度でJRが復旧記念の割引切符を出してもなんの報道もせず、そして鉄道利用は減り続けているというのが現状です。
唯一行われたのは十勝、釧路振興局の「出迎え」イベントだけです。

釧路総合振興局
JR石勝線・根室線復旧・スーパーおおぞら運転再開記念 「一番列車」お出迎えキャンペーン
http://www.kushiro.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/koho/1612/19_itibanreesyaodemukae.pdf


広く報道してほしいというリリース文ですが、広く報道したのは釧路新聞くらいかなぁ。

この程度のイベント見て、そもそも北海道は鉄道をいらないものと思っているのではないか?って印象を私は持つんですよね。
「JR北海道のサービスが悪い」と簡単に言いますが、グリーン車に無料飲料に革張りシートにと頼りグレードの高いサービスをしてたのもJR北海道な訳です。2007年から札幌-釧路の特急は7往復に増発しても、何かにつけ文句をつけて使わない。で、苦肉の策の1往復減便(これも2013年の話ですよ)すれば大騒ぎですよ。
基本的に「乗っていない」のが要因なんですね。もちろんスーパーおおぞらの車両面の問題はあった。トンネル火災事故はあってはならない事故です。
しかし、災害復旧は別の観点が必要なんです。鉄道がこの街には必要であり、この線路が維持され、復旧したことを街をあげて喜ぶ姿勢を見せなければ「本当に復旧してよかったのか?」と出資者に疑念をもたらす。運行するJR北海道も、各種河川設備工事でも協力した北海道も、鉄道の復旧状況と地元の様子をつぶさに見ていた国にしても。「全然喜んでないじゃん」「復旧しても文句ばっかり」を見せつけられれば、もう「次はないな」な訳です。

こういう意味で九州は政治的なアピールが上手だなとも思います。沿線自治体もJR北海道がやってくれないではなく、自分たちの街で街をあげて「歓迎」する気持ち、そしてアピールが大事なわけです。

災害から鉄道が復旧するのは「当たり前」では決してないのです。

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