北海道の交通関係

花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました

2018/07/19

花咲線の「観光列車」とは

JR北海道は新しい取り組みとしてJR花咲線(釧路-根室)に新しい「観光列車」を運行することにしました。この列車はあくまで普通列車であって、特別な内外装や特別な仕掛けはしませんが、見所での減速運行やご当地弁当の購入などができるような仕掛けとなっています。

JR北海道
いつもの列車で観光気分 ~. 花咲線の「普通列車を観光列車にする取り組み」を開始します。
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20180412_KO_itumonoressyakankou.pdf

JR北海道
花咲線の新しい楽しみ方
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/hanasakisen/


また、スマートフォンによる音声ガイドサービスも実施します。

今回7月18日水曜日にこの列車に乗車してきました。

釧路駅の「写真撮影場所」

今回乗車したのは釧路駅を8:18に発車する根室行き列車です。この列車と根室発8:22発の釧路行きが「見所を減速して走る」列車です。所定の時刻より約3分遅く走ることになりますが、特段その先の列車やバスの接続など行程に影響があるわけではありません。
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
今日この列車に使われるのは1両だけの特別塗装であるルパン三世ラッピング車両でした。沿線の浜中町出身のモンキーパンチ氏の代表作であるルパン三世は浜中町内の駅や路線バス、タクシーなどにもラッピングされています。たまたまですがこれにあたりました。

JR北海道
ルパン三世ラッピングトレイン
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/lupin/


釧路駅の出発は4番ホーム。階段を上がったところにはJR北海道の制服や行先板などの記念撮影グッズとパンフレットを置いた場所を作っています。記念撮影や問い合わせに応じるためか駅員さんもいらっしゃいます。
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
乗客は20人ほど、地元の利用客は5人ほどで、途中でほとんど降りてしまいましたので、あとは観光客ということになります。ただ、家族連れや連れだってという感じでは無く、私も含めて男性の単身者、言い方を変えれば鉄道マニアだけともいえまして、この折角の記念撮影スペースもほとんど活用されていません。
釧路発、根室発も8時台というのは若干早すぎるのかもしれません。このあと11:12の快速列車は札幌からの特急接続もあり、こちらの方が適しているかもという印象があります。

スマートフォンアプリ「SkyDesk Media Trek」

今回の「観光列車」の取り組みはあくまで普通列車に観光的なものを付加するという形で行われます。配布していたパンフレットとこのポスターはほぼ同じ内容で車内で観光地の案内は行わず、それをスマートフォンアプリと位置情報で音声ガイド概要を知らせるということを考えたわけです。
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
この案内アプリ「SkyDesk Media Trek」は富士ゼロックスが開発した「音声ガイドの制作および配信のための制作支援サービス」で、音声合成によるコンテンツ制作ツールも提供しているわけです。文章をこのツールで音声合成に変換し、配信する形な訳ですね。
ダウンロードはスマホになれていればそれほど難しくはありません。ただ、不慣れな方にはアプリのダウンロードの後、沿線案内の「ブック」をダウンロードする必要がありますので、少し敷居が高いかもしれません。なお、4カ国語ありますので外国人対策としてもこの方法自体はいいとは思うのです。

富士ゼロックス
SkyDesk Media Trek
https://www.fujixerox.co.jp/solution/skydesk/skydesk_media_trek


ただ、この音声案内、あくまで原稿を音声合成が読むという形であるようで、アナウンスのイントネーションや同音異義語的なものが聞きにくいというか、凄く違和感をむずむず感じながら聞くことになります。また、結局アプリ起動してイヤホンあててなければいけませんので、これならある程度「場所」でちょっとした案内を車内に流した方がよいのでは?という印象もあります。
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
本アプリは元々徒歩での移動を前提としていて、走行中の地図スケールは徒歩に合わせた非常に拡大されたものになります。スケールの変更ができず、どのくらい先に「案内」場所があるのか確認できないのもマイナスです。せめて「車・電車」モードのようなものが必要です。また、GPS精度やスマホ側の位置受信精度によって必ずしも線路上を走っていないように表示され、「受信」しそびれた場所がありました。うーんもう一歩。本当に惜しいんだよね。コンセプトは良いんで。
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列車の車内では一切の観光案内もなく、列車の次駅案内なども日本語だけです。こういう面も含めて地元の観光協会とともに改善していって欲しいと思いますし、地元の自治体関係者も「JR任せ」にするべきではありません。

なお、別保-尾幌など携帯の圏外区間も多いのは考慮の必要があります。

「減速」と「長時間停車」は思ったより効果あり

厚岸を出ますと厚岸水鳥観察館のある別寒辺牛湿原付近で減速します。別寒辺牛湿原は厚岸観光十景に選定されてから名付けられたので名前としては非常に新しく知名度がありません。しかし、釧路湿原などと同様湿原内を線路が走る様は今まで意識していなかったこともあってあまり印象に残っていませんでした。
この厚岸水鳥観察館も含め公共交通での訪問は難しく、ここは厚岸町は駅設置を検討してもいいと思うんですよね。
この区間、厚岸湖、厚岸大橋等も含めて「アナウンスが無いから見過ごされてきた」ところとも言えると思います。
花咲線「普通列車を観光列車にする取り組み」を見てきました
また、落石岬付近。こちらも予想以上に綺麗な風景で、実はこの付近ちょっと疲れてうつらうつらしそうな場所なんですよね。わかってる人だけが楽しめた地形なんだと思います。

東根室の2分停車。これも単に駅名版の写真を撮るだけでも、停車時間がある方が便利です。外に出た人もいましたが、出なくても充分撮影できます。
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「駅弁」は惜しい

さて、厚岸と根室・東根室駅受け取りの「ご当地弁当」について。これは釧路出発時ではもう厚岸駅弁は間に合わず、東根室も前日午前中までというのは、さすがに難しいです。厚岸では弁当を購入して方がおられましたが、羨ましいなぁ・・・という印象。もちろん作りすぎて売れ残ってもいけないので、何とか厚岸かきめしだけでも釧路駅・根室駅発注でなんとかならないかなぁと。釧路発だと1時間無いので厳しいですが。

でもこの「観光列車」可能性を感じる

JR北海道の予算の厳しい中で、このような「観光列車」の取り組みを行ったのは、とてもよい試みだと思います。
もちろん、これが完璧ではありませんし、もう少しできることはあると思います。しかし、まず始めたことが大事です。
とはいえ、何も知らない人がただ乗ってしまうと、何故減速しているかもわかりません。やはり、一言だけで良いので車内アナウンスでの観光案内は欲しいです。今回の別寒辺牛湿原と落石岬だけならそれほど煩くないと思います。

もう一つはインバウンド対策です。例えばですが花咲線で使用される車両キハ54のトイレ付近の壁にデジタルサイネージ的ディスプレイを設置して、簡単な観光案内ができる、この付近だけ音声案内が流れるだけでも随分違うと思うんですよね。(最近は指向性のあるスピーカーで、他の場所に音がほとんど漏れない仕掛けができる)

これはJRがやればいいというものではありません。沿線自治体で設置し、広告運営しても良いわけです。こういうものこそクラウドファンディングやふるさと納税で良いのでは無いでしょうか?列車に乗らない「花咲線利用促進PR」なんか何の役にも立ちません。列車に乗った人が享受できる対策が必要なのではないでしょうか。

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