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外国人では「バス人手不足」は解消できないのでは?

2018/08/11

北海道新聞 2018年08月09日
人手不足のバス業界 戦略は 外国人の活用必要 北海道中央バス社長・二階堂恭仁さん
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/216932
――人手不足が深刻です。どう対応しますか。
 「運転手不足は課題ですが、実は整備士も足りません。車への興味が薄れるなど、整備士を養成する専門学校に進学する高校生が減っているためです。そのため、自社で車両を整備できず、外注することもあります。法整備などの課題もありますが、運転手も整備士も今後は外国人の活用を検討していく必要があります」


北海道中央バスの新社長二階堂氏へのインタビューです。まだ50代という若さの新社長を中央バスが選んだ理由は、今までの硬直化した組織と役員に風穴を開けたい意図か、それとも役員の言うままの「操り人形」として社長を動かしたいのか、それはわかりませんが、中央バス自体も変化に対応して変わらなければならないという意識は大きいとも思います。

それにしても、「外国人の活用」ですか?一定の年齢以上の人に話を聞くと、どうも外国人を「安い労働力」と見ている節がある。しかし、今や日本の方が人件費的には安いわけで、外国人を雇おうとしたところで、今の日本人の賃金では集まらないのでは?という印象があります。

「外国人を最低賃金以下で働かせよう」という観点で思っているなら「外国人技能実習制度」を使おうという話になりますが、2014年4月に当時の太田国土交通大臣は次のように述べています。

レスポンス 2014年4月9日
トラック、バスの人手不足対策 「外国人技能実習制度の趣旨に合致しない」 太田国交相
https://response.jp/article/2014/04/09/220798.html
自動車運送事業の人手不足について太田国交相は「トラック運送業やタクシーなど運送業でも人が足りなくなっているのはその通りだが、外国人技能実習制度の対象となっていないので、対象とするかどうか議論が必要だ」と述べたうえで、「ただ、トラック運転手などの運転技能は、途上国の技能と日本の技能に差がないのではないか。建設業とは違うと思う」と述べ、外国人技能実習制度の趣旨に合致しないとの認識を示した。


その後2016年に「自動車整備作業」が外国人技術実習制度に加わりましたので、原則的にはバス整備士として「研修を受けさせることは可能」とは思います。しかし、あくまでも外国人技能実習制度は「労働力にあててはならないという基本理念」があるわけです。中央バスの思っている「外国人の活用」が外国人技術実習制度と関連するかはわかりませんが、労働力ではありませんからね。

ところで、外国人のバス運転手といいますと関越自動車道のツアーバス事故の運転手が帰化した中国人ドライバーで日本語の理解に欠けると報道されたことがあります。日本の大型二種免許は日本語での試験しかないはずですので、一定の日本語学力がなければ本来観光バスのドライバーはできないはずです。彼はどうやって日本の二種免許を取得したのか?とはいえ、就労面でいえば「帰化」しているので問題が無いわけですね。

また、今のところ外国人の在留資格では一般的に「バス運転者」「バス整備士」として就労させることはできません。また、収入を伴わない在留資格であっても「日本に3年以上在留、2種免許を取得(できるだけの日本語理解が有り)、資格外活動としてバス会社でアルバイトをする」はできますが、そもそも2種免許を取れるだけの日本語力を持つ在留者がアルバイト程度にしかならないバスの運転手を目指すのでしょうか?

もう一つは「永住者」や「日本人の配偶者等」「定住者」など、日本人同様の就職ができるケースですが、永住者は基本的に韓国等の在日さんと思われますから今更「外国人活用」という意味でバス運転手になることはないでしょう(現状日本人として普通にバス運転手をやっておられると思います)これも「外国人の活用」にはあたりません。このような方々を募集している例はあります。しかし、数はそれほど多くはないのでは?という印象です。

日の丸交通
外国籍のドライバー募集!
https://hinomaru.tokyo/recruit/foreign/


それと「観光業務に対する特殊な高度人材」とみなせられれば業務ビザの取得も可能ですが、タクシー運転手ですら賛否があるんで、バス運転手は?どうなんでしょう。だからこそ、今のところ日の丸交通は永住者など「外国人」という範疇としてはかなり狭い募集に留まっているように見えます。

こうなると中央バスの言う「外国人の活用」の意味が正直よくわかりません。北海道新聞もせっかくここまで聞いておいて「外国人の活用」とは何を意味しているのか聞いてくれないんでしょうか。

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