北海道の交通関係

輸送障害へのリスク管理

2018/08/22

この日私は出張で帯広行き「スーパーとかち1号」に乗りました。
早朝は札幌市内近郊では雷雨となり、停電の発生した地域もありました。JRも小樽方面で設備点検などで遅れが出ていましたが、私の乗った帯広行きは定刻に札幌を出発したのです。

当サイトにはJR北海道の運行情報を表示する2つのページを持っていますが、

north-tt.com
JR北海道インシデント(列車運行情報)検索
https://traffic.north-tt.com/03_jrh_incident.php


でも

north-tt.com
JR北海道列車位置情報
https://app.north-tt.com/jrh_trainnow_a.php


でも千歳線、石勝線方面の運行情報は出ておらず、少なくとも先行するスーパーおおぞら1号、帯広市発のスーパーとかち2号は平常通り運航している模様。今後の運行については、若干の不安もありながらも大丈夫だろうと思っていました。

先行する快速エアポートは少し遅れ気味のようで、若干の減速はあっていますが、そういうのは日常的ですしあまり気にしても仕方ありません。うつらうつらしながら目を覚ますと新夕張駅。なぜか目の前の千歳行きの列車が発車していきます。この列車より自分の乗った列車の方が先に出発するはずです。

新夕張駅の悪夢

5分、10分経っても列車が動く気配がありません。アナウンスがありました。この先東オサワ-占冠で大雨のため列車の運行を見合わせているとのこと。東オサワはこの先にある信号場の名前ですが、特にそれには触れません。まぁ、この区間を何度も利用している人にはよく聞く信号場ですが、一般的には「?」でしょう。
しばらく発車できないので飲み物は駅自販機でということも付け加えられました。ホームでタバコを吸う人、出張先への電話を掛ける人など、ちょっと車内が慌ただしくなります。

外はほぼ雨も上がっているように見えます。雨量というのは「累積」ですから、急に閾値を超えるわけではないはずです。超えそうになっているなら早めに運休しますし、ここまで運行しているのですから、それほど復旧にかからないと思っていましたが、不安になってきます。

約1時間が過ぎた10時頃ついに車掌氏アナウンス。
「運転見合わせ中区間の線路点検に時間がかかっているため運転再開は13時以降を予定」
しかも、続けて
「南千歳方面にはこの後列車が出るので、戻る方はそちらを・・・」
あれ?この時間普通列車は無いよな?救済列車仕立てたんだろうか?とまで思ったわけですが、待てど暮らせど「南千歳方面の列車」は来ない。

結局札幌の指令室から車掌に伝えた「南千歳方面」は定期の普通列車。つまり、13時過ぎまで進むことも戻ることもできないということになったわけです。これは一部の乗客も駅で職員に詰めていますが、どうにもなりません。ちなみに新夕張駅からの路線バスも13:41までありません。

こうなりましたら、まだ10時半頃ですから、あと3時間、きっちり何もできずにここ新夕張駅で放置が決定です。用意よいのか、新夕張駅の駅員氏がカロリーメイトと水を持って車内で配り始めました。いや、まだそのタイミングじゃ無いし、そもそも駅前に好きなだけ購入できる道の駅兼Aコープもコンビニもあります。

私のサイトで運行状況を確認しますが、
下り
・特急スーパーとかち1号 新夕張駅停車中
・特急スーパーおおぞら3号 追分駅停車中
上り
・特急スーパーおおぞら2号 占冠駅停車中
・特急スーパーとかち4号 新得駅停車中
・特急スーパーおおぞら4号 帯広駅停車中
で、
スーパーとかち3号、スーパーおおぞら5号
スーパーとかち6号、スーパーおおぞら6号は運休

仮に13時半に出発できたとして、帯広着はどんなに早くても15時過ぎ。仕事先に着いてもこれでは作業になりませんので、結局出張はキャンセル。道の駅でタバコを吹かす出張中と思われる方々も、もう笑っちゃうよな〜と実際には青筋立てた感じでの話ではありますが、愚痴っております。また、駅の待合室では電源を借りてパソコンで作業中の方も。私も電話の電池が気になりますので電源を落としておきます。

Twitterでもこのスーパーとかち1号で状況ツイートしてるのは多分私だけで、追分駅でのスーパーおおぞら3号の乗客のツイートも見えません。もしかすると状況的にスーパーおおぞら3号の客は札幌方面へすぐ離脱できた可能性がありそうですね。

えきねっと予約の取り消し

さて、私はえきねっとで帰りのスーパーとかち10号の予約も入れているわけですが、この切符も不要になってしまいます。そのままえきねっとで取り消せば「えきねっと特典」払戻手数料310円がかかるはずです。車内ではアナウンスで「えきねっと」予約の方は予約取り消しの電話番号をお知らせしますと言っていましたので、とかくえきねっとのサポートセンターに電話するのが確実に思われます。

残念なのは新夕張駅の駅員氏で、帰りの予約は放置しても勝手に取り消されるとの説明を受けましたが、そんなことはないですし、事実スーパーとかち10号は運転されたのですから、そのままですと未受け取りのまま請求が来ることになります。

ちなみに一般的な列車の遅延、運休時の払戻、変更の規定ですが旅客営業規則にて規定されています。


https://www.jrhokkaido.co.jp/network/guide/pdf/yakkan_02_07.pdf
着駅到着時刻に2時間以上遅延したとき(遅延することが確実なときを含む。)
イ 第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどし
ロ 第283条に規定する有効期間の延長
ハ 第284条に規定する無賃送還並びに旅客運賃及び料金の払いもどし


というのに当てはまることになりそうです。
出発駅に戻る場合、このうち「ハ」に当てはまります。

第284条
無賃送還は、その事実が発生した際使用していた乗車券の券片に表示された発駅(当該乗車券が発駅共通のものであるときは、発駅共通区間内の旅客の希望駅)までの区間(以下「無賃送還区間」という。)を最近の列車(急行列車を除く。)に乗車する場合に限り取り扱う。
イ 急行券を使用し乗車していた旅客については、急行列車により、当該急行券の発駅までの区間。ただし、特別急行券以外の急行券を使用し乗車していた旅客は特別急行列車に乗車することはできない。


となります。ざっと特急利用可能な券なら特急利用で戻ることも可能としています。
また、


(1)乗車券
イ 発駅まで無賃送還のとき
すでに収受した旅客運賃の全額
2)急行券
第282条の2第2号の規定を準用する。


により全額払戻となります。
なお、
2)無賃送還の取扱いを受ける旅客は、送還を終えた駅
ということで、無賃送還の場合は出発駅に戻って払戻となります。

なお、この場合独立した「かえり」の切符は

第282条2項
旅行開始前又は使用開始前に、前項各号に定める事由が発生したため、事故発生前に購入した乗車券類(定期乗車券及び普通回数乗車券を除く。)が不要となった場合は、これを駅に差し出して、すでに支払った旅客運賃及び料金の払いもどしを請求することができる。


で払い戻すことになるのではないかと思われます。
これは一般的に無割引の乗車券・特急券を利用した場合のものですが、今回はえきねっとによる「トクだ値」利用ですから、また特殊な扱いがあるかもしれません。

えきねっとご利用ガイドでは
https://www8.eki-net.com/mp/p/top/jrticket/guide/jiko/
「きっぷのお受取り前」

「きっぷのお受取り後」
で扱いが変わることがわかります。
「運休列車以外(帰りの列車や乗継列車など)の列車のお申込みがご不要となった場合」
にあてはまり、なおかつ「きっぷのお受取り前」なので、サポートセンターに電話することになるわけですね。

えきねっとサポートセンターは 050-2016-5000 050番号ですので、有償扱いと思いますが、まぁ、仕方ないですかね。1回目は話し中で、2回目は繋がりました。自動音声ガイダンスの後にオペレータさんに接続。

予約番号か紐付けてあるクレジットカードの番号が必要になります。さすがに予約番号の控えはなく、見ようにもその携帯で掛けてるので難しいですね。少なくともクレジットカードは手元に。

で、発車が3時間以上遅れたタイミングで(回復の見込み無し)電話し、発券済のスーパーとかち1号が新夕張駅で3時間以上停車中である旨、このため目的地に行かないので帰りのスーパーとかち10号の「トクだ値」をキャンセルしたい旨を伝えました。

まず、オペレータ氏は本当にスーパーとかち1号が停車中であることを確認したかったようです。近くに駅員か車掌がいるかを確認されましたが、私はホーム上でしたので、それはできず、オペレータ氏は電話を保留にしました。しばらくして確認ができたということで、スーパーとかち10号は無手数料で予約を取り消し、スーパーとかち1号の発券済券は駅窓口で問い合わせるようにということとなりました。
一応念押しして帰りの予約に関して私のやるべきことが無いことを確認して電話を切っております。約8分の通話時間となりました。

ただ、このような問い合わせは少なかったのかもしれませんが1件あたりの通話時間は長すぎるように感じます。JR東日本のサービスであり、JR北海道の運行情報をすぐに取得できない環境かもしれませんが、同様の問い合わせは多々あるわけでしょうし、えきねっとサポートは話し中が多いというネット上の記事も多々見かけます。

えきねっとサイト上で取り消しの際に事由欄に先行列車遅れ、運休の為などのチェックボックスをつけておき、確認できたら返金する形で半自動化する方がよいように思いますが、接続有無や無賃送還などいろんな例がありそうで結局オペレータ対応としてるのかなとも思います。

新夕張離脱


あとは、帰るだけですから、13時過ぎまで紅葉山地区を歩きます。とはいえ、結局セイコーマートで茹でトウキビを購入するくらいですね。車内で配ったカロリーメイトを食べたいわけではありませんし、水を配るのはまだしも、どこかこういうJRの運行遅延の対応はズレてるようにも見えます。

12時頃夕張に向かう列車を見送り、13時過ぎ戻ってきた千歳行きに乗り込みます。結局この列車で札幌方面に離脱する人は30人ほどだったと思われます。既に乗っていた支線からの客を合わせてちょうど座席が全て納まるくらいになりました。1両編成ですが、このような「一般の人」がたくさん乗るローカル普通列車は久々に見た感じがします。
大きなカメラを持ったマニア氏に中年サラリーマン2人組がいろいろ聞いてるのが面白いですね。サラリーマンの片方の方、「夕張線」時代にSL撮影でこのあたりを歩いてたそうで、そういう話を聞きながら行くのも面白い光景です。サラリーマン氏、今はきっと普通列車に乗って旅しないでしょうからね。

川端で10分ほど停車しスーパーおおぞら3号を待ち、追分でも長時間停車。結局真後ろに4時間以上遅れたスーパーおおぞら2号が迫っており、当列車が千歳到着の瞬間に抜かしていったのは笑いました。それなら離脱はスーパーおおぞら2号が最も早いわけで、そのように案内した方がよかったようにも思います。

千歳からは普通列車乗り継ぎ。急がないのでちょうど来たエアポート指定席uシート車がつく普通列車の指定席部分でフルリクライニングして昼寝。(どれだけ寝てるんだワタシ)北広島では同じく4時間ほど遅れたスーパーとかち4号に抜かされ札幌に着いたのは15時半前でした。

スーパーとかち1号の「トクだ値」券は精算所にて現金で払い戻しとなりました。

JR北海道の運行不能の対応


さて、過去にも大雨や雪で大幅に遅延したり運休する列車に乗った経験はありましたが、これほどの時間「放置」された経験は無かったですね。石勝線は仮に山中で停止した場合、救助に行くこともままならず、携帯は圏外区間も多く、各手前である新夕張や占冠で停車するのはわからないでもありません。しかし、ここで4時間投げられて戻ることもできませんというのはあんまりだとも思います。
仮にスーパーおおぞら3号を新夕張まで運行し、スーパーとかち1号を運休扱いとして札幌に戻す(南千歳や千歳でも問題無い)対応ができれば、救われた人も多かろうとも思うわけです。本当にどうしようも無ければレンタカーで移動などを考える人はいます。しかし、新夕張や占冠ではレンタカーすら借りれないわけです。

とはいえ、よく鉄道オタク的に京急みたく「逝っとけ」すれば良いんだという意見に賛同はできません。仮に4時間放置された場所が東オサワ信号場なら携帯の通話圏外の可能性もありますし、飲料も食料も入手できないわけです。

とおもいながらも、早めに運休決めてくれたらなぁとも愚痴を言いたくもなるのです。こればかりは乗客にできるリスク管理もないのです。
(別場所に記載した日記を一部変更し記載)

北海道の交通関係 JR北海道 路線バス

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