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北海道の交通関係
なぜ直接被害のなかった路線の復旧が遅れたのか
2018/09/15
JR北海道は地震発生後、その直前の台風被害も含め列車の運行を全線で中止しました。9月7日からは一部の路線での運行を再開。9月15日までに特急を含む多くの路線で運行を再開しました。
とはいえ、地震発生から1週間以上経っての再開。もっと早く運行を再開できる方法があったのではと一部メディアやネットでは騒がれていました。また、再開の遅い路線は「JRが廃止をしたい路線なのだ」という真偽の不明なネットの意見も目にしました。
今回の地震は、その前に台風被害があったことを忘れているのではないでしょうか。
9月4日-5日は元々札幌-函館・帯広・釧路・稚内への特急列車を運休する予定になっていました。
また、ほぼ全道全ての路線(石北線を除く)で普通列車も運休していました。
特に岩見沢-旭川や札沼線などで倒木が多数発生し、運行できない状態が5日夜まで続いていたわけです。
その上で全道で停電し、ほぼ全ての施設が電力の無いままで作業するということになりました。また、職員そのものの被災しているわけで、出勤できる職員が大幅に減ったことも想像に難くありません。
JR北海道の公式サイトでは9月6日11時頃までサイトの更新さえ行えず、運行状況を表示することもできませんでした。そして更新できた最初のメッセージは「地震に伴う停電の影響により、当面の間、全道で運転を見合わせています。」で、この表示は9月7日12時頃まで続けられました。
停電の復旧には各所でズレがありました。列車を運行するためには運行する区間全ての駅・車両基地などの施設、そして電車を動かす変電所に電力が供給されていなければ動かすことができません。
9月7日午後最初に動いたのは函館地区の停電が復旧し、また、トンネル内の給電が可能になった北海道新幹線で、また、銭函・琴似・白石・恵み野・沼ノ端の変電所が復旧し停車駅・信号関係の電力が復旧した千歳線の快速エアポートだけとなります。この復旧も一部の踏切は職員を立たせる形で運行したと伝え聞いています。
9月7日17時頃からは函館線函館-新函館北斗のはこだてライナー、旭川-名寄普通列車が再開。旭川付近は砂川火力発電所の再稼働で比較的早く電力が戻った地域で、線路設備の被害も無く、安全確認が比較的早くされたものと思われます。翌日には石北線も再開されています。
現在JR北海道は多くの区間の信号設備を集中制御しており、単純にその地域の電力が戻ったからといって復旧できるわけではないのです。
9月8日には倒木の除去なども含め運転見合わせ区間が大幅に少なくなります。そのなかでも函館本線の長万部-小樽や富良野線は倒木の影響が残り、花咲線・釧網線は保線職員を石勝線復旧に集中的に行うこともあって残したように思われます。特急利用客だけで無く、貨物輸送の必要性を考えると石勝線の復旧は最優先に取り組む必要がありましょう。これをもって地方切り捨てだと批判するのは間違いで、これを先に復旧させなければその「地方」が困るわけです。
結果的に橋梁にダメージのあった日高線以外は復旧日程が確定し、今月内に全て再開できる見通しになりました。多少のずれや段差があっても乗り越えられる道路と違い、鉄道はそのずれが脱線など事故に繋がることはここ数年のJR問題で何度も言われてきている話です。ここで復旧を焦らず確実に行うのが大事なことです。
全道規模で起こった停電を考えると1週間程度で特急走行区間だけでも全線復旧できたことは早かったとすら言えると思います。また、廃止示唆線区ですら復旧に目処を付けていることは、それがJRの地域への誠意と私は思うのです。