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北海道の交通関係
JR北海道運賃値上げに関する考え方
2018/10/22
JR北海道の路線見直し問題を議論することになっている6者協議のニュースがありました。
6者とは
・国土交通省
・北海道庁
・北海道市長会
・北海道町村会
・JR北海道
・JR貨物
の6者です。ここでJR北海道は運賃値上げについて言及しました。
北海道新聞 2018年10月20日
JR、19年10月値上げへ 6者協議で表明 赤字基調変わらず
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/239910
さて、JR北海道の運賃値上げに関しては以前このブログでも記載しています。
North-ttblog 2018-06-14
JR北海道運賃値上げ報道
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=292
ここでは国鉄-JR北海道と北海道内の各事業者の運賃対比などを載せています。
現実的に私たちが物を買う時の「物価」は徐々に上がっており、鉄道運賃は「優等生」の部類です。現実的には幅運賃で便、日ごとに大きく運賃が変わる航空運賃や、競合区間だけ割り引いているバス、運賃値上げを批判する新聞購読料金など1987年比なら40%程度値上げされているわけです。
北海道新聞 2018年10月21日
JR運賃値上げに反発も 自治体「経営努力不十分」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/240038
JR北海道が経営再建の一環として行う運賃値上げは、地方路線の見直しとは関係の薄い札幌など都市部の利用客の反発も予想される。20日の6者協議では、バス転換方針の日高線鵡川―様似間など5区間の廃線に伴う費用が約300億円に上ることも新たに判明。再建の道筋が依然不透明な中、道や自治体からはJRの一層の自助努力を求める声も相次いだ。
JRの運賃値上げは1989年、96年、97年、2014年の計4回行われており、96年を除く3回は消費税導入や税率引き上げに合わせて行われた。今回は消費税率からさらに上乗せして値上げを行う方針で、実質の値上げは96年以来23年ぶりとなる。
JRは国の年間200億円の財政支援を受け続けると仮定しているが、それでもJR単体で年間100億円程度の赤字になるとされ、運賃値上げで見込む増収額40億円は収支改善の柱の一つになる。ただ、最大の経営圧迫要因は地方の赤字路線の維持。値上げ幅によっては、日常的に地方路線を利用しない札幌圏の利用客減につながりかねない。
JRはバス転換方針の5区間の廃線などを進めて長期的に収支改善を図る狙いだが、約300億円の廃線費用が重い負担になることは確実だ。高橋はるみ知事はこの日の6者協議で、JRの経営見通しについて「さらなる収益増加、コスト削減を」と強調。北海道町村会会長の棚野孝夫・釧路管内白糠町長は「グループ企業も含めた経営努力が不十分」と厳しく指摘した。
北海道新聞 2018年10月21日
JR値上げ方針 納得ゆく説明が必要だ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/240046
JR北海道の島田修社長は、国、道、自治体関係者らとの6者協議で、来年10月に運賃を値上げする方針を明らかにした。
JRは、消費税の増税分を除き、1996年から運賃を据え置いてきた。収支悪化が続く鉄道事業を守るための値上げはやむを得ない面もあろう。
それでも利用者の負担を求める以上、根拠を明確にするべきだ。
JRは今回、国や地域の支援を前提に鉄路維持を目指す8区間について、必要となる財政負担の規模に言及しなかった。
本来ならば路線存続のためにJR、国、地域がどう負担を分かち合うかを6者協議で徹底的に話し合った上で、なお不足する分を利用者に求めるのが筋だ。
肝心な情報をあいまいにしたまま、利用者負担の議論を先行させても理解は得られまい。
JRの路線見直しを巡っては、国が2019、20年度の2年間に400億円の財政支援を行うことを7月に決めている。
8区間を維持するために、道や沿線自治体がどの程度の負担を求められるのかが、今回の6者協議の最大のテーマだった。
ところが、JRは今後5年間の収支見通しを提示したものの、8区間の資金不足額は明らかにせず、議論は先送りされた。
JR幹部は「支援をお願いする立場上、こちらからいくらほしいとは言えない」と説明するが、責任ある態度とは言えまい。
不足額が沿線自治体の負担限度を超える可能性を想定し、道は国に対し、地方交付税で補填(ほてん)する地方財政措置を求めている。
まずはJRが自ら必要とする支援額をはっきり示さなければ、話は前に進まない。
こうした議論を素通りして、1年後の運賃値上げを打ち出したことには疑問が残る。
値上げによって、札幌圏など路線見直しの対象になっていない地域の利用者や観光客らの負担も増えることを忘れてはならない。
北海道だけが値上げすれば、本州のJR各社との運賃格差も拡大する。
経営難という事情を利用者に理解してもらうには、8区間の支援の枠組みを含め、必要な情報を開示していく努力が欠かせない。
具体的な値上げ幅は今後詰めるとしながら、40億円の増収効果を見込んでいるのも不可解だ。
運賃値上げは暮らしに大きな影響を与える。道民が納得できるよう説明を尽くす必要がある。
暮らしに影響が~とか説明を尽くす必要がある~という北海道新聞の値上げ時は何ら読者に説明していないと思うんですけどね。どんな企業も様々な物価が上がっているなか、その価格を転嫁することは致し方ないことです。新聞だろうがバス運賃だろうが同じです。しかし鉄道運賃の値上げに対してだけこのような「叩き」とすら思える批判をすることに何の意味があるのでしょう?
今回こんな表を用意してみました。まず、1987年(JR北海道発足時)を100とした、北海道最低賃金の指数、老齢基礎年金の指数、北海道消費者物価指数、そしてJR北海道の運賃改定による賃率指数、同様に北海道中央バスの指数です。
また、1980年を100とした同じ表です。
これをグラフにしたものです。
JR北海道発足後は消費税増税以外の運賃改定は一度だけです。その間にバス運賃は何度も改定されています。バス運賃は区間によってそのまま適用せず鉄道運賃に合わせた割引が行われています。JR北海道運賃と北海道消費者物価指数はほぼ一致し、JR北海道が運賃改定に消費者物価を非常に意識していることが伺えます。これは1980年を100とした表で見るとわかるとおり、当時の国鉄が消費者物価を無視した大幅な値上げを行い、利用者が離れたことの反省でしょう。国鉄の運賃はあまりにも値上げしすぎました。
では、何故バスはそれを無視した大幅な値上げが可能なのでしょう?
鉄道運賃と違い、競合区間は他社に合わせる、他の交通機関と競合する区間は据え置くなどの柔軟な運賃が可能だからというのが理由でしょう。先のブログの通り中央バスは区間によってほぼ同じ距離でも運賃が大幅に違うわけです。
JR北海道の値上げが行われるとして、現在の鉄道運輸収入728億円で40億円程度の増収を考えるということで消費税アップ分を合わせて約7%程度の値上げになる可能性があります。札幌-新札幌で10円か20円アップ、札幌-小樽で40円程度アップ、札幌-旭川で170円程度アップというものです。
今回運賃制度そのものに改善があるか(JRの運賃はキロ区分が大きいので)は気になるところです。個人的には幹線・地方交通線などの運賃制度をもう少しわかりやすくして欲しいとは思っています。
ちなみに本州のJR各社も今のままの運賃制度でやっていけるかは未知数です。数年内に運賃の値上げはあるものと思っています。これは少子化や調達価格高騰は続いているわけで、利用客の数がいてもその分の投資は必要になるからですね。