北海道の交通関係

「JR北海道再生推進会議」の解散

2018/11/14

北海道新聞 2018年11月14日
路線廃止決断促す声も JR再生推進会議が解散
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/247946
同会議はもともと、2011年の石勝線脱線炎上など一連の事故や、レールの検査データ改ざんなどの不祥事を受け、JRの安全対策を議論するために発足した。だが、安全投資を続けるためには経営改善が必要で、路線の見直しは避けては通れないとの立場から、提言書や有志による声明文で、路線見直し議論を加速させるようたびたび促してきた。


JR北海道再生推進会議は平成26年(2014年)にJR北海道の安全対策を監督し、助言する第三者委員会として発足しています。

議長
・日本郵船会長 宮原耕治氏
委員
・北海道知事 高橋はるみ氏
・弁護士 桶谷治氏
・北海学園大学工学研究科長 上浦正樹氏
・弁護士 國廣正氏
・明治大学名誉教授 向殿政男氏
・北海道大学経済学研究科長 吉見宏氏
・元北洋銀行頭取・商工会議所会長 高向巌氏
の8名で構成されます。(役職は当時)

議事概要はJR北海道のWEBサイトに掲載されています。

JR北海道
JR北海道再生推進会議 議事概要
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/09.html
(URLが変更になっているようです)
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/01_02.html



JR北海道再生推進会議が提言してきたこと

・第1回 平成26年(2014年)6月12日
基本的にJR北海道への姿勢の糾弾大会の形相だったことが伺えます。これは2011年の石勝線脱線事故後も2013年の函館本線特急列車出火事故、大沼駅貨物列車脱線事故などさまざまな事故が相次いだことを受けたものですから当然ではあります。
2014年1月にJR北海道の元社長としては2人目となる坂本真一氏の自殺もあり、批判以外の目がJR北海道に向くことはなかったわけです。
また、事故防止、安全投資についても優先順位が明確ではなく場当たり的になっていたという批判は当然とも言えます。よりリスクが高いものからコストを掛けても優先しなければならないのは当然で、第1回はその方向性を説明する形になったように見えます。

・第2回 平成26年(2014年)7月3日
発言者の記載が無いが、誰がどの発言したのかはなんとなく理解できる。ひたすら自助努力を言う方と、貨物列車運行コストへの言及、実際には道路でメンテナンス上の問題で通行できないなどの場所があるが、鉄道はよく管理されているなどの一定の擁護面の方、そして経営安定基金等への言及も出ている。
会社側から分割民営化前後の設備更新で一定の設備が新しい状態からスタートしていること(例えば気動車の新製配置、信号設備などの更新)と、それから年数が経ち老朽化、設備更新の必要になった時点で財源を高速化に重点配分せざるを得なかったことが発言されている。

・第3回 平成26年(2014年)9月29日
9月1日-2日に現地調査(五稜郭車両所など)また、9月29日も実施(研修センターなど)
安全投資を優先することで一定の利用者へのしわ寄せがあることへの反発発言が相次ぐ。しわ寄せを利用者や地域に押しつけるのかという発言。
そして、ここで委員から「バスでよいならバスにして鉄道を廃止する」という発言が初めて出る。ここでは5年のロードマップが提示されたわけですが、これは事業改善命令、監督命令によるものですね。
また、ある委員が「隣のJRが何をしているのかわかっていないのではないか」という意味不明な発言があり「JRグループ」が何らかの企業グループと混同しているような印象を持ちます。「一般の意見」は大事ですが、ここは何の会議かというと、素人に説明する会議ではないのだから事前勉強もしないで参加というのは不誠実だとも思うのです。

・第4回 平成26年(2014年)12月5日
コンプライアンス、社是、経営理念の変更についての意見。正直なんだこれって内容。こんなこと「議論」にもならない。何故そこまで他社に口出せるのか見識を疑うような発言が多数。特に新しい内容無し。

・第5回 平成27年(2015年)2月5日
現場の苦労について委員や外部が知ることが少ないという意見があり、深夜の手稲駅構内で除雪作業などの見学、報道公開が行われた。
雪害対策について広く広報すべきという意見は私も日々思っているが、本州マスコミはこれを取り上げない。雪が降れば大変なのは頭では理解しても、毎日振るんだから対策できてるのが当然位にしか思っていない。ちなみに保線関係の一般周知パネルはこのあと何カ所かで行われたが、当然駅に来ない、普段JRを利用しない人には伝わらずマスコミも一切取り上げなかった。
「社是」の1番目に安全輸送に徹することが提言されたことが決まった最初か。

・第6回 平成27年(2015年)3月16日

JR北海道
「安全投資と修繕に関する5年間の計画」
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150325-3.pdf


が報告された。委員から「これだけ多く、今後も継続して費用が必要なのか」という言ったいいままで何を見てたんだという不勉強な発言があるなど、委員の皆様は本当に興味の無い中参加してたんだというのがわかります。内容がかなり薄くなってきていて、とりあえず回数稼ぎ的な開催になっていることが伺えます。

・第7回 平成27年(2015年)5月18日
委員の現場視察が何度か行われたことから行われたが、全く内容は無い。
ただ、初期の糾弾大会から変わったのは実際に鉄道を動かす現場を見て、今まで自分達が思っていたであろうマスコミの目を通じた情報よりも現場は頑張っており、意欲が有り、少なくとも想像していたような弛みなどの傾向が無かったとも言えるのかもしれない。幾ら表向き取り繕っても、その現場が懸命に活動しているかはわかるものでありましょう。

・第8回 平成27年(2015年)10月28日
吉見氏がJR北海道社外取締役就任のために辞任。
6月に会議から「提言書」を受けたこと。この取り組みについて

JR北海道再生推進会議
JR北海道再生のための提言書
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150626-3.pdf


委員の意識が少し変わったのは「JR北海道の状況は四面楚歌である」「日高線の問題は北海道の鉄道の典型的な問題」などの発言が出てきていること。ただし、相変わらず発言にたいした中身が無い。これを聞くと提言書は委員の総意というより一部の委員の思いだけで作られたという印象を持ちます。高橋知事は出席していない。

・第9回 平成28年(2016年)5月11日
未だに「新幹線が来る道南以外に配慮」などという今更何を言ってるんだという発言が出る。「説明と情報公開」と言いながら「何を」というのは無い。オレが聞いて足りないと思うから足りないんだというレベルで何故委員ができてたんだろう?
ここでは改めて「選択と集中」という発言が多く出てくる。「鉄道は文化財では無く地域の足」など、今までバス転換しなかったのが悪いレベルの発言が出てきたのは、一部委員に感化されたのだろうか?今までと毛色が変わりすぎて気持ち悪いし、改めて委員は勉強が足りなすぎる。

・第10回 平成28年(2016年)10月24日
無人駅の廃止などにも言及し出す。そしてこのあと「当社単独では~」の発表になるわけです。中身があまりないのは「当社単独では~」を発表する為の事前告知という側面があったか。高橋知事は出席していない。

JR北海道
当社単独では維持することが困難な線区について
https://www.jrhokkaido.co.jp/pdf/161215-5.pdf



・第11回 平成29年(2017年)5月24日
「当社単独では~」の発表後の取り組みが遅いという発言が多い。これはJR北海道の資金力が少なくなっており、資金ショートの恐れがあるから。そして、この時点で既に「民営化の是非」なんて論点デカすぎて時間かかるから論点絞れという発言がある。
知事がいつまでも言っているJR社員賃金についても言及。市町村公務員より低位レベルと反論。高橋知事は出席していない。

・第12回 平成29年(2017年)10月23日
この時点ではJRは廃線への動きが遅いだけの糾弾大会になっている。既に「再生推進会議」の中身では無い。そしてこの内容を見る限りこの会議はもう存在を失ってるようだ。高橋知事は出席していない。

そして行われた13回目。1年以上開いて行われたが、この内容では存続の意味は無く、知事は途中退席。後味の悪い内容に見えます。議事要旨が公開されるでしょう。

10回以降高橋北海道知事は出席せず、議事の中身を見る限りよくわからない発言をしていたのは知事で、廻りに諫められたり、JR北海道擁護と取られる発言が面白くなかったのではないかという印象を持ちます。議事要旨だけですが、はっきり言って何のために行った会議なのか。最初からJR北海道が「当社単独では維持することが困難な線区について」を発表するにあたっての観測気球、もしくは事前承認のような意味合いが強く、特にこれを発表後の早く廃線協議を進めよ、知事は積極的に関与せよという委員の発言に対して知事が反発していたのではないかという印象を与えます。

北海道新聞 2017年10月28日
「沿線自治体からはJRに厳しい指摘」 高橋知事、道への批判に反論
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/141476
JR北海道の路線見直しに関し「沿線の方と話すとJRへの厳しい指摘が多い」との見方を示した。23日のJR北海道の第三者委員会「JR北海道再生推進会議」で道に積極関与を促す厳しい意見が相次いだことに反論した形だ。


このような記事も出ています。知事にしてみれば進めようが反発しようが自らの責任となるわけで、「JRのほうが悪いもーん」レベルの見苦しい反論を会見で言う羽目になります。

これを見る限り今後も北海道知事は路線沿線自治体が決めた「廃線決議」を追認することはあっても、自ら(北海道庁として)廃線の提案や逆に維持するという決議もしない。後は時に風に任せるという印象でしかありません。

もちろん北海道や沿線自治体が予算を出せないことはわかります。しかし、国にJRに依頼するにあたって「北海道はどうしたいのか?」という方向性が未だに全く見えないのは疑問です。つべこべ言うな、乗ってるから8路線は残せ国で金を出せと言い切れるのもまた知事ですし、線路は要らんから高速道路を4車線で全並行区間整備し、新幹線を早く作れと言えるのもまた知事なわけです。

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