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これから大人になる息子へ

2018/11/19

塾の先生から呼び出されて、お父さんはそれなりに驚きました。
私の息子だから成績が優秀であるとは思っていないし、そこそこ頑張って部活に打ち込み、塾に通っているのを知っていますから、特別何も言わないで来ましたね。

お父さんの同じ年代の人。第二次ベビーブームのピークの頃ですから、出生数は209万人くらいいます。前後の人を合わせて、学校には仲間がたくさんいて、そして、お父さんの世代だけでブームを起こし得た頃です。お父さんがあなたの年齢だった頃、1990年頃はとても景気がよい上に、怖い物知らずで町を闊歩していました。

あなた方が生まれた2002年頃、同級生の数は115万人くらいかな。極端言っちゃうとお父さんの世代の半分しかあなた方には「仲間」がいない。だから、これから進学、就職するときに、あまり競争しなくても「進学」「就職」そのものはできると思う。ただ、それは「選ばないから」でしかないです。定員に対して入学希望者が少ないのだから、勉強しなくても進学はできます。そのあと、就職は人不足ですからできますが、自分の本当に希望した職業に就けるかは別の話です。

お父さんの就職した頃は就職氷河期のはじまり。お父さんは家庭の事情があって高校しか出ていないから、同級生よりちょっと早く、なんとか就職にありつけたけど、大学に進学した人が希望の職業どころか「就職そのもの」ができない事態になった人がたくさんいたんだ。就職が決まっていても企業が破綻してしまったり、特に北海道では大きな金融機関が破綻したことで多くの企業が採用を削減したり、既に就職している人を解雇したりせざるを得なかった。お父さんも何度も辛い思いをして今に至ります。

そして、景気が持ち直した2008年頃、今度はそれまで何とか出生者数150万人くらいを保っていた世代が、1986生まれだと138万人くらいと大幅に減少する。大学卒業生が急激に落ち込んだ時期に重なったこともあって今度は一挙に人手不足となって多くの企業が大量の学生を採用しようと動いたのね。しかし、このとき、なにがあったかというと、優秀な成績の学生にはいくつもの内定が出ても、優秀では無い学校、学生からは内定が出ないという格差が大きくなった時期でもあるの。
就職できなかった学生は「派遣」などの不安定な職業。もちろんあえて派遣を選ぶ人も多かったのだけれど、非正規の雇用者はなかなか給与が上がらないわけです。採用を絞った時代が13年も続いたのだから、どの会社もいびつな年齢人員構成になっているけれど、中途採用でその年代の人を雇っても、あくまで「新入社員」でしかなくて同じ年代でも格差が大きいんだ。

それから10年経って、今度はあなたたちのおじいちゃん、私の親の世代が引退しようとしている。あなたのおじいちゃん、70歳で嘱託で仕事してるでしょ。おじいちゃんが生まれた1949年は270万人近く生まれた世代。とっても人数が多くて、その後その世代の人働いたこと、そして働いて得たお金を使ったことで景気がよくなっていったんだ。たとえば、その人達がみんな家を建てれば家を作る大工さんもたくさん必要、木を切る人運ぶ人、窓や備品を作る人たくさんのお金が動き雇用が生まれるし、そしてその人達がまた家を建てる、そしてまたお金や雇用が生まれる。そういう時期だったの。おじいちゃんが25歳くらいの頃の1973年の新築の持家住宅は60万戸オーバー。分譲、賃貸なども合わせれば190万戸にも及ぶの。でもね、お父さんの世代は持ち家で40万戸、分譲、賃貸合わせたら120万個程度しか無いの。その後さらに減って2009年には合わせても100万戸いかなかったるする。安定した職業に就けないと家を建てるのは難しいのね。

おじいちゃんの世代が引退、その後毎年160万人以上産まれた世代の人が引退していくんだ。その代わりに入社するのがあなた方の世代。

15人で仕事してたのが10人以下で仕事しなければならなくなるんだ。だから、企業は人が必要。あなた方の世代は安泰だ・・・とはいえないんだよね。2008年の好景気の時に人は欲しいけど、出来の悪い人は要らないというのが今も続いているんだ。そして、今政府は足りない分を海外から人を入れてなんとかしようとしている。

じゃあ、あなたたちが、就職し、食べていくにはどうしたらいいんだろう?もちろん企業に入ることは目的では無いけれど、いろんなことを勉強して、いろんな経験をしていく方が仕事の幅は広がるかもしれない。

でも、悲観的にならなくてもいいよ。大人だからこそできる仕事はいっぱいあるし、どこかで一発逆転はあるかもしれない。でも、それを狙うなら、やっぱり知識や周りを見る洞察力なんかも含めて勉強して、経験した方がいい。

今、「将来なりたい職業がわからない」のはあたりまえ。あなたがたは仕事をしたことが無いし、大人にしか経験できないこともしていない。もしかしたら大人しか行かないバーのマスターになるかもしれないし、子供の頃しか見ていない幼稚園の先生になるかもしれない。慌てることはない。でもね、そのやりたいことが見つかったときに、学力が足りなくてその学校に行けないとか、寂しいことじゃないか。

だから、できる限り勉強はしていてほしい。そして、自分で行動してどこへでも出かけられる準備をしてほしい。これだと思った時に動けるか、それが大事なんだと思うよ。


さて、大人は汚いから言うけれど、あなた方にかけている塾代は決して安くはない。大人は出資に対してどうしてもリターンを求めたいんだ。塾行ってやる気も無く過ごしたり、提出物を出さないで怒られたりするのは、お金を出したという意味では寂しいことなんだ。やりました、やった結果でうまく行かなかったというのは仕方ないと思うけれど、ただ、塾行きました、帰ってきました、ゲームして忘れましたじゃ困るんだ。

お父さんはたまたま縁あって就職できて、いくつか転職して、いろんな経験して、お母さんと出会って、あなたたちが生まれて、お金は大変だけれど家を買って、なんとか生活していけています。あなたたちに求めるのは、「生きていてほしい」ということ。生きていくと大変だけれど、楽しいことも沢山あって、でも、いくつかのことにはどうしてもお金が必要で、そのお金を自分の得意なことで貰えるならステキなことだと思うし、それを目指していってほしいんだ。残念ながら今の世の中、生きることはお金を貰い使うことだから、だからお金のことはしつこく教えているってことをわかって欲しいと思います。そして、お金を稼ぐために勉強が必要だよというのもわかってほしいんだ。

追伸:お父さんの部屋の飲み物を勝手に持っていかない。持っていくなら代金として100円入れておくこと。

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