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北海道の交通関係
日高線廃線を前に地域に利便の高い公共交通に変えていこう
2018/11/20
長く結論が先送りされていた日高線の一定のバス転換の方向性が打ち出された。ここはまだスタートですらない。日高の7町が利便が高い交通機関を構築するのはこれから。
まず、地域に確認しておきたいのは鉄道である日高線が全線復旧していれば「地域の交通は利便が高かったのか?」という点。現実に利用が少ないのは利便性が低いからでもあります。集落から駅が離れ、病院や学校も離れている鉄道が本当に利便が高く、これさえ復旧すればそれでいいのか?ということに誰も答えていないわけです。
災害から復旧しなかったのは不幸な話です。しかし、仮に復旧してたとしてもその後廃線の話は避けられなかったわけで、そのときは留萌線のようにのらりくらり籠城を決め込もうという考えが見え隠れしていたからこそ被災初期に国とJR北海道が全線復旧を前提に動いていたにもかかわらず、その後廃線提案、国からの鉄道への支援無しという結果になったとも言えます。
個人的には日高線を日高門別までは鉄道で維持するという案はとてもよいと思っています。日高門別駅は駅徒歩圏内に町役場、国保病院があり、駅裏手に国道が走りますので、駅の南北から行き来できるよう設定し、バス乗り継ぎ拠点として整備が可能でもあります。(北側は若干の再開発が必要か)また、高速バスへの乗り継ぎ拠点とも機能させ札幌へは高速バス、苫小牧へは鉄道へ乗り換えさせることにより直通より短い時間でアクセスできるようになるわけです。高速バスは小集落を経由せず高速道路を使うことで浦河、静内からの所要時間を大幅に減らせ、小集落からは日高門別で乗り継げるようにするという意味です。また、浦河方面からの高速バスから日高門別駅で鉄道に乗り継げるようにすることで、浦河から苫小牧などの速達需要も確保できます。今の延々と一般道各駅停車、しかも苫小牧市内で大きく迂回し時間のかかる路線バスはあまりにも非効率すぎます。
富川地区に複数駅を設置することで利便を向上でき、代行バスと重複しつつも富川高校を発着にすることで日高門別での学生乗換を最小限にできるという方法を採れます。
それを可能にするためには、日高門別-様似の廃止を前提に日高門別復旧に7町が取り組むことです。そして、復旧だけでなく、既存バス、代行バスも含めた路線再編が必要になります。これは沿線自治体と道、国による補助金運行となっている道南バスも含めてです。
なお、日高門別までの復旧はそれ以遠よりはマシというだけで、汐見-富川でも路盤流失が起きており、この区間の復旧も簡単なものではないし、その後維持管理するためには相応な費用がかかりましょう。当然その費用をJRが持てないというのがこの区間の復旧に二の足を踏む理由の一つです。
JR北海道から日高町に提示された日高門別駅の折り返し設備設置のための費用は1億円、これに一定の運行費用などの拠出は求められましょう。そこまで負担して鉄道を残すのか?という話です。
しかし、私としては「日高の意地」として日高門別までの復旧を求めたい。もちろん簡単ではないのは書いた。しかし、日高がこれからも観光客を呼び、本気で札幌等から人を集めたい。また、日高の人たちが札幌、新千歳空港などへ行きやすくするのだと思うなら、鉄道を日高門別まで残すのは地域のチカラでやった方がいい。鉄道と門別競馬場を結ぶことも含め、地域がどれだけ本気になれるか。
もう一つは、日高門別までの復旧は「苫小牧・新千歳空港・札幌」という道央圏の一員に日高町を含めるかという話。日高町は日高管内だけれども通院、通学、買い物などを一定苫小牧や札幌に頼る。鉄道が無くなることで、苫小牧との結びつきが強い土地なのに未来永劫鵡川乗り換えになることを是とするかという観点がある。門別競馬場にしても駅からタクシー5分、シャトルバス有りと書くのか、鵡川駅から車で20分、路線バスで30分(シャトルバスなんか出さないよ)と書くのか?そういう面。
これは一応現時点で鉄道の維持が出ている鵡川でもそうなんだけど、今の恐ろしく苫小牧市内で使いにくい(駅間が異常に長い、本数が少ない)鉄道をどうするのかまで考えた政策が無いと維持の意味も無い。
普段大人は鉄道もバスも使わないのが当たり前の地域だからこそ、クルマを使わない人が生きていける環境としての公共交通を一定の支援で維持するという観点は考えた方がいいとも思うわけです。
さて、新冠、新ひだか、浦河、様似の沿線4町+えりも町については、バス一本化で幹線となる札幌への高速バスをもっと「高速性」を発揮する形にし、間を一般のバスで埋める形にはしたい。少なくとも今の鵡川まで延々一般道経由なんて高速バスでは高速バス自体が無料自動車道の延伸で早くなっていく自家用車と差がつきすぎて利用者を大幅に減らしてしまう。せめて札幌-鵡川-(日高門別)-静内(この間は自動車道開通までは現行通り一般道経由)浦河くらいの形にはしたい。また、札幌市内の経由箇所も検討。将来的に都心への高速道路接続があれば大幅に短縮できるような試みも必要。
えりもや広尾への高速便とも一定の共同運行体制が必要だし、代行バスとも相互乗り継ぎで直通運賃にするなどの対策は必要でしょう。そのくらい大幅に変えないとただ鉄道が廃止になりました、各駅を寄り道する鈍足バスを走らせました、お客さんが減りましたという結果にしかなりません。地元の人がこれなら便利でこれなら使えるという運行形態にしなければなりません。
そして、それを考えるのは国でも道でもない、札幌など別な場所に住んでる人でも無い「地元の、地元による、地元のための」交通網構築をしなければならないんです。それに対して金を出してくれというスタンスが求められます。
1980年代の国鉄廃止線と違うのは、あの頃はどれだけ地元が負担すると言っても国鉄-JRのままでは路線を残すことができませんでした。しかも協議が決裂したら強制的に廃線バス転換(地元の人が使い良いか使いにくいか関係なく)にできるオプションまで付いていた。今回は違います。地元関係の拠出や交渉でJRのままで路線を残せる目があり、地元が思うままの路線を構築することもできる。そしてそのためにいくつか国はメニューを用意している。これが「地方分権」の考え方の一つでもあるわけです。