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北海道の交通関係
日高門別・富川を見てきました
2018/11/29
仕事で門別町に行きましたので、日高門別駅・富川駅と周辺を見てきました。
ペガサス号は余裕の運行
札幌から日高の市町村へ出かける時、公共交通を使う場合はほぼ道南バスの高速ペガサス号を使うのが一般的です。所要時間を比較してみましょう。・高速ペガサス号
大谷地ターミナル8:40-門別緑町10:09 約1時間半 運賃1,940円
・JR
新札幌11:08-日高門別13:33 約2時間半 運賃2,160円
日高線の本数的にも、時刻的にも札幌からの出張で静内までの各地に午前中に着けて、浦河でも午後一から仕事可能と思うと仕事での移動で鉄道+代行バスを使うような需要は皆無です。

職場の最寄り大谷地から出発します。札幌駅ターミナル始発のペガサス号は大谷地駅に10分近くおくれて到着しました。バスの不便なところはこのような時に案内が無いことですね。今は位置情報を表示できるシステム等もありますが導入費用がネックで進んでいません。
車内は大谷地発車時で11人。平日の朝から日高方面への移動は出張の人が多いのでしょうか、スーツ姿の方も見かけます。
うとうとしていると高速を降りて鵡川道の駅。5分ほど早着です。ここから先で乗る人はいませんのでバスは早発しても構わないのでしょう。1人降ろして出発。以前この便から鵡川で接続していた旧富内線転換バス穂別行きは現在タッチの差で接続しないダイヤになっていますが、早着するようなら接続できそうです。(実際は接続できるようになっているのでしょうか?)
門別緑町には10分近く早い10時ちょうど頃到着。相当運行には余裕がありそうです。
日高門別駅と門別町役場

門別緑町のバス停は国道沿いで日高門別駅の裏手になります。住宅地を歩いて駅側に行きますと案の定勝手に設置されたような自由通路があります。本来はJRとしてはこのような線路横断をが発生する勝手踏切は嫌でしょうが、地域の人には便利な通路になっているようです。

駅は代行バスの待合室にはなっていますが非常に殺風景です。駅の中は自治体の展示スペースのようなものもありますが全く活用されておらず、寂しい限りです。
この駅裏手に太陽光発電所があり、線路用地を活かせばバスターミナルのようなものは作れそうに見えます。駅と役場庁舎、バスターミナルの一体施設ができればかなり利便性は上がりそうです。現在の鵡川駅よりバリアフリーに優れたバス乗り換え施設は必要でしょう。
門別町役場は日高線の早期復旧の垂れ幕はあるものの、役場庁舎内のバス時刻表は古いまま。JRから送られてくる時刻表は新しい物がついているようですが、どうも公共交通に真剣みを感じません。そもそも駅自体がこのように放置されているのは残念です。現在の管理者は町役場と思いますし、平成2年の改築時にはキオスクも物産販売所も併設されていたものが2011年のキヨスク撤退で完全無人化になった後は放置され続けたとも言えます。

富川駅・富川高校
さて、路線バスで富川へ移動します。本数の多くない路線バスの乗客は高齢女性ばかり10人ほどでみな門別温泉で降りてしまいました。しかも全員が敬老パスでの利用。鉄道代行バスは敬老パスでは利用できませんし門別温泉で下車もできませんので最初から利用する選択肢に無いのです。門別警察署前で下車。目の前に日高線の沙流川橋梁が見えます。見た目には健全性は確保されているようには見えますが、桁が短い古い鉄橋であることはわかります。

市街地を通り抜けて富川駅です。富川は日高線に併走する国道235号線と平取、旧日高町を経由し占冠、そして富良野方面を結ぶ国道237号線との交点がありますので、国道付近が栄えている街です。しかし、駅は大きく離れた住宅地にあります。駅の周りは新興住宅が建ち並ぶくらいで特段なにもありません。元々は沙流川や平取方面からの沙流鉄道を経由しての原木を貨物列車で輸送する為の駅ですから旅客利用に便利な場所ではないわけです。駅内はこれまたがらんどうで何も無いといっても過言ではありません。90年代終わりまでは売店があったり駅スタンプが置かれているなど、鵡川と並ぶししゃもの産地富川をPRしていたわけです。今は寂しい限りです。

ここから通学生の利用する富川高校は約1.2km、しかも長い上り勾配と階段を経由しなければなりません。列車代行バスは一部の便が高校を経由するようになったのはこの立地の問題があります。
仮に坂の下の旭町会館付近に駅があれば通学生はかなり利便を享受できるでしょう。

さて、富川の市街地に戻りました。大型スーパーマックスバリュ富川店近くの踏切付近に仮に駅があれば市街地利用者は非常に便利になりましょう。また、平取方面への乗り換え拠点になります。そういう面でもここは「ターミナル」にしたいところです。仮に鉄道が廃止になったとしても現在の富川駅を中心に路線を作っても利便を享受できません。必ず高校と市街地を経由した路線が必要になります。道路はうまく接続していませんので(そのため現在も代行バスは大きく迂回して富川駅前を経由する)線路跡を利用した道路を含めた再開発も必要になります。

鵡川
さらにバスに乗り鵡川から地震による運休から復旧した鉄道で帰宅しましたが、鵡川駅は富内線廃止時に駅を町が管理するようになっており駅内旧窓口には地域の人による喫茶店が営業されていて、こういう駅を活用しようという意識の差が自治体間でありそうな気がいたします。この駅も無人化、キヨスク撤退など他の町と同じような縮減を辿っているのは同じだからです。
とはいえ、むかわ町も日高線の日高門別方面復旧に対しての態度は明言していません。隣の汐見駅への足として町営バスはありますし、日高管内方面への移動は少なくともむかわ町からは非常に少なくなっているという面があります。むかわ町の議会議事録は平成28年から公開されていないので日高線関係についてどのような質疑があったのかはわかりませんし「議会だより」にも掲載はありません。
震災による減速があるとはいえ、列車での移動は安心感が違います。本音としては鉄道が地域に利便をもたらし、地域の人がこれが必要なんだと思う声が大きいなら復旧した方がいい。しかしながら、地域の人は多くが鉄道にもバスにも乗らない。町職員も議員も乗ったことがないのではというレベルの話しか聞こえてきません。
今鉄道代行バスで困っているのは実際に利用している人たち。そして沿線並行バスの本数も限られ、高速バスすら減便しているという現状で、鉄道が復旧すればそれで済むということはあり得ません。長期で継続できる住民の足、観光の足を構築し、改善していくしか道はないのです。